アンダーウェア(桐谷美玲)それは下着です(河北麻友子)サルでもわかりますか?(石田ニコル)
本格的な谷間である。
結構、とりこぼしているコンテンツがあるのは・・・最近、ドラマの数が激増しているからだな。
こうなってくるとメジャーとマイナーの線引きは非常に困難だ。
このドラマも・・・配信によるウェブドラマからのお下がり放映である。
東京キー局としてもっとも遅番になったことがやはりダメージになっていると思われるチャンネルで・・・その編成もバタバタしている感じが否めない。
金曜プレミアムと決めながら、巨匠の追悼のために・・・「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」を差しこんで・・・土曜の昼間(関東ローカル)に最終回を差し替え・・・。
つまり・・・自ら「ゲゲゲの鬼太郎」↘「アンダーウェア」を宣言してしまうわけである。
センスとかテイストとかというふわっという問題ではなく・・・お茶の間の厳しい目をちょっと忘れている気がいたします。
で、『アンダーウェア・第1回』(フジテレビ20151113PM9~)脚本・安達奈緒子、演出・尾形竜太(他)を見た。こういう実験的な作品での起用が多い桐谷美玲である。フェリス女学院を卒業した今年。映画中心で・・・やや、淋しかったのだが・・・来年は一月から金曜ナイトドラマがあるのだな。ロイドARX IXは年齢不詳だからな。
で、実年齢26歳だが・・・大卒の新入社員役である。
勤務先は銀座にあるオーダーメードの高級下着メーカー「Emotion」・・・。
下着界のカリスマ的な社長が実年齢59歳の大地真央が演じる南上マユミ・・・。
その家庭生活は謎だが・・・父子家庭で育った時田繭子(桐谷美玲)とは疑似母娘関係が仄かに漂う・・・。
サングラスの縁を咥えたり、鉛筆をかじったり、紙をやぶったり、頭をかきむしったりと神経質な描写のあるマユミは・・・一方の主軸である。
大学で繊維の研究していた・・・ファッション感覚とは無縁の繭子を何故・・・マユミが採用したのかも謎だが・・・田舎育ちのださい女の子がドレスアップして素敵女子になるのは・・・少女漫画的定番なのか・・・脚本家の趣味なのか・・・。
しかも・・・繭子は前向きな性格で・・・整理整頓が大好きというシンデレラ気質なのである。
女子向けお仕事ドラマの・・・お約束の展開で・・・あまり冒険的とは言えないが・・・新メディアの実験作にはありがちで・・・これはこれで楽しい気がする。
援助交際のビジネス化に成功したアイドルグループのトップたちが・・・朝のトークショーで・・・ガールズトークを繰り広げる時代だからな。
で、「Emotion」は一点、十万円の高級下着・・・。
二千円くらいの下着しかつけていない繭子は眩暈を感じるのである。
基本的にお客様は予約制である。
しかし・・・繭子が一人で留守番しているところに・・・「はじめてのお客様」が入店し・・・繭子は営業に成功するが・・・たちまちキャンセルされてしまうのである。
「お客様のことを考えなかったことが原因」と思い知る繭子。
名前を手掛かりにお客様を捜し出すと・・・謝罪する繭子。
問題は・・・商品の価格だったのだ。
すると・・・マユミは「半額」でどうかと打診する。
「いや・・・それでは」とお客様。
「いつもは・・・おいくらほどの下着を・・・」
「2500円くらいです」
「では・・・2500円の20回払いでどうでしょう」
「よろしいんですか・・・」
「お客様は・・・私の下着に恋してくださったのでしょう・・・いつもウインドウを見てくださって・・・」
「え」
「だから・・・是非、着ていただきたかったのです・・・」
「・・・うれしい」
結局、「はじめてのお客様」は五万円の下着を購入くださるのだった。
ここで・・・下着なんて・・・肌触りがよければそれでいいじゃないかなどと貧乏くさいことを言ってはいけません。
デザイナーの瑞希(酒井若菜)と史香(マイコ)のライバル関係もどこか・・・のんびりしていて・・・麗子(千葉雅子)や猿橋(海東健)も包容力に満ちている。
理想的な職場環境に・・・いつしか繭子もその気になっていくのだった・・・。
親友でウェディングドレス・アドバイザーを目指している由梨(河北麻友子)や、いつでも空腹なモデルの沙里衣(石田ニコル)も配置され・・・ものすごくいいムードである。
まあ・・・こんなに・・・恵まれた環境が・・・働く女性たちに共感されるのかどうかは別として・・・。
さて・・・繭子の「はじめてのお客様」が示唆した・・・価格問題。
実は・・・プレタポルテ(既製服)展開は・・・マユミが一度挫折した長年の夢なのである。
オーダーメードとは別に・・・低価格商品のセカンドラインを展開する。
マユミの戦友で経理担当の麗子は危ぶむが・・・「Emotion」は賭けに出るのだった。
はたして・・・繭子は・・・華麗なる女子に変身できるのか・・・まあ、できるんですけどね。
20~60歳のおしゃれな女子をターゲットにしているのだろうが・・・そこに客がいるのかどうか・・・よくわからない悪魔だった。
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