南くんの恋人〜my little lover(山本舞香)ちよみのこと嫌いになったんだよ(中川大志)逮捕しちゃって(吉田里琴)
谷間である。
「南くんの恋人」がほぼ10年ぶりのドラマ化なのである。
キッドはなんとなく・・・深田恭子版の「ちよみ」をレビューしていた気がするのだが・・・木曜ドラマ「南くんの恋人」(2004年)なのでこのブログの開始前の作品だったんだなあ・・・。
その前の高橋由美子版が1994年、第一作の石田ひかり版が1990年である。
最初の映像化から・・・25年、原作漫画(1985年)からは30年の月日が過ぎ去っている。
それなのに・・・「彼女が小さくなってしまうこと」という主題は・・・まったく古びないな。
もちろん、アンデルセンの童話「親指姫」を下敷きにした小美人艶話だから・・・と言えるのだが・・・やはり・・・フィギュア大美少女所有は男子一生の夢だから・・・ではなくて・・・そこには聖なるものへの憧憬があると考えられる。
邪悪な悪魔が言うのもなんだけれど・・・聖なるものの否定が蔓延した世界では・・・巨大なる神の対極に・・・小さくて儚い聖なるものの存在が・・・怪しい燐光を放つのである。
ちよみ、かわわいいよ、ちよみ・・・と囁くしかないのだ。
で、『南くんの恋人〜my little lover・第1回』(フジテレビ201511100235~)原作・内田春菊、脚本・新井友香、演出・小中和哉を見た。「南くん」なので浩之(武田真治)だったり進(二宮和也)だったりもするが今回は南瞬一(中川大志)である。四代目ちよみは堀切ちよみ(山本舞香)で・・・歴代ちよみの中でも屈指のちよみっぽさがあると思う・・・どういう基準だよ。
今回の舞台は田舎の海辺の街・・・。ちよみは高校生で・・・通学しているのが館山第一高校なので千葉県なのだろう・・・。とにかく・・・東京は通勤圏ではないらしい。
南くんとちよみは幼馴染で・・・家は小道を挟んで隣接している。
幼い頃・・・南くんの祖母・登美子(角替和枝)は二人に「一寸姫」の伝説を物語る。
河原で遊んでいた幼女時代のちよみは自分の靴を流してしまい・・・川面に浮かぶ靴の中に一寸姫を垣間見るのだった。
演出がウルトラマン・シリーズの人なのでグイグイ来ます。
南くんは幼いちよみに花冠を贈り・・・永遠の愛を誓う・・・。
そして、月日は流れた。
ちよみは・・・カフェ「花泥棒」を経営する両親・・・川島なお美より三歳下の女子大生タレントではなくて母・律子(秋本奈緒美)・・・ケータイ刑事の鑑識ではなくて父・譲二(大堀こういち)と大物子役ではなくてクールな妹・明日香(吉田里琴)に囲まれて明るい女子高校生になっていた。
しかし・・・同じクラスに通う瞬一は・・・中学生の時に父親の昇・(宮川一郎太)が出奔、看護師の母親・笑子(有森也実)に育てられ・・・何故か屈折してしまったらしく・・・成績は優秀だが無口で暗い男子高校生になっていた。
父親が家を出て行った時に父親に縋りついた姿を・・・ちよみに見られた瞬一の中に「わだかまり」が生じたらしい。
翌日も「おはよう」と声をかけたちよみに返事をしなかった瞬一。
それ以来・・・二人は疎遠になってしまった。
高校に進学したちよみはダンス部で活動しながら・・・瞬一に対する鬱屈した思いを月兎ミカエラのペンネームでオンラインノベルに託し発散している。
クラスには親友の御木本あみ(佐々木萌詠)やちよみに想いを寄せる手芸部の高木睦(鈴木身来)もいて・・・それなりに充実した生活である。
お約束の出会いがしらのキスをするちよみと南くんである。
しかし・・・高校三年生の新学期・・・学級委員選挙で南くんが選ばれると・・・やはり選出されたちよみが躊躇している間に・・・野村リサコ(千葉麗子)や野村麗花(宮地真緒)に続く宿命のライバル野村・・・南くんの母が勤める病院の一人娘である二十歳のなんちゃって高校生ではなくて野村さより(中山絵梨奈)が立候補して・・・南くんのパートナーの座をかっさらっていく。
そして・・・月兎ミカエラの正体を見抜いた高木はちよみに告白する。
高木の好意を心から喜べないちよみ。
南くんと野村が相合傘で歩いているのを目撃したちよみは・・・中学時代から鬱積していた南くんへの思いを爆発させるのだった。
そして館山の街には「嵐」が近付いていた。
雨の中・・・帰宅したちよみは・・・将来の夢であるダンサーを両親に否定される。
「せっかくそこそこの高校に入ったんだから・・・受験勉強に本腰を入れて・・・将来のことを考えなさい」
「お母さんだって・・・できちゃった結婚で・・・私を産んだくせに」
「なにっ」
何か痛い所を突かれたらしく・・・初めて娘に手を出す父。
とどろく・・・雷鳴の中・・・ちよみは家を飛び出す。
嵐に備えてパトロール中の駐在・堺沢(富岡晃一郎)はちよみの姿を見かける。
母からは「お醤油買ってきて」と優しいメールが届く。
帰り道で・・・南くんと遭遇したちよみ。
「どうして・・・私を避けるの・・・」
「お前こそ・・・俺の行く先々に現れるなよ」
「昔は・・・仲良しだったのに・・・もうずっと話もしていない」
「わからないのか・・・お前のこと嫌いになったんだよ」
「・・・」
ちよみの中で悲しみが爆発し・・・風に煽られて赤い傘が飛んでいく。
傘を追いかけてちよみは・・・昔、幼い南くんに告白された岩場にたどり着く・・・。
岩陰で雨宿りするちよみ・・・。
「なんでこんなことに・・・もう一度・・・あの日に帰りたい・・・小さかった私になりたい」
怪しい低気圧が激しい風雨をもたらす。
いつしか・・・眠りに誘われねちよみ・・・。
気がつくと・・・ちよみは全裸だった。
「え」
周囲に広がるちよみの巨大な衣服・・・。
「私・・・ちっちゃくなっちゃった・・・」
仕方なく高木からプレゼントされたマスコットの衣装を着用するちよみ・・・。
「うそおおおおおおお」と叫ぶのだった。
しかし・・・その叫び声は・・・小さいのだ。
原作の「南くんの恋人」には設定やストーリーらしいものはほとんどない。
脚本家の妄想が・・・設定を造形していく面白みがある。
問題は・・・原作では「はかなく・・・死ぬ運命」が・・・ドラマではお茶の間の反対で描きにくいことである。
まあ・・・だって・・・ちよみは・・・死ぬには惜しい存在だものねえ。
はたして・・・今回の結末はどうなるのでしょう。
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コメント
南くんの恋人のオープニングの歌、嵐のLove Rainbowに似てると思いませんか?
投稿: 名無し151216 | 2015年12月16日 (水) 09時52分
nameless~名無し151216様、いらっしゃいませ~nameless
「南君の恋人~my little lover~」オープニングテーマの「虹の向こうへ/天月-あまつき-」と
「夏の恋は虹色に輝く」主題歌の「Løve Rainbow/嵐」が
似ている!
・・・とおっしゃりたいのですね。
そういう時ってございますよねえ。
そうですねえ・・・似ているかもしれませんねえ。
でもまあ・・・よくあることです。
どちらもありふれた「虹」の歌ですしね。
コメントなさるときはハンドルネームをお忘れなく。
投稿: キッド | 2015年12月16日 (水) 22時51分