外見は二十五歳(桐谷美玲)中身は七十歳(松坂慶子)
「タイトル」の中では「外見は二十歳、中身は六十五歳」のキャッチ・フレーズがそのままだが・・・五年後となって外見も中身も加齢が進んでいる。
ここは・・・手直しするべきだよな・・・手抜き感が醸し出るからな。
まあ・・・そういうチープさが・・・この枠だと言えばそれまでだが・・・。
などと・・少し批判もするわけだが・・・概ね良好の・・・このドラマ。
大河ドラマ「真田丸」の長澤まさみを除いて・・・奇跡の冬ドラマの女優陣も物語の彼方に次々と去って行き・・・残るは桐谷美玲のみである。
最終回も目前で・・・ここで「黄金の七人」とも言うべき・・・今季レビューの主要な女優たちを振り返っておく。
順不同でもいいが・・・ここは年齢順だ。
「ダメ恋」の深田恭子(33歳)は東京都出身の1982年生まれ・・・一番のお姉さんである。つまり・・・奇跡の美しさというか・・・ある意味、モンスターだな。しかも・・・黄金の七人の中で・・・一番かわいいと言っても過言ではないのだ。もう・・・語る必要もないが・・・巨乳である。
「わたしを離さないで」の綾瀬はるか(30)は広島県出身の1985年生まれ・・・もはやトップスターと言っていいだろう。深田恭子と同じくホリプロで・・・老舗はそれなりにスターを育てていることが分かる。適齢期を越えて生き残りスターとなっているのが証拠である。大河ドラマに主演し、紅白歌合戦の司会もして、主演映画が日本アカデミー賞も受賞する・・・しかも・・・巨乳だ。
「真田丸」の長澤まさみ(28)は静岡県出身の1987年生まれ・・・「東宝シンデレラ」であり、王道の美人女優だが・・・ものすごく役に恵まれていたとは言い切れない。怪獣映画とか人気コミックのキャラクターとかリメイクとか・・・結構、製作陣の無能さが目立つ作品が多かったわけである。2011年の映画「モテキ」や2012年のドラマ「都市伝説の女」あたりで・・・ようやく・・・存在感の凄味が伝えられるようになってきたわけである。映画「WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜」の抜群の美しさを見よ。「真田丸」の怪演で世間が今頃、ギョッとなっているのは・・・世間の見る目がいかに・・・とにかく・・・巨乳である。
「スミカスミレ」の桐谷美玲(26)は千葉県出身の1989年生まれ・・・ファッション・モデル出身の女優だが実は演技派なのである。フェリス女学院大学卒業なので「NEWS ZERO」のキャスターもこなすのである。ある意味、雲の上の存在だが・・・変なCMにも出ていて親しみがある。7人の中央に位置している要の存在だ。所属事務所のスウィートパワーには堀北真希や黒木メイサが一つ上のお姉さんとして君臨しているのでアレだが・・・なんといっても独身なのである。スレンダーだが着やせするタイプだと推定する。
「いつ恋」の有村架純(23)は兵庫県出身の1993年生まれ・・・ここから90年代生まれで若手組となる。その苦闘の歴史は何度も触れているのでここには書かない。「あまちゃん」パワーの最大の功績は・・・彼女を光ある世界へと浮上させたことにある。それでも理解できない奴はいるわけだが・・・彼女の驚くべき「スター」としての輝きを多くの作り手たちがキャッチしたことは言うまでもない。所属事務所は広末涼子の「フラーム」である。よくがんばりました。もちろん・・・ナイスボディなのである。
「ちかえもん」の早見あかり(21)は東京都出身の1995年生まれ・・・なにしろ・・・「ももいろクローバー」を「ももいろクローバーZ」にしてしまった元アイドルである。その情熱と芯の強さは・・・逆に危うさを伴っている。その上で老舗のスターダストプロモーションである。このメンバーに入っても・・・抜群の存在感を醸しだしているところが凄いのである。スケールが大きいのは間違いなく・・・ついつい・・・周囲もスケールを大きくしようとするわけだが・・・逆にちまちました魅力を発揮することもあるのだった。テレビ東京→NHK→テレビ東京→NHK・・・このアバンバャルドな流れ・・・それだけでニヤニヤできる。もちろん・・・スケール大のスタイルである。
「怪盗山猫」の広瀬すず(17歳)は静岡県出身の1998年・・・唯一の十代だが・・・その大物感は・・・他者を圧倒しているくらいだ。北乃きいや姉の広瀬アリスと共にフォスタープラスに所属している。お姉さんたちの切り開いた道をプリンセスとして歩いていくのである。どこまで輝くのか想像もつかないぞ・・・。育ち盛りなのでスタイルについての言及は避けたい。
・・・冬ドラマの黄金の七人がどれだけ・・・未曾有の現象で・・・前代未聞のラインナップだったか・・・些少なりとも御理解いただけただろうか・・・キッドは・・・うれしさのあまりに「殺す気か」とつい言ってしまうのだが・・・今回はもう・・・ほとんど死んでしまった気がしている。
各世代・・・各地域・・・各ジャンルを選りすぐって集結した黄金の七人・・・静岡県!
ああ・・・終わって行く・・・奇跡のシーズンが・・・。
で、『スミカスミレ45歳若返った女・第7回』(テレビ朝日201603182315~)原作・高梨みつば、脚本・古家和尚、演出・今井和久を見た。心臓病で余命いいくばくもない真白勇征(町田啓太)に猫魂を注入し・・・若さを失った如月澄(松坂慶子)・・・。恋人が六十五歳と知って・・・うろたえた勇征は・・・英国留学に逃亡するのだった。澄の願いが成就しなければ完全なる復活を果たせない黎(及川光博)は残った猫魂を使い・・・澄は再び二十歳のすみれ(桐谷美玲)となる。しかし・・・一度、壊れた関係を修復することはできず・・・虚しく五年の歳月が過ぎていったのだった・・・。
若返り前後の四十五歳差は変わらないが・・・この設定は恐ろしいタイムリミットを設定している。
人間の最長寿命は百二十歳前後に設定されていると言われるが・・・日本の女性の平均寿命はおよそ86歳。
遺伝子的な個人差もあるために・・・七十歳はすでにいつ死んでもおかしくない年齢である。
平均寿命までは残り十六年。
もちろん・・・一日24時間のうち2時間だけ老化すると考えれば一年間は一ヶ月の加齢という考え方もある。
だが・・・澄の父親は早世しているのである。
午前十一時になると・・・すみれは寿命が尽きてしまうかもしれないのだった。
まさに・・・美人薄命なのである。
まあ・・・アフリカ大陸には・・・平均寿命が四十歳前後という国家もあるわけだが。
椿丘大学を卒業したすみれは映画を製作・配給するらしい株式会社レイク・フィルムに就職していた。
仕事は宣伝部のよくわからない・・・雑多なアシスタント業務である。
説教するのが趣味の係長に叱責されながら・・・それなりに頑張って業務をこなしているらしい。
人差し指でPCを使った文書も作成できるのだ。
面倒見のいい職場の先輩である河野有紀子(西原亜希)は裁縫が上手すぎるすみれを時々、昭和のお母さんか・・・と思うのだった。
しかし・・・映画製作のような時間の不規則な仕事を午後十一時~午前一時まで完全に不在になるしかないすみれが・・・よく務まったと思うよな。
そこは・・・祖母を介護している設定で乗り切っているらしい。
午後十一時間際に帰宅し・・・澄に戻ってからもスケジュール表作成などの残業に追われるすみれはつい居眠りしてしまう。
夢の中で黎に再会するすみれ・・・。
「黎さん・・・今までどこにいたのですか」
「すみれ様・・・お元気そうで何よりです・・・」
しかし・・・目覚めれば一人・・・。
五年前のあの日・・・澄を再び若返らせた黎は消えてしまったのだった。
すみれは再び与えられたチャンスを大切にしようと・・・夢だった映画の仕事に打ち込んでいる・・・。
勇征への恋心は封印しているらしい。
そんなある日、有紀子に強引に誘われて・・・合コンに参加するすみれ。
そこに現れたのは・・・教師になった勇征と・・・ゼミ仲間の辻井健人(竹内涼真)だった。
五年ぶりの再会に戸惑うすみれ・・・。
大学時代に二人が交際していたことを隠す勇征に少しさびしい気持ちになる。
そのために飲めない酒を飲み・・・酩酊するすみれ・・・。
しかし・・・勇征はそっと囁く。
「大丈夫かい・・・」
「大丈夫れすう・・・」
「そうじゃない・・・もうすぐ十一時だよ」
「え」
一瞬、酔いの醒めるすみれだった。
しかし・・・酔いのために思うように動けない。
「おい・・・お持ち帰りかよ」
「彼女・・・少し気分が悪いようなので送っていきます」
「じゃあ・・・俺が」
明らかにすみれ狙いの年上の男を健人が制する。
「まあまあ・・・ここは・・・奇跡の再会に免じて・・・許してください」
健人もそれなりに社会人として成長したらしい。
「ごめんなさい・・・私・・・タクシーで帰れますから」
すみれは・・・勇征が・・・「如月さん」と他人行儀な態度を示したことに・・・怒りつつ・・・迷惑をかけたくない気持ちを示すのだった。
交錯する澄とすみれの心情・・・。
心の声を担当するのが澄(松坂慶子)なのですみれ(桐谷美玲)が松坂慶子風に演じるセリフがますます際立って行くのである。
すみれを介抱する勇征はその時・・・黎が高層ビルに消える姿を目撃する。
「今・・・黎さんが・・・」
しかし・・・すみれはついに眠りこんでしまうのだった。
勇征はいわゆるお姫様抱っこですみれを抱き上げる。
そこで・・・午後十一時・・・すみれは澄にチェンジするのだった。
勇征は抱えるすみれが七十歳の澄になっても顔色を変えず・・・歩き続ける。
「ここは・・・」
一瞬、目が覚めたすみれは・・・ベッドの上である。
「俺の部屋だよ・・・一番近かったのでとりあえず・・・」
「ごめんなさい」
澄は羞恥で心がいっぱいになるのだった。
なにしろ・・・男性の部屋に入るのも生まれてはじめての経験である。
「安心して・・・僕はとなりの部屋にいるから・・・何かあったら声をかけてね・・・とにかく・・・眠るといいよ」
勇征の昔と変わらぬ誠実で優しい言葉に安堵した澄は・・・眠りに誘われる。
気がつけば・・・朝になっていたのだった。
当然、澄はすみれに戻っている。
大失敗だ・・・と暗澹たる気持ちになるすみれだった。
「真白くん・・・ごめんなさい」
「おはよう・・・すみれ・・・」
昔のように優しく微笑みかける勇征に・・・すみれの胸はときめく・・・。
失態を挽回しようとしたすみれは・・・部屋を掃除しようとして昔、すみれが勇征に贈った「筆入れ」の存在に気がつく・・・。
狼狽するすみれ・・・。
「それより・・・仕事大丈夫かい」
「あ」
出社時間が迫っていた・・・あわてて退散するすみれ・・・。
帰宅したすみれは・・・着替えようとして・・・アクセサリーボックスの・・・「ペンダント」に気がつく。
勇征からのプレゼント・・・甘い恋の思い出の品。
「にゃあ」
飼い猫ジュリに急かされて・・・我に帰るすみれだった。
「いやあねえ・・・もう」
その出来事を大学時代の親友・由ノ郷千明(秋元才加)に話すすみれ・・・。
「へえ・・・運命的な再会かあ・・・ねえ・・・すみれは・・・まだ真白のこと好きなんじゃないの」
「そんな・・・私が一方的に・・・お別れしてしまったのだし・・・」
「どうして破局したのか・・・少しも話してくれないから・・・アレだけど・・・なおさら・・・真白はすみれのこと・・・忘れられないんじゃないの・・・」
「でも・・・もう五年も前のことですし・・・」
「そうかなあ・・・」
千明は悪戯っぽく微笑むのだった。
帰宅したすみれを隣人の小倉夫人(高橋ひとみ)が急襲する。
「私・・・家出してきたの」
「え」
「主人たらひどいのよ・・・」
小倉夫人は夫婦喧嘩をして飛び出してきたらしい。
「すみれちゃん・・・昔の映画をたくさんコレクションしていたでしょう・・・今夜はオールナイトで鑑賞するつもり・・・」
「ええ」
マイペースで家に上がり込む小倉夫人に眩暈を感じるすみれ。
そこへ・・・小倉氏(西岡徳馬)がやってくる。
「あの・・・妻がお邪魔していませんか」
「えええ」
あげくの果てに・・・小倉夫妻は如月家で映画鑑賞を始めるのだった。
午後十一時が迫り・・・慌てるすみれ。
しかし・・・。
「あの女優・・・若い頃のお前に似てるな」
「どうせ・・・今はおばさんですよ」
「いや・・・今でも・・・お前の方がずっと綺麗だよ」
「あら・・・そう」
たちまち・・・仲直りして・・・去って行く小倉夫妻に呆れるすみれだった。
とにかく・・・すみれにとって夫婦生活というものは・・・実感のわかないものなのだ。
知っている夫婦と言えば・・・両親だけなのである。
祖母の介護・・・父の他界による家業の手伝い・・・母の介護・・・気がつけば六十五歳になっていたすみれ。
しかし・・・それからの五年間は・・・目の回るような日々だった。
ただ・・・恋だけは・・・五年前の破局から・・・封印しているすみれだった。
勇征との出会いと・・・短くも幸せだった日々だけが・・・すみれの心の支えなのである。
長年連れ添った夫婦の情愛というものが少し羨ましいすみれ・・・。
そこへ勇征から着信がある。
「昨夜は大変ご迷惑をかけて・・・」
「そんなことはないよ・・・それより・・・君・・・名刺入れを忘れていったよ」
「あ・・・今朝はあわてていたので・・・落してしまったんだわ」
「直接会って渡したいだけど・・・明日の都合はどうかな」
「え」
勇征との待ち合わせ・・・思い出の観覧車を眺めて・・・胸か高鳴るすみれ・・・。
(私ったら・・・何を期待しているのかしら)
桐谷美玲の演技に松坂慶子の心の声・・・この組み合わせのインパクトは・・・なかなかに印象深いな・・・。
癖になるよね・・・。
現れた勇征は・・・前夜のことをわびるのだった。
「君と付き合っていたことを隠してごめん」
「いえ・・・真白さんにも・・・都合があるでしょうし」
「そうじゃないよ・・・すみれとのことを・・・酒の席でからかわれたくなかったんだ」
すみれ・・・と呼ばれて喜びがこみあげる澄/すみれである。
そこへ・・・突然・・・女子校生が現れる。
「ゆうせい~・・・誰、この女」
勇征の教え子の栗原知果(山田杏奈)だった。
「こら・・・教師を下の名で呼ぶなと何度言ったらわかるんだ」
「ゆうせい~つめたい~」
「すみません・・・教え子の栗原です・・・この人は俺の大学時代の同窓生の如月さんだ」
「・・・」
知果は敵意丸出しですみれを睨む。
「すみません・・・こいつを駅まで送り届けてくるんで・・・」
「はい・・・」
喫茶店で待つすみれの元へ・・・勇征が戻ってくる。
「あの生徒・・・神出鬼没で・・・」
「教師も大変そうですね・・・神出鬼没といえば・・・」
「そういえば・・・昨日・・・黎さんにそっくりな人を見たよ」
「え」
「・・・一緒に確かめに行ってみないか」
勇征の提案に同意するすみれだった。
二人がやってくるのを高層階の窓から見下ろす黎。
ふりかえる思わしげな眼差しの先には・・・花瓶に活けられたすみれの花・・・。
フロントにたどりついた二人の前に黎は姿を見せるのだった。
レビューをしながら思うのだが・・・構成は結構アクロバットな展開になっている。
もちろん・・・実に巧妙に仕組まれているのだが・・・少し仕組みが過ぎて・・・ニュアンスを伝えようとすると再現率がすぐに高まる複雑な構成である。
たとえば・・・栗原の再登場へのシーンの運び方がやや不自然だったりする部分も少し気になる。
まあ・・・きっと・・・脚本家は少し苦労したんだな。
もちろん・・・お茶の間的には・・・よどみのない展開なのかもしれない。
黎とすみれ。
すみれと勇征。
勇征と黎という微妙な三角関係の処理に少し迷いがあるのかもしれないなあ。
思わせぶりなのか・・・重要な要素なのか。
そこが分かりにくくなっているような気がする。
「黎さん・・・」
「すみれ様・・・久しぶりです・・・真白様もお変わりないようで・・・」
「黎さん・・・どうして・・・五年間も・・・私とジュリちゃんを残して」
「申し訳あけありませんが・・・この後・・・所要がありまして・・・御用があればアポイントをとって後日にしていただけませんか」
「そんな・・・なぜ・・・連絡を断っていたのですか」
「ここで・・・お話するようなことではございませんし・・・真白様は・・・もう私たちとは無関係な方です」
「俺は・・・」
「では・・・失礼します」
「黎さん・・・」
黎の冷たい対応に戸惑うすみれ・・・。
黎が立ち去り・・・残された二人は顔を見合わせる。
「一体・・・どうして・・・」
「とにかく・・・もう少し話し合おう」
そこへ・・・知果が現れる。
「ゆうせいに近付かないでよ・・・おばさん」
「え」
「栗原・・・」
「あんたなんなの・・・」
「私は真白くんの大学時代の友人で・・・」
「それだけ・・・本当にそれだけなの」
「確かに・・・お付き合いはしていたけど・・・」
「うそよ・・・だってゆうせいにはちっともにあわないし・・・おばさんくさいし・・・本当に同級生なの・・・」
「そうねえ・・・確かに私は少し・・・年寄りっぽいかもしれないわ」
「おい・・・栗原・・・いい加減にしろ・・・すみれ・・・ごめん」
「いいのよ・・・」
「今日は本当にすまなかった・・・この埋め合わせは・・・日をあらためて」
「気にしないで・・・そうそう・・・名刺入れ」
「あ・・・肝心なことを・・・」
あわてて名刺入れをとりだした勇征は・・・名刺入れを落して中身をばら撒くのだった。
すみれの名刺を一枚拾って入手する知果である。
「じゃあ・・・また」
「はい」
知果はすみれを睨みつけて勇征と去って行くのだった。
(若いわねえ)・・・とため息をつくすみれ。
すみれと知果の年齢差は十歳くらいだが・・・。
澄と知果の年齢差は五十五歳くらいなのだった。
すみれは・・・黎の冷たい態度が気になって仕方なかった。
このあたり・・・勇征との再会よりも・・・黎との再会の方にすみれの心が傾いていて・・・それでいいのかと心配になるわけである。
とにかく・・・すみれと勇征のハッピーエンドが月9なら着地点だが・・・ここはなんでもありの枠だからな・・・。
最終回前に・・・恋愛よりも・・・怪奇談の結末の方に重点が置かれるのは微妙なんだよな。
まあ・・・考えすぎか・・・。
ここまで・・・すべてのレビュー対象作品が傑作な・・・このシーズンだけに・・・これも傑作であってほしいと願うばかりなんだな。
できれば・・・怪奇な恋愛談であって欲しいと思うよ。
「いつ恋」と違ってストレートにそうなんだからな。
ロケ現場の仕事に出るすみれ・・・。
「今日はクライマックスの撮影で押しそうだな・・・直帰でいいよ」
「はい」
時間ができたら・・・黎を訪ねようと考えるすみれ。
しかし・・・すみれを尾行する知果。
「あなた・・・学校は・・・」
「創立記念日です」
「ちょっと・・・真白くんに確かめてみるわね」
「やめて・・・私・・・どうしたら・・・ゆうせいに好かれるのか・・・あなたを見て研究したいの・・・今日一日・・・あなたを見学させて・・・」
ひたむきな知果に心が揺れるすみれ・・・。
「しょうがないわね」
親戚の子供の体で見学を許すすみれだった。
「まあ・・・すみれちゃんの頼みじゃしょうがないな」
もちろん・・・すみれの人柄を現場のスタッフは認めているわけである。
知果も大人しく遠くからすみれを監視するのだった。
すみれは真白にメールで連絡する。
《知果ちゃんが・・・現場に来ています》
《すまない・・・放課後・・・迎えに行く》
安堵したすみれは現場の業務をこなす。
スケジュールに会わせて、出演者に対応し・・・スタッフの体調にまで気を使う。
「風邪気味ですか・・・喉飴いかがですか」
「お、ありがとう」
「お疲れ様です・・・これ生姜入りのホットドリンクです」
「さすが・・・すみれちゃん」
「監督・・・ここはこのジュースでお願いします」
「あ・・・タイアップか」
「如月さん・・・例のワイドショーの出演の件なんだけど」
「スケジュールいただけますか」
忙しく働くすみれの姿に・・・知果は心を打たれるのだった・・・。
すみれは紙コップのドリンクを知果に勧める。
「これ・・・生姜入りなんだけど・・・よかったら」
「生姜嫌い・・・」
「・・・ごめんね」
すみれの笑顔に知果は俯く。
「如月く~ん」
「はい」
そして・・・夕暮れ・・・無事に撮影は終わった。
すみれは・・・知果が消えているのに気がつき・・・現場近くの海岸へと捜しに出る。
知果は波打ち際にいた。
「知果ちゃん・・・終わったから・・・一緒に帰りましょう」
「ずるいよ・・・」
「え」
「大人はいいよね・・・ちゃんと仕事して・・・楽しそうで・・・それで・・・勇征にも優しくされて・・・私なんか何にもないよ・・・学校でシカトされて・・・ディスられて・・・夢なんかないし・・・やりたいこともない」
鬱屈していたらしい知果は海に飛び込むのだった。
「知果ちゃん」
あわてて追いかけるすみれ・・・。
波の中で知果を抱きとめるが立ち往生してしまうのだった。
そこへ・・・勇征到着である。
二人を波打ち際まで連れもどる勇征。
「真白くん・・・ごめんなさい」
「いや・・・とにかく・・・無事でよかった・・・」
「知果ちゃん・・・私だって・・・いろいろ・・・悩むことはあるのよ」
「・・・」
「でもね・・・めっ」
「!」
「自分を傷つけるようなことをしちゃいけないわ・・・若いってことは・・・今はまだ何にも持っていなくても・・・これから・・・いくらでも持てるようになるってことなんだから・・・おばあちゃんになったら・・・そうはいかないのよ・・・」
「・・・」
すみれの言葉は・・・知果に届いたようだった。
「教師の出る幕なし・・・だな」
勇征は微笑むのだった。
知果を自宅まで送り届けた二人。
鬱屈を吐き出した知果は落ちついたようだった。
「ありがとう・・・すみれさん・・・先生・・・ごめんなさい」
「栗原・・・お前のいいところは素直なところだと思うよ・・・いつも本当の自分をぶつけていけば・・・いつか・・・わかってくれる友達がきっとできるよ」
最後は教師として・・・言葉をかける勇征だった。
「真白くん・・・いい先生になったのね」
「君のほうこそ・・・久しぶりに聞いたよ・・・君のめっ・・・」
「まあ・・・」
「昔・・・由ノ郷を大学に呼びもどしたり・・・幸坂にも毅然として・・・めって言ってた」
「恥ずかしいわ・・・」
「そんなことはないよ・・・俺は君のめっが大好きだった。教師になったのだって・・・そういう君を見ていて・・・」
「まあ・・・」
「今も君は変わらない」
「私は・・・黎さんがくれたチャンスを無駄にしちゃいけないって・・・ただそれだけで・・・」
「すみれ・・・」
勇征はすみれを抱きしめた。
「え」
「もう一度・・・やり直せないかな」
「ええ」
「今度は君のすべてを受けとめるから・・・」
「えええ」
この流れだと・・・澄・黎エンドじゃないか・・・。
いいのか・・・それで?
その頃・・・黎は枯れたすみれの花を見つめている。
「もう・・・時間がない・・・すみれ様にも・・・私にも」
もちろん・・・すみれが願いを成就しなければ・・・すみれの本来の年齢が・・・「死」をもたらす。
そして・・・そうなれば・・・黎の封印は解かれることはないのである。
そもそも・・・黎と雪白(小西真奈美)はどうして封印されたのか。
はたして・・・すみれの恋は実るのか・・・。
その恋の相手は・・・勇征なのか・・・黎なのか・・・。
謎をはらんで・・・物語はクライマックスへ・・・。
関連するキッドのブログ→第6話のレビュー
| 固定リンク
コメント
キッドさま
こんばんは(*^^*)
桜の開花宣言も出て
春本番も近づき 冬ドラマも
スミカスミレを残すだけになりましたね
冬ドラマを彩った7人の女優さんのレビューを読んで知ったことですが
今回 レビュー対象外だった堀北真希ちゃんや広末涼子さん
綾瀬はるかさんと深キョン
同じ事務所から2人も主演を出してるですね
役者さんを見てもジャニーズ事務所とオスカーぐらいしか
所属事務所がわからないので
ちょっとビックリしました
クールによって事務所の持ち回りが違うんですかね⁇^ ^
7人の女優さん
それぞれタイプが違って ステキ💖ですね
その中でも 主演ドラマを必ず見るというわけではないのですが
綾瀬はるかさんに 特別な感じを持ってます
桐谷美玲さんはスミカスミレを見て
回を重ねるごとに こちらが混乱するほど
スミとの入れ代わりが自然になってきて
あまり女優さんとしての認識がなかったのですが演技が上手な人なんだな と感じました
このドラマ
最初は入れ代わりがチープな感じがして
ちょっと心配な気もしましたが4話くらいから
まったく気にならなくなりました
ストーリーの展開が早くて色々とビックリですが
自分の中では
美女と野獣のように
黎とスミのラブストーリーとして漠然と捉えていたので
想像と違う方向に進んでるようにも見えて
それはそれで楽しんではいます
年齢を超えた男女の愛には
それほど 興味はなくて あまり感動しない自分が残念ですが^^;
でも ドラマを見て
人を純粋にひたむきに思う気持ちにハッとさせられ
清々しい思いになったり
若さの可能性の素晴らしさを改めて考えさせられ
エールを送りたい気持ちになりました
今回5年の時の経過がそれほど意味があるようには
思えなかったので 花が枯れるまでの時間なのか
美女と化け猫のハッピーエンド☆
期待したいです(*^^*)
投稿: chiru | 2016年3月23日 (水) 20時24分
春の便りが届いている中で
取り残されたようなスミカスミレがまた
愛おしいのでございます。
様々な「恋愛模様」が繰り広げられた冬の季節・・・。
やはり・・・バレンタインデイが
そうさせているのでしょうかねえ・・・。
スター女優の皆さんの背景に触れることは
ドラマを純粋に楽しむ上では
ある意味、タブーのような気もしますが
ある程度、ドラマを視聴していると
「流れ」というものが
どうしても気になってきます。
お気に入りの女優の次の仕事も
気になりますしね・・・。
帝国のファンの皆様なら
帝国の存在は・・・そこそこ気になるでしょうし
凄く才能があるのに・・・
この事務所では・・・
などと余計な心配もしたりして・・・。
すでにスターの所属している事務所に
いることはある程度の安心感もあります。
おしゃれ小鉢としての出演もありますし
そういう経験や露出は・・・得難いものですし。
しかし・・・ものすごくポジションがかぶってる場合は
いろいろアレなんじゃないかと
妄想が膨らんだりもします。
深田恭子と綾瀬はるかのホリプロ
堀北真希と桐谷美玲のスウィートパワー
広末涼子と有村架純のフラーム
ふふふ、よく発見なされましたな。
それぞれの事務所はいい仕事していると言えますな。
そして・・・仕事の内容もそれなりに特色がでております。
素晴らしい女優達に
活躍の場を与えるのも大切だし
管理もしなけれならないし
それなりに守らなければならない。
何よりも稼がせないといけないですからねえ。
桐谷美玲がただ美しいだけでなく
演技者としての実力があることを
それとなく見せてくれる
この作品の選択などは・・・渋い!(いい意味で)と言えるでしょう。
脚本家が
「仕掛け」が得意な人なので
結構、原作よりも凝った作りになっているのは
好みの分かれるところ・・・。
澄/すみれという一種の二重人格と
人間の勇征、魔物の黎という
二人のオスが交錯する。
ある意味・・・複雑怪奇な三角関係・・・。
ふふふ・・・「美女と野獣」という視点は
「異種交配」の醍醐味ですよねえ。
ただし・・・黎はあくまで人間が化け猫になったのではなくて
化け猫が人間になっているだけなんですにゃあ。
それでも・・・人間より猫を愛する方はたくさんいらっしゃいますからなあ。
スミとレイのハッピーエンドもありますよねえ。
なにしろ・・・スミレイ・・・スミレー・・・すみれでございますからね。
自然の掟に反した若返り・・・つまり寿命の延長です。
しかし・・・憐れな澄の人生に花を咲かせた奇跡でもあります。
勇征も・・・本当は死んでいるところを
生きてしまっているわけですが・・・
結ばれないはずの二人が結ばれて
化け猫の封印が解けるとどうなるのかも
まだ隠されているわけです。
一体・・・どんな着地になるのか・・・。
とてもとても楽しみなのでございます。
投稿: キッド | 2016年3月24日 (木) 00時01分