品行方正を説かんとすれば品行方正であれ(錦戸亮)ハッタリ上等(神木隆之介)訴えてやる(比嘉愛未)
教師たるもの子供を集めて裸の写真を撮影してはいけないのである。
個性を大切にと教育する人も・・・男性だけど性的対象が幼少の同性限定という個性は認めないのが一般的である。
「理想」というものの危うさはそれが所詮は虚構にすぎないということに尽きる。
イスラム教を信仰する穏健派は・・・イスラムの法とその他の人の法の融和を説くが・・・基本的にはアッラーの神がこの世を統一することが「理想」なのである。
自分たちの「神」を敬わない人を「良し」とはしないのである。
あらゆる・・・穏健派の人々が「まあまあ」と宥めても・・・「絶対に許さない」と拳を振りあげるものはいる。
「イスラムなんてクソだ」と言う人も悪いが「そんなことを言う奴は殺すしかない」と言う人にはかなり困るわけである。
現在の日本は・・・「王政復古」の後の・・・「連合国統治」の後の・・・「民主主義」の時代を迎えている。
幕末の尊皇攘夷派の目指した「王政復古」はシリアとイラクの辺境を支配するイスラム過激派・・・いわゆる「イスラム国」が「カリフを復活させ古のイスラム帝国を樹立すること」と似ていないこともない・・・いや、ある意味そっくりそのままだろう。
シリアにはロシアの傀儡政権があり、傀儡たるサダトは独裁で弾圧する。シリアにはアラブ人もいればクルド人もいてトさらにはルコ人もいる。トルコ系もアラブ系も基本的にはムスリムであるが・・・民族的には対立する。サダトに敵対するトルコ系住民をロシアが空爆すれば、トルコはロシア機を撃墜するのである。トルコもロシアもイスラム過激派テロリスト撲滅を叫びながら内輪で喧嘩を始めるのだ。イスラム過激派と敵対するトルコ系シリア人はロシア兵を殺害して「アッラーは偉大なり」と叫ぶのである。
武市半平太も「王政復古」を唱えた。
京都周辺を天皇家の直轄地とすることを画策した。
そして・・・「攘夷」を叫んだのだ。
公家の姉小路公知は「開国」に意見を変えた直後・・・暗殺される。
下手人として捕縛された薩摩藩士・田中新兵衛は自殺した。
この暗殺事件の黒幕が武市半平太であるという噂もある。
直後に半平太は・・・主君である山内容堂によって捕縛され・・・やがて切腹に至る。
血塗られた歴史は・・・延々と続くのである。
その果てに・・・破廉恥教師が産みだされたのである。
嗚呼・・・けしからぬ世の中にて候・・・。
で、『サムライせんせい・第5回』(テレビ朝日201511202315~)原作・黒江S介、脚本・黒岩勉、演出・植田尚を見た。カラオケスナック「カーニバル」の経営者である篠原理央(石田ニコル)の娘・優菜(岩崎春果)は小学生バトントワラーである。ある日の夜半、学校に忘れたバトンを取りに戻った優菜は恐ろしい「漆黒の鎧武者」を目撃するのだった。一方、実は県会議員の娘だった赤城サチコ(黒島結菜)とつりあう男になるために一攫千金を狙う佐伯寅之助(藤井流星)は「でんがくん移動販売計画」の資金源として・・・佐伯家の床の間に飾られた掛け軸の「書」を売り飛ばそうと考えていた。そのために県内の故買商のリストまで作成していたのである。
しかし・・・「書」の文句は「百伍拾年一瞬可」であり、署名が佐伯先生(森本レオ)の名である「真人」なので・・・そう高くは売れないと思われる。
この書は・・・最初からあるので・・・佐伯先生が「半平太がタイムスリップした百五十年間」について何かを知っていることは明らかなのである。
とにかく・・・その「書」は何者かによって落書きされてしまう。
「お・・・俺の・・・計画が・・・」
たちまち始る・・・寅之助による学習塾の生徒たちに対する犯人探し・・・。
「大人げないの・・・」と半平太(錦戸亮)。
「成長してないなあ」と龍馬(神木隆之介)。
だが・・・容疑者として浮上したのは優菜だった。
「学校で漆黒の武者を見た」と言う優菜は嘘つきのレッテルを貼られていた。
嘘つきは泥棒の始りなのである。
「漆黒の武者・・・ひょっとしたら・・・過去からきた武士かもしれない・・・」と龍馬。
「まさか・・・落武者の亡霊ではなかろうな・・・」と半平太。
武市半平太は・・・オカルト的なものに・・・弱いタイプだったのだ。
「神里の村乱れし時、漆黒の武者現れ、血の裁きを下す・・・という伝説があるとか」という晴香(比嘉愛未)・・・。
三人は真相を確かめるために夜の学校に向かう。
「漆黒の甲冑」は何者かが学校に寄進して昔から一画に展示されているらしい。
夜の学校にびびりまくる半平太。
内蔵剥き出しの人体模型にも怯える始末である。
「学校の怪談の小学生レベルかよ」と呆れる龍馬。
しかし・・・問題の甲冑は展示スペースから消えていた。
「二手に分かれて・・・行方を追いかけよう・・・武市さんはあっちへ・・・」
龍馬と晴香が去って・・・恐怖心の虜になった半平太であった。
その目前に・・・「漆黒の武者」が登場する。
「ひえええええええええ」
驚愕し・・・階段を踏み外して転落・・・意識を喪失する半平太・・・。
龍馬と晴香は気絶した半平太を佐伯家に搬送する。
たまたま・・・遊びに来ていたサチコは思う存分、半平太のマゲマゲ(丁髷)を堪能するのだった。
「これこれ・・・そんなものを弄りまわしていけませんよ」と注意する佐伯先生。
目覚めた半平太は龍馬に恐怖の体験を語る。
「あれは・・・確かに・・・武者だった・・・」
翌日・・・龍馬と半平太は学校に戻り、元通りに展示された甲冑を発見する。
しかし・・・龍馬は・・・甲冑に「土佐山内家の家紋・・・「丸に三つ細柏」を発見して驚く。
「なぜ・・・土佐柏の甲冑が・・・上野国に・・・」
「黒漆塗黒糸威二枚胴具足といえば・・・加賀の前田土佐守公伝来の品が有名じゃが」
「山内家所縁の逸品となれば・・・相当、高価だよ」
「そうじゃろうな・・・」
「坂本家は質屋じゃったから・・・甲冑はゴロゴロしていたけど・・・流石に土佐柏のものはねえ・・・」
「そんなものが質屋に流れるかっ」
その頃・・・校長室ではセクハラ上司・小見山喜一課長(梶原善)が春日井宗男校長(大河内浩)と密談中だった。
「校長・・・次の選挙で村長に立候補されるんでしょう」
「・・・しかし・・・漆黒の武者がいたなどと・・・変な噂が立って困っておる・・・」
「この小見山が真相を解明いたします」
「・・・」
小見山は晴香に真相究明を命じるのだった。
龍馬と半平太に合流した晴香は・・・かっての憧れの先輩・手塚公平(竹財輝之助)が教師となっていると知り、驚く。
手塚先生は・・・学校に導入された3Dプリンターで授業のための模型を工作中だった。
半平太は・・・未来の機会に好奇心を刺激されるのだった。
小見山は・・・「優菜が嘘をついている」ということで一件落着にすることを提案する。
例によって晴香のお尻を触りながら・・・小学生に偽証を強要する小見山。
「私は嘘をついてません」と優菜は小見山を睨む。
その目は圧力に屈し・・・長いものに巻かれたままの・・・因循姑息な晴香にも注がれるのだった。
再び・・・漆黒の武者の謎に挑む半平太たち。
途中で貞子ではなく・・・用務員の小林貞夫(渡辺火山)に遭遇してやはり恐怖する半平太だった・・・。
展示スペースに漆黒の甲冑は置かれていたが・・・半平太は・・・それが偽物であることを喝破する。
土佐柏が・・・似て非なるものになっていたのである。
三人は・・・工作室を訪れた。
「あの時・・・甲冑を着ていたのはあなたですね」
手塚先生を追及する半平太。
「・・・」
「展示スペースから・・・本物を持ちだし・・・ここで偽物を作り・・・すり替えた」
「そうです・・・校長が・・・学校の予算を横領して投資に失敗し・・・損失を補填するために・・・甲冑を売却するためです」
「なんで・・・あなたは・・・」
「校長には・・・逆らえないのです・・・実力者だから・・・」
「そのために・・・あなたの教え子が・・・嘘つきにされても・・・か」
「・・・」
「仕方ないのよ・・・先輩・・・わかります・・・先輩は悪い人じゃない・・・昔、朝礼で気分が悪くなって・・・嘔吐してしまい・・・みんなにゲロカと囃したてられていた私を・・・先輩は大丈夫かと声をかけ・・・庇ってくれた・・・先輩が優しい人だと私は知っています・・・私が明日・・・漆黒の武者が・・・ただの噂だったと証言しますから・・・」
「おんしゃ・・・それでいいのか」
「・・・」
翌日・・・児童たちを前にした晴香は・・・偽りの証言を始める。
「ちがう・・・漆黒の武者はいた・・・それは僕だ」
手塚は真実を話す。
「君は首だ」と校長は罪を押しつける。
「そうはいきませんよ・・・」と甲冑を着こんだ龍馬。「あなたが・・・故買商に甲冑を売却したことはウラがとれています」
「くそ・・・」
その場を逃れようとする校長を優菜のバトンで一刀両断にする半平太だった。
「暴力反対・・・」
「天誅じゃ」
晴香は落ち込んだ・・・。
「私・・・また・・・他人の言いなりに・・・」
「いいや・・・手塚殿の心を動かしたのは晴香殿の言葉じゃ・・・先に行くものが範を示したなら・・・後に続くものは・・・それを見習えばいい」
「・・・」
正義は・・・時に・・・体制には都合の悪いもの・・・。
しかし・・・すべてに耐えて・・・悪政を許すことにも限度がある。
人はいつでも・・・その狭間に生きているのだった。
お尻を触る上司の手を掴む部下。
「いい加減にしないと・・・訴えるわよ」
「・・・うわあ・・・」
恭順する小見山課長だった。
優菜は・・・晴香の奮闘に微笑んだ。
「生徒たちが・・・悪戯を名乗り出ないのは・・・私の不徳・・・教師失格です」と半平太。
「いいえ・・・生徒たちは・・・名乗り出て・・・今、書を修正しています・・・元通りになったら・・・あなたに名乗り出ると申しておりますよ」と佐伯先生。
「さようですか」
「真心を尽くせば・・・それがたとえ・・・悪逆非道なことであっても・・・後に続くものは必ず現れる・・・それが人の歴史というものではないでしょうか・・・」
二人は・・・満月を見上げた。
一方の義は一方の不義・・・人類はそうやって栄え・・・やがて滅ぶ宿命である。
「ご存知ですか・・・今、日本も宇宙にロケットを打ちあげる時代です」
「宇宙・・・」
「そのロケットを作った会社は・・・土佐の郷士・岩崎弥太郎が起こしたのですよ」
「弥太郎が・・・」
「あなたの生きた時代は・・・よくもわるくも・・・現代とちゃんとつながっているのです」
その頃・・・龍馬は新事実を掴んでいた。
土佐柏の甲冑を寄贈したのが・・・他ならぬ佐伯真人であることを・・・。
一体・・・佐伯先生とは・・・何者なのか・・・。
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