あなたを信じていいのね(広瀬すず)それは自分で確かめろ(亀梨和也)
正邪は人の心が決めるものである。
弱きを助け強きを挫く・・・そういう人が正しいと思えば正しい。
しかし・・・一度は助けたものを見放すことはどうだろう。
それが邪なことであれば・・・助けたことも邪まだったと言えないこともない。
しかし、助け続けることはできなくても・・・助けることはやはり正しいと思うことはできる。
残酷さに満ちたこの世界で・・・助けることはするけれど挫くことはしないのが正しいと思うこともできる。
幼子に暴力団員が暴力を行使している。
我が身を捨てて幼子を守ることが正しいと思う人がいる。
だが・・・「かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂」を愚かだと感じる人もいるのが・・・この世というものなのだ。
で、『怪盗 山猫・第3回』(日本テレビ20160130PM9~)原作・神永学、脚本・武藤将吾、演出・西村了を見た。2013年、東京・・・。死地から帰還した自称・怪盗探偵・山猫(亀梨和也)は悪徳警官の関本修吾警部(佐々木蔵之介)と対峙する。殺意を秘めた闘争の果てに・・・関本は山猫に提案する。
「ユウキテンメイから日本を盗もう・・・」
どうやら・・・日本はユウキテンメイに所有されているらしい。
ユウキテンメイが何者かは詳らかにはされないが・・・とにかく・・・山猫と関本は・・・同盟を締結したらしい・・・。
山猫は・・・関本を・・・全面的に・・・信じているわけではないのかもしれない。
しかし・・・関本は山猫に対する不満を述べる。
「犯罪行為中に・・・山猫マスクを脱ぐなよ」
「だが・・・本人がやっていることをお茶の間には時々見せないと・・・主人公として問題あるだろう」
「まあ・・・そうだな」
関本は影で・・・都知事に出馬した藤堂健一郎(北村有起哉)と提携している。
そして・・・藤堂は・・・ユウキテンメイとつながっているらしい。
ユウキテンメイは・・・なんとも言えない黒幕的なキャラクターである。
「キラキラ仮面」的な・・・「ゴキブリ仮面」じゃないのか・・・「ライアーゲーム主催者」的な・・・まあ・・・そのうち・・・正体がわかるといいな・・・。
とにかく・・・「絶対的な正義」のための「絶対的な悪」の存在は必要悪みたいなものだからな・・・。
そして・・・今回も・・・藤堂の要望で・・・関本は・・・山猫に仕事を依頼するのだった。
商事会社に勤務するサラリーマンの滝川(浅利陽介)が路地裏のカフェ「STRAY CATS」にやってくる。
「行方不明の恋人を探してほしいのです」
滝川の恋人・杏里(中村静香)の写真を見た山猫は顔色を変える。
「おっさん・・・この女」
「おっさんはやめろ・・・せめてアニキといってくれ」
「中年でアニキと呼べるのは阪神タイガースの金本だけだ」
「プロ野球の話はやめろと言ったはずだ・・・特にここは巨人軍の世界なんだから」
「野球は巨人だ」
「なんじゃ・・・そりゃ」
杏里が・・・ホテルの従業員であることを知っている二人は合意に達する。
「知らないふりをして・・・調査費をガッポリ稼ごう」
「億単位」の盗みを働いているチームとは思えない話である。
もちろん・・・山猫も・・・この話に裏があることはお見通しなのである。
さっそく調査に乗り出すチーム山猫・・・。
しかし・・・スーパーハッカーだが・・・純真な女子高校生でもある魔王こと高杉真央(広瀬すず)には気がかりがあった。
前任の細田(塚地武雅)を殺害したのが誰かが結局不明のままなのだ。
「まさか・・・山猫が殺したんじゃないよね」
「それは・・・お前自身の五感で・・・見極めろ」
「それとも・・・この世界ではブサイクの寿命が短いというルールがあったりは・・・」
「待て・・・それはフラグになっちゃうから・・・禁句だ」
山猫はホテルで杏里を捜索する。
しかし・・・従業員名簿に杏里は存在しない。
それどころか・・・雑誌記者の勝村英男(成宮寛貴)の調査によって・・・杏里には戸籍がないことが分かる。
「じゃ・・・宇宙人なのか」
「峰不二子的な・・・」
魔王が防犯カメラの映像から・・・暴力団関係者の中岡太一(笹野高史)と杏里の関係を突き止める。
しかも・・・カメラ目線で・・・杏里はメッセージを送っていた。
「もうすぐ会えるよ・・・山猫」
中岡に面会した山猫は・・・杏里が高級売春組織のコールガールであることを明かされる。
早速・・・杏里を指名して勝村の部屋に呼び出す山猫。
「なんで・・・俺の部屋に・・・」
「イメージ的なアレだよ」
しかし・・・杏里は現れなかった。
現れたのは・・・「主に泣いてます」の緑川つね(草刈麻有)の親友の小桃宣親・・・ではなくて売春組織の従業員・達郎(加藤諒)だった。
「真田丸」にパパが出ているんだから・・・麻有には側室役とかで親子共演してもらいたい。
「杏里はどうした・・・」
「セシリアちゃんは・・・行方不明なんです」
「え」
「心配で・・・指名したあなたのところへやってきました」
「お前と・・・セシリアはどういう関係だ」
「友達です・・・」
杏里またの名をセシリアの謎は深まる・・・。
だが・・・裏の世界に通じる宝生里佳子(大塚寧々)は・・・セシリアの装着するアクセサリーから・・・セシリアが・・・アジアン・マフィアの一員ではないかと指摘する。
勝村はようやく・・・セシリアの正体が・・・台湾生まれの謎の女であることを突き止める。
「結局、謎の女じゃないか・・・」
「だって・・・そうなんだもの」
「セシリアちゃんは・・・マフィアなんかじゃないよ・・・」
達郎は・・・セシリアからもらった幸運のブレスレットを見せる。
「ついてない僕のために・・・セシリアちゃんがプレゼントしてくれたんだ」
「・・・」
「それ以来・・・僕はツキに恵まれている」
「それ・・・通販で売ってるぞ」
「いいんだよ・・・だって・・・こうして・・・また新しい友達もできたし・・・」
「友達って・・・俺たちのことか・・・」
「そうだよ~」
「やめろ・・・それ以上・・・人懐っこいキャラを推すと・・・フラグが立つぞ」
「もう・・・遅いんじゃないか・・・」
「フラグってなんだよ・・・アニキ~」
「ああ・・・そのアニキ~は傷だらけの天使のアキラのやつだ・・・」
「完全にフラグ立っちまったな・・・」
「南無阿弥陀仏・・・」
ついに・・・セシリアは山猫に接触してくるのだった。
滝川の会社では・・・仮想通貨を利用したマネーロンダリングが行われているのだった。
取引相手は・・・ロシアンマフィアらしい。
「つまり・・・台湾マフィアとロシアンマフィアのつぶし合いか・・・」
セシリアは・・・山猫に・・・自分と手を組んで・・・仮想通貨の代金として送られてくる現金十億円を強奪しようと提案する。
「つまり・・・汚れた金を受け取り・・・綺麗な仮想通貨で支払うわけか」
「ものすごく・・・シンプルだな」
「あまり・・・ややこしくすると・・・お茶の間がついてこれないからな」
しかし・・・山猫は・・・取引には応じない態度をとり・・・セシリアと滝川を祝福して別れる。
達郎は二人の幸せを祈るのだった。
「ああ・・・それ・・・フラグだろう・・・」
しかし・・・おそろいの幸運のブレスレットをプレゼントするために・・・引き返す。
「引き返しちゃうのか・・・」
達郎は・・・滝川がセシリアを拳銃で脅して車に連れ込む場面を目撃する。
「大変だ」
しかし・・・すべては・・・チーム山猫の作戦通りだった。
セシリアは自慢のバストに取引に必要なカード・キーを隠しており・・・滝川の目当てはカード・キーの回収だったのである。
「お前のおかげで・・・取引が滞って損失が出るところだった」
「・・・」
「後で・・・死ぬほど弄んでから殺してやる」
「・・・」
滝川は送金を終える。
しかし・・・すでにすべてのシステムは魔王によって乗っ取られていた。
「ははは・・・酒樽に隠した十億円はもらったにゃ」
「なんだと・・・」
突然、社内放送から山猫のアナウンスが開始される。
思わず・・・ロシアンマフィアにコンテナに眠る現金の確認を指示する滝川。
しかし・・・コンテナの位置を特定した山猫はまんまと現金強奪に成功する。
「残念だったにゃあ・・・」
社内にいるのは・・・山猫マスクの勝村だった。
山猫の指示通り・・・催眠ガスを滝川のアジトに注入する勝村。
しかし・・・魔王はうっかり・・・換気扇の停止を失念していたのだった。
「ああ・・・・魔王・・・フォローを忘れたのね・・・」
絶体絶命のピンチに・・・紺野泉でもなく橘カラでもない霧島さくら刑事(菜々緒)が登場する。
「どうして・・・ここに・・・」
「先輩が電話で話していたリカコさんが・・・リカちゃん人形好きの男性の愛称ではなくて先輩の恋人かもしれないと想像したら・・・思わず尾行してしまいました」
「えええ・・・なんで・・・」
「知るか!」
霧島刑事は・・・前世の余韻でストーカー体質なのだ。
セシリアを人質にとり・・・山猫の前に現れる滝川・・・。
「滝川・・・お前は日本人ではないのか」
「日本人だよ・・・」
「何故・・・ロシアンマフィアと手を組んだ・・・あいつらは日本を食いものにしようとしているんだぜ」
「日本なんて・・・食われちまえばいい・・・」
「・・・」
「日本人なんて・・・甘えた子供と一緒だよ・・・いざとなったら・・・文句を言えると思っているバカばかりだ」
「かって・・・吉田松陰は・・・日本の植民地化を危惧し・・・警鐘を鳴らそうと・・・禁を犯して密航を企てた・・・」
「おいおい・・・明治維新の話かよ」
「捕縛された松陰は護送中に・・・泉岳寺を拝し・・・赤穂義士の墓に歌を捧げる」
「元禄時代まで遡上するのか」
「ちかえもんは・・・赤穂浪士だって・・・みんなが討ち入りしたかったわけじゃないだろうとおちょくるが・・・それでも討ち入りを果たした浪士たちに・・・松陰は義を感じる」
「・・・」
「松陰は赤穂浪士から赤穂義士になったものたちに作った歌を兄への手紙に添えた」
「話が長すぎる・・・」
「かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂」
「そこか」
「日本人なら誰もが・・・その魂を心に持っている」
「幻想だよ・・・」
しかし・・・そこに現れる関本警部・・・。
「酒樽について・・・説明してもらおうか・・・」
「え」
「いい酒じゃないか」
「蔵元か・・・」
「お前とロシアンマフィアとの不正取引はすべて解明されたよ」
「ひでぶ」
山猫とセシリアは別れを惜しむ。
「結局・・・お前の目的は・・・ロシアンマフィアの壊滅か・・・」
「あなたは・・・お金・・・私は組織のために・・・働くのよ」
しかし・・・組織は・・・セシリアに見切りをつけたらしい。
狙撃されたセシリアを・・・達郎が庇うのだった。
「タツロー」
「セシリアさん・・・」
「笑ってよ・・・セシリアさん・・・僕はあなたの笑顔が・・・」
「タツロー・・・」
「泣くなよ・・・セシリア・・・こいつのために・・・笑ってやれ・・・こいつの友として・・・頼む」
「・・・」
そこへ・・・霧島刑事が登場。
だが・・・セシリアは圧倒的な戦闘力で霧島刑事を昏倒させる。
「やめろ・・・殺ったのは・・・そいつじゃない」
「・・・」
「さようなら・・・セシリア」
「さようなら・・・山猫」
「また逢う日まで・・・逢える時まで・・・」
「・・・」
薄れゆく意識の中で霧島刑事は回想する。
父親が殺された時に・・・現場から立ち去った山猫の足音を・・・。
痛めた首にギブスをはめて出勤する霧島刑事を謎の男(池内博之)が待つ。
「殺人事件の容疑者を逮捕し損ねたそうだな」
「あなた・・・誰・・・」
「誰でしょう・・・」
そして・・・関本警部は・・・また一歩・・・ユウキテンメイに接近したらしい。
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ごっこガーデン。日韓戦を中継している怪盗探偵のアジトセット。
エリ「深夜までごっこ遊びをして・・・休憩中に奇跡の大逆転を見たのでス~。二点とられても三点とればいい・・・不屈の闘志とはこのこと・・・まさに大和魂なのでス~・・・愛する人を守るために身を呈した義士・タツロー・・・それを涙で見送る山猫先輩もまた・・・義の人なのでス~。タツローのような義の人のため・・・山猫先輩は何を目指すのか・・・しかと見届ける覚悟なのでス~」
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