美しき三つの嘘(土屋太鳳)女友達物語(門脇麦)人生はいいものだ(久保田紗友)
何をレビューするか・・・迷っているうちに・・・更新時間が迫ってくる。
谷間の醍醐味である。
これというのも・・・どうしても銀幕で見たかったあの映画のせいだな。
責任転嫁は禁止だぞ。
楽しかったなあ・・・ハラハラしてドキドキして・・・。
1~3が第一次世界大戦、4~6が第二次世界大戦と考えると7~9は東西冷戦なんだよな。
戦争が善悪の戦いなら・・・こんなに気楽なことはないんだよなあ・・・。
で、『女性作家ミステリーズ 美しき三つの嘘』(フジテレビ20160104PM9~)原作・湊かなえ、三浦しをん、角田光代を見た。・・・オムニバスドラマである。ミステリというよりは世にも奇妙な物語風に仕上がっている。悪く言えば・・・結末がミステリアスなだけの普通のドラマである。良く言えば・・・それなりに楽しめる。
「ムーンストーン」・・・脚本・山室有紀子(他)、演出・深川栄洋。
回想と現在の対比によるトリックで・・・ある意味で技巧的なだけの作品・・・。
もちろん・・・裁かれる「殺人」という罪と・・・裁かれない「悪事」の数々の差異を毒々しく語るということで手法的には問題ない。
市議会議員・大庭康晴(滝藤賢一)を殴り殺した妻(永作博美)を「殺人犯」として厳しく取り調べる刑事(三浦友和)・・・「あんたの娘は殺人犯の娘になった」と妻を罵る弁護士(柄本明)・・・逆風の中で妻は中学生の頃を思い出す。
ここで二人の女生徒の友情が語られる。
顔立ちで言えば地味な久美(花岡みづほ)と派手な小百合(久保田紗友)である。
どちらが・・・妻の若い頃なのかは語られないが・・・なんとなく・・・久美であるような演出がされていく。
久美は訥弁であり・・・そのためにクラスメートや教師にまで揶揄される対象となっている。
恐ろしいほどの正義の炎に燃えた美しい女生徒である小百合は・・・敢然と苛めに対峙し・・・久美を苦境から救いだすのだ。
殺人犯として・・・絶望する妻と・・・虐げられた久美は重なって行く。
しかし・・・小百合は・・・久美の文才を見出し・・・読書感想文のコンクールでの発表の場に導く。
雷鳴鳴り響く・・・嵐の発表会。
「ギリシャ神話では・・・雷は神の怒りだそうよ」
「・・・」
緊張のためにすでに涙ぐむ久美を小百合は励ます。
「人殺しは・・・裁かれるけど・・・あなたをいじめた人々は裁かれない・・・それをきっと神は怒っているの・・・」
「・・・」
「あなたが失敗しても・・・私は気にしない・・・私はただ・・・あなたを応援するの」
「・・・」
「私はそう決めたの・・・だから・・・あなたも戦いなさい」
二人の胸に・・・おそろいのムーンストーンのイヤリングが揺れる。
それは・・・二人の友情の証だった。
久美は壇上で叫ぶ。
「何があっても私を守ってくれる・・・それが親友か・・・いや・・・私が命をかけて守りたい人・・・その人を私は親友と呼びたいのだ」
新しい弁護士(檀れい)が面会にやってくる。
「あなたの夫は家庭内暴力の常習者だった・・・あなたは・・・娘を守るために・・・夫を二度殴った・・・あなたの行為には酌量されるべき情状がある」
「・・・まだ・・・それを・・・」
弁護士となった久美の胸に揺れるムーンストーン。
言われてみれば・・・鼻に面影がある。
「だって・・・これは・・・私が生まれ変わった証だもの・・・あなたが友達になってくれたから」
妻は小百合(久保田紗友→永作博美)だった。
夫の暴力によって正義感は打ち砕かれていた。
身長も加齢によって縮小していたのだ。
「あなたには・・・正義があった・・・娘だけはなんとしても守るという決意が・・・戦いなさい」
久美(花岡みづほ→檀れい)に告げられ・・・小百合の瞳に・・・かっての炎が点火するのだった。
美しいにも程がある・・・二人の女の友情・・・。
「炎」・・・脚本・加藤綾子、演出・廣木隆一。
図書委員の高校生・香川亜利沙(土屋太鳳)は通学バスで読書をしている高校の先輩・立木尚吾(村上虹郎)にひそかに想いを寄せていた。
しかし・・・立木はクラスメイトの楢崎初音(門脇麦)と交際しているらしい。
そんなある日・・・立木は校庭で焼身自殺を遂げる。
原因は・・・失恋だという噂が広まり・・・初音は周囲から白眼視され始める。
けれど・・・初音は亜利沙に「ふられたのは私の方・・・」と囁くのだった。
立木の死の真相を探る二人・・・。
学校に寄贈された立木の蔵書から・・・初音は遺書を発見する。
「母親と担任教師の交際・・・母親は捨てられ・・・僕はその狂態に倦み果てた・・・」
教師・木下(柄本佑)に自殺を仄めかし、謝罪を求める二人・・・。
やがて・・・学校には・・・立木の自殺の真相について噂が広まる。
だが・・・亜利沙は・・・ふと思う・・・。
すべては・・・初音の企みだったのではないかと・・・。
なぜなら・・・初音は亜利沙を用済みの女として見つめるのだから。
まれにそういう悪魔のような人はいます。
「平凡」・・・脚本・演出・瀬々敬久。
教育実習生(染谷将太→寺脇康文)に恋をした二人の女生徒。
「彼」と結婚した鈴木京香は平凡な人生を送る。
「彼」と結婚しなかった寺島しのぶは著名な料理研究家として脚光を浴びる。
再会した二人・・・。
「あなた・・・私を呪ったのね」
「うん・・・平凡な女になってしまえって」
「・・・」
「でも幸せそうでよかったわ・・・」
「ありがとう」
瀬戸際で成立する女の友情だった。
青春は・・・そよ風のように吹き過ぎていくのだった。
結局、久保田紗友が美少女だったことしか記憶にないぞ・・・。
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