トランジットガールズ(伊藤沙莉)義姉と義妹で同性愛で(佐久間由衣)
性愛の奥義は玄妙である。
そういうものに公序良俗を持ちこむのは一種の病気であるが・・・持ち込んだ方にはそういう自覚がないのが普通である。
未成年者の同性愛の一番の利点は妊娠の心配がないことである。
ただし、適齢期になった時に繁殖が難しくなるのではないかと倫理主義者は案じる。
性的興奮は甚だしい快楽の根源の一つである。
その追及の果てにいろいろと問題が生じ、社会的混乱をもたらす場合には法的な歯止めが求められる。
たとえば、従軍慰安婦が公的売春制度なのか、性的奴隷制度なのか、あるいは両者は同じなのかという合意を得るのはなかなかに困難である。
自慰と性的な交わりの境界線は曖昧である。
そこに・・・愛があるのかどうか・・・愛とは何か・・・人間は永遠に迷うのだと考える。
で、『トランジットガールズ・第1回~最終回(全8話)』(フジテレビ201511072340~)脚本・加藤綾子、演出・前田真人を見た。ほとんどの日本人がカレーライスとラーメンを好きであることは大前提だが・・・中にはインド的なものや中華的なものが苦手でおにぎりと蕎麦しか美味しいと感じない人もいるかもしれない。逆におにぎりと蕎麦だけは美味しいと感じない人もいるかもしれない。多くの人間がカレーライスもおにぎりもラーメンも蕎麦も美味しいと感じるとすれば・・・人間は両性愛者的だと言えるのである。
異性愛オンリーの人や、同性愛オンリーの人がいかに偏っているかがおわかりいただけただろうか・・・そういうものでたとえられてもだな。
しかし、弱肉強食と平和共存の両輪で制度を積み上げてきた人間社会では大自然によって歪になった精神というものがあり、一夫一婦制度だの、夫婦別姓だの、同性婚の否定だの、売春禁止だの、強姦罪だの、年齢制限だの、緊縛変態だのといろいろと面倒くさいことが現実化しているわけだ・・・もう、ミソもクソも一緒だがな。
まあ・・・悪魔なので・・・すべてはなんでもありだと考えています。
そういう世界でのお茶の間エンターティメントとしてのガールズラブドラマである。
それが衝撃的なのかどうか・・・悪魔なのでよくわからないのだな。
さて・・・オーソドックスに言うと同性愛には先天的なものと後天的なものがある。
先天的な場合は・・・片思いの度合いが強い。たとえば女性が女性を求めているわけであるが・・・本来、女性は男性を求めているからである。
女性を求めている女性同志が出会っても・・・お互いが求めているのは女性なのであって・・・女性を求めている女性ではないのだ。
後天的な場合は多種多様な状況が想定される。異性嫌悪からの同性愛もあれば、両性愛者の同性愛もあり、性的好奇心の過剰による同性愛もあれば、前世の因縁による同性愛もあるわけである。
まあ・・・いろいろとあるが・・・結局、カップルの誕生なんてものはすべて妥協の産物にすぎないのである。
理想の相手とめぐり会うなんてことがあってたまるか・・・おいっ。
ぼんやりとした性的描写(主に接吻)があるために・・・主人公の女子高校生・葉山小百合(18)を演じるのは1994年5月生れで実年齢21歳の伊藤沙莉である。
ある意味で合法ロリータものなのである。
小百合の父親である葉山圭吾(Mummy-D)が志田まどか(霧島れいか)と再婚することになり、まどかの連れ子であるカメラマン志望のゆい(21)を演じるのが佐久間由衣で1995年3月生れで実年齢20歳なのだ。
女優たちはつまり・・・同級生なのである。
そして・・・実年齢では八ヶ月ほど先に生まれている伊藤沙莉が妹を演じているので・・・二人はなんちゃって姉妹なのだ・・・そこかっ。
思春期で・・・母親への思慕の強い小百合は父親の再婚に反発する。
ところが・・・ゆいはいきなり小百合の唇を奪うのだった。
ゆいの性的指向のベクトルは曖昧だが・・・男性経験もあり・・・両性愛者の側面も垣間見える・・・とにかく・・・小百合を愛しく思うわけである。
小百合は・・・思ってもみない出来事に動揺するが・・・潜在的に同性愛気質であったらしく・・・やがて・・・二人は両想いになっていく。
お茶の間的には・・・表現されないが・・・同性同志の接吻の後、裸になった二人はお互いの性的器官を愛撫しあい、大陰唇や小陰唇をすり合わせ、お互いの乳首を吸引し、お互いの陰核を激しく刺激し、愛液にまみれて快感の宴をくりひろげるのだ・・・いい加減にしておけよ。
キッドは何人か、同性愛の女性から赤裸々な告白をされたことがあるが・・・たとえば男性と性交するよりも・・・女性と性的関係を持つ方が明らかに快感が強いと告げられ・・・激しく興奮したことがある・・・なんでもありだからな。
しかし・・・いかに興奮しても相手が求めているのは男性ではないわけである。
・・・残念だったんだな。
女の子と女の子のカップル誕生に周囲は様々な反応を示す。
いたってノーマルな門脇未來(吉田里琴)や小百合に片思いの深澤直(健太郎)なども登場するのである。
しかし・・・まあ・・・基本的には・・・抱擁力のある大人の同性愛者であるゆいとまだまだ初心な同性愛者である小百合との心のゆらめきが・・・ポイントになってくる。
つまり・・・恋愛ものとしては・・・非常にノーマルというわけだ。
終盤、娘と娘の性的な結びつきに・・・両親は動揺する。
なにしろ・・・このままでは・・・孫の顔が見れないわけである。
まあ・・・来年、人類が滅亡するとなると・・・多くの人は一緒だけどな。
迫りくるクリスマス・・・ストレートに愛を貫くゆいに対して・・・いろいろと躊躇ってしまう小百合。
結果として・・・家族は一度瓦解してしまう。
しかし・・・一度知ってしまった禁断の果実に誘われて・・・おいっ・・・ゆいの心に潜む優しさを感じた小百合は一人暮らしを始めたゆいを迎えにいくことを決心するのだった。
ゆいが小百合を見初めた神社の境内でゆいの胸に飛び込む小百合。
「キスしてよ」
めくるめく官能の嵐である。
二人は手を繋ぎ仲良く・・・神社の階段を下りてゆくのだった。
まあ・・・相手が同性だろうが異性だろうが・・・愛が永遠に続くものとは限らないわけだが。
関連するキッドのブログ→ラスト・フレンズ
| 固定リンク
« 赤めだか(二宮和也)立川談志物語だねえ(ビートたけし)恋より落語か(清野菜名) | トップページ | まれ〜また会おうスペシャル〜(土屋太鳳)スターと一般女性との恋(中村ゆりか)素晴らしいインターネットの世界のお見合い(清野菜名)マリー・アントワネットより愛をこめて(清水富美加) »
コメント
キッドさん
こんばんは(*^^*)
本記事とは関係のないコメントになってしまいますが
年末のご挨拶に伺いました
今年もたくさんのドラマがありましたが
見る本数も極端に少なく 名作だとわかっていても
やや当事者に近い立場のテーマだと避けてしまいがちだったりで
随分と損をしている気もしますが
今年のドラマではダントツでデートが印象に残ってます(*^^*)
本放送時よりスペシャルが特に満足感が高くて
古沢脚本が本当に大好きです♪
リーガルハイもまた見たいのですが 以前よりも最新作が作られるのハードルが高くなってしまったようにも思え ちょっと心配しています
スターウォーズ祭 絶賛開催中ですが
実はまだ見に行けてません
ためてある深夜の再放送の録画を見てから行こうと思ってます
1番印象に残ってるのは帝国の逆襲でエピソード3も結構好きです
スターウォーズではありませんが
昨年 映画館でも見て とても好きだったインターステーラーをレンタルで
見直したのですが 意外と自宅で見るのにも向いている映画だったのか
大感動でした
でも難解な映画なのでキッドさんに説明してもらいたいな〜
なんて思っちゃいました
いつかテレビ放送して欲しいです^ ^
深夜ドラマも含め レビューの対象が無数にあり そのためには視聴も必要だしお忙しい毎日かと思いますが
来年もキッドさんのレビュー 楽しみにしています
どうか良いお年をお迎えくださいませ🍀
投稿: chiru | 2015年12月30日 (水) 23時21分
シンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃいませ・・・大ファン
わざわざのおはこびありがとうございます。
今年の残すところ数時間ですねえ。
今年最後の記事も書き終わり・・・後は
今年最後の入浴・・・今年最後の買い物・・・今年最後の食事・・・おそらくもう今年は眠れない。
それなのに・・・見終わっていない録画コンテンツが
あふれています。
もう・・・ダメだ・・・と思う今日この頃です。
新年スターウォーズ鑑賞のお誘いも
スケジュール的に難しいし・・・。
じゃあ・・・真夜中にスターウォーズ三昧するなよって
話なんですが・・・。
本格的宇宙SFのインターステーラーを語る日が
来るとよろしいですねえ。
まあ・・・人間が人類の運命を握るなんて
無理だと悪魔は察するのですが・・・。
いいじゃないの・・・滅亡したって・・・が
座右の銘なので・・・。
とにかく・・・時間と空間は同じものという話でございます。
まだまだ世界は驚愕に満ちていますからねえ。
昔・・・「びっくりしたな、もう」という表現がありました。
それから「シェーッ!」というのがありまして。
「あっと驚くタメゴロー」
「じえじぇじぇ」
そして・・・「びっくりぽんや」へ・・・。
人間、びっくりするのが大好きなのでございます。
キッドが「ドラマ」を評価するのはおこがましいので
点数とか・・・順位はなるべく表明しないように
しているのですが・・・。
年忘れということで・・・あえて悪魔版2015年度連続ドラマベスト10を発表しておきまする。
①問題のあるレストラン
②デート~恋とはどんなものかしら~
③アルジャーノンに花束を
④アイムホーム
⑤セカンド・ラブ
⑥掟上今日子の備忘録
⑦探偵の探偵
⑧表参道高校合唱部!
⑨サイレーン
⑩おかしの家
悪魔は「忘れられないシーン」があったかどうかがポイントです。
そういう意味で「問題のあるレストラン」は
名場面だらけでしたからねえ・・・。
「デート」の009と003と
「問題のあるレストラン」の三人の少女が公園では
甲乙つけがたく最後まで揉めたそうですが・・・。
まあ・・・二人より三人なんですな。
さあ・・・まもなく・・・おさるさんだよ~でございます。
投稿: キッド | 2015年12月31日 (木) 10時43分