正義感が強すぎる(西島秀俊)君が欲しい(伊藤英明)刑事だから(伊藤淳史)
これは消える可能性があるね。
あるなあ・・・。
面白いんだけどな・・・。
どうしても嫌な点があるよな。
神奈川県港中央署の刑事課長が標準語でしゃべらないことか・・・。
それだ。
どうして・・・どうして・・・こんなことするのかな。
それは・・・関西での視聴率が欲しいんじゃないか。
アホだな。
アホだよな。
アホでんがな・・・。
で、『無痛〜診える眼〜・第2回』(フジテレビ20151014PM10~)原作・久坂部羊、脚本・香坂隆史、演出・佐藤祐市を見た。土橋章宏が「超高速!参勤交代」の脚本で第37回城戸賞入選(2011年)を受賞した時の準入賞の脚本家である。ちなみに「デザイナーベイビー」の早船歌江子は第35回の準入賞者だ。入選でなくても・・・生きていけるわけである。大切なのは才能と努力そして運だな。
医師・為頼英介(西島秀俊)は「白神メディカルセンター」にやってきた。
通り魔事件で負傷した看護師・井上和枝(浅田美代子)が退院するのである。
井上は為頼の亡妻・倫子(相築あきこ)の姉だった。
為頼は街の診療所を倫子と二人で運営しているのである。
病室に・・・宝塚女優のように美しい院長秘書の横井清美(宮本真希)が現れる。
美人秘書は・・・院長の白神陽児(伊藤英明)が為頼に院内を見学してもらいたい意向があることを伝える。
為頼が了承すると白神院長自身が院内をガイドするのだった。
最新のテクノロジーが完備された院内。
待合室に・・・患者の数が少ないことに気がつく為頼。
「病院で待つのは・・・気分のいいものではないでしょう・・・そうならないように運営しているのです」
「・・・」
「当院では・・・サービスを料金によって差別化しています」
「富裕層中心ということですか」
「そうではありません・・・豊かな人から多くいただいて・・・そうでない人のために還元するということです・・・医療サービスそのものの向上はそうしないと実現しないと考えたのです」
「・・・なぜ・・・私にそんなことを・・・」
「あなたが・・・素晴らしいトリアージ能力をお持ちだと感じたから・・・」
「・・・」
そこへ・・・臨床心理士の高島菜見子(石橋杏奈)が通りかかる。
高島は・・・為頼と面識があった。
その時、高島の携帯端末に着信がある。
ロビーの上の階から・・・謎の少女・南サトミ(浜辺美波)が一同を見下ろしている。
診療所に戻った二人・・・井上は「自分で作った料理が一番美味しい」と豆腐を切るが・・・あまり料理上手とは言えない手さばきだった。
そこに腹痛を訴える娘(吉澤梨里花)を連れて三十代の母親(荻野友里)が来院する。
為頼は「神の診察眼」でたちまち診断を下す。
「痛がったでしょう・・・どうして、もっと早く連れてこなかったのです」
「あの・・・治療費は・・・いくらくらいでしょうか」
「・・・」
「お金がないんです」
「支払いは・・・ある時払いで結構です」
貧しい母子が去ると・・・井上が呟く。
「収入があるために生活保護が受けられなくて・・・保険料が払えない・・・そういうケースは増えているらしいわよ」
「・・・」
その頃・・・素晴らしいインターネットの世界で診断学の権威である久留米実(津嘉山正種)の存在を知った港中央警察署の刑事・早瀬順一郎巡査部長(伊藤淳史)は久留米の終の棲家を訪ねていた。
「診るだけで・・・病気がわかる・・・なんてことが本当にあるんですか」
「本来・・・医者とはそういうものだ・・・」
「為頼という医者は・・・犯罪者まで・・・見抜きました」
「犯因症か・・・」
「ご存じなのですか・・・」
「彼は・・・私が知る限り・・・最も優秀な診断者だ・・・」
「・・・」
憎悪のエネルギーが過多になった状態を為頼は診ることができるのだ。
所轄管内で変死体が発見される。
アパートの一室で山田輝久(ジジ・ぶぅ)という男が胸に包丁を刺して死んでいた。
目撃者の証言で・・・金の入った封筒をもった不審な男が現場から立ち去ったことが判明する。
翌日、山田輝久の知り合いだった工藤一尊(有薗芳記)が署に出頭する。
「私が・・・山田を殺しました」
しかし・・・刑事の直感で・・・早瀬刑事は・・・工藤の自白に疑わしさを感じる。
工藤刑事は後輩の太田刑事(馬場徹)とともに・・・周辺の捜査を開始するのだった。
一方、白神院長は・・・為頼の診療所を訪問する。
「去年・・・私の病院で死亡した患者は・・・全員・・・あなたの診療所から・・・紹介された方々です」
「・・・患者に求められて・・・紹介状を書きました」
「つまり・・・治る見込みのない人たちを治すのは無駄だと判断したということですか」
「いいえ・・・無駄な治療はせずに・・・最後の時に寄り添いたいと考えたのです」
「あくまで・・・治療を望む患者だけをご紹介いただいた・・・ということですか」
「・・・」
「おかげで・・・当院は末期医療で儲けさせていただきました」
「それを言うために・・・」
「いいえ・・・私にも・・・あなたと同じ・・・診断力があるのです」
「・・・」
「私はその能力を使って・・・理想の医療というものを目指しています」
「理想の医療・・・」
「私の目指すところは・・・患者を苦痛から解放することです」
「それは・・・無理な話ではないでしょうか」
「痛みを緩和する医療は・・・まだまだ未開拓の分野です・・・そのためにも・・・研究に費やす資金を得なければなりません」
「・・・」
「私は・・・まもなく新しい病院を開業する予定です・・・あなたには院長をお願いしたい」
「え」
「よく考えて・・・お答えください」
病を透視する二人の医師。
二人の何が共通して・・・何が相違するのか。
今はまだ不透明である。
おそらく・・・そこには善意と悪意の交差点が存在すると思われる。
苦痛からの解放・・・それは「死」を意味するからである。
早瀬刑事は・・・為頼医師に捜査協力を依頼する。
それは・・・被害者と加害者の診断だった。
被害者の山田は・・・肺気腫を患っていた。呼吸困難や嚥下障害の苦痛から鬱病を発症し、体重減少が顕著だった。
加害者とされる工藤は重症筋無力症を発症していた。
「おそらく・・・山田さんは・・・自殺・・・そして、あなたに犯人になることを推奨した・・・容疑者となれば・・・警察病院で・・・治療を受けられると・・・」
医師として為頼は取調室で工藤に語りかける。
「友人の自殺を利用して・・・無料で・・・病気を治す気だったのか・・・」
「・・・どうすりゃいいんだよ・・・金もないし・・・」
「お前・・・封筒に入った金・・・山田さんの母親に届けたんだよな・・・」
「あいつが・・・あの身体で・・・一生懸命貯めた金なんだよ・・・」
「安心しろ・・・自殺幇助・・・あるいは・・・保護責任者遺棄罪で・・・起訴してやる」
「・・・え・・・」
「・・・」
「なんでもいいや・・・俺はもう・・・疲れたんだよ」
富めるものにも貧しいものにも分け隔てなく病は発現するのだった。
惨めな被害者と同じように惨めな加害者・・・やり場のない怒りを発する早瀬刑事。
「君は・・・犯罪を憎みすぎる・・・」
為頼は・・・早瀬が犯因症を発症していることを知っている。
「俺は刑事なんだよ・・・仕方ないだろう・・・」
為頼は言葉を捜す。
「君は・・・正義感が強すぎるんだ」
謎の清掃員・イバラ(中村蒼)は手のひらに裂傷を負い・・・居合わせた高島臨床心理士は手当をする。
イバラと密会する白神はイバラの包帯に気がつく。
「誰だ・・・誰が手当てをした」
白神の闇が・・・ひっそりと花開く。
痛みからの解放・・・恐怖からの解放・・・ドラゴンヘッドの行きつく先は・・・虚無なのである。
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