探偵たちのブルース(北川景子)ただいま失策中(川口春奈)無傷で綺麗な夢(門脇麦)
大自然の猛威・・・集中豪雨と河川の決壊・・・そして突然の危機。
自称・公共放送の伝えるライブ映像に釘付けになるお茶の間。
濁流は次々と家々を押し流していく。
堤防の様子を見に行った夫は決壊に驚き走りだす。
自宅は激流に破壊され流出する。
妻と息子は流されつつ立ち上がる。
夫は電柱にしがみつく。
出動した自衛隊のヘリが救援活動を開始。
鬼怒川よりの民家から家族を救助。
脱出後、倒壊する民家。
流された屋根の上のペット連れの二人。
その背後のコンクリート製の家。
優先順位の選択は困難だが・・・ホバリングで水面に波紋を作りながら淡々と救出活動は続く。
電信柱の男・・・コンクリートハウスの家族・・・そして屋根の上の二人と犬・・・。
避難所で再会する家族たち・・・。
「家流されちゃった」
「命があってよかったよ」
筋書きのないドラマ・・・。
しかし・・・人間という大自然の脅威は・・・筋書きのあるドラマでどうぞ。
で、『探偵の探偵・第10回』(フジテレビ201509102245~)原作・松岡圭祐、脚本・徳永友一、演出・品田俊介を見た。イベントで開催が一時間近く遅れたらブーイング半端ないぞ。来週は最終回シーズンなのに・・・またこれやるのかよっ・・・と思う今日この頃です。まあ・・・男子バレーボールにはほとんど興味がないからな・・・女子の時は言わなかったものな。まったく反社会的でない人間はすべてのプライベートが公開されても問題ないわけであろうが・・・多くの人間は羞恥心や反社会的行動から・・・秘密のあることを望む。健全な社会のためにすべてを管理しようとする人間は自分の不健全さだけは隠匿しようとする。自由に生きるための情報戦争はいよいよ佳境に入って行くのである。隠し事ができる社会が健全なのか・・・すべてを丸裸にされる社会が健全なのか・・・探偵たちはそのグレーゾーンに棲息する生き物なのだ。
「死神」をおびき寄せるために自分の所在地を明かし、待ち構えるスマ・リサーチ社の対探偵課の探偵・紗崎玲奈(北川景子)・・・。
しかし、玲奈自家製スタンガンの洗礼を浴びたのは同業者の鴨居秀一(梶原善)だった。
「なんで・・・正規の探偵社の探偵が・・・私をマークしているの」
「おたくの社長が呼びかけて各探偵社に対探偵課ができたんだよ・・・紗崎玲奈の違法行為を摘発するためにな・・・各社こぞってお前を追跡してるんだ」
「ちっ」
張り込みのための買い物袋をぶら下げる鴨居に続き、郵便受けに不在通知を残したり、不要なダイレクトメールに発信器を仕込んだりする児玉庄治(葛山信吾)や黒川勇介(袴田吉彦)の手口から探偵社を特定する玲奈。
「私は今・・・忙しいの・・・また今度にして」
「俺なんか・・・火傷を」
「なめときなさい」
「なめてくれ」
「なめとんのか」
このドラマおよび原作には「時限爆弾の作り方」とか「簡単な自殺方法」とかに似たある意味「危険な情報」が掲載されている。「家庭でできる原子爆弾の作り方」が掲載されても別にいいと思うキッドだが・・・様々な情報についてはお茶を濁しておくことにする。
「食べてはいけないもの」を「食べてしまう」のが人間だからな。
一方・・・精神的に不安定になっている姉の彩音(中村ゆり)から自殺予告メールを受け取った峰森琴葉(川口春奈)は保護中のDV被害者失踪事件の被害者の一人・市村凛(門脇麦)を部屋に残し、姉の元へと向う。
人間失格にならないための探偵失格である。
その頃、スマ・リサーチ社では須磨社長(井浦新)が業務停止処分に伴う事務所封鎖の準備を行っていた。
そこへ・・・とある精神科の病院から連絡が入る。
精神を病んだ玲奈の母親が入院していた病院に「澤柳菜々」が通院していたことを知った須磨は真相を確かめるために玲奈の父親(矢島健一)を訪ねる。
須磨は頑なに心を閉ざす玲奈の父親に・・・玲奈が妹の紗崎咲良(芳根京子)の死の真相を突き止めるために探偵になって死線を乗り越えていることを伝える。
しかし・・・自己中心的で家族を愛することと家族を支配することの区別がつかない玲奈の父親は全く動じない。
須磨は玲奈の父親に絶望を感じるのだった。
玲奈の父親は他人の情熱には何も感じない男だったのだ。
「俺に最初から相談すれば何の問題もなかったのだ」
「あなたのような役立たずには誰も何も期待しないでしょう」
「なんだって」
囮部屋に戻った玲奈を沼園賢治(姜暢雄)が急襲する。
自家製マスタードガス噴霧器を背負った賢治は玲奈を戦闘不能状態に追い込む。
「凛の居場所を言え」
「・・・」
しかし、駆けつけた探偵課の桐嶋颯太(DEAN FUJIOKA)が賢治を悶絶させ、捕獲するのだった。
そこへ・・・探偵たちを引き連れ大手探偵社を営む竹内勇樹(岩松了)が乗り込んでくる。
「なんだ・・・これは忍者の集会かよ」
「そろそろ・・・一体何のために騒ぎを起こしているのか・・・教えてもらおうと思ってね」
仕方なく・・・「死神物語」を語る玲奈。
良心的な探偵たちは玲奈の父親とは違い・・・心を動かされるのだった。
「澤柳菜々・・・聞いた名前だな」
「男だった女ですよ・・・澤柳タケオ」
竹内の部下の児玉から「タケオ」の写真を入手する玲奈。
探偵たちが情報を交換し・・・「タケオ」の電話番号が明らかになる。
「この番号から・・・住所をつきとめられるよな・・・」
「ええ・・・」
玲奈は宅配ピザに配達を申し込むのだった。
宅配ピザは住所と氏名を玲奈に確認する。
「タケオ」の住所はたちまち判明する。
「タケオ」の部屋で元・澤柳菜々を確保する玲奈と愉快な探偵たち。
しかし・・・関係書類に目を通した竹内は断言する。
「彼女は死神じやないな・・・」
「そうね」
九年前に性同一性障害による性別の変更を願い出た元・澤柳菜々。
死神は転出・転入のトリックを使い澤柳菜々の住民票を入手。
四年前に菜々がタケオになると・・・澤柳菜々になりすましたのだった。
「じゃ・・・俺たちはどこにもいない女を追いかけていたのか」
落胆した玲奈は・・・琴葉に定時連絡を入れる。
しかし・・・琴葉は応答しない。
不審に思った玲奈は凛に連絡する。
「出て行きました・・・お姉さんに何かあったらしくて・・・」
姉の自殺を止めようとした琴葉はすでに何者かによって拉致されていた。
玲奈はGPSによって琴葉の居場所を確認する。
そこは・・・封鎖中のスマリサーチ社だった。
笑気ガスによって意識を失っていた琴葉は気がつくと拘束されていた。
同じように拘束された姉には点滴を打たれ・・・心電図モニターにつながれている。
「お姉ちゃん」
「やめてよ・・・言う通りにしたでしょう・・・菜々・・・」
「・・・」
朦朧とした意識の中で・・・琴葉の頭のおかしい姉は友人である菜々の名を呟き続ける。
そして・・・部屋に誰かが現れる。
「あなた・・・誰なの」
「知らない方がいい事を知らなかったあの日には・・・もう、戻れないのよ」
囮部屋に戻り、賢治の尋問を水責めで続ける桐嶋・・・。
「どうやって・・・死神と連絡をしていたんだ」
「連絡なんてしてないよ」
「掲示板で知り合ったのか」
「掲示板・・・なんのことだ・・・俺はいつもの指示通りに」
「指示・・・」
「いつもの場所・・・消火栓の裏に・・・指示があるのさ・・・」
「お前・・・誰かにコントロールされていたのか」
「コントロール・・・いいや・・・あいつはいつだって凛の居場所を教えてくれたんだ・・・」
「お前・・・まさか・・・DVをしていないじゃないのか」
「DVなんてするもんか・・・俺は・・・世界で一番凛を愛しているんだぜ」
「・・・」
警視庁の取調室では野放図のマリコこと笹倉志帆(橋本真実)が取調を受けている。
坂東係長(相島一之)は志帆の証言から・・・DV被害者の中に不審な動きをしている女がいることに気がつく。
DV被害者でありながら・・・自由に行動していた気配がある女。
それは・・・凛だった。
「すべては女探偵の仕業です」
坂東は須磨の言葉を想起する。
盗んだバイクで走り出し・・・スマリサーチ社に急行する玲奈。
琴葉の無事な姿を確認した玲奈は安堵する。
「玲奈さん・・・逃げて」
痛恨の一撃に転倒する玲奈。
現れたのは白い服を着た凛だった・・・。
混乱する玲奈。
そして・・・彩音の心音は弱まって行く。
「琴葉・・・いつもみたいに・・・メソメソしなさいよ・・・私の胸の中で・・・菜々・・・友達でしょう・・・ひどいことしないで・・・琴葉は・・・私の玩具・・・なんだから・・・」
「お姉ちゃん・・・」と琴葉は呻く。
「琴葉・・・」と玲奈は呟く。
凛は無表情に玲奈を見下ろす。
人間は狂気から生まれ、狂気の中で生き、狂気のまま死んでいくのだ。
関連するキッドのブログ→第9話のレビュー
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コメント
梶原"王様のパティシェ天皇陛下"善、葛山"真珠夫人クウガ"信吾、袴田"いろいろ"吉彦……なんという俺得トリオ。三番目はそうでもないですが(笑)。ちなみに私はゲイではないです(大笑)。と思ったら姜"がきんちょリターンキッズ"暢雄まで。すぱらしい。
でも中村ゆりが「大事なことなので二度飛んで揺らしました」ってところもヨカッタ(笑)。
まだ録画全部観てないんですけどね(~_~;。
投稿: 幻灯機 | 2015年9月18日 (金) 19時55分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
おっさん探偵たちの華麗なる競演。
思わずニヤリとするところですな。
結局・・・主人公は
女を武器に・・・勝利するのでございます。
まあ・・・私立探偵に私情はつきものですからねえ。
このドラマの本質は
公立化する探偵業が
露見しない不正行為で成立していることの
賛歌と言えましょう。
バレなければ何してもいいというのが基本です。
「不正は悪いこと」という大前提のお茶の間では
この辺りが馴染めないポイント。
まあ・・・最終回に向けて
ある程度予定調和で
お茶の間的正義に寄り添ってくるわけですけれども~。
揺れる人々と揺れない人々の間には
それなりの需要と供給のバランスがございますなあ。
投稿: キッド | 2015年9月19日 (土) 00時17分
この回、全部観ました。
「サイコでいいとも!」
オモテの顔として農協の融資係しているかもしれないけれど、それは世に言うミスキャストというものですね、わかります。
ていうか、最初からおかしいと思うやろー。そやさけー、陶子さんこと柊子さんを配役するまーまんでーまんでー目くらましになるさけー。特に朝ドラとか好きな連中には配役の妙をたっぷり食わせて昼寝でもさせとけ。てかー。
『佐知とマユ』ってもヘンなドラマだったなぁ……と。
広瀬アリスのサイコホラー(ゾンビではなく)も見てみたいと少しだけ思うのであります。電波な人、電波人間ではなく…?
投稿: 幻灯機 | 2015年9月19日 (土) 23時25分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
門脇麦の女優魂は最終回で爆発しますが・・・
農協の融資係をしていても
凄みは匂ってきますよねえ。
アンダーグラウンドが似合う女優が
陽のあたる場所にでてくると
存在感が際立つ・・・。
まあ・・・それが得なのか損なのかは別として。
横浜の女も輪島の女もそれなりの存在感ですが
輪島の女は主役もはれるタイプですからねえ。
広瀬アリス・すず姉妹は・・・
21世紀を代表する姉妹となっていくでしょうな。
まあ・・・二人ともウエイト・コントロールが
課題・・・かもしれません。
投稿: キッド | 2015年9月19日 (土) 23時50分