生まれてしまったものはしょうがない(綾野剛)死んでしまったものはしょうがない(木南晴夏)自然淘汰に対しコードブルーを宣言します(松岡茉優)
いよいよ・・・最終回の連打もフィナーレだ。
スター・ウォーズ祭りとかぶったけどな。
最後の妊婦ゲストは・・・小泉響子/鳥飼カエデ/ベビーエロ/自虐少女隊カイラ/三國茜/ムラサキ/かしこさんでおなじみの木南晴夏 だ~。
最期まで凄い妊婦ゲスト陣だったな・・・。
「彼女は簡単には口を割らない・・・」
彼女が誰かを知っていれば心に響くあの方のセリフ・・・。
裏番組が録画できる時代でよかったな・・・。
砂漠を彷徨う金色のロイドはまるで三蔵法師様・・・。
これ・・・悟空~って言い出しそうだ・・・。
おい・・・また妄想混線してるぞ。
入間しおりも頑張ってるね・・・。
今回、下屋かっけ~の巻でがんす。
あ・・・遠藤真奈の馬子先輩始る・・・。
誰だよっ。
・・・師走だな。
で、『コウノドリ・最終回(全10話)』(TBSテレビ20151218PM10~)原作・鈴ノ木ユウ、脚本・山本むつみ、演出・土井裕泰を見た。「生まれてくる命はそれぞれがたった一つです」という後期研修医の下屋加江(松岡茉優)のつぶやきで始る最終回。生と死が交錯するペルソナ総合医療センターの周産期母子医療センターを舞台に静かに成長していく研修医・下屋の物語・・・でもあるこのドラマ。「生きるべきか・・・死すべきか」・・・永遠の謎に答えはない。しかし・・・産科医は・・・とにかく・・・出産を上手にお手伝いするしかないのである。一度も失敗は許されないのだ。ま、誰でも失敗はするんだけどね。
産科医・鴻鳥サクラ(綾野剛)は・・・児童養護施設の保育士・小野田景子(綾戸智恵)から手紙を受け取る。
「あなたの・・・お母さんについて・・・わかったことがあります・・・聞きたかったら話します・・・聞きたくなければそれはそれでええで」
サクラの産みの母は・・・抗がん剤治療を打ち切って・・・出産直後に死亡。
未婚の母だったためにサクラの父親は・・・正体不明だった。
サクラの胸には・・・「母親の命を奪った子供を父親がどう思うのか」という棘が刺さっていた。
まあ・・・正体不明の時点で・・・99%ひどい父親なんだがな・・・。
その頃・・・妻のゆきえの死と引き換えに・・・愛児・メイを授かった永井浩之(小栗旬)は育児と仕事の両立に困難を感じていた。
「もう無理なんです・・・子育てに追われて・・・仕事に集中できない・・・メイを田舎の母親に預けようと思ってます」
「・・・」
「それに・・・いつか・・・この子に・・・母親のことを話さなければならないと思うと・・・気が重くて・・・」
「・・・」
「だって・・・この子のせいで・・・」
「話してあげてください・・・お母さんが・・・メイちゃんが生まれてくることをどんなに待ち望んでいたかを・・・そして・・・あなたがそれをどう感じたかを・・・」
「でも・・・」
「僕は・・・メイちゃんと同じです」
「え・・・」
「僕も・・・母親の命を犠牲にして・・・この世に生まれてきたのです」
「父親は・・・」
「・・・最初からいませんでした」
「・・・」
「だから・・・父親の気持ちを・・・知りたいと思います」
「・・・父親の」
「もうすぐ・・・メイちゃんの誕生日でしょう・・・お好きだとおっしゃっていたので・・・これどうぞ」
「え・・・この日付・・・メイの誕生日じゃないですか」
サクラはピアニスト・ベイビーのライブ・チケットを渡した。
「このライブは・・・赤ちゃん連れ歓迎なのです」
「そんな・・・阿鼻叫喚な・・・ライブを・・・」
不妊治療の成果を得た相沢美雪(西田尚美)は・・・ベイビーがサクラだと知り・・・スキャンダラスな記事を書こうとしていた。
そのために・・・ペルソナ総合医療センターに取材を申し込む。
宣伝効果を期待して快諾する守銭奴の大澤院長(浅野和之)だった。
取材に訪れた美雪は・・・新生児病棟に母乳を届けに来るが愛児・ナオトとの面会を拒む・・・母親・森口亮子(奥貫薫)の存在を知る。
「私・・・ナオトが・・・18トリソミーであることが・・・まだ受け入れられないのです」
「私たちは・・・ナオトくんと・・・いつでもお母さんをお待ちしていますから」
「・・・」
新生児科の今橋医師(大森南朋)は優しい猫撫で声で亮子を誘う。
「18トリソミーとは何ですか」
「染色体異常の一種です。トリソミーは2本で対をなしている染色体が3本になっているということです。18番染色体が過剰であるために先天性障害を引き起こすのです。高齢出産によりリスクが高まると言われています・・・」
「高齢出産で・・・」
「18トリソミーの男子の平均寿命は2~3ヶ月というデータもあり・・・NICU(特定集中治療室)で生涯を終える赤ちゃんも・・・」
「・・・そんな・・・」
四宮春樹(星野源)が読み聞かせを続けて来た生まれてから一度も目覚めないつぼみは息をひきとった。
一度も面会に来なかった父親は・・・無言でつぼみを引きとって行った。
四宮は・・・父親の悲哀を痛いほどに感じている。
「このまま・・・赤ちゃんに・・・会わないなんて・・・」
「・・・」
亮子の哀願に無言で応じる夫の武史(戸田昌宏)だった。
四宮は武史に特攻した。
「あなたが・・・恐怖で・・・ナオトくんに会いにいけないこと・・・わかってます」
「あんたに・・・何がわかる」
「私は・・・知っています・・・このままで・・・あなたは・・・とりかえしのつかない・・・傷を心に負います」
「・・・」
「勇気を出して・・・ナオトくんに会うべきです」
「ほっといてくれ」
助産師の小松留美子(吉田羊)は味方を求めて・・・四宮を口説く。
「よく言った・・・四宮先生」
「・・・」
「誰かが・・・背中を押してあげるのも・・・大切だよ」
「・・・」
「さあ・・・四宮先生も・・・勇気を出して・・・私の胸に」
「飛び込みませんよ」
小松の独身時代に終止符は打たれなかった。
高齢出産によるリスク・・・自身が妊婦である美雪は出生前診断を受けるかどうかについて悩んでいた。
医療とは・・・自然に対する反逆である。
淘汰されるべき命を時には救ってしまう。
しかし・・・人間も自然の一部だと考えれば・・・自然に対する反逆もまた自然なのである。
リスクを避けるために技術は革新され・・・革新は新たなリスクを産む。
美雪の上司は素知らぬ顔で毒を吐く。
「この忙しい時に・・・君まで妊娠したとか・・・冗談でもやめてくれよ・・・」
人類は妊娠して出産されなければ存続しない。
しかし、一人の人間が雑誌編集の戦力になるためには多くの歳月が必要となる。
月刊誌の締め切りはひと月に一度やってくる。
美雪は経済の危うく恐ろしいバランス感覚に眩暈を感じるのだった。
ここまでが・・・ほぼ前フリである。
父親を知らず母親も知らないサクラ。
母体も新生児も救えなかった四宮。
障害を持つわが子への対面を怖れる森口夫妻。
育児と仕事の両立に苦しむ永井。
妊娠していることを職場で公言できない美雪。
生殖相手さえいない小松・・・。
このそれぞれの苦悩は複雑に絡み合い・・・やがて・・・収束していく。
それを繋ぐのが・・・破水したものの陣痛の納まった妊婦・・・飯塚律子(木南晴夏)と・・・担当医の下屋である。
研修医だが・・・女医として・・・妊婦たちにそれなりに人気の下屋なのだった。
「担当が下屋さんでよかった」
「ありがとうございます」
「陣痛治まったから・・・退院ですか」
「破水しているので・・・入院です」
「そうなんだ・・・じゃ・・・旦那を呼び付けて正解だったんだ」
「大正解ですよ」
「よろしくお願いします」
「まかせてください」
そして・・・突然、止まる律子の心臓・・・。
その日は・・・メイちゃんの誕生日。
お気に入りのベイビーのピアノ演奏に機嫌が良くなるメイちゃん。
思わず・・・パパと初めての言葉を放つ。
パパがいる時は・・・いつも・・・プレイヤーからベイビーのピアノが聞こえていたのだった。
演奏が「ハッピー・バースデイ」に変じ、ベイビーからのささやかなバースデイケーキが届く。
場内の聴衆たちのあたたかい拍手・・・。
メイちゃんのパパとして永井は愁眉を開く。
(仕事なんかなんでもいい・・・でもメイはメイじゃなくちゃダメだ・・・)
子育てしやすい部署への配置転換を希望することにする永井だった。
四宮に背中を押された森口夫妻はナオトくんと対面した。
「大きくなったんだなあ・・・」
「もっと・・・早く来ればよかった・・・」
「ナオトくんの時間は・・・我々より・・・早く過ぎ去っていくかもしれません」
「・・・」
「だから・・・濃密な時間を過ごしているとも言えるのです。・・・我々の一瞬が・・・ナオトくんにとっては永遠なのかもしれない」
「・・・」
「どうです・・・せっかくだから・・・ナオトくんを入浴させてあげてみては・・・」
「ナオトを入浴させる・・・そんなことが・・・できるんですか」
「できますよ」
「あなた・・・落さないでよ・・・」
「落すわけないだろう・・・」
突然。ベッドに崩れ落ちた律子に・・・動顛する夫(佐野泰臣)・・・。
「律子ちゃん・・・」
「すみません・・・場所をあけてください」
「一体・・・何が・・・」
「奥さんの心臓は止まっています」
ここで・・・麻酔科の船越医師(豊本明長)が「愛は勝つ/KAN」のメロディーで歌い出す。
「し~んぱくないからね」
「ないない」
「子宮左方転位を行います」
「胸骨圧迫します」
「圧迫位置・・・頭部よりに・・・AED用意して」
「人工呼吸開始します」
「輸液急いで」
「心拍戻りません」
「アドレナリン投与・・・」
「AED・・・準備できました」
「コードブルーを宣言します・・・」
下屋のアナウンスに・・・耳を傾ける医療スタッフたち。
「産科で・・・コードブルー」
緊急事態発生に全員集合体制に急速移行するのだった。
懸命に蘇生を続ける下屋。
そこへ・・・四宮が到着する。
「心肺停止です」
「続けろ」
麻酔科、新生児科、救命救急科などのスタッフが続々集結する。
「心拍もどりません」
「母体を優先する・・・死戦期帝王切開術だ」
「はい」
そこへ・・・サクラが帰ってくる。
「どうした・・・」
「死戦期帝王切開術です」
子宮を小さくして下大静脈と大動脈の圧迫を解除し、母体血行動態を改善するための・・・胎児の分娩である。
「よし・・・一分で赤ちゃんだすよ」
「下屋・・・第一助手だ」
「え」
「お前が担当だろう」
「はい」
「赤ちゃんもお母さんも助けるよ・・・」
「はい」
「おめでとうございます」
新生児科新井医師(山口紗弥加)の傷心休養の穴を懸命に埋める後期研修医・白川(坂口健太郎)・・・。
「頑張れ・・・頑張れ・・・」
「心肺・・・戻りません」
「チャージして・・・」
響き渡る新生児の産声・・・。
「はい泣いた」
精神感応する七瀬・・・いや律子だった。
「心拍・・・出ました」
母子はともに・・・淘汰を免れた。
わが子の気配に覚醒する七瀬・・・いや律子だった。
妊婦を演じるために盛っているのではないかと疑う一部お茶の間だが・・・本来、グラビアアイドル的ナイスボディです・・・念のため。
「どうして・・・突然、心肺停止したのでしょうか」
「QT延長症候群の疑いがあるな・・・」
「心臓の収縮後の再分極の遅延がおき不整脈で・・・心室細動による突然死につながる家族性突然死症候群ですか」
「とにかく・・・下屋・・・よくやったな・・・ただし・・・手術中はよそ見するな」
「四宮先生・・・」
下屋は四宮にご褒美として牛乳をもらった。
「どうやら・・・四宮に認められたみたいだな」
「え・・・今の・・・そうなんですか・・・サクラ先生」
サクラは四宮の背中を見て微笑んでいるかどうかを判定できるのだった。
生と死の境界線を乗り越えて・・・サクラは景子ママに会う。
「あなたのお母さんは・・・単身赴任中の男性と交際していたの」
「・・・」
「男性が去った時・・・お母さんはその人を追わなかった・・・」
「・・・」
「男性には別に家庭があった・・・」
「・・・」
「お母さんは・・・波風立てたくなかったのね・・・」
「・・・」
「そして・・・あなたが生まれたの」
自分が不義密通の成果だと知って・・・微妙な気持ちになるサクラだった。
棘は・・・大きくなったんじゃないのか。
「お父さんに会いたかったら・・・」
「少し・・・考えさせてください」
「あまり・・・待たせると・・・永遠の秘密になっちゃうぞ」
「・・・」
「サクラに父親を責めさせるのは無理よ・・・波風を立てない母親の血が流れているのですもの」
「・・・そこが心配だ」
誰だか知らないが・・・そんなことを言ってると黒焦げになるぞ・・・。
現実の出産を目撃した美雪は・・・スキャンダル記事をあきらめ・・・自分の妊娠と真剣に向き合う覚悟を決めるのだった。
記事は内容の変更ができるが・・・自分の子供を産むのは自分だけなのだから。
ペルソナ総合医療センターに聖なる夜がやってくる。
やぶれかぶれの小松は・・・サクラにピアノ演奏をリクエストする。
「え・・・サクラ先生・・・ピアノ弾けるんですか」
「サクラは・・・弾けるぞ・・・紅白歌合戦には出ないけどな」
四宮はサクラをフォローした。
きよしこのよる
ほしはひかり
すくいのみこは
みははのむねに
「妊娠は病気ではありません。けれど・・・出産の現場は生と死の境界線にあります。私たちは・・・妊婦と胎児を守り、新生児をこの世に迎えるお手伝いをします・・・それが私たちの仕事です・・・そしてお給料をもらうのです」
人類が存続する限り・・・彼らのドラマに終焉はないのだった。
素晴らしい新生児たちの映像表現は見ごたえ抜群だったなあ・・・。
今も何処かで聖なるファンファーレが鳴り響く・・・。
助産師角田真弓(清野菜名)の出産スペシャル・・・あるかな・・・。
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