すき焼きに生卵がついている地獄(石橋杏奈)結婚も二度目なら少しは茶番劇も上手に(榮倉奈々)
谷間である。
谷間だが・・・谷間に消えたレビューの最終回を・・・。
変則的な「デザイナーベイビー」がなければ・・・どちらかは残った気がするな。
いや・・・どちらを残すかで決着つかなかったんじゃないか。
つまり・・・石橋杏奈と榮倉奈々は甲乙つけがたいということか・・・。
そこかよっ。
「無痛」は普通ヴァージョンと「エンジェルハートまじっちゃいました」ヴァージョンがあるぞ。
「遺産」は「悪いイクオ」ヴァージョンもあるな。
どうせ・・・妄想なんだから・・・なんでもいいよ。
99人のアイドル大集合のコラボ9曲目はどうせAKI氏曲なら「僕たちは戦わない」がよかったよな。
おい・・・妄想混線してるぞ。
で、『無痛〜診える眼〜・最終回(全10話)』(フジテレビ20151216PM10~)原作・久坂部羊、脚本・小川智子、演出・佐藤祐市を見た。脚本家が四人ということで・・・「花燃ゆ」と共通点があるのだが・・・そういう意味で気になるのが医師・為頼英介(西島秀俊)と井上和枝(浅田美代子)の関係だよな・・・そこな。設定では英介(43)で和枝(56)だが、和枝の妹で一年前に他界した英介の妻・為頼倫子(相築あきこ)の年齢は不詳である。実年齢を参照すると・・・西島(44)浅田(59)相築(48)である。つまり・・・倫子と和枝の年齢差は10歳くらいで・・・倫子は英介より年上の女だったわけである。死んだ妹の夫と同居する和枝・・・花燃えてるんじゃないのか・・・西島秀俊の一部愛好家(around fifty)へのサービスじゃないか・・・。
「こんなの・・・ただの動物的な勘みたいなものだ」
・・・いや、完全に特殊能力だよ。
為頼英介は「殺意」が見える男なのである。
このドラマでは「殺人衝動」は一種の精神疾患の趣きがある。
だが・・・動物的な攻撃性と・・・人間の教育による衝動性の抑制の関係についてはあまり深くは述べられなかった。
あくまで・・・一つの「ネタ」なんだよな。
為頼英介と同じように「犯因症」を視ることができる白神陽児(伊藤英明)は結局・・・イバラ(中村蒼)を凶器として使用した殺人者であり・・・為頼英介は白神の「殺意」を見抜けなかったわけである。
殺人後・・・時間経過により「犯因症」が自然治癒したということか・・・。
そういう意味で・・・「ネタ」についての定義が少し甘めである。
「殺意」と「殺人行為」の関連についても詰めの甘さがある。
また「悪意」と「殺意」の境界線も曖昧になっている。
やはり・・・主題は・・・和枝の花萌えなのか・・。
物語の主軸である「教員一家殺害」はあの未解決事件を連想させるわけだが・・・そこには被害者と加害者の意識のズレの問題が持ちこまれる。
そういうごった煮感覚がおいしいと感じる人もいるが・・・もう少し、ダシの味はシャープにしてもらいたい気がする。
無能であるために事件が解決できない港中央警察署の刑事・早瀬順一郎巡査部長(伊藤淳史)は「教員一家殺害」の動機を解明できない。
セルフコントロール不足で・・・犯人に対する殺意を抑えきれないという精神的に問題のある警察官なのだ。
白神陽児の謎に迫る為頼英介は・・・医者だが・・・動機を解明してしまうのだった。
そもそも・・・殺人事件の古典的動機は「痴情のもつれ」である。
宝塚女優のように美しい院長秘書の横井清美(宮本真希)は白神に片思いをしていて・・・白神に大切にされる臨床心理士の高島菜見子(石橋杏奈)に嫉妬し・・・ついに殺人未遂にいたるわけである。
「まさか・・・殺されるほど・・・怨まれているとは」
被害者の予想もしない加害者の動機・・・。
まあ・・・殺人事件の多くは本質的にそういうものなのである。
被害者の一人である教師は南サトミ(浜辺美波)の声帯に障害があるとは知らずに「発声すること」を強要する。
サトミは教師の鈍感さに殺意を覚える。
しかし・・・実際に殺人を実行したのはイバラだった。
イバラは無痛の人として・・・白神の「無痛薬開発」のための人体実験に使用される。
その上で「薬物の過剰投与」による「暴走」を喚起され・・・白神によって「教員一家殺害」へと誘導されたのである。
「弟は精神的に弱く・・・私は肉体的に弱かった・・・自殺した弟の心臓を移植することで・・・私は心身ともに強くなったのだ」
「まさか・・・エンジェルハート症が・・・」
「そうだ・・・弟の心臓には記憶があった・・・あの雌犬・・・弟を捨てて、教員の妻となり、二人も子供を産み、幸せを満喫している女・・・彼女に対する怨嗟が」
「それは・・・デビルハート症・・・」
「私には我慢できなかった・・・可愛い弟を自殺においやっておきながら・・・幸せな家族、幸せな家庭を自慢していたあの女が・・・不条理じゃないか」
「・・・しかし・・・子供たちには罪がないだろう」
「寝言だな・・・弟から愛するものを奪った男と同様に・・・二人の生殖行為によって増殖した子供も同罪だし・・・罪の報いを女が充分に知るためにただ殺したのでは不足だ・・・わが子を殺される苦痛を味わうべきだ」
「君は・・・心臓の記憶によって・・・理性を失ったのか」
「いや・・・完全な理性を得たのだ」
二人の医師の会話についていけない早瀬・・・。
「なんなの・・・結局、悪いのは誰なの」
そこへ・・・イバラが登場する。
「先生は大切な人・・・先生は素晴らしい人・・・でも・・・先生は悪い人・・・ボクに悪いことをさせました」
イバラは白神と心中した。
「辛いことがあっても・・・生きていかないといけないと告げるのが私の仕事です」
高島菜見子はつぶやく。
「刑事の仕事は・・・犯人の逮捕であって・・・処刑ではないと・・・警察学校で教わっていたことを忘れていました」
早瀬は・・・少し反省する。
栄一は・・・菜見子が家族のように為頼家を訪れる度に・・・和枝の目が怪しく光ることに気がついた。
身の危険を感じる栄一・・・。
「少し・・・旅に行って来るよ」
「それも・・・いいかもね」
和枝はひっそりとため息をつく。
痛みは慈悲深い神の恩寵であると人は言う・・・。
関連するキッドのブログ→第2話のレビュー
で、『遺産争族・最終回(全9話)』(テレビ朝日20151022PM9~)脚本・井上由美子、演出・松田秀知を見た。佐藤育生(向井理)を捨てた無責任な父親である佐藤肇(光石研)は最終回直前にそれほど悪い男できなかった風にフェイドアウトである。「サイレーン」の渡公平(光石研)も悪女に使い捨てられて最終回には登場しない・・・。光石研は最終回には登場しない貴重な脇役になってしまったのか・・・。
一方、葬儀社の社長令嬢として・・・甘えっ子に育った河村楓(榮倉奈々)は最後まで「愛してくれなきゃ嫌いになっちゃう」的な・・・キャラクターを演じ切ったのであった。
「Nのために」の後だからな・・・。
次はD警務部秘書課の警察官か・・・。
ついに・・・遺産の十億円を手中にしかけた育生だったが・・・認知症を発症している河村龍太郎(伊東四朗)は気分が変わって遺言を破棄した。
「ちっ」
育生は微笑みながら舌打ちする。
その時・・・焦げ臭い匂いが不毛な家族の食卓に押し寄せる。
「おじいちゃんの部屋・・・」
「仏壇の燈明じゃないの・・・」
「火事だ」
「あわてないで・・・煙を吸い込まなければ大丈夫です」
「なんで・・・あんたが命令するのよ」
「婿のくせに生意気よ」
「息を止めて死ねって言うの・・・」
「楓・・・水を持ってきてくれ」
「はい」
楓は凛々しい育生にうっとりするのだった。
テーブルクロスを水でぬらし、対煙マスクを手作りする育生。
しかし・・・認知症を発した龍太郎は火元へ向かう。
(まだ・・・死なせるわけにはいかない・・・ここで死なれたら普通の遺産相続になってしまう)
「おじいちゃんは僕が連れ出す・・・お父さんはみんなを連れ出してください」
「わかった」
自分が一番大事な恒三(岸部一徳)は了承する。
「金だ・・・ワシの金が」
「まさか・・・おじいちゃん・・・遺産を現金に・・・」
「ワシの全財産」
「大丈夫・・・金庫は防火性がありますから」
しかし・・・認知症を発症している龍太郎は理性では動かない。
「ワシの八十年の人生を費やした金だ」
「開けたら・・・金庫の中の酸素に引火します」
「金・・・今、助けてやる」
「バカ」
開かれた金庫が巻き起こすバックドラフト。
燃えあがる札束。
「ワシの金が・・・」
(オレの金が・・・)
「燃える・・・」
「くそったれ・・・」
病院のベッドで意識を取り戻す・・・。
「よかった・・・」
安堵する楓・・・。
しかし・・・育生の心はドス黒い落胆で覆われていた。
(この・・・元資産家のバツイチ女め・・・)
「・・・」
「どうしたの・・・育生」
「僕のせいで・・・こんなことに・・・」
「育生のせいじゃないよ・・・」
「いや・・・僕があんなことをしたから・・・」
「お金に目がくらんだ家族のためにしてくれたことじゃない」
「でも・・・家族はバラバラのままだし・・・お金もなくなった」
「しょうがないよ」
「別れよう・・・」
「え」
(金の切れ目が縁の切れ目なんだよ・・・)
いつもの居酒屋で飲んだくれる育生。
「喧嘩でもしたの」
育生の幼馴染である渡辺美香(朝倉あき)は案じる。
「喧嘩じゃない・・・離婚だ」
「じゃ・・・私と結婚する?」
(なんだと・・・どんなに可愛くたって居酒屋で働いている娘と俺が結婚だと・・・するわけないだろう・・・第一・・・お前は悪の秘密結社の総帥だろうがっ)
「ねえ・・・育生・・・」
(そうだ・・・現金がなくなったって・・・まだあの家にはいろいろと資産が残っているじゃないか・・・目の前で現金が燃えるのを見て・・・動顛しすぎたな・・・貧乏症って恐ろしいな)
育生は河村家に戻った。
「解散なんて・・・ダメです・・・僕は・・・たとえ・・・最低の家族でも・・・みなさんと・・・家族になりたいんです」
「育生・・・」
育生の心にもないセリフに手玉にとられる楓だった。
そして・・・龍太郎の心臓が止まる。
「この鍵・・・どこの鍵かしら・・・」
「もしかして・・・どこかに・・・隠し財産が・・・」
「なんだと」
龍太郎の脈を診る育生の耳に・・・遺品をあさる家族の声が届く。
思わず・・・口元が緩む育生。
(俺たちの争いはこれからだ!)
・・・リセットされたな。
まあ・・・「カワムラメモリアル」を中心に・・・もっと様々な遺産争族を見ていくという展開もあるよねえ・・・。
龍太郎だって・・・また蘇生しそうだしな・・・。
関連するキッドのブログ→第1話のレビュー
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