めっ!(桐谷美玲)袖振り合うも他生の縁(松坂慶子)
他生とは前世や来世を含めた生まれ変わりの信仰に基づく・・・魂の遍歴を示す言葉である。
これに準じた言葉に「多生」がある。
これは人生は一度だけではないという意味と・・・多くの命という意味を持っている。
一人の命を殺して多くの命を救う場合の多生である。
「他生の縁」なのか「多生の縁」なのかは関係者各位で意見の分かれるところである。
「多生派」には「縁」には「前世(過去の生涯)」の因果応報が影響するものだから・・・「他生」は俗用。
「他生派」にはそもそも・・・「多生」は「他生」の派生語・・・他生(生まれ変わり)が少ない場合の説明がつかないという論理がある。
まあ・・・完全なる誤用とされる「多少」も含めて・・・「ヒトとヒトとの縁は大切にしよう」という意味が通じればいいと思う。
「多少」の場合は「輪廻転生」を信じないヒトにも有効だしな。
そもそも・・・輪廻転生の理は未来永劫変化を許されないという考え方もあるわけである。
つまり・・・前世も今生も来世もすべては決定しているのであって判断の余地なんかないのである。
功徳を積めば来世が変わるなんて甘言に騙されてはいけませんよ・・・と悪魔が申しております。
生まれ変わりの方は信じているんだな。
で、『スミカスミレ 45歳若返った女・第2回』(テレビ朝日201602122315~)原作・高梨みつば、脚本・古家和尚、演出・今井和久を見た。家業の手伝いと家族の介護に追われ・・・「家」に縛り付けられた六十五歳の処女・如月澄(松坂慶子)は天涯孤独な身の上・・・しかし、ひょんなことから物置に仕舞われていた「カキツバタの屏風」から化け猫を解放し、完全なる封印の解除を実現するための契約を結ばされてしまう。
「行けなかった椿丘大学に行きできなかった恋をするために若返ること」・・・澄のせつない願いを成就するために変身して人の姿になった化け猫・黎(及川光博)は魔力を行使して澄を二十歳の頃の身体に若返らせ、如月すみれ(桐谷美玲)としてこの世に登録するのである。
外見は二十歳のすみれ・・・内面は六十五才の澄という一種の化け物となったわけだな。
化け猫という妖怪にも様々な種類があり、一口には言えないが・・・黎は過去に何者かによって霊力を封印された精神生命体の一種と考えることができる。
封印されるくらいなので・・・何かヒトに害を為した可能性があるわけである。
まあ・・・人間は実害がなくても異分子を迫害する傾向もあるがな。
少なくとも・・・澄/すみれにとって黎はそこそこ礼節正しい召使として振る舞うのだった。
「僕と契約してよ」というアレには注意が必要だけどな。
こうして・・・新たな青春時代をスタートさせたすみれ・・・。
しかし・・・午後十一時になると・・・突然、すみれは澄に戻ってしまうのだった。
「きゃっ」
「元の姿に戻っただけで大袈裟な・・・」
「それもそうね・・・一日だけだったけれど・・・楽しい思い出が出来てうれしかった・・・どうもありがとう」
「いや・・・これは一時的な現象だ」
「え」
「主(あるじ)様の願いが叶うまで・・・私の霊力は不安定になっているのでございます・・・そのために・・・主様に分け与えた私の分霊が抜けだしてしまうのでございます」
「・・・」
「午後十一時から午前一時までは昔で言えば子の刻・・・つまりねずみの時間です・・・私の猫魂(ねこたま)が必要以上に活性化して・・・ねずみを求めて走り出す」
「はあ・・・」
「つまり、ねこまっしぐらタイムの間だけ・・・主様は若さの根源を失うのです」
「・・・」
黎の言う通り・・・午前一時になると輝く猫魂は澄に戻り、澄はすみれに変身する。
願いが叶えば・・・黎は完全に解放され・・・暴走は鎮まると黎は説明するが・・・ひょっとしたらそうなった場合・・・いろいろと恐ろしい事態になる可能性は残されています。
なにしろ・・・相手は封印されちゃうような化け猫だからね。
化け猫はヒトを食う場合もあるからね。
そんな化け猫の魔獣の香りを・・・法力によって嗅ぎつけている住職の天野早雲(小日向文世)・・・。
今の処・・・早雲は・・・「すみれの恋路」を邪魔する障害物の可能性を醸しだしているが・・・化け猫が悪霊だった場合には「頼れる味方」になるのかもしれない。
如月家の隣人である小倉富子(高橋ひとみ)にかけられた黎の「たぶらかしの術」を一喝して解くなど・・・なかなかの法力を持った住職なのである。
魔力対法力のスペクタクルが内在している物語なのだな。
まあ、ミッチーとコヒさんではミッチーが勝ちそうだがな。
しかし、住職の悩みは目下・・・アホな跡取り息子の慶和(高杉真宙)と交際中の叶野りょう(梶谷桃子)の爛れた交際である。
「部屋を掃除しなさい・・・それから寺はラブホじゃねえよっ」
一方、束縛された魂の完全なる解放を目指す黎はすみれを煽るのだった。
「まもなく・・・バレンタインデーでございます・・・お相手の殿方を見つけ・・・恋を叶えれば満願成就ですぞ~」
「そんな・・・バレンタインデーなんて・・・若い人たちの行事ですし・・・私なんか」
「主様は・・・青春をとりもどしたいのではなかったのですか」
「・・・」
椿丘大学の黒崎明雄(小須田康人)ゼミに出席したすみれ・・・。
「おはようございます」と挨拶する相手は真白勇征(町田啓太)である。
「おはよう」
「今日も素敵なレトロスタイルだね・・・」と割り込むのはゼミ仲間の辻井健人(竹内涼真)である。
「・・・」
「例のアレは・・・どんなに小さくてもOKだからね」
健人は「チョコレートの催促」をするのだった。
ゼミの女王様きどりの幸坂亜梨紗(水沢エレナ)ととりまきの加藤菜々美(小池里奈)、大浦玲那(谷川りさこ)の性悪トリオは「バレンタインデーのチョコ作り」の話題に熱中するのだった。
女友達も欲しいすみれは会話に加わろうとするがシャットアウトされてしまうのだった。
亜梨紗は意中の人である勇征と親しげなすみれに嫉妬しているのである。
すみれは・・・黒崎教授の話から・・・ゼミを長期欠席している学生がいることを知る。
「このままじゃ・・・単位が危ないぞ」と教授。
「どうして・・・お休みされているのですか」
「さあ」
すみれの質問に首をかしげる勇征だった。
澄の最後の学校生活は半世紀前の高校時代・・・。
クラスメートが休んでいれば心配するのが・・・当然と・・・澄は考えるし・・・大学生たちのドライな気分は理解しがたいのだった。
「どうして・・・そんなに気になるの」
「だって・・・せっかく入った大学なのに・・・もったいないじゃないですか・・・」
「俺も気になって何度かメールしたけど返事がなくて・・・まさか、家を訪ねるわけにもいかないし」
しかし・・・早速・・・休学中の由ノ郷千明(秋元才加)の家庭訪問をする・・・心は六十五歳の澄/すみれなのである。
「どなた・・・」
「椿丘大学の学友です」
「まあ・・・千明のお友達なのね」
千明の母親は・・・すみれを迎え入れるが・・・肝心の千明は部屋に引きこもったままだった。
「部屋にいるか・・・夜遊びするかで・・・でも夕食の時には部屋から下りてくると思うから・・・」
「あ・・・夕飯時にお邪魔してすみません・・・すぐにおいとましますので」
「あら・・・せっかくだから・・・夕飯ご一緒にいかが・・・」
「それでは・・・お手伝いさせてください」
「まあ・・・」
空腹を感じた千明は階下のにぎやかさに不審を感じる。
食卓では千明の弟が・・・すみれの天麩羅を絶賛しているのだった。
「ママの天麩羅より美味しい・・・サクサクだよ・・・サクサク」
「本当に・・・そうね・・・どこかでお習いになってるの」
「ずっと・・・家の食事を作ってきましたので・・・」
「あなた・・・誰?」
驚愕する千明だった。
「私・・・同じゼミの如月と申します」
「え・・・知らないんだけれど・・・」
「ずっと休学していたもので・・・」
「一年間まるまる・・・?」
「由ノ郷が休学なさっているときき・・・様子をお尋ねに参ったのです」
「なんでよ・・・」
「このままだと・・・単位が不足してしまうとか・・・」
「余計なお世話でしょう」
突然、現れたすみれを持て余し・・・夜遊びに出る千明・・・。
つきまとうすみれだった。
盛り場のクラブに逃げ込んだ千明。
「ここは・・・噂に聞いたディスコ・・・」
クラブどころかディスコも知らないすみれである。
まあ・・・なんか・・・ディスコみたいな場末のクラブだけどな。
それでも浮いているらしいレトロなすみれのワンピーススタイル。
「君・・・やばい恰好だね」
「一人・・・」
たちまち群がるお約束の不良二人組・・・。
「お友達を探しているんです」
「捜してあげるよ・・・」
「それまで・・・落ちつける場所で待ってれば」
言われるがままに・・・そういうスペースに連れ込まれるすみれだった。
「とにかく・・・のみなよ」
「ご親切はありがたいのですが・・・」
「まあまあ・・・いいじゃないか・・・気持ちいいことしようよ」
いきなり・・・性欲を丸出しにする二人組。
「やめてください・・・力尽くで手篭めなんて・・・破廉恥な・・・この助平」
「何してんだ」
千明が手を差し伸べる。
「悪いけど・・・この子、私のツレなんで・・・」
「おいおい・・・じゃ・・・ちょうどいいじゃないか・・・二対二で」
「やれやれ・・・」
「あ・・・黎さん・・・」
「お逃げなさい・・・後はおまかせを・・・」
「なんだ・・・てめえは」
「おやおや・・・下賤のものが・・・なんて口の利き方を・・・お仕置きしなければなりませぬな」
「なめてんのか・・・」
「そう・・・そなたはなめたくなる・・・となりにはうっとりするほど・・・いい女が・・・いるので」
「あ」
「そうそう・・・そなたもさかりがついたけだもののように・・・むしゃぶりつく」
「あ」
「あーっ」
「あーっ」
「ふ・・・あさましい・・・」
黎の魔力によって惑わされた男たちは互いの穴を求めて勃起するのだった。
「だから・・・余計なことしないでっていったでしょう」
「でも・・・心配だったので・・・」
「とにかく・・・これ以上、私に関わらないで・・・」
千明に拒否されて立ちすくむ・・・すみれ・・・。
「ふられてしまったようですな」
「黎さん・・・あの殿方たちは・・・」
「近頃の言葉で言えばラブラブでございます」
「ラブラブ・・・」
「とにかく・・・今宵は遅い・・・帰りましょう」
「・・・」
「私としては女性ではなく男性について熱心に取り組んでもらいたいのですが・・・」
「でも・・・気になって・・・」
その頃、すみれの言葉に感化された勇征は千明にメールを送っていた。
(たまにはゼミに来ない?)
(一体、何の真似、すみれって子、何なの?)
千明からの久しぶりの返信に・・・事態を悟る勇征だった。
アゴクイされて上気する小倉富子(高橋ひとみ)がお供えしたチョコレートケーキを味わう黎・・・。
「猫なのにチョコなんて大丈夫なの」
「初めて食したが・・・なんとも・・・面妖な味じゃな」
どうやら・・・化け猫はチョコレートが気に入ったらしい・・・。
そこへ・・・昼間に電話番号を交換した勇征から電話が入る。
「女の子の家に電話するなんて・・・初めてだよ」
「私も・・・殿方から電話をもらうのは初めてです」
「ところで・・・由ノ郷くんのところへ行ったんだって・・・」
「はい・・・」
「メールをしたら・・・文句を言われた」
「すみません」
そこで・・・ねこまっしぐらの子の刻である。
前触れとして鼻がヒクヒクするらしい。ネズミの匂いを嗅ぎつけたんだな。
澄に戻ったすみれは動顛する。
「声なら大丈夫でしょう」と黎。
「もしもし」
「あれ・・・声が・・・」
「ごめんなさい・・・ごほごほ・・・少し風邪気味で」
「とにかく・・・もう来ないように言ってくれと言われた」
「でも・・・明日・・・もう一度・・・行ってみるつもりです」
「そう言うと思った・・・じゃあ・・・僕も一緒に行くよ」
「え」
「だって・・・気になるから」
「ありがとうございます」
「なるほど・・・彼が・・・主様の意中の殿方ですか」
「そんなんじゃありません」
澄とすみれの服のサイズが気になるお茶の間の方々もおいでだろうが・・・すべては黎の魔力の為せる術なのです。
「ハニーフラッシュ状態」とお考えください・・・如月だけにな。
澄に戻ると立ち上がるのにも膝が痛む・・・六十五歳だった。
翌日・・・二十歳に戻ったすみれと勇征は千明を直撃するのだった・・・。
「なんなのよ・・・あんたたち・・・」
「私はただ・・・ずっと後悔していたので・・・あの日・・・ああしていたらと六十五年間・・・ずっと悔んで生きることになっては・・・もったいないと思うのです」
「六十五年・・・」
「それ・・・お祖母さんの話・・・」と勇征が・・・知らぬが仏のフォローである。
「あ・・・はい・・・そうです」
「私に関係ないでしょう・・・」
「でも・・・大学に来てくれたら・・・お友達になれるかもしれないのに・・・」
「私・・・そういうの間に合ってますから・・・これ以上・・・しつこくしないで」
「・・・」
項垂れるすみれを慰める勇征である。
「結局・・・何もできませんでした」
「そんなことない・・・少なくとも・・・俺の考えは変わったよ・・・彼女だってきっと・・・」
「・・・」
「君はよくやったよ」
勇征の「頭ポンポン」攻撃に・・・澄/すみれは眩暈を感じるのだった。
その頃・・・住職は・・・如月家に異変が起きていることを・・・小倉夫人の状態から察知するのだった。
「魔物の匂いがする・・・」
タマもモノも・・・霊的な存在を示す言葉である。
タマシイやミタマのようにタマには善霊のニュアンスがあり、モノノケやマモノのようにモノには悪霊のニュアンスがある。
しかし・・・そういう善悪は立ち場によって変わるわけである。
黎にとっての「ねこたま」が住職にとっては「まもの」となるように・・・。
しかし・・・ねこたまによって生まれたすみれが・・・千明の人生に光明を与えたことは間違いない。
翌週のゼミに姿を見せる千明に・・・喜ぶすみれ・・・。
「よかった・・・」
「勘違いしないでよね・・・私はただ学費がもったいないと思っただけなんだから・・・」
「・・・はい」
「それから・・・また・・・家に来てよ・・・お母さんが天麩羅の秘訣を教わりたいって」
「はい・・・よろこんで」
しかし・・・性悪トリオはトイレ前にすみれを呼び出すのだった。
「あんた・・・あの子とつきあうのはやめな」
「あいつ・・・浮いてんだから」
「高校時代にもツッパリで引き籠りだったっていう話だし」
「そうじゃないとあんたもハブるよ」
「ハブ・・・沖縄のヘビですか」
「え」
そもそも・・・千明が休学したのも・・・性悪トリオの陰湿な意地悪が原因だったらしい。
「めっ」
「ええ」
「大学生にもなって・・・誰かを仲間はずれにしようとか・・・いじめみたいなことに夢中になるなんて・・・悪い子ですね・・・おばあちゃんにめってしかられますよ」
「えええ」
そこに・・・千明がやってくる。
「私にも悪いところがあったら・・・あやまるよ・・・これからよろしくね」
「あなたが・・・そういうのなら・・・私もちょっと・・・やりすぎたかもしれなかったわね」
通りすがりの男子が・・・。
「ちょっとだったのか」
通りすがりの女子が・・・。
「でも亜梨紗が謝ったということが奇跡よね」
千明の家で・・・。
「ねえ・・・チョコレートも作れるの」
「いえ・・・チョコはちょっと・・・和菓子なら・・・」
「せっかくだから・・・チャレンジしてみようよ」
結局、手作りチョコレートを作るすみれだった・・・。
「変な形になってしまいました」
「しかし・・・味はなかなかですぞ」と黎。
「・・・」
「明日、これを殿方に渡す時は・・・さりげなくボディータッチをするとよろしいそうです」
「そんなっ」
バレンタインデー当日・・・亜梨紗が勇征に豪華なチョコレートを渡す姿を見て・・・結局、チョコレートを渡す勇気が出ないすみれ。
しかし・・・健人は謎の一年生西原美緒(小槙まこ)に義理チョコをもらえたのだった。
肩を落して帰るすみれを時ならぬ二月の嵐が襲うのだった。
「急に降って来たのよ」
「はい・・・こんな嵐の日に・・・財布を届けにきてくれた親切な方を簡単にお返しするわけには参りますまい・・・」
「何を言ってるの・・・」
その時・・・訪問者が現れる。
黎はすみれの財布を盗むと・・・勇征に拾わせて・・・すみれに追いつけない絶妙のタイミングを演出し・・・さらに低気圧を召喚したらしい・・・。
恐るべし・・・黎の魔力・・・。
「これ・・・君の学生証が入っていたので・・・」
「まあ・・・わざわざ・・・すみません」
「じゃあ・・・僕はこれで・・・」
「そんなに濡れて・・・風邪をひいたら大変です・・・とにかく・・・あがってらして」
あわただしく着替えを用意するすみれだった。
「あの・・・祖父の浴衣しか・・・ないんですけど・・・」
「お風呂が沸いておりますよ」と黎。
「え・・・」
「とにかく・・・身体を温めてください」
「この人は・・・」
「遠縁の黎さんです」
「お婆様から・・・すみれ様のお世話を命じられているものです」
「はあ・・・」
しかし・・・入浴してくつろぐ勇征だった。
食事を用意して待つすみれ・・・。
「古い家でお恥ずかしい・・・食事もありあわせで・・・」
「いえ・・・なんだか・・・とても落ちつききす」
「食後のデザートにこちらを・・・」
「黎さん・・・それは」
「これは・・・すみれ様が・・・真白様にとお作りになったものです」
「俺のために・・・」
「すみれ様は・・・いつも真白様のお噂を・・・」
「やめてよ・・・黎さん」
「如月さん・・・とても美味しいよ・・・これ」
「・・・ありがとうございます」
「よければ・・・あちらにお布団のご用意が・・・」
「黎さん・・・あの・・・よかったら勉強を・・・教えてください・・・わからないことが多いので」
「俺でよければ・・・」
「トリプルメディアって何ですか」
「それは・・・マーケティングの用語ですねえ」
「マーケット・・・」
「そうです・・・商業ベースでの・・・メディア・・・つまりコミュニケーションのための媒体の考え方です」
「トリプルですから・・・三つあるのですか」
「そうです・・・」
「テレビとか・・・新聞とか・・・映画とか」
「それはみんな一つ目で・・・ペイドメディアと言います。マスメディアでの広告を利用する方法という意味で・・・」
「はあ・・・」
「それから・・・次がオウンドメディア・・・素晴らしいインターネットの世界が出来てからの主流で・・・続きはウェブで・・・という奴です」
「それは・・・パソコンと関係あるのですか」
「そうです・・・すみれさんは・・・ケータイもパソコンもスマホも・・・利用していないのですね」
「・・・はい」
「パソコンには企業のホームページというものがあり・・・それぞれのコントロールが効いた自己主張を展開するメディアです」
「・・・」
「三つ目がアーンドメディア・・・昔なら口コミというところですが・・・今では素晴らしいインターネットの世界で様々な個人的表現活動がなされています。コンロールの効かないメディアですが・・・それだけに予想外の広告効果が期待できるのです」
「誰かに宣伝してもらう・・・自分で宣伝する・・・人の噂に頼る・・・こんな感じでしょうか」
「そうです・・・如月さん・・・飲みこみが早いですね」
しかし・・・黎の部屋の時計は午後九時で止まっていた。
すみれも勉強に熱中して・・・時の過ぎ去るのを忘れていた。
気がつけば・・・子の刻・・・ねこまっしぐらタイムである。
寸前に気がついて・・・動顛するすみれ。
「私・・・ちょっと・・・」
慌てて立ち上がり躓いたすみれは・・・勇征の上に倒れ込むのだった。
「きゃ・・・」
そして・・・変身する澄/すみれ・・・うわあ・・・である。
関連するキッドのブログ→第1話のレビュー
| 固定リンク
コメント