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2016年2月25日 (木)

カップルだらけの真冬の遊園地で膝小僧を出してみました(桐谷美玲)

45年前は昭和四十六年(1971年)である。

この年一月、大坂万博「EXPO'70」で作られたタイムカプセルが埋められ、三島由紀夫は築地本願寺に埋葬され、「ザ・タイガース」が解散し、横綱大鵬が最後の優勝を飾った。

何かが終わって・・・1970年代が始るのである。

何かが終わるということは何かが始るということである。

この年、竹野内豊や、高田万由子、工藤夕貴、三代目若乃花、ユースケサンタマリア、木村多江、筒井道隆、藤原紀香、檀れい、牧瀬里穂、ウィノナ・ライダーなどが生まれ、四月になると「仮面ライダー」が生まれる。

仮面ライダー3号(及川光博)、仮面ライダードライブ(竹内涼真)、仮面ライダー龍玄(高杉真宙)も大集合なのである。

これは・・・時空を越える恋愛バトルファンタジーなのである。

・・・そうなのか。

過ぎ去りし時の幻影は・・・たった半世紀で曖昧なものとなる。

そして・・・格差社会ではそれぞれの六十五歳の生き様がある。

基本的に・・・化け物が・・・人の人生に介在してくる話なので・・・主人公の言動には・・・おかしな点もあるわけだが・・・純情な魂の叫びは・・・不浄の世を浄化する力があるのだった。

何故なら・・・世の中というものはいつの時代も真っ暗闇なものだからである。

で、『スミカスミレ 45歳若返った女・第3回』(テレビ朝日201602192315~)原作・高梨みつば、脚本・古家和尚、演出・小松隆志を見た。深夜なので視聴率の話はアレだが・・・*7.8%↘*4.6%↗*6.9%ということでアンチが騒ぎ立てたりするのは・・・本当にアレだな。ちなみに何故か、この枠のドラマは二回目あるいは三回目で急落するという傾向がある。「サムライせんせい」も*7.4%↘*4.8%↗*6.1%だったし、「民王」も*8.5%↘*7.0%↘*4.8%↗*6.6%だった。見限った人が評判を聞いて戻ってくるという・・・人間心理のアヤである。

ドラマのオリジナル設定である子の刻(午後十一時から午前一時まで)のねこまっしぐら現象により二十歳のすみれ(桐谷美玲)から六十五歳の澄(松坂慶子)に戻ってしまうのである。

その時、うっかりと時が過ぎるのを忘れたすみかは澄に変身しながら真白勇征(町田啓太)の上に倒れ込んでしまう。

絶体絶命のピンチである。

これは・・・けしてお年寄りを見下しているのではないのだが。

しかし、美人薄命という言葉は・・・若くして死ぬから美人という話なのであって、美人も長寿を保てば単なる婆になってしまうという考え方もあります。

・・・とにかく・・・愛しい勇征の前で婆になりたくない乙女心があります。

六十五歳の皆さん、ご理解ください。

「もう・・・だめだ・・・」

その時、停電である。

「灯りを消して」は世界共通の我が身を恥じるアレなのである。

・・・最近、アレとか多いな。

年齢的なアレなんだよ。

懐中電灯を持った化け猫・黎(及川光博)が現れる。

「落雷で停電したようです」

「あれ?・・・すみれさんは・・・」

「すみれ様は・・・御不浄・・・トイレに行かれました」

「ご不浄?」

「そろそろ・・・終電が終わりますので・・・お帰り下さい」

「それでは・・・すみれさんにひとこと挨拶してから・・・」

「すみれ様は・・・一度・・・トイレに入ると長いのです・・・お察しください」

「・・・」

「さあ・・・急がないと・・・終電が・・・」

「はあ・・・」

不承不承で表に出ると・・・外はあれほど激しかった嵐が嘘のような星空である。

すべては・・・怪異である黎の魔力の凄まじさを物語っているのだった。

「なんてことでしょう」

恥ずかしい澄だった。

「緊急事態です」

配電盤の電源をオンにする黎だった。

「それにしても・・・トイレが長いなんて嘘・・・」

「ご婦人のトイレは長いと相場が決まっています」

「え」

「六十五歳の婆らしく恥じらいなど捨てなさい」

「そんな~」

一方・・・こちらも原作にはないオリジナル設定の「天楽寺」の住職で法力のある天野早雲(小日向文世)は古文書を紐解いていた。

古い「絵図」に示される・・・無数の人骨の上に立つ大黒猫と法師の対決の場・・・。

不肖の息子である慶和(高杉真宙)は父親の手元を覗きこむ。

「親父・・・なんだい・・・そのホラーなイラストは・・・」

「容易ならん事だ」

「これは・・・妖怪?」

「猫化けだ・・・化け猫ともいうが・・・猫は年を経ると人語を解するようになるという。しかし、人にもピンからキリまであるように・・・一種の天才猫も希に現れる・・・そういうものは・・・人に害を為すことがあるのだ」

「・・・?」

「お前・・・今度の日曜日・・・開けなさい」

「僕にもいろいろと都合が・・・」

「バイト代は出す・・・一万円でどうだ」

「よろこんで」

翌日・・・椿丘大学ですみれは勇征に頭を下げる。

「ごめんなさい・・・昨日はお別れの挨拶もできず・・・」

「いや・・・俺も初めて行ったのに・・・晩くまでお邪魔しちゃって・・・」

「めっそうもない・・・本当にごめんなさい・・・」

「あの・・・黎さんて・・・どういう人なのかな」

「それは・・・もう遠い親戚で・・・」

「君のことをお嬢様みたいに・・・言ってるようだけど」

「・・・」

「ひょっとして・・・君たちは付き合っているんじゃ・・・」

「まさか・・・親戚同志でそんな・・・」

「ごめん・・・とても・・・魅力的な人だったから・・・つい」

「あの・・・今の時代には・・・あれなんですけど・・・本家と分家のようなもので・・・」

「はあ・・・」

「私のことを・・・特別扱いしているんです・・・主筋ということで」

「主筋・・・つまり・・・すみれさんはご主人様なのか・・・」

「女ですけど・・・」

「だから・・・お嬢様扱いなんだね」

「はい」

「ところで・・・よかったら・・・今度の日曜日・・・二人だけでどこかに遊びにいけないかな」

「え・・・私なんかと・・・」

「あ・・・無理だったら・・・いいんだ・・・忘れてください」

「・・・」

帰宅したすみれを叱る黎だった。

「どうして・・・お断りになったんです」

「断るなんて・・・そんな」

「あなたは・・・青春を取り戻すのではなかったのですか」

蘇る高校時代の思い出。

図書館で見かける他校の男子からデートに誘われる澄。

「今度・・・遊園地に行きませんか」

待ち合わせの場所と日時を記された紙を渡される澄。

しかし、澄は結局、デートをする勇気が出なかった。

「・・・私は」

「せっかく・・・若返ったのに・・・同じことを繰り返すだけですか」

「そうですね・・・私は・・・若返ってやり直したいと願ったのでした・・・」

黎はビデオテープに収められた澄の「日曜洋画劇場コレクション」を示す。

「ローマの休日」「ある愛の詩」「ロミオとジュリエット」「男はつらいよ」「プリティーウーマン」「ゴースト」・・・澄が憧れた・・・ラブロマンスの世界。

「テレビで放映される映画ではなく・・・現実の日曜日を楽しむのです」

「・・・」

「さあ・・・勇気を出して・・・」

家の電話の前に正座して・・・勇征の携帯電話の番号を推すすみれ。

すみれ、可憐だよすみれ・・・である。

「もしもし・・・」

「すみれさん・・・」

「今度の日曜日に・・・遊園地に連れて行ってもらえませんか」

「もちろん、いいですよ・・・」

「ありがとうございます」

電話を切ったすみれはへたり込む。

「胸がドキドキしています」

「それは・・・ときめきというものでございます」

「これが・・・ときめき・・・」

翌日、如月家の隣人である小倉富子(高橋ひとみ)がやってくる。

「また・・・お宅の猫が・・・」

「おや・・・術が解けましたか」

妖術・アゴクイで富子を虜にする黎だった。

「天楽寺の住職様が・・・二人のことを怪しんでましたよ」

「なるほど・・・」

黎は敵の存在を感知するのだった。

すみれは・・・街で新しい服を購入していた。

お手伝いに現れた由ノ郷千明(秋元才加)と西原美緒(小槙まこ)・・・。

「寒いのでとっくりのセーターが・・・」

「とっくり?」

「タートルネックのことですよ、先輩」

「とにかく・・・まかせなさい・・・スカートはきなさい」

「これ・・・膝小僧が見えてます」

「膝上二十センチです」

「まだまだいけるな」

「女子は腰を冷やさないようにと死んだ母が」

「膝上三十センチです」

「かわいい・・・」

「パンツが見えます」

「むしろ・・・見せな」

「お似合いですよ・・・先輩」

化け猫探偵・黎の調べでは・・・企業経営者で市会議員の父親を持ち、両親と豪邸に三人で住む勇征だったが・・・アルバイトをしていた。

成績は優秀なのに・・・一浪しているらしく・・・これは伏線である。

アルバイト仲間の辻井健人(竹内涼真)に女王様きどりの幸坂亜梨紗(水沢エレナ)から電話がある。

「真白くんが電話に出ないんだけど」

「あいつは・・・今、忙しいから」

「どういうこと・・・」

「デートだよ」

「デートって・・・誰と・・・」

お約束で伝えてはいけない相手に呑気に情報漏洩する健人だった。

デート当日・・・。

待ち合わせの時間より・・・一時間早く出発するすみれ・・・。

如月家に向かう途中で・・・すみれを発見する住職・・・。

「あの女・・・」

「きれいな人だねえ・・・」

すみれから発する「魔物の匂い」を嗅ぐことのできる住職である。

「追うぞ・・・」

「え」

大量の残雪がある富士急ハイランドに見える近所の遊園地。

約束の時間より早く来たのにすみれを待たせてしまう勇征だった。

「ごめん・・・待った」

「すみません・・・うれしくて早く来てしまいました」

入場料支払いで揉める二人。

「余所様のご子息にお金を払わせるわけには・・・」

「俺が払いたいんです」

「誘ったのは私ですし・・・」

「それでは割り勘で」

「・・・はい」

入場した遊園地に驚くすみれ。

「こんなに広いなんて・・・」

「遊園地・・・初めてなんですか」

「はい・・・それにアベックの方があんなにたくさん・・・」

「アベック・・・えーと・・・カップルだけでなく・・・もう少しすると家族連れも増えてきますよ・・・」

「そうなんですか・・・」

「それに・・・僕たちもアベックですよ」

「まあ・・・」

「それじゃ・・・何からのりますか」

「私・・・ジェットコースターというものに一度乗ってみたかったのです・・・テレビでは見た事あるのですけど・・・大丈夫でしょうか」

「大丈夫ですとも」

結構、エンジョイするすみれだった。

促されて小さく両手をあげるすみれ、かわいいよすみれなのだ。

初めてのクレープを奢られるすみれ・・・。

「どうして・・・奢ってくださるのですか」

「それは・・・君に何かをしてあげたいから」

「・・・美味しい」

「よかった」

「真白さんは・・・好きな食べ物がありますか」

「好き嫌いはない方だけど・・・タマゴヤキとかオムライスとか・・・」

「卵料理がお好きなんですね・・・好きな色は何でしょう」

「青です」

「お好きな映画は・・・」

「どうしたんですか・・・急に」

「すみません・・・あなたのことがもっと知りたくて」

「うれしいな・・・だけどもっとゆっくり・・・お互いのことを知っていきましょう」

「そうですね・・・私・・・なんだか・・・すごく気が急いて・・・」

その時・・・すみれはメリーゴーランドに乗る黎を発見するのだった。

「すみません・・・私・・・ちょっとお手洗いに・・・」

「え」

その頃、すみれを追いかけて来た住職は怪しげな道具を取り出していた。

「親父・・・そんなものを勝手においたら・・・逮捕されるよ」

「いいから・・・私の指示に従いなさい・・・アルバイト代出さないぞ」

「かしこまり・・・それ・・・何?」

「真言の梵字を収めた器だ・・・これで方位神による四天王の結界を張るのだ」

「四天王の結界・・・?」

「東方に酒精ケンタウロスを従える持国天、南方に餓鬼ヘイレータを従える増長天、西方に龍神ガルーダを従える広目天、北方に夜叉カーリーを従える多聞天を配置して、四方陣内の魔を封じる破邪の法なり」

「・・・」

「とにかく・・・この地図に記した場所に・・・器を置いてきなさい」

一方・・・人として生まれながらすでに邪気にまみれていると思われる亜梨紗が乱入である。

「真白くん・・・見つけた」

「え・・・どうしてここに」

「偶然よ・・・」

「君が・・・一人で・・・遊園地に・・・」

「こんなところで逢うなんて・・・運命かしら」

一方・・・すみれは黎に・・・。

「一人で大丈夫だと言ったのに・・・」

「主様が集められた遊園地の書を読むうちに・・・見聞したくなったのです」

「黎さんが・・・じゃあ・・・一緒に行きますか」

「それは・・・まずいのでは・・・」

そこへ・・・勇征と亜梨紗が現れる。

「そちらは・・・どなた・・・」

「遠縁のもので・・・偶然・・・ここに」

「へえ・・・偶然ね・・・じゃあ・・・一緒に楽しみましょうよ」

「え・・・」

「良いでしょう」

「・・・はい」

黎も・・・勇征も・・・すみれの決断に落胆するのだった。

しかし・・・鈍感なすみれはまだ・・・自分の失敗に気がつかないのだった。

人間視線で見れば・・・妖魔によって魔女と化した澄/すみれは魔性の存在で・・・勇征は魔に魅入られ、誑かされているわけだが・・・人間である亜梨紗がとんでもなく邪悪な魂の持ち主なので・・・人と魔の正邪が入れ替わる構図になっているわけである。

「何・・・飲んでるの」

「サイダーだけど・・・」

「ちょっと味見させてよ」

ランチタイムに間接キス攻撃をする亜梨紗。

すみれは・・・なんだか嫌な気持ちになるのだった。

「こんなものより・・・やはりすみれ様のお弁当になさればよかったのです」

某遊園地のフライドチキンを批判する黎だった。

「お弁当を・・・」

「でも・・・私のお弁当なんか・・・」

「食べたかったな・・・すみれさん・・・料理が上手だし」

「なんで・・・真白くんが・・・そんなこと知っているのよ」

「それはこの間・・・ご馳走になったから」

「・・・次は・・・こわいって評判の・・・戦慄迷宮ね」

「・・・お化け屋敷ですか・・・」

「私と真白くんペアでいいでしょう・・・さすがに知らない男の人とは・・・ねえ」

「・・・はい」

漸く・・・自分の失敗に気がつくすみれ・・・。

勇征は浮かない顔で亜梨紗と先発する。

「きゃ・・・」

「本物の化け猫と一緒なのに・・・こんな作り物のどこがこわいのです」

「私・・・本当に苦手なんです」

「本来・・・すがりつく相手はあの方だったのでは・・・」

「私・・・デートとはそれだけで楽しいものだと思っていました・・・それなのに嫌な気持ちになったりして・・・」

「あの方は・・・あなたの何倍もそう思っておいでなのでは・・・」

「・・・」

「あの女狐を追い払うべきなのでは?」

その時、配置が完了した包囲の法器によって結界が発動する。

「む・・・破邪の法か」

不安定となった黎の魔力・・・。

「あ」

すみれから猫魂が飛びだし・・・すみれは澄に変身してしまうのだった。

「まあ・・・大変・・・どうしましょう」

「私が・・・善処しますので・・・すみれ様は気分を悪くしたとということで救護室に・・・」

「え・・・」

黎は・・・法力の源を求めて飛び出した。

一方・・・先に出口に到着した勇征と亜梨紗。

すがりつく亜梨紗の手を振りほどく勇征。

「今日は・・・如月くんとデートなんだ・・・だから・・・君とは手を組めない」

「真白くん・・・あなた・・・きっとあの女にだまされているのよ・・・きっとあの二人はできていて・・・陰であなたを笑っているんだわ」

「・・・」

あることないこと口に出す亜梨紗・・・ある意味、明らかに別の「魔」に憑依されている気配である。

低級な狐の霊だな。

狸魂かもしれんて。

嘘八百狸か。

そこに・・・黎がやってくる。

「すみません・・・すみれ様は気分を悪くされて・・・お帰りでございます・・・」

「え」

「ほら・・・やっぱり・・・」

「真白様には・・・申し訳ないとおっしゃってました」

「だから・・・私とデートしましょう」

「悪いがそんな気にはなれない」

「私、あの女に文句を言ってきてやるわ・・・どうせ、中に隠れているんでしょう」

自分をないがしろにされた亜梨紗の怒りは沸騰するのだった。

「係員さん・・・気分が悪くなった人はどこに・・・」

「ああ・・・あの人なら・・・救護室に」

急に変身した場合に備えてトイレに隠れる澄だった。

「そこにいるんでしょう・・・出てきなさいよ」

「・・・」

「私、あなたが大嫌い・・・急にやってきて・・・私の大好きな真白くんに手を出して・・・身体が弱いフリをして・・・男の気をひこうなんて・・・百年前のやり口なんだよ・・・このクズ女」

ようやく・・・法器を発見した黎。

「ふん・・・猪口才な・・・」

些少の時間を要したが法力の障壁を打破し・・・呪詛の法器を粉砕する黎だった。

たちまち・・・すみれとなる澄。

「戻った・・・」

「何を言ってるのよ・・・このゲス女」

「私も・・・あなたが嫌いです・・・女性の前と男性の前では態度を変えるあなたのような人が・・・」

「え」

すみれは・・・勇征の姿を求めて走り出す。

肩を落して・・・遊園地を出ようとした勇征は・・・あきらめきれずに振り返る。

「真白さん」

「如月さん」

「私・・・」

「その女・・・やはり・・・真白くんをだましていたよ・・・」

「そんなの嘘です・・・私は真白くんと二人で・・・遊園地で・・・デートをしたいんです」

「・・・」

勇征はすみれの手をとる。

「俺もすみれさんとデートがしたいのです」

無視された亜梨紗は地団駄を踏むのだった。

「ええい、えいこの・・・ええいこの」

黄昏迫る遊園地に燃えあがる嫉妬の炎・・・。

住職は・・・すみれの姿を見て結界が破れたことを知る。

「くそ・・・あのバカ息子」

いや・・・四か所の結界に二人の見張りじゃ・・・作戦ミスだろう。

「あの・・・せっかくのデートなのに・・・先に帰ろうとしてすみません」

「うん・・・少しへこんだけど・・・」

「それに・・・黎さんも一緒に行こうなんて・・・失礼なことを・・・」

「うん・・・かなりへこんだけれど」

「私・・・はじめてのデートで・・・勝手がわからず・・・無神経でした」

「でも・・・意外に強きなすみれさんを見れて・・・うれしかった」

「え」

「最初に会った日から・・・俺は・・・すみれさんのこと・・・かっこいいと思ってた」

「私が・・・かっこいい」

「うん・・・ひたむきにノートをとって・・・いつも背筋をピンとのばして・・・」

「そんな・・・」

「ものすごく・・・芯の通った人なんだなあって・・・」

「・・・」

「最後に何か乗っていこうか」

「では・・・観覧車を・・・」

突然、海が見える巨大な観覧車・・・。

「町があんなに小さく・・・」

幼女のようにはしゃぐすみれ・・・。

もちろん・・・観覧車も初体験なのである。

時代からも社会からも隔絶された・・・すみれの六十五年間・・・。

「すみれさん・・・俺は・・・まだ・・・未熟な人間です・・・ですが・・・あなたが好きなのです・・・俺と付き合ってくれませんか」

「・・・よろしくお願いします」

勇征は席を移り、すみれの肩を抱く。

すみれは勇征に身を寄せた。

「どうしましょう」

「何がです・・・」

「私が恋をするなんて・・・」

「夢見心地で承諾したけれど我に帰って慌てふためいていると」

「そうです・・・」

「とにかく・・・早く・・・恋を成就して・・・いただかないと」

「あの・・・封印が完全に解けたら・・・黎さんはどうなさるの」

「それは・・・」

その時・・・住職が深夜の来襲である。

「渇」

「黎さん・・・」

「離れなさい・・・この化け物は私が始末する」

他人の恋路を邪魔する犬・・・じゃなくて猫に食われるかもしれない住職だった・・・。

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コメント

各種場面がひやひやする(ていうか観てられない。ていうか泣けてくる)…自分の歳が松坂慶子側に近づいていますからなぁ…。

『電車男』(ひやひやする。ていうか観てられない。ていうか泣けてくる)と同じ感覚ですなぁ…。どちらかというと伊藤淳史側の属性ですから(どちらかというと???)。

投稿: 幻灯機 | 2016年2月27日 (土) 12時23分

✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪

今季のドラマは・・・
(月)主人公の職業が介護施設職員
(火)あて馬の両親が入院中
(水)ココ→主人公が介護の果てに若返り
(木)老母と涙の別離
(金)主人公が提供者の介護人
(土)山猫と魔王と武士道
(日)おばば様大活躍

ラブロマンスの裏に介護の津波が打ち寄せていますな。

まあ・・・脚本家たちも高齢化社会の荒波にもまれていると・・。

まあ・・・少子の人たちが高齢化する頃・・・。
今の高層マンションの半分は空き室になる。
いや・・・不法入国の外国人が不法に占拠しているのか。

まあ・・・悪魔はその時代についてはあまり深く考えないようにしています。

明日は明日の風が吹くのですからな。

ああ・・・陣釜さんに・・・逢いたいなあ・・・。
エルメスにも逢いたいし・・・。
あの頃の・・・アイドルたちにも・・・。

投稿: キッド | 2016年2月27日 (土) 15時13分

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受信: 2016年2月25日 (木) 20時06分

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