おかしの家(オダギリジョー)軽く重い女(尾野真千子)俺たちと河童そして天使(勝地涼)マロンちゃんって何ですか?(成海璃子)
谷間である。
いろいろと騒がしいことだなあ・・・。
ロトと聞けば宝くじとか勇者とかよりロシアとトルコの戦争を思い出す人間は少数派だ。
そういうことは結局、教育と教養の問題だからな。
ロシアとの関係が深いテレビ朝日のニュースを見ていると「ロシア兵がトルコ人に殺された」という印象が強いがロシア軍は空爆によってトルコ系シリア人を虐殺しているわけである。
中国との関係が深いTBSテレビは自衛隊の沖縄防衛計画について「中国脅威論はほどほどに」と釘を刺したりするからな。
報道さえ・・・「色」がついているわけである。
まあ・・・路地裏の少年たちにとって・・・そういうことは「関係するのが無理な範疇」なのである。
原節子が亡くなっても・・・昔の映像を見て・・・「おっばい揺れてる」と思うのが関の山だ。
「総合診療医ドクターG」で「赤ちゃんが高熱を出した」と言われてもきっとピンとこないぞ。
「このお姑さんが嫁いびりして・・・嫁が鬱になって・・・赤ちゃんに虐待してるんじゃないか」
「ウチの子はほとんど手がかからなかったのに・・・孫はよく泣くし・・・誰に似たのかしらとかな」
「スマホで調べていると・・・大切なことは機械にはわからない・・・母親ならではの勘を働かせろとかな」
「その上・・・ヘルペスウイルスのキャリアだとかな」
「え・・・姪っ子のエンテロウイルス・・・」
「ただの風邪かよ・・・」
「嫌味なお姑さん・・・無罪かよ・・・」
「スカッとしないねえ」
「・・・そういう番組じゃないぞ」
・・・そんな感じだよな。
でも・・・二人が天使化して歌うのが・・・よりによって「トルコ行進曲」・・・。
タイムリーじゃねえかっ。
で、『おかしの家・第1~6回』(TBSテレビ201510212353~)原作協力・山田タロウ、脚本・演出・石井裕也を見た。東京都の場末の街にある駄菓子屋「さくらや」・・・。経営者である一人暮らしの桜井明子(八千草薫)の家に孫の桜井太郎(オダギリジョー)が居候しているわけである。祖父も両親もいない33才で独身の太郎にとって・・・83才の明子は唯一の身内である。人生の黄昏を前に孫の行く末を案じる祖母と・・・今にも逝きそうな祖母を想う孫・・・。時計の音さえ恐ろしい展開である。しかし・・・太郎はのほほんと暮らしているし・・・肉体労働のアルバイトで家計を支えつつ・・・時には性風俗関係の店に通い・・・駄菓子屋の裏の小さな空き地で昔の仲間たちと旧交を温めたりもする。
いつものメンバーは親友の三枝弘樹(勝地涼)、年下の金田(前野朋哉)、そして潰れかけている銭湯を経営する島崎(嶋田久作)・・・。
ここに紅一点でバツイチ子持ちの木村礼子(尾野真千子)が加わる。
礼子の一人息子で五才になる春馬(大山蓮斗)と心が通い合う少年の心を持った太郎に・・・礼子はなんとなく心惹かれるものを感じるのだ。
「さくらや」には昔から子供が通ってきた。
その中にはIT企業の社長になった男(藤原竜也)もいれば・・・貧乏で木工用ボンドを食べていた女(黒川芽以)もいた。
犯罪者となって逮捕されたものもいれば・・・結婚して母親になり病死したものもいる。
太郎も少しずつ老けて行くのである。
礼子の勤め先に自転車で出かけて行き・・・二人でランチを食べるのが最近の太郎の日課。
ところが・・・ある日、太郎は・・・礼子の勤め先の裏口で休憩する風俗嬢のマロンちゃん(成海璃子)に遭遇する。
「・・・久しぶり」
「・・・あ・・・わかりますか」
「もももももちろん・・・ここで・・・働いてんの?」
「はい」
「あの・・・木村礼子さんには・・・内緒にして・・・」
「え」
「僕のことは・・・何も言わないでほしい・・・」
「・・・」
マロンちゃんは・・・「さくらや」にやってくる。
明子は一目でマロンちゃんが・・・山本麻理恵というヨーグルト風味の駄菓子が好きな常連客だったことを思い出す。
「あら・・・麻理恵ちゃん・・・」
「おばちゃん・・・私のこと・・・」
「覚えているわよ・・・全然変わらないもの・・・あの頃から美人さんだもの」
「・・・私・・・結構。変わっちゃんたんですけどね」
まあ・・・確かに・・・性風俗店にこんな上玉がいたら・・・事件だよな。
礼子がいても驚かないよな。
しかし・・・実際にマロンちゃんだった麻理恵よりも・・・礼子を大切にしたいらしい太郎である。
まあ・・・離婚した亭主一人ならアレだけど・・・他の男を何人知っているかわからないというのはアレだよな。
そういう問題なのか。
「麻理恵ちゃんのこと・・・知ってるの」
「前にちょっと・・・仕事関係で」
お茶を濁す太郎だった。
まあ・・・確かにマロンちゃんにとっては仕事関係である。
太郎と麻理恵の再会・・・。
「私・・・さくらやに行って来たとこです」
「え」
「おばちゃん・・・元気そうでしたね」
「ええ」
「私・・・しばらく・・・海外に行くことになったんで」
「えええ」
「昔・・・太郎さんのこと憧れていました・・・覚えていないでしょうけど」
「・・・」
「私・・・礼子さんになら・・・勝てるかもって思っちゃいました・・・バツイチじゃないし・・・子供もいないし・・・」
「マ、マロンちゃんじゃないの?」
「マロンちゃんって・・・なんですか?」
「・・・マロンちゃん」
「麻理恵です」
「・・・」
「私のこと・・・忘れてたんですね」
マロンちゃん・・・あるいは麻理恵は去って行った。
少し・・・モヤモヤする太郎だった。
「結局・・・どっちだったんですか」と年下の金田。
「女の秘密・・・触るべからずさ」と年上の島崎。
太郎と弘樹の夢は「プロ野球選手かミュージシャンの二者択一」だった。
しかし・・・弘樹は脚本家になろうと考えている。
そんな弘樹を太郎は軽蔑するが・・・礼子は「応援してあげればいいのに」と大人ぶるのだった。
弘樹が書いた脚本は・・・太郎と弘樹の少年時代のある出来事に基づいている。
「あさが来た」では炭鉱の支配人、「サムライ先生」ではセクハラ上司と・・・今季大活躍の梶原善の演じる怪しい映画プロデューサー。
「よく書けているけど・・・少年が河童に出会うという題材がもう一つ新鮮さに欠けるよね」
「でも・・・実体験なので」
「あはは・・・何言ってるんだ・・・」
深夜・・・弘樹は太郎を呼び出す。
「・・・ダメだったのか」
「うん・・・俺たち・・・昔・・・河童を見たよな」
「見たよ」
「あの時・・・つかまえておけば・・・」
「仕方ないさ・・・子供だったもの」
「うん」
「あそこ・・・行ってみるか」
河童を目撃した川沿いの遊歩道にやってきた二人。
そこに・・・天使が現れる。
「あれ・・・天使かな」
「・・・変質者のおっさんのようにも見えるけど・・・」
しかし・・・響き渡る天使の歌声。
「よし・・・捕獲しよう」
「捕獲して・・・どうするの」
「ものはためしだよ」
大人だけど勇気出しすぎである。
だが・・・天使は強力で・・・逆襲された二人は天使に噛みつかれてしまう。
そして・・・天使は消えた。
翌朝・・・目を覚ました太郎は・・・天使の歌声を手にしていた。
お互いの家をめがけて走りだし・・・中間点で合流する太郎と弘樹・・・。
「ティアララルンティアララルンティアララティアララティアララルン」
「トゥドゥリャタタタリャタタタリャタタタドゥ」
天使のハーモニーでモーツァルトを奏でる二人・・・。
これは妄想ではありません・・・本当のドラマです。
・・・お腹よじれるよ。
関連するキッドのブログ→リバースエッジ 大川端探偵社
| 固定リンク
« 品行方正を説かんとすれば品行方正であれ(錦戸亮)ハッタリ上等(神木隆之介)訴えてやる(比嘉愛未) | トップページ | 焼きそばと食べづわり(綾野剛)完全なる出産(南沢奈央)早く出してよ(足立梨花)まめりん・・・(松岡茉優)気張れ(恒松祐里) »
コメント