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2015年12月29日 (火)

赤めだか(二宮和也)立川談志物語だねえ(ビートたけし)恋より落語か(清野菜名)

「笑点」の初代司会者だった立川談志は昭和四十四年(1969年)の第170回で前田武彦にバトンタッチした。

それから・・・昭和四十六年(1971年)には参議院議員に当選している。

昭和三十八年(1963年)に真打に昇進してから十年の間にすでに波乱万丈の人生がある。

昭和五十八年(1983年)は真打昇進から二十年である。立川談志は落語協会を脱会し、落語立川流の家元となる。

その翌年・・・昭和五十九年(1984年)・・・立川談春は高校中退し、立川流に入門する。

「立川」は「たちかわ」ではなく「たてかわ」である。

平成九年(1997年)・・・立川談春は真打となる。

平成二十三年(2011年)十一月、立川談志逝去。

時は流れて行く・・・。

で、『赤めだか』(TBSテレビ20151228PM9~)原作・立川談春、脚本・八津弘幸、演出・タカハタ秀太を見た。立川談春(二宮和也)が十七歳で談志(ビートたけし)の門下生となり、見習い、前座を経て二つ目に昇進するまでを描いた物語である。師弟愛を根底とした談春の心の成長が主題となっている。ちなみにビートたけしは落語立川流の門人で立川錦之助という高座名を持っています。談志だかビートたけしだかわからないと感じる人もいるだろうが・・・似たようなものなんだと妄想するしかないのだった。

ついでに・・・「立川談かん」はたけし軍団の「ふんころがし」を経て「ダンカン」になっている。

ダンカンは今回、お届けものの配達員として登場していた。

埼玉県の高校生だった信行は薬師丸ひろ子のナレーションに背中を押されて落語立川流の門人となる。

「親の承諾が必要だ」という談志に「親は死にました」と応じる信行だった。

両親(寺島進・岸本加世子)に「落語家になること」を反対され家出していたのだ。

「赤穂藩には四十七士の他にも武士はいたが・・・みんな逃げちゃった・・・落語は逃げちゃった方にスポットを当てるもの」という談志の言葉が信行を動かしていた。

馬鹿なのである。

「笑点」を作り、「国会議員」にもなったが・・・「落語家」としては一流だった談志は・・・信行を「立川談春」として育てることにしたらしい。

兄弟子には二つ目の立川志の輔(香川照之)がいて、借金持ちの立川談々(北村有起哉)、上方から流れてきた立川関西(宮川大輔)、野球くずれの立川ダンボール(新井浩文)がいた。

談志は様々な雑用を弟子たちに言い付ける。

「窓の桟を拭け、牛乳と豚肉百グラム買ってこい、机の上のはがきを出しておけ、事務所に電話してギャラを確認しろ、写真を整理しておけ、スリッパの裏をきれいにしろ、枕カバーを洗え、となりの家が荷物を預かってるからもらってこい、つつじの花を摘め、桜の木に害虫駆除の薬を撒け、シャワーの出が悪いから直せ、職人を呼んでもいいが金は使うな、戸袋の鳥の巣をなんとかしろ、塀の上の猫を撃て、ただし殺すな・・・」

弟子たちはてんやわんやで用をするのだった。

「師匠だっていちいち覚えてないだろう」

「ところが・・・覚えているんだな」

「十四個です」

「すごいな」

「数えてました」

「で・・・なんや・・・」

「いや、数えていただけなので」

「ギャラってなんでしたっけ」

「シャワーが壊れました」

「つつじに殺虫剤かけちゃいました」

馬鹿なのである。

やがてダンボールが廃業することとなり・・・師匠が「金魚を買え」と言った金で焼き肉送別会をする談春。

おつりで「めだか」を買い・・・「珍しい金魚」と称する談春だった。

後の「赤めだか」である。

「風邪」を理由に稽古を断った談春は・・・談志の機嫌を損ねる。

それが「しくじり」であることに思い当たらない談春は・・・「築地市場」に修行に出されるのだった。

魚河岸の女将(坂井真紀)に叱責されて・・・ぼやく談春。

女将の娘(清野菜名)の熱い眼差しも眼中にはない。

一方、後輩の立川志らく(濱田岳)は談志に気に入られ頭角を現す。

辛抱しきれず談志に不平をぶつけようとした談春は機先を制されるのだった。

「なんでも他人のせいにするやつはダメだ。そういう奴は嫉妬に目がくらむ。自分ができないことを他人のせいにするのは楽だからな。政治が悪い。世の中が悪い。そんなことをいって何かが変わるか。現実ってものを受けとめることが大切だ。そうすれば・・・何故、ダメなのかがわかる。理由がわかれば・・・それをどうにかしようと工夫ができる。全部自分が悪いんだと思えば・・・腹なんか立たないんだ」

いわゆるひとつの実存主義である。

今年は昭和九十年だった。

敗戦の年、昭和二十年から七十年である。

今、八十代の人間は昭和ヒトケタの生まれで「戦争」でひどいめにあった子供たちである。

そういう人々の「戦争」への嫌悪はなかなかのものだ・・・しかし・・・そういう人々はなぜ、そういう時代になってしまったのかは知らない。

知るためには・・・歴史を学ばなければならない。

そうでなければ・・・すべては「親のせい」になってしまうのである。

「安全保障」と聞いただけで「戦争」を叫ぶのは・・・「現実」を否定した戦前の人々と通じるものがあるわけである。

談志は弟子たちに・・・「人から可愛がれられる道」を説く。

そして・・・「人に迷惑をかけても許してもらえる人間になれ」と言うのだった。

この・・・恐ろしい矛盾こそが「現実」の醍醐味だからである。

沖縄開発政務次官に就任した談志は沖縄海洋博視察の記者会見に二日酔いで応じ、記者から「公務と酒とどっちが大事か」と問われて「酒にきまってんだろ」と答えたのだった。

無茶苦茶だが・・・面白ければそれでいいと思う。

談志は昭和十一年(1936年)生まれでそこそこひどい目にあっているわけである。

談春は談志の「愛」を感じた。

そして・・・精進したのであった。

「落語はリズムとメロディーだ」と持論をもっていた談志。

ドラマ全体に薄いBGMとして郷愁を誘う歌が流れる。

世代にもよるだろうが・・・演出としてはこれが心を持っていく仕掛けになっているようだ。

懐かしい歌に残るリズムとメロディーのように・・・。

談志がこの世から消えても・・・立川流の落語は生きているのである。

たとえハッピーエンドでもどこか淋しい。

談春の青春を・・・二宮和也は見事に演じたと考える。

関連するキッドのブログ→オリエント急行殺人事件

ちりとてちん

昭和の爆笑王林家三平ものがたり・おかしな夫婦でどーもスィマセーン!

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