デザイナーベイビー~速水刑事、産休前の難事件~(黒木メイサ)おめでた刑事かよっ(臼田あさ美)
次から次へと登場する重厚なメンバーたち。
2012年に一児の母となった黒木メイサが妊娠8ヶ月の刑事役である。
何やら・・・裏でやっているらしい産婦人科の教授が・・・渡部篤郎と渡辺いっけいだ。
病院長が柴俊夫で、人工授精を専門に行う胚培養士が斉藤由貴。
新生児を盗まれる女が安達祐実で、盗む女が安藤玉恵。
それを追跡する刑事たちが・・・神保悟志、手塚とおる、渡辺大知・・・。
もう・・・お腹一杯だぞ。
掟やぶりの夏の終わりの秋ドラマスタートを敢行する仁義なき公共放送である。
マイペースだよなあ・・・。
で、『デザイナーベイビー~速水刑事、産休前の難事件~・第1回』(NHK総合20150922PM10~)原作・岡井崇、脚本・早船歌江子、演出・岩本仁志を見た。あくまで谷間である。原作から相当なアレンジをしているようでそもそも・・・主人公は速水刑事ではない。だが・・・出産間近の女刑事が有能さを買われて新生児誘拐事件の現場に投入されるという奇妙な展開は・・・女優として静かな成長を見せる主役の実力で意外な奥深さを感じさせる初回となっている。つまり・・・面白いのだ。
城南大学附属病院産婦人科・・・高度生殖補助医療を行う「トータルケアプロジェクト」の特任教授・崎山典彦(渡辺いっけい)は脚光を浴びていた。
オリンビックで金メダルを獲得したマラソンランナー・近森優子(安達祐実)の不妊治療に成功し・・・優子は無事に女児を出産したのだった。
一方、産婦人科のもう一人の教授である須佐見誠二郎(渡部篤郎)は子供を流産した患者である岸田トモ(安藤玉恵)に責められていた。
「こんなことにはならないはずじゃなかったのですか」
「母子ともに・・・危険な状態だったのです」
「赤ちゃんを返して」
分娩のエキスパートである須佐見にとって・・・それは避けられない処置だった。
周産期の専門医である柊奈智(伊藤裕子)が愕然とする事件はその後で発覚する。
優子の病室から・・・新生児が消えたのである。
半狂乱となる優子。
病院長の峠緑郎(柴俊夫)が不在のために・・・事務長の大井出慎(佐伯新)は警察に通報する。
警視庁捜査一課特殊犯捜査係は日村係長(神保悟志)を現場に派遣する。
デリケートな事件であることから・・・腕利きの西室刑事(手塚とおる)は相棒の速水悠里(黒木メイサ)の現場投入を進言する。
若手の福ちゃんこと土橋福助刑事(渡辺大知)は・・・産休間近のために庶務課に異動していた速水刑事をお迎えに出向くのだった。
速水刑事は・・・優子から・・・命名の前ながら・・・新生児を「望」と名付けたかったことや・・・長男に電話をするために・・・病室に新生児を残していた事実を聞きだす。
その時間、アリバイのない須佐見教授が容疑者の一人として浮上する。
「ライバルの担当患者なんですよねえ・・・消えた赤ちゃんは・・・」
「私を疑っているのか・・・証拠でもあるのか」
西室刑事の追及に激昂する須佐見教授だった。
速水刑事は言う・・・。
「犯人は赤ちゃんが・・・欲しかったんでしょうねえ」
病院長秘書の有吉久美(臼田あさ美)が死産患者のリストを届けたことによって・・・須佐見はようやく・・・犯人に心当たりが生じるのだった。
非常階段で・・・岸田トモに連絡する須佐見教授。
受話器の向こうでは新生児の泣き声が響く。
電話に出たトモの夫・裕也(淵上泰史)は須佐見を罵倒する。
「どうなってんだよ・・・お前・・・何したんだよ」
「とにかく・・・その子を・・・」
電話は切れた。
岸田夫妻は「望」を連れて行方をくらますのだった。
須佐見を尾行した福ちゃんは事態を察知する。
カフエを経営する夫の浩介(山崎樹範)に連絡するために屋上に出た速水刑事は・・・人工授精を専門に行う胚培養士の山原あけみ(斉藤由貴)と知りあう。
「あなた・・・ここの患者・・・?」
「あなたは・・・」
「私はね・・・受精卵をいろいろアレする人・・・」
「いろいろ・・・アレですか」
「そう・・・日本ではまだまだデザインベイビーってわけにはいかないけどね」
「デザイン・・・ベイビー・・・」
「そうだよ・・・世界では・・・もう・・・凄いことが行われているんだよ」
「・・・」
逃亡中の岸田裕也から病院に電話が入る。
呼びだされた須佐見が手際よく対応できないために・・・交渉役を買って出る速水刑事だった。
「赤ちゃんを返して・・・」
「あんた・・・誰だ・・・」
「ノゾミの母親よ・・・」
「知ってるぜ・・・マラソンの近森優子だろ・・・俺はあんたみたいなのが一番嫌いなんだ・・・お気楽に出産しやがって・・・」
「同じよ・・・私も不妊治療をして・・・ようやく授かった子なの・・・だから・・・赤ちゃんを返して」
「俺たちも・・・須佐見に何度も同じことを言った」
「須佐見先生と同じことをしないで・・・ノゾミを返してください」
「須佐見に二千万円用意させろ・・・そしたら・・・ノゾミは返す」
何度かのやりとりで・・・逆探知に成功する刑事たち・・・。
しかし・・・速水刑事は・・・誘拐事件の裏に・・・病院の中にある深い闇の匂いを嗅ぎつける。
「この病院には何かあります」
「何があるんだよ・・・とにかく・・・お前はもういいよ」
「いえ・・・ノゾミちゃんをお母さんの元に返すまでは・・・帰れません」
「やはり・・・おめでた刑事か・・・」
「私は・・・薬師丸ひろ子じゃないですよ」
「あまちゃんか・・・あれはおめでた弁護士だし」
「NHKだけどなっ」
関連するキッドのブログ→ギネ 産婦人科の女たち
→新参者
| 固定リンク
コメント