帰らざる失踪探偵(新垣結衣)待ち人来らずでも落胆しない男(岡田将生)狙った獲物は逃さない(要潤)
「リーガルハイ」の黛真知子と羽生春樹でおなじみの二人だが・・・今回は名探偵とワトソンくんというパートナーとなって・・・回を追うごとに親密さを増し・・・一日限りの恋を繰り返す間柄となっている。
設定上、これ以上なくせつない恋の物語である。
そして・・・そのことが・・・二人をベストカップルに仕上げている。
今朝のキッドの「夢」は豪華二本立てだった。
一本目は・・・上野樹里の「仮面ライダーのだめ」という変態的なものだっだが・・・そういう夢を見ていることが一種問題じゃないか・・・二本目は実写版「マッハGOGOGO/吉田竜夫」である。
マッハ号のレーサー三船剛が岡田将生・・・父親の仇を討つために遠隔操縦車マレンゴ号を操る山中四郎が要潤、そして運転席にいるだけの四郎の妹ユリがガッキーである。
「もう・・・復讐なんてやめて・・・兄さん」
「いやだ・・・復讐が終わるまで・・・お前が車を降りることは許さない」
「やめろ・・・お前は妹を殺すつもりなのか・・・復讐なんてやめて・・・自首するんだ」
ああ・・・お見せできないのが残念です・・・だから、そういう夢を見ていることがだな・・・。
で、『掟上今日子の備忘録・第9回』(日本テレビ20151205PM9~)原作・西尾維新、脚本・野木亜紀子、演出・小室直子を見た。気が付けば十二月である。すでに・・・秋ドラマも最終回に向かう最終コーナーに向かっている。本作品は一話完結のスタイルをとり・・・しかも・・・主人公の記憶が一日でリセットされるという究極の完結せざるをえない設定なのに・・・最終回へと続く最終回前・・・。この「間違えたリセット」を「初期化」できるかどうか・・・という話の流れが・・・心を騒がせるよねえ・・・。復元されないまま眠るハードディスクの群れがキッドを見つめているだけに・・・。
お前は今日から掟上今日子探偵として生きていく
掟上今日子(新垣結衣)の寝室の天井に書かれた文字。
「何か・・・知っているのでしょう」
隠舘厄介(岡田将生)は探偵斡旋業も営むアパルトマン「サンドグラス」のオーナー・絆井法郎(及川光博)を問いつめる。
しかし・・・キズナイホーローは・・・「今日子さんが探偵か・・・探偵が今日子さんか」などと意味不明の言動で厄介の追及をかわすのだった。
そこで・・・厄介はできる限り・・・朝の「サンドグラス」に顔を出す。
厄介の来ない日に今日子はウエイトレス・幕間まくる(内田理央)や潜入捜査員の也川塗(有岡大貴)が今日子から「もう一人のメンバー」について問う。
「・・・ということは・・・今日子さんの身体に・・・厄介くんの名前が刻まれている」と推理する三人だった。
厄介さん信用できる
今日子の身体にはそういう追記が発生していた。
「僕は・・・ただの客ですが・・・今日子さんとは何度もあっています・・・一緒にコーヒーをいかがですか」
「はい」
厄介にとって・・・至福の時は・・・今日子と過ごす瞬間である。
「ああ・・・そろそろ・・・行かないと」
厄介の出勤時間。
「今日は天気がいいから・・・私も散歩することにします」
至福の時間延長である。
勇気を出して・・・今日子を映画「名探偵めい子」(主演・ベッキー)に誘う厄介。
「いいですよ」
「え」
「あら・・・本気で誘っていなかったんですか」
「いや・・・本気です」
狼狽する厄介・・・微笑む今日子。
しかし・・・不運な厄介のために事件は動きだす。
「はい・・・置手紙探偵事務所です・・・江東区陽炎町三丁目ですか・・・」
今日子に仕事の依頼が発生する。
「気にしないでください・・・また・・・誘います」
「大丈夫です・・・仕事を終えたら・・・午後七時に映画館の前で待ち合わせしましょう」
「飲み物に注意してください」
「どうして・・・」
「睡眠薬でも入っていたら大変です」
喜びで跳び上がる厄介に微笑む今日子。
今日子は依頼者の待つ怪しい会社「縁結人」に向かう。
厄介はアルバイト先の「ヒナコ不動産」に向かう。
厄介は・・・待ち合わせの時間を待ちながら・・・不動産屋の男女島社長(遠山俊也)の指示に従い・・・真面目に勤務するのだった。
空いた時間には・・・今日子の過去について・・・調べるのが厄介の日課である。
今日子と知りあう前に不運な厄介が冤罪被害から脱出するために利用していた探偵の工藤(菊池均也)からは・・・「サンドグラス」のオーナーが三年前に法郎に代わり・・・法郎は金一封で探偵たちを傘下に治めたのだと聞かされる。
今日子一人のために運営される「サンドグラス」の資金源が気になる厄介なのである。
その頃・・・法郎は関西の実業家・態条空真の死亡記事を発見して顔色を変えていた。
「縁結人」で今日子を待っていたのは・・・経営者を名乗る結納坂社長(要潤)だった。
オフィスには血で描かれたような文字が残されている。
血の匂いを嗅ぎあてた今日子だったが・・・結納坂は「赤い絵の具で血ではない」と否定する。
「この文字は・・・金庫のナンバーを秘めた暗号です」
「なぜ・・・そう思うのですか」
「副社長の縁淵の筆跡で・・・金庫のナンバーを変えたのが彼だと思われるからです」
「なぜ・・・そう思うのですか」
「この金庫には・・・不正な手段で入手した個人情報の書類が入っています。縁淵は・・・それを悪用しようとして・・・私が叱責しました・・・私が書類を処分しようとしたのを知り・・・彼は金庫のナンバーを変え・・・この文字を残して・・・姿を消したのです」
「なぜ・・・文字を残したのでしょう・・・」
「おそらく・・・私への嫌がらせだと思います・・・彼は暗号作りが得意なことを私にいつも自慢していましたから・・・口惜しかったら解いてみろ・・・ということでしょう」
「なるほど・・・暗号には・・・いくつかの種類がありますが・・・基本的には・・・本当のことを隠すという目的があります」
「・・・」
「無意味な言葉に見えて実は意味があったり・・・意味があるように見えるけれど無意味だったり・・・」
丸いと四角が仲違い
逆三角形ならなれなれしい
直線ならば懐っこい
「この言葉にはそれなりに意味があるようですが・・・」
「そうですねえ・・・」
「コーヒーでも飲みますか」
「ここに来る途中で出前してくれるカフェのチラシをもらいました・・・経費でよろしいですか」
「構いません」
出前されたコーヒーを飲み終えた今日子は謎解きにかかる・・・。
「社長は・・・数学にお詳しいのでしょうか」
「数学は苦手です」
「丸と四角が相対するのは・・・円積問題を連想させます」
「えんせき・・・」
「円の正方形化が不可能だということは数学的に証明されています。しかし・・・見果てぬ夢を追う人は多い・・・円を四角にすることが無理だと知っているのに・・・世界を相手に戦争を始める大日本帝国の例があります」
「・・・」
「冗談はさておき・・・これは三行詩です」
「三行詩・・・」
「そう・・・しかも・・・πポエム・・・略してパイエムです」
「パイで・・・エム・・・」
「そうです・・・たとえば・・・英語でYes,I have・・・と言えば単語の文字数は314となります」
「314」
「円周率ですよ・・・およそ3.14ということです」
「・・・」
「ゆとりの場合は、youでもandでもnowでもいいわけです・・・およそ3ですから」
「まさか・・・もう・・・答えが」
「僭越ながら・・・まるい・・・3・・・と・・・1・・・四角い・・・4・・・が・・・1」
「ああ・・・」
「つまり・・・金庫のナンバーは31415926535」
「ナンバーは12ケタですが・・・」
「八文字の言葉が思いつかなかったのでしょう・・・でも円周率だから次は8に決まっているのです」
「・・・素晴らしい」
「しかし・・・本題は・・・ここからです」
「なんですって・・・」
「縁淵さんは・・・何故・・・暗号を残したのか」
「・・・」
「それは・・・犯人に血文字を消させないため・・・」
「犯人・・・」
「そうです・・・自分を殺した犯人・・・あなたですよ」
「何を・・・」
「気になるのは・・・整然としたオフィスに雑然と積まれた箱です・・・何かを隠すために・・・どこからか・・・運び出したような」
「・・・」
「ここでしょうか」
今日子がロッカーを開くと飛び出す死体・・・。
「見逃してくれ」
「それは無理ですね・・・出前の人に警察に連絡するようにメモを渡して置きました」
ドアの向こうに誰かがやってくる。
「警察です」
「タダ働きは残念ですが・・・犯罪を見逃すわけにもいきません」
しかし・・・ドアの向こうから現れたのは・・・出前の人だった。
そして・・・死体は生き帰り・・・一礼して去って行く。
「・・・」
「今日子・・・これは・・・君がかって・・・解決した事件だよ」
「・・・」
「君は忘れているだろうが・・・私は縁淵の親友だったのだ・・・事件の時に君と出会い・・・私と君は恋をした・・・そして一年以上・・・交際して結婚の約束もしていたのだ・・・ところがある日・・・君は消えた」
「あなたの話はおかしいですね・・・リセットされる前の私なら・・・あなたのことを覚えていますよ」
「君はいつから記憶を失ったんだい」
「企業秘密です」
「君は・・・リセットされる度に・・・昔の記憶が少しずつ消去される可能性を考えてみたか」
「・・・」
「君は・・・少しずつ・・・リセットされる前の記憶も失っているんだよ・・・」
「自分の知らない過去に付き合う気はありません・・・今日の私を待っている人がいるのです」
「なぜ・・・わかってくれないんだ・・・」
謎の男は今日子を抱きしめる。
誰かが映画「50回目のファースト・キス」を見たのだな。
今日子を待つ厄介は・・・想像する。
今日子はやってきて・・・チケットの代金がどちら持ちか確認する。
そして・・・飲み物とポップコーンの代金ももちろん厄介が払う。
それから・・・二人は映画を見る。
しかし・・・何時間待っても今日子は現れなかった。
そして・・・「サンドクラス」にも帰ってこなかった。
「関西の資産家の指示で・・・置手紙探偵事務所を維持していた」と法郎は言った。
「その人に月に一回・・・今日子さんの無事を定期報告をしていました」と塗は言った。
「私だけ・・・何もしらなかった」とまくるは言った。
「あの人が死んでしまった今は・・・すべてが謎だ」
「そんな・・・」
今日子は消えた。
厄介は・・・依頼の電話の言葉を頼りに・・・捜索をしてみる。
白髪で眼鏡の今日子は多くの人間に目撃されていたが・・・依頼者は架空の存在だった。
厄介は・・・思う。
まさか・・・あの今日子さんが・・・罠に落ちるなんて・・・。
十日後・・・映画館の前で黒髪の今日子が看板を眺めている。
厄介は声をかける。
「今日子さん・・・掟上今日子さん・・・」
「オキテガミ・・・キョウコって誰ですか?」
厄介は絶望した。
これは絶対に見逃せない最終回リストに入るな・・・。
関連するキッドのブログ→第8話
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