恋する潜水探偵(新垣結衣)今日子さんと呼んでもいいですか(岡田将生)
変な髪型で変な眼鏡をかけてもかわいいのだから・・・完全防備すぎるダイバースーツのような水着でもサービスなのである。
どんだけ・・・ガッキーに甘いんだよ。
まあ・・・酸いも甘いも味わうのが大人だ。
割り切れない現実を適当に処理していくのが有能な人間というものだからな。
親の因果が子に報い・・・謝罪謝罪で終わった20世紀の日本人の如くだな。
「今日」という日を生きるために「忘却」できたらどんなにお気楽だろう・・・ということだ。
「従軍慰安婦に謝れ」と言われても「南京大虐殺に謝れ」と言われても「記憶にございません」で済ませればいいんだよな。
どんな因果にどんな応報があるのか・・・本当は誰も知らないのだ。
謝罪するのは敗戦したから。
敗戦したのは戦争したから。
謝罪しないためには戦争しなければよかった・・・というのは簡単だ。
南沙諸島をめぐって米中が冷戦を展開すれば・・・恐ろしい未来が待っているかもしれない。
しかし・・・世界の敵・・・最後の敗戦国からの脱出のために・・・それは一つの機会かもしれないのだ。
もちろん・・・世界が幸福であるために・・・この国が不幸であり続けるという選択肢もあります。
で、『掟上今日子の備忘録・第2回』(日本テレビ20151017PM9~)原作・西尾維新、脚本・野木亜紀子、演出・佐藤東弥を見た。氷の海から古代人が残した臓器に石を詰めたトナカイが発見された時・・・それを宗教的儀式の名残と感じるか・・・保存食確保のための冷凍保存の一種と考えるかで・・・人間性が分かれるだろう。あるいは・・・この世に神があることを信じるか・・・信じないか・・・という話である。人の「死」をめぐり紡がれる物語は・・・時に神秘的である。とりとめない・・・人の心というものを自分と同じように理解してくれる存在は有り難い。罪を悔いるのが・・・自己保身のためか・・・ただの自己表現なのか・・・その見極めに何の意味があるのか。だが・・・時に・・・人は無意味を愛するのだ。
喫茶店「サンドグラス」で・・・隠舘厄介(岡田将生)は愚痴をこぼしていた。
「また失職してしまいました」
探偵斡旋業も営む「サンドグラス」のオーナー・絆井法郎(及川光博)は気のない応対をする。
「例の研究所を・・・」
「あそこはとっくに解雇されて・・・害虫駆除の仕事をしていたんです」
「へえ」
「だけど・・・宇名木という気難しい顧客がいて・・・室内作業を許してくれなかったのです・・・ノルマが達成できずに解雇されてしまいました」
「・・・ああ」
「サンドグラス」のウエイトレス・幕間まくる(内田理央)は片道30分の砂時計をひっくり返す。
「入店から30分経過です」
「そろそろ・・・ご注文していただかないと・・・」
「僕専用砂時計ですかっ」
「カスタムスーツを着こなすのがエースパイロットの宿命だよ」
「ガンダムネタですか」
「今回のオチがね・・・」
「オチ?」
「それはそうと・・・今日子ちゃんとはどうなの?」
「どうもこうも・・・僕の不運を利用して車道を渡ろうとするし・・・」
「でも・・・嫌いな人なら・・・手をつないだりしないんじゃないかしら・・・」
「え」
掟上今日子(新垣結衣)登場である。
その腕には常に「私は掟上今日子、探偵、眠るとリセットされる」と自分自身への置き手紙が記された忘却探偵なのである。
起床後、文言が確実に目に入るように全裸で睡眠していることが妄想できる・・・おいっ。
厄介は今日子の言葉に希望を感じる。
つまり・・・今日子は・・・厄介を嫌いではないらしい。
「はじめまして・・・掟上今日子と申します」
名刺(二枚目)を渡されて落胆する厄介だった。
そこへ・・・水泳選手で・・・スイミングクラブのインストラクターである鯨井留可(堀井新太)が現れる。
「くじらなのか・・・いるかなのか」
「いるかはくじらの一種ですよ」
「大型のいるかがくじらだよね」
「そうなの・・・」
鯨井留可は探偵に人探しをしてもらいたいと述べる。
鯨井のライバルである宇名木九五(篤海)が・・・自宅の浴室でドライヤーによる感電死を疑われる変死体で発見された。
発見者は鯨井本人である。
警察は・・・鯨井による殺害の可能性を疑っているのだった。
「でも・・・僕にはアリバイが・・・宇名木の死亡時刻に・・・僕は素敵な女性と一緒だったのです」
「その人を探してもらいたいと・・・」
「ええ・・・銀髪の眼鏡っ子で・・・名前は今日子さん・・・」
「ああ・・・その人は・・・すぐ見つかりますが・・・アリバイの証人にはなれません」
「え」
しかし・・・忘却探偵は・・・事件の解決に乗り出すのだった。
捜査中の刑事たちも上司とコネのある今日子のために協力を促されるのである。
「もう・・・一人・・・容疑者がいます・・・害虫駆除業者で・・・被害者とトラブルがあったらしい」
「え」
「おやおや・・・ついに殺人犯ですか」
「ひでぶ」
アリバイの立証が困難だった場合にそなえて・・・真犯人としてキープされる厄介だった。
しかし・・・厄介は・・・現場近くで鯨井を目撃していた。
(事件当日の行程)
午後一時 厄介は鯨井のスニーカーを目撃。
午後二時 今日子はナンパされて鯨井とテラスでお茶会。
午後三時 宇名木が感電死
午後四時 今日子と鯨井は解散。
午後五時 鯨井が宇名木の死体を発見。
もちろん・・・事件当日の今日子の記憶は忘却されている。
今日子は当日の会話の内容を鯨井に問う。
「小説家の須永昼兵衛の話をしました・・・僕は一番好きな小説の話を・・・」
「改心刑/須永昼兵衛」(フィクション)は古い短編集の一作だった。
悪の限りをつくした犯罪者が・・・精神改造手術で悪意を取り除かれ、社会復帰を果たす。
善意の塊となった男は他人に騙され、すべてを失い、野たれ死にするという結末である。
今日子は・・・最近の自分の行動で謎だった部分が解明されたと感じる。
今日子はその日の午後五時に・・・「改心刑/須永昼兵衛」が収録された文庫本(フィクション)を購入しているのである。
それは・・・鯨井とのお茶会の結果であると推測できる。
「好きな人の読んだ本を・・・読んでみたくなる・・・そういうことってありますよね」
今日子の鯨井に対する仄かな恋心を察し、せつない気持ちになる厄介である。
鯨井と事件現場を訪れた今日子は・・・宇名木が死んだ浴槽に身を沈める。
その首をそっと絞め・・・「気絶させておいて・・・時限装置を仕掛け・・・アリバイ作りのためにナンパに出た・・・という可能性もありますね」とつぶやく鯨井。
「ええ・・・基本的に・・・すべての事件は穴だらけですから」
鯨井の勤務するプールを急襲する今日子。
「私と水泳で勝負して私が勝ったら・・・告白してください」
「え・・・僕は・・・元日本代表ですよ」
「サービスです」
「だったら・・・もっと露出を・・・」
「駆け引きです」
「・・・」
油性だと書き換えが大変だし水性は濡れると消えちゃうしな。
無呼吸潜水泳法で・・・鯨井の虚をつく今日子。
「ずるいですよ」
「死ぬかと思いました・・・」
鯨井は今日子を背後からそっと抱きしめた。
今日子はすでに真実を見抜いている。
「警察が来た時・・・あなたは裸足でしたね」
「・・・」
「でも・・・厄介さんはあなたが白い靴下をはいていたと証言しています」
「・・・」
「つまり・・・浴槽から・・・水があふれていて・・・あなたの靴下は濡れてしまった」
「・・・」
「浴槽があふれていたのは・・・水が流れっぱなしだったから・・・つまり・・・ドライヤーを浴槽の縁に置いた簡単な時限装置・・・しかし・・・宇名木さんからは薬物も外傷も発見されなかった・・・つまり・・・自殺・・・あなたがしたのは・・・それを他殺にみせかけるために・・・蛇口を停めたことだけでしょう・・・あなたは彼に呼び出されて最期の頼みを聞き、それから私をナンパしてアリバイを作り・・・彼の死後・・・現場に戻ったのです・・・誰が彼を殺したのか・・・永遠の謎にするために・・・」
「僕たちは・・・ライバルでした・・・愛し合っていたと言ってもいいでしょう・・・しかし・・・僕は彼にはずっと勝てなかったのです。勝負の世界に生きるものは・・・時にどんな手段も選ばずにいられない心を生みだします。僕は魔が差した・・・。彼がドーピングをしているという・・・密告をしたのです。確かに・・・彼は禁止薬物を服用していた。しかし・・・それは表示外成分で・・・彼の疑惑はグレー・ゾーンでした。しかし・・・結局、彼はピークにおいて出場停止処分となった・・・。僕は・・・彼のいない国内で・・・勝利しましたが・・・世界では敗北した・・・彼なら・・・世界で勝利していたのかもしれません。僕はライバルというパートナーを裏切ったのです。敗北者となった彼は・・・自殺を決意しました。しかし・・・自分で自分を殺したことを世間に知られたくなかったのです。それが彼の最後のプライドだったのです。彼に協力を求められた時に・・・僕は断ることができなかった・・・罪の償いをしなければならなかったのです」
「意味がわからない」と戸惑う刑事。
「懺悔ですよ・・・完全犯罪を許さなかった探偵に対しての犯人のセオリーというか・・・礼儀です・・・とやかく言うのは無粋です」
「・・・」
見つめ合う・・・犯人と探偵。
「また・・・あなたとは・・・話がしてみたいな」
「喜んで」
鯨井は自殺幇助の容疑で逮捕された。
容疑の晴れた厄介は今日子に礼を言う。
「また・・・あなたに助けられた・・」
「・・・」
「一つ、お願いをしてもいいですか」
「何でしょう」
「今日子さんと呼んでもよろしいでしょうか」
「構いませんよ」
「やった・・・今日子さん」
「はい」
「今日子さん、今日子さん・・・マチルダさ~ん」
「オチか」
「一日だけの恋の成就・・・」
「まあ・・・恋なんて・・・一日あれば・・・成就も破局も可能だという考え方もありますよね」
潜入捜査担当の也川塗(有岡大貴)は情熱が迸る厄介をクールに見つめる。
今日子の一日が終わる。
翌朝・・・すべては・・・リセットされてしまうのだった。
関連するキッドのブログ→第1話のレビュー
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コメント
あれー(´д`)?? 今週は面白かったデス。内田理央の露出が増えたからかも……。
「ガッキーの身長を10センチ低く補正して観るの術」を手に入れたからかも。
投稿: 幻灯機 | 2015年10月18日 (日) 11時06分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
先週は初回ということで
説明が少しくどかったと考えます。
今回はわかるやつだけわかればいい方式で
自分のセリフに「くどいっ」と突っ込む余裕が
脚本に感じられました。
内田理央の処理の仕方もよかったですねえ。
ガッキーはどこまでもガッキー。
ドラゴン桜の借りを返すために
いつかは山Pとのヒロイン共演してもらいたい。
そろそろ・・・アイドル女優としては最終コーナーですからねえ。
投稿: キッド | 2015年10月18日 (日) 14時14分