いつかティファニーで朝食を(トリンドル玲奈)男子より美味しいものを求める女たち(中村ゆりか)
長い谷間なのだが・・・いつまでたっても秋ドラマを語り終えない。
このブログは本来アナログテレビの終焉を看取る雑記だったのだが・・・余生は地上波デジタルのドラマにほぼ限ったレビューである。
他メディアからのお下がり放映も含めているが・・・基本は地デジでオンエアされたドラマに限っている。
それなのに・・・コンテンツが多過ぎるわけである。
まさに・・・今は戦国時代なのかもしれない。
なにが良くて・・・なにが悪いかは・・・人それぞれだが・・・たとえば・・・ヒットドラマというものがあり・・・ビジネス上では・・・それはよいドラマと言える。
そういうものが何故ヒットしたかを分析するのも一興である。
しかし・・・まあ・・・そういうことはその道のプロにまかせたい。
キッドはあくまで妄想を記録していくだけである。
暮れゆく2015年・・・お付き合いくださる読者の皆様・・・暴飲暴食にご注意ください。
で、『いつかティファニーで朝食を・第1回~最終回(全12話)』(日本テレビ201510110125~)原作・マキヒロチ、脚本・足立紳、演出・中茎強(他)を見た。原作は新潮社系のコミックという微妙な立ち位置である。言わずと知れた小説「ティファニーで朝食を/トルーマン・カポーティ」(1958年)のもじりによるタイトルであり・・・オードリー・ヘプバーン主演の同名映画の・・・あの朝食が素敵だと感じるセンスが基盤にあるわけである。半世紀以上前の感覚を変わらない何かと捉えるか・・・それともノスタルジーと捉えるかも・・・人それぞれだろう。原作のヒロインが・・・売春婦であったように・・・庶民としての女子のやるせない鬱屈はそこそこ漂っている。
アパレル会社勤務の佐藤麻里子(トリンドル玲奈)は28歳・・・女優の実年齢が23歳なのですでにちょっぴりフワフワしています・・・七年間交際していて同棲中の吉田創太郎(岩井拳士朗)との生活に倦怠感を覚えている。
麻里子は創太郎との性生活にも嫌悪感を覚えているのだった。
そこには・・・ときめくものがないわけである。
そして・・・創太郎は釣った魚に餌をやらないタイプなのである。
たとえば・・・麻里子はたまにはおしゃれなカフェでデートがしたいのだが・・・創太郎にとってそれは時間と金の無駄遣いにしか思えないのだろう。
そういうカップルを街で見かければ悪魔はニヤニヤするばかりである。
創太郎と距離を置くことを決意した麻里子は引越し先を勤務先のPCでリサーチする。
同僚の立花先輩(竹厚綾)や眼鏡を外すと美少女の伊達公子(中村ゆりか)はたちまち・・・麻里子の状況を見抜くのだった。
「28歳で・・・七年交際した相手と別離かよ・・・大丈夫か」
「悲惨ですね」
「ひでぶ」
そんな・・・麻里子の心の支えは・・・群馬県出身の麻里子の高校時代の仲良しグループなのだった。
卒業後・・・十年・・・変わらぬ友情で支え合う女友達・・・である。
バーの雇われ店長でオーナーと不倫中の阿久津典子(森カンナ)、専業主婦で四歳の息子(横山歩)がいる那須栞(徳永えり)・・・この二人は実年齢・27歳・・・だ。そして、実年齢22歳のヨガインストラクターの新井里沙(新木優子)の四人組。
28歳の同級生カルテットになんとか・・・ギリギリ見えるのは・・・麻里子が少し幼い性格設定で・・・個性派の二人がそこそこ平均年齢をあげ・・・高校生も演じる新木優子が大人びた顔立ちだからだろう。
麻里子の友人たちも・・・それぞれに悩みを抱えて群像劇展開になっている。
ただし・・・これも「食をめぐるドラマ」の一つなのである。
そういう意味では「ラーメン大好き小泉さん」ほどのどうしても見たい感じをキッドは抱かないが・・・これはこれで成立しているのだった。
モヤモヤする麻里子はみんなを誘うが・・・なかなか時間があわない。
そこで・・・恋人と行きたかったカフェのモーニング・メニューが登場する。
二日酔いの典子も子供の幼稚園への送り出しがある栞も朝食会なら参加可能なのである。
おしゃれな「朝食」にときめく・・・28歳の乙女たち・・・。
麻里子はリフレッシュして・・・倦怠期の恋人に別れを通告するのだった。
麻里子の実家では・・・「朝食」はボリューム満点で・・・「家族」がそろってにぎやかな食卓を囲んでいた。
麻里子は・・・そういう生活を求めているのである。
・・・まあ、ある種の人間にとっては相当に面倒くさい女だよな。
とにかく・・・なんだかんだあって・・・クリスマスイブ。
最近、麻里子は・・・少し、同僚の菅谷浩介(柳俊太郎)に心が傾いている。
しかし、浩介の真意はわからない。
素晴らしいインターネットの世界の通販カタログを担当している麻里子は・・・年末年始用のデザイン変更を手掛けるが・・・ありえないほどのミスをして・・・徹夜でお直しすることになる。
納品期日がクリスマスということで・・・社員全員がお手伝いである。
なんて・・・フレンドリーな職場なんだ・・・。
「ああ・・・眠くて数字が入ってこない」
自分の失敗を棚にあげて・・・弱音を吐く麻里子。
「おいおい」
一同は生温かくツッコミを入れる。
なんて・・・やさしい同僚たちなんだ。
家族サービスのために帰宅した五人の子持ちの社長(津田寛治)もサンタに変装して妻の手作りの御馳走を差しいれしてくれる。
「さあ・・・今夜は奥さんに六人目をプレゼントするかな・・・」
「六人目・・・性的なほのめかし・・・セクハラです」
テレビ東京の松丸アナ(34)のような麻里子である。
朝・・・素晴らしい同僚たちのおかげでなんとか作業を終える麻里子・・・。
麻里子はクリスマスの朝に「朝食会」を予定していた。
「もしよかったら・・・ウチで朝ごはん食べませんか」
麻里子の家に集合する女たちと浩介と栞の息子・・・。
朝食のメニューは・・・。
炊きたてのごはん。
納豆。
温野菜のサラダ。
玉子焼き。
味噌汁。
焼き鮭。
・・・つ、漬物はないのですか。
「これって・・・麻里子の家の朝ごはんだよね」
「えへ」
「おいしい・・・これ・・・おいしい」
浩介の言葉に思わず泣きだす麻里子。
「どうしたの・・・」
「だって・・・うれしくて・・・」
「うふふ」
一同は微笑むのだった。
とにかく・・・そういう朝ごはんは・・・ティファニーでは出ないと思う・・・。
年が明けると二期がスタートするってよ・・・。
可もなく不可もないからねえ・・・。
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