子供の作り方を教えてください(黒木メイサ)知ってるくせにっ(斉藤由貴)あなたにはわからない(安藤玉恵)
三回目である。
もはや谷間ではなくなってるじゃないか・・・。
だって、面白いんだもの・・・刑事ものとしては本年度最高かもしれん・・・。
これをレギュラーと考えると・・・。
(月)「山Pが僧侶」
(火)「デザイナーベイビー」
(水)「未定」
(木)「未定」
(金)「未定」
(土)「未定」
(日)「花燃ゆ」
残り四枠しかないのか・・・「あさが来た」の週末版は無理だな。「サイレーン」、「無痛」、「おかしの家」、「青春探偵」、「コウノドリ」、「サムライせんせい」、「おきてがみ」、「ロケット」の八作品の半分が消えるという恐ろしい世界なのだ。
「ニュートリノには質量がありま~す」
「それは・・・世の中の役に立ちますか」
「立つか立たないかはあなたしだいで~す」
で、『デザイナーベイビー~速水刑事、産休前の難事件~・第3回』(NHK総合20151006PM10~)原作・岡井崇、脚本・早船歌江子、演出・長沼誠を見た。妊娠と出産は自然の驚異である。かって・・・親にとって子供は神からの授かりもの・・・だった。しかし、人間たちは神が許さなかったものを生み出そうとする。人間もまた自然の一部である以上、それもまた神の計画の一部かもしれない。しかし・・・誘拐された新生児と・・・その行方を追う妊娠中の刑事の胎児がどうか・・・無事でありますようにとお茶の間を釣りあげるこのドラマ・・・見事なサスペンスである。
速水悠里(黒木メイサ)の活躍により・・・確保された新生児は・・・オリンビックで金メダルを獲得したマラソンランナー・近森優子(安達祐実)の娘・望(仮)ではなかった。
DNA鑑定で近森優子と母子関係にないことが確認された新生児(B)・・・。
警視庁捜査一課の与那国令子管理官(松下由樹)の取調に対して、新生児誘拐犯の岸田トモ(安藤玉恵)は口を閉ざす。
「子供が欲しい・・・ただそれだけのことで・・・世の中に迷惑をかけているのよ・・・いい加減、正直に話しなさい」
エリートすぎる与那国管理官は・・・人情を解さないタイプではなく・・・単に高圧的なのである。
城南大学附属病院内の捜査本部で仮眠をとる・・・速水刑事。
タフな妊婦なのである。良い子は真似してはいけない。
日曜日の朝・・・人畜無害系の速水刑事の結婚相手である下地浩介(山崎樹範)は帰ってこない人を案じる電話をかける。
「ごめんね・・・日曜日は私の食事当番なのに」
「気にしないで・・・気をつけて」
連れ子で中学生の雄介(若山耀人)は「ザリガニ採り」に出かけるらしい。
「ザリガニ・・・」
「モンスター系だからな・・・」
岸田トモから回収した新生児がノゾミではなかったことで捜査は振り出しに戻る。
「どうなってんだ・・・」
特殊犯捜査係の日村係長(神保悟志)は部下たちに問う。
「ボクは確かに・・・岸田トモから・・・赤ちゃんを取り戻しました」
土橋福助刑事(渡辺大知)はせっかくの手柄が・・・手柄でなかったことに茫然とする。
「ノゾミは死んでいて・・・どこからか・・・別の新生児を入手したということですかな」
腕利きの西室刑事(手塚とおる)は深まる謎にチャレンジする。
「それなら・・・どこかで・・・新たな新生児誘拐事件が発生しているはずだ」
しかし・・・警察にはまだ・・・そういう情報は寄せられていない。
「一体・・・犯人は何がしたいんだ・・・」
「私は・・・やはり・・・須佐見教授が怪しいと思う」と西室刑事・・・。
「須佐見誠二郎(渡部篤郎)だし」
「それなら崎山典彦(渡辺いっけい)だって・・・」
「皆本順(細田善彦)もな」
「それを言うなら病院長の峠緑郎(柴俊夫)だって・・・」
「配役であたりをつけるのはやめましょう・・・」
「だな・・・」
「私・・・この捜査を続けていいんですか」
「上の了解はとっている・・・事件が事件だけに妊婦がいた方が心強い」
「なぜです」
「母心がわかるだろう」
「男ってがさつな生き物ですね」
わが子を誘拐された母親も・・・死産した誘拐犯も・・・お腹の大きな刑事に冷たく対応するのだった。
「検査なんかしなくたって・・・わかるのよ・・・早く、私の子を捜してちょうだい」
搾乳に苦しむ近森優子は・・・速水刑事の腹部を睨む。
妊婦同志のシンパシーは通わず・・・妊婦刑事はこの場合、不適任なのである。
察しの悪い土橋刑事にもそのことだけはなんとなくわかるのだった。
西室刑事は・・・院内の派閥争いに固執して・・・須佐見が黒幕ではないかと疑う。
一方で・・・須佐見は・・・分娩の専門家として・・・受胎に問題があったのではないかと・・・疑いを強めるのだった。
トモの夫である裕也(淵上泰史)との会話が須佐見にヒントを与えたらしい。
しかし・・・その会話内容を須佐見は刑事たちに明かさない。
やがて・・・新たな新生児誘拐事件が発生する。
しかし・・・新生児が連れ去られたのは二時間前・・・トモの逮捕より後のことだった。
事件は謎の男(柿澤勇人)が監視していた「向井産婦人科」で起こっていた。
前日の通院者のリストに「内藤優子」の名前を発見する刑事たち。
「近森優子の・・・旧名じゃないか・・・」
前日の防犯カメラの映像に・・・トモの姿があった。
「死産した容疑者に・・・妊娠している刑事が取調をして・・・有効かどうか・・・楽しみね」
エリートすぎる管理官は・・・取調室を速水に明け渡す。
「ちゃんと答えろよ」と速水刑事に期待できない土橋刑事はトモに問う。
「内藤優子って・・・偽名を使ったのよね・・・彼女と話したの」
変化球を投げる速水刑事。
土橋刑事の浅はかな予測を裏切って話しだすトモ・・・。
「病院で何度も聞いたわ・・・彼女の名前・・・授乳の時間に病室にいなくて・・・何度も看護師に呼び出されていた・・・なんでって・・・思ったわ・・・私は赤ちゃんを産めなかったのに・・・あの人は・・・赤ちゃんを待たせてばかり・・・私なら・・・そんなことをしない」
「・・・」
「わからないわよね・・・自然に赤ちゃんを授かったあなたには・・・不妊治療をして・・・あんなことまでしてしまった私の気持ち・・・」
「あんなことって・・・」
「・・・」
「あなたは・・・なぜ・・・赤ちゃんをすり替えたの・・・」
「え?」
向井産婦人科チームに連絡する速水。
「トモは・・・赤ちゃんがノゾミではなかったことを知らなかったようです」
「防犯カメラに不審な人間が映っていた・・・」
発熱したノゾミを向井産婦人科に連れて行ったトモを尾行する謎の男。
男は・・・見学と称して新生児室に侵入していた。
そして・・・新たなる新生児誘拐の発生時間に・・・謎の男は再び姿を見せている。
「この男が・・・ノゾミを別の新生児にすり替えて・・・今日・・・ノゾミを誘拐したのだ」
「冴えてますね・・・ラムネでも舐めているのですか」
「うん」
土橋の回収した新生児と・・・新たに誘拐された新生児の母親の母子関係DNAは一致した。
新たなる容疑者となった謎の男は・・・製薬会社の社員として城南大学附属病院に現れる。
病院長秘書の有吉久美(臼田あさ美)は男に命じられ・・・病院内の掲示板にノゾミの写真を貼り出すのだった。
地味に潜伏中の旅館の女将のような産婦人科の医師・柊奈智(伊藤裕子)は・・・ノゾミの写真を発見する。
須佐見の調査を危険視する「トータルケアプロジェクト」の医師の一人、皆本順(細田善彦)はリーダーの特任教授・崎山と密談する。
「まずいのではないですか」
「調べたって・・・何も発見できないさ」と嘯く崎山。
いのちを作る作業を終えた胚培養士の山原あけみ(斉藤由貴)に質問する・・・速水刑事。
「どうやって・・・子供を作るんですか」
「体位にはいろいろあるわね」
「そうじゃなくて・・・」
「男性に問題がある場合・・・たとえば・・・精子が少ないとか・・・AID(非配偶者間人工授精)という手があるわ・・・」
「つまり・・・」
「他の男の種で子供を作るのよ・・・」
録音されていた須佐見と岸田裕也の雑音除去作業が終わる。
裕也は・・・叫んでいた。
「あの子は・・・俺の子じゃなかったんだ」
「これが・・・彼女のした・・・悪いこと・・・」と考える速水。
一方、土橋に尾行されている須佐見は研究室で見知らぬ封筒を発見する。
中身の資料を読んで顔色を変える須佐見。
それは・・・トータルケアプロジェクトの内部資料だった。
須佐見の端末に謎の人物からメッセージが届く。
《これはあなたの武器になるでしょう》
《誰だ》
《告発者です》
《君は・・・間違っている》
須佐見は何故か・・・資料を持って部屋を飛び出す。
あわてて追いかけるが須佐見を見失う土橋。
「見失っちゃいました」
「またかよ」
しかし・・・焼却炉前の須佐見を発見する速水だった。
「校舎裏の焼却炉ですか・・・」
「・・・」
ガスバーナーで資料に点火する須佐見。
「やめなさい・・・」
火のついた資料を取り出す速水。
「なんてことをするんですか・・・証拠隠滅ですか」
「君たちは・・・医師の守秘義務というものを知らないのか」
燃え残った資料に・・・受精卵の画像を見出す速水。
「彼は・・・叫んでましたよね・・・自分の子ではないと・・・」
「・・・」
「何をしたのか・・・説明してください」
「おい・・・お前たち・・・」
トイレ休憩に行ったために・・・現場不在だった西室刑事が制止する。
「みんな・・・聞いてるぞ・・・」
病院の窓から・・・多くの人間が・・・速水と須佐見に注目していた。
その頃・・・院長は・・・新生児誘拐犯からの脅迫電話を受け取る。
「お前は・・・」
「わかったでしょう・・・あの写真に死んだ母さんのスカーフが映っているのを・・・」
謎の男は・・・院長の息子の峠則孝だった・・・。
「何を考えているんだ」
「それは・・・また来週・・・」
緊張と緩和・・・謎の解明・・・そして、謎が謎を呼ぶ素晴らしい展開である。
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