精霊の守り人(綾瀬はるか)金星人ではないのですね(林遣都)
王の後継者である王子がアクシデントによって橋の上から川へと落ちる。
ただものではないヒロインが川に飛び込む。
そして・・・ヒロインは王子の命の恩人となる。
予言通りになったな・・・。
昨日のブログと書きだしは同じである。
まあ・・・橋の上から王子が落ちるのはファンタジーの世界ではよくあることなんだな。
ちなみに実写版では「荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE」→「精霊の守り人」という時系列だが、原作は小説「精霊の守り人」(1996年)→コミック「荒川アンダー ザ ブリッジ」(2004年)の順である。・・・念のため・・・。
疑似歴史ファンタジーと違い、仮想世界ファンタジーなので・・・なんでもありなのだが・・・なんとなく韓流歴史ドラマの匂い立つ第1回だったな・・・。星ノ宮のチープさは懐かしい少年ドラマシリーズを思い出させる。
三年間に渡って全22回を放送する予定なのだが・・・最後には壮大なファンタジー大河になっているといいと思うよ。
まあ・・・なんとなく・・・ならないんじゃないか・・・と危惧するけどね。
で、『精霊の守り人・第1回』(NHK総合20160319PM9~)原作・上橋菜穂子、脚本・大森寿美男、演出・片岡敬司を見た。ファンタジーの世界がどこにあるかは・・・謎に満ちているが・・・それはこの銀河宇宙の別の惑星かもしれないし、超過去、超未来の地球の何処かなのかもしれない・・・あるいは全く別の次元の宇宙なのかもしれない・・・そういうことが前提である。そういう前提はある種の人間にとっては常識だが・・・世の中にはそうでない人もいる。お茶の間相手のビジネスを展開する場合・・・そうでもない人にわかってもらおうという下心を持つと・・・とんでもないことになるわけだが・・・このドラマにはそういう気配がどことなく漂っています。
たとえば・・・この世を「サグ」と呼び、「サグ」と重なり合う異世界である「ナユグ」があることはこの物語の「核心」であるが・・・そういうことを口に出さないように・・・緘口令が発令されているような気がする。「サグ」とか言っちゃうと・・・お茶の間の皆さんにそっぽを向かれるのではないかと・・・誰かが・・・まあ・・・杞憂だとは思いますけどね。
国土の大半が山地であるカンバル王国は十の氏族の連合国家である。
十の氏族の長を束ねるのがカンバル王である。
現在のカンバル王は兄を暗殺し、王位を簒奪したらしい。
その暗殺に関わった前国王の主治医カルナは謀殺され・・・幼い一人娘バルサ(清原果耶→綾瀬はるか)にも危機が及ぶ。
カルナの親友でカンバル最強の短槍使いと謳われたジグロ(吉川晃司)は王国武術指南役の地位を捨てバルサを守護するために逃亡者となる。
カンバル王の刺客を倒しながら放浪の旅を続ける二人・・・やがて・・・ジグロの教えを受けたバルサは短槍の達人として成長する。
「よいか・・・バルサ・・・お前には王はいない・・・この世には人でありながら神を名乗る皇や帝もいる・・・そういうものを信じるな」
そして・・・数十年の時が流れた。
皇子チャグムの転落
ジグロと別れ・・・三十歳となったバルサは高名な女用心棒として放浪の旅を続けている。
カンバル王国の南にそびえる青霧山脈を越え、青弓川の分岐点に王宮を構える新ヨゴ皇国の光扇京に立ち寄ったバルサは・・・激流の上の石橋を渡る高貴な一行を河原から見上げる。
何か変事が起き・・・輿から子供が投げ出され・・・川に転落したのである。
咄嗟に川に飛び込み、子供を救出しようとしたバルサ。
しかし・・・子供・・・新ヨゴ皇国の皇子チャグム(小林颯)の身体には何か異様なものが潜んでおり・・・バルサは「それ」を感知するのだった。
チャグムを救助し、川岸に戻ったバルサを取り囲む皇国の衛士たち。
「さがれ・・・この方は・・・高貴なお方だぞ」
「ああ・・・そうかい」
身を引いた素手のバルサは殺気を感じる。
しかし・・・不意をつかれて衛士の一撃を受けバルサは意識を失う。
衛士は新ヨゴ皇国の帝直属の近衛隊「狩人」の隊長モン(神尾佑)と「狩人」最強の達人ジン(松田悟志)だったのである。
王宮の人々
新ヨゴ皇国の帝(藤原竜也)の后の一人である二ノ妃(木村文乃)は苦悩していた。
十一歳になる皇子チャグムの身に異変が生じ・・・帝がわが子の暗殺しようとしていると察したのであった。
民の前に帝が姿を見せる行事・・・ナナツボシ(夏至)の祭りの際中にチャグムの身体から霧が発生したのだった。
新ヨゴ皇国の伝承によれば・・・祖王は・・・南の海の果てからこの地に至り・・・土地に仇を為す「水の魔物」を退治して・・・最初の帝となったと言う。
もし・・・チャグムの身に水の魔物が憑依したとすれば・・・国家の基盤を揺るがす不祥事となるのだった。
ニノ妃は新ヨゴ皇国の国教である「天道」の長・聖導師(平幹二朗)を呼び出す。
「天道に仕える星読博士たちは・・・チャグムに起こった異変をなんと考えているのか」
「今は・・・まだ・・・なんとも・・・」
「嘘をつけ・・・水の魔物がとりついたと・・・噂が妾の耳にも届いておる」
「そのように申す者もおりますが・・・」
「星読博士の最高位である・・・そなたはなんと考える」
「結論を急ぐのは愚かなことです」
「皇子を助けたものが・・・牢に繋がれているそうだな・・・」
「・・・」
「なぜ・・・恩人を虜囚としたのだ・・・」
「・・・」
「その者が・・・水の中で何かを見たからではないのか」
「その者は・・・それについて口を閉ざしているのです」
「妾にそのものを会わせよ」
「相手は下賤のものですぞ・・・」
「命の恩人に母として礼を申すだけじゃ・・・」
「しかし・・・」
「妾の願いが聞けぬとあらば・・・帝に根も葉もない・・・そなたの醜聞を妾は告げるつもりじゃ・・・」
「ご無体な・・・」
バルサは縛めを解かれ、食事を施され、入浴を許された。
サービスとして・・・入浴中のバルサと全裸の付き合いをするニノ妃。
「噂には聞きましたが・・・凄いそうですね」
「それほどではございません」
「あなたに頼みたいことがあります・・・チャグムを連れて逃げてほしいのです」
「それは命令ですか・・・」
「いいえ・・・凄腕の女用心棒への依頼です・・・報酬ははずみます」
「いかほど」
「五億円くらいでどうですか」
「引き受けましょう」
「王宮には秘密の通路があります・・・あなたはその通路を通じて・・・チャグムの部屋に入り・・・放火して・・・逃げてほしいのです」
「王子を死んだことにするのですか・・・」
「実際に殺されるより・・・好ましいことです」
こうして・・・バルサは・・・チャグムの用心棒となったのだった。
逃亡する二人
王宮を脱出したバルサとチャグムは下町に身をひそめる。
バルサには長い用心棒稼業で知り合った多くの人々がいる。
中にはバルサを恩人として崇拝しているものもいるのだった。
物資調達を生業とする「頼まれ屋」のトーヤ(加藤清史郎)とサヤ(彩島りあな)もかってバルサに命を救われたことから・・・二人を道の下の住居に匿う。
二人は孤児だった。
突然、王宮から連れ出されたチャグムは・・・環境の変化に戸惑うのだった。
「さっさと食事をすませちゃいな・・・」
「お前は口のきき方を知らぬのか」
「あんたの方こそ・・・口のきき方を考えな。あんたはもう皇子じゃないんだし・・・皇子だったことを人に知られていけないんだよ」
「・・・」
サヤは粗末だが心のこもった料理で二人をもてなす。
「これはなんだ・・・」
「食べたことないの・・・おいしいよ」
サヤが先に食べたのを確認して・・・妖しい料理を口にするチャグム。
それは・・・美味だったらしい・・・。
「町に変わった様子はなかったかい」
「王宮の密偵が色々嗅ぎまわっていたよ・・・ここも・・・危ないかもしれない」
トーヤはバルサに正直に応える。
「今、襲ってこないところをみると・・・おそらく・・・町から出るのを待っていめのだろう」
「どこへ行くのかは聞かないよ・・・」
「それが身のためだね」
旅の支度を整えたバルサとチャグムは・・・王宮の下町に別れを告げる。
後ろを振りかるチャグム。
「もう・・・戻れないよ」
「わかっておる・・・こんなに歩いたのは初めてなだけだ」
「しょうがないね・・・おぶさりな・・・」
「おぶさりな・・・何の事じゃ」
問答無用でチャグムを背負うバルサ。
「下々の母親はこうして子供を背負うのさ」
「荒川の橋の下とかぶるものだな・・・」
「なんのことだい」
「時空を越えた話じゃ・・・さあ・・・行け・・・わが愛馬よ」
「こらこら・・・」
しかし・・・山道を抜けるうちに・・・追手の気配に気がつくバルサ・・・。
「この斜面を登った先に洞穴がある・・・そこまで一人でいけるかい」
「やってみよう・・・」
バルサは追手を足止めするために身構える。
チャグムの命を狙う狩人が殺到した。
「腕自慢のようだが・・・剣では短槍には勝てないよ」
「ほざくな」
狩人のジンは斬り込む。
バルサは激闘を開始した。
基本的にテレビ朝日の日曜日の朝を連想させるアクションである。
賛否が分かれるかもしれないが・・・こういうところであっと驚かせないとねえ。
「キューティーハニーTL」の方が何倍もあっと驚いた。
星読博士たちの策動
星読博士・シュガ(林遣都)の兄弟子であるガカイ(吹越満)は星を観測する巨大な塔を持つ星ノ宮で忠告する。
「シュガよ・・・お前が余計なことを言ったことが・・・このような結果を招いたのだぞ・・・身を慎むことだな」
「しかし・・・皇子にとりついたのが・・・水の魔物であれば・・・この国の危機です」
「水の魔物は滅んだのだ・・・」
「それを確かめたものは・・・誰もいないではないですか」
「好奇心は猫をころすぞ」
「この世界・・・猫はいるんですかね」
「そういえば・・・見当たらないな」
「そういうのも大切なんですよね・・・異世界感を醸しだすためには・・・」
結局、シュガは・・・ニノ妃に「水の魔物」について教えたという呪術師のトロガイを捜し出すことにする。
邪教にこそ・・・奥義が秘められていることはよくあることなのだ。
下町の呪術グッズのお店を訪れるシュガ・・・。
「トロガイ様だと・・・」
「町の呪術師なら・・・その名を聞いたことがあるだろう」
「お前たち・・・ヨゴの民にまつろわぬ・・・ヤクーの末裔よ」
「先住民ヤクーのものか・・・」
「トロガイ様に逢いたいなら・・・心の中でその名を念じるこった」
「名を・・・」
「そうすれば・・・向こうから会いにきてくださる・・・もちろん・・・トロガイ様にその気があればだが・・・」
喉が渇いたシュガは井戸で水を汲む。
「トロガイ・・・トロガイ・・・トロガイと・・・まあ・・・来ないよな」
水を注いだ器の水面に・・・トロガイ(高島礼子)が映りだすのだった。
「うわ・・・」
「何の用じゃ・・・」
「な、夏木マリさん?」
「だまれ、小童」
「・・・聞きたいことがあるのです」
「ナユグのことかい」
「ナユグ・・・」
「あの世のことだよ」
様々な謎を孕んで・・・バルサの冒険は開幕したらしい・・・。
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