あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(浜辺美波)A感覚夢幻地獄(松井愛莉)
稲垣足穂(1900-1977)の名前になんらかの感傷を知る人も少なくなっているだろう。
Aと聞いただけで美少年を思い浮かべる人も超少数派だと思われる。
基本的にA感覚はV感覚と対立するわけだが・・・A感覚は人類共通という強みがある。
大学時代の先輩たちに「コレ」について熱中しているグループがいて・・・こういうタイトルの自主制作映画があったことを懐かしく思い出す。
ちなみに・・・キッドの悪魔名は「ANUS」であるが・・・まあ・・・どうでもいいな。
そういう悪魔の物語の映画を自主制作した時に・・・その役を演じた親友は・・・「この役名なんとかならないか」とつぶやいた。
ついでに「ANUS」は名詞であり、「ANAL」は形容詞である。
「ANAL」なんとかという場合は、「ANUS」による~ということである。
まあ・・・なんだかんだあるわけだが・・・美少女に「あなる」なんていう仇名をつけてしまう子供の無知で無邪気なことはものすごく困ったものだという話である。
で、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(フジテレビ20150921PM9~)原作・超平和バスターズ、脚本・いずみ吉紘、演出・西浦正記を見た。尻穴・・・じゃなくて谷間である。植物学系に進むものが一人もいないグループではよくある話だ。花を観察し、その花の名称を知っていることが恰好いいと思うかどうかも人それぞれであろう。まあ・・・「あの花なんて名前?」と聞かれて答えられないお父さんお母さんは少し恥ずかしい。高校時代も幼少時代もはるか彼方の思い出にすぎない人にはニヤニヤするしかないこのアニメを・・・実写化するとは・・・若いって素晴らしい。
とにかく「secret base 〜君がくれたもの〜/ZONE」(2001年)は名曲なんだな。
秩父市のとある田舎町。じんたんこと宿海仁太(南出凌嘉→村上虹郎)はめんまこと本間芽衣子(谷花音→浜辺美波)、ゆきあつこと松雪集(佐藤瑠生亮→志尊淳)、つるここと鶴見知利子(飯豊まりえ)、あなること安城鳴子(吉岡千波→松井愛莉)、ぽっぽこと久川鉄道(高橋幸聖→高畑裕太)と幼馴染の間柄。
小学生時代、じんたんを隊長に「超平和バスターズ」という組織を結成し、秘密基地で陰謀を巡らせていた仲間たちである。
ある日、目覚めたくない男子と・・・目覚めたい女子の軋轢が生じる。
じんたんと結婚したいと考えたあなるは・・・仲睦まじいじんたんとめんまに嫉妬し・・・決着をつけるべく挑戦状をたたきつける。
「どうでもいいけど・・・じんたんは・・・めんまのこと好きなんでしょう」
(え・・・それ・・・いま・・・ここではっきりさせないといけないのかよ)と動顛するじんたん。
めんまのことを熱愛しているゆきあつもうっかり・・・。
「そうだ・・・はっきりしろよ」と挑発する。
蚊帳の外のぽっぽは「言え、言え」と囃したてる。
もめごとの嫌いなつるこは・・・「めんまも困っているし・・・もうやめなよ」と仲裁する。
しかし・・・じんたんは「こんなブス・・・好きなわけないだろう」と心にもないことを言ってしまうのである。
子供心に・・・めんまを傷つけてしまったことを感じとり・・・後悔するじんたんだったが・・・もう遅い。
その場にとどまることができず逃げ出すじんたん。
そんなじんたんを案じて追いかけるめんま。
そんなめんまをおいかけるゆきあつ。
ゆきあつは・・・かねてから用意したプレゼントの「パッチン」を示す。
「じんたんなんて・・・ほっとけよ・・・めんまのこと好きなんだ・・・これ、めんまに似会うと思うよ」
しかし・・・めんまは困惑する。
「わたし・・・じんたんを捜さなくちゃ・・・」
じんたん・・・屈辱の大失恋である。
そんな・・・他愛もない子供時代の思い出・・・しかし・・・その日、めんまが崖から転落死することによって・・・子供たちは深い傷を負うことになる。
事件の発端となったあなる・・・。
それをあおったゆきあつ。
はやしたてたぽっぽ。
めんまにひどいことを言ったじんたん。
そして・・・本当はゆきあつが好きでなりゆきをおもしろがっていたつるこ。
子供たちは心に闇を抱える。
そして・・・時は流れた。
じんたんは・・・その後、母親の塔子(小泉今日子)を病気で失い、高校受験に失敗してひきこもりになった。
父親の篤(小日向文世)はそんなじんたんを生温かくみまもる。
あなるは・・・美少女に成長したが・・・じんたんへの思いは消えない。
ゆきあつはステキ男子のトッキュウ1号になったが・・・めんまへの思いをひきずりまくっている。
つるこはゆきあつへの思いをひた隠す眼鏡っ子になっていた。
そして・・・ぽっぽは幼い日をなつかしみ・・・いつまでも子供時代に決別できない。
そんなある日・・・ひきこもりのじんたんの元へ・・・成長した姿のめんまの幽霊が出現する。
「なんで・・・成長してるんだよ」
「子供のままだと・・・ロリコンものになっちゃうでしょ・・・通俗的な意味で」
「あ」
最初はとまどっていたじんたんだったが・・・東宝シンデレラ的なめんまに・・・激しく魅かれて行くのだった。
ついに・・・かっての仲間たちにめんまの存在を明らかにする。
じんたんの心の病を疑うもの・・・。
めんまがじんたんにだけ見えることに嫉妬するもの。
そして・・・じんたんがいまだにめんまのことを忘れていないことに動揺するもの。
自分もめんまに再会したいと激しく望むもの。
淡々と静観するもの。
ゆきあつは・・・めんまを思うあまり・・・ついに女装してめんまになりきる行動に至るのだった。
だが・・・めんまの示すそこはかとない霊的存在のアピールにより・・・かっての友情をとりもどしていく仲間たち。
一方・・・めんまは・・・みんなともう一度出会うために・・・生まれ変わることを望む。
そのためには成仏しなければならず・・・そのためには心残りの願いを叶えなければならない。
じんたんたちはめんまの願いを叶えるために・・・奮闘するのだった。
幼かっためんまの・・・死後の世界は・・・病床にあった・・・じんたんの母親との会話で構成されている。
じんたんは・・・めんまの死後・・・はじめて・・・本間家を訪ねる。
めんまの秘密のノートを入手するためである。
そこで・・・めんまの母親(吉田洋)がめんまの死から立ち直っていないことを知るのだった。
秘密のノートに書かれたヒントから・・・「ロケット花火」をめんまが見たがっていたことに気がつくじんたん。
花火師(火野正平)に頼みこみ・・・ついにロケット花火が打ち上げられる。
「とうちゃこ~・・・幼い日に死んだ友達のために・・・是非花火をうちあげてください・・・そうですか・・・着火」
願いが叶い・・・めんまが消えてしまうことに・・・躊躇するじんたん。
しかし・・・めんまは消えない。
めんまの願いは・・・じんたんの母親と約束した・・・母親の死を恐れるあまり感情の麻痺したじんたんを泣かせることだったのだ。
「あの日」にこだわるゆきあつは・・・じんたんに本当のことを言わせるために・・・「あの日」を再現する。
「どうでもいいけど・・・じんたんは・・・めんまのこと好きなんでしょう」
「そうだ・・・はっきりしろよ」
「好きだよ・・・大好きだ」
「めんまもじんたんが好き」
じんたんは・・・泣いた。
そして・・・めんまは昇天する。
じんたんと愉快な仲間たちは・・・めんまの残した置き手紙に涙するのである。
その時・・・消えかかるめんまの姿をみんなが目撃する。
「うわあああああ」
「本当に・・・」
「ゆ、ゆうれい・・・」
「なまんだぶなまんだぶ」
「なんだよ・・・みんな」
「ひでぶ」
阿鼻叫喚の幕引き・・・。
その後・・・じんたんとあなるは交際を開始する。
めんまが何かに生まれ変わったかどうかは誰も知らない・・・。
関連するキッドのブログ→アルジャーノンに花束を
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コメント
アルバイト控室…このシーンがとても大切で、そのシーンであなるの手とじんたんの体の物理的な触れ合いがとてもとても大切だということをよく分かっている撮影スタッフで良かったです。
自分的には『山田くんと7人の魔女』でのイメージが強かった松井愛莉も、倉科カナ/小島藤子との互換性も下がってまいりましたなー。
吉田羊…アニメと違って日本人になってしまったけど、いい配役だなー。鈴木砂羽のポジションは完全に奪ったな(ニヤリ)。
ていうか2015年夏は飯豊まりえとともに(゚∀゚)。
つるこのカラダがクルッと回るシーンはなかったですね。あれも控室とともにアニメから身体が感じられる良いシーンでございました。
いや、
> 「とうちゃこ~
よく「似てる」と言われます。or 役所広司です。
投稿: 幻灯機 | 2015年9月22日 (火) 23時30分
アリス的な谷花音とロリーナ的な浜辺美波・・・。
どちらでもいろいろと危険な妄想広がるドラマでございました。
松井愛莉≠小島藤子はまだ難題ですな。
かぶって共演してもらいたい・・・。
本間夫妻(夫・丸山智巳)は兇悪でしたな。
めんま殺しの真犯人は・・・夫婦のどちらかではないのか。
基本的にじんたんは同時多重人格としての
妄想を発していて
物質化現象を伴っていると考えます。
まあ・・・「あの花」的「あ・・・う・・・お」アニメは馴染めないお年頃なのですが。
ウエイトレスに・・・
「あまちゃん」のアメ横女学園出席番号37番「上から読んでも、なりたりな。下から読んでも、なりたりな」の成田りなでおなじみ水瀬いのりが登場したことが白眉でしたな。
アニメ「心が叫びたがってるんだ。」の主演声優だからですけどな~・・・宣伝かっ。
投稿: キッド | 2015年9月23日 (水) 01時49分