もう誰も彼を傷つけないでください(綾瀬はるか)
今年も何事もなく三月十一日が通りすぎていった。
去年の三月十二日のレビューは「フラガールと犬のチョコ」である。
今年はこれであるのが・・・運命的なんだな。
人間にとって・・・世界とは自分そのものである。
あるいは「私」と「世界」しかこの世にはないのだ。
その証拠に私が死ねば世界は消えるのである。
だから・・・私以外の誰かが死んでも世界は続いて行くわけである。
東日本大震災の死者1万5894人は私とは違うのである。あるいはあなたとは。
このドラマでは・・・「人間」と「それ以外の何か」の葛藤が描かれる。
こういう設定があり得ないと感じる人間は無垢だと言える。
「制裁するもの」と「制裁されるもの」
「基地周辺住民以外の国民」と「基地周辺住民」
「正規雇用者」と「非正規雇用者」
「扶養家族あり」と「扶養家族なし」
「非避難民」と「避難民」
「日本死ねと言わない人」と「日本死ねと言う人」
「五体満足の人」と「そうではない人」
「自殺しない中学生」と「自殺する中学生」
あらゆる場所で・・・「存在を無視する人」と「存在を無視される人」は共存しているのである。
これは・・・そういうことが日常茶飯事であることを示す傑作なのである。
あなたの隣にいる誰かは・・・あなたではないのだ。
で、『わたしを離さないで・第9回』(TBSテレビ20160311PM10~)原作・カズオ・イシグロ、脚本・森下佳子、演出・山本剛義を見た。「ベビベビふんふふんふんふーん」と歌い、「愛し合う二人は猶予を勝ち取るべきだ」と願い、「私を離さないで」と叫んだ酒井美和(瑞城さくら→水川あさみ)は提供を終了した。提供者としての使命を果たし・・・天使としてこの世から消えたのだった。
残された保科恭子(鈴木梨央→綾瀬はるか)は土井友彦(中川翼→三浦春馬)の介護人となり・・・「最後の希望」である・・・「愛し合う二人には猶予が与えられる」という陽光学苑の「噂」を確認するために・・・美和の残した陽光学苑校長・神川恵美子の住所を訪ねる決意をする。
「じゃあ・・・俺も行くよ」
「・・・トモの外出許可を得るのは大変なのよ」
「この前みたいに・・・無断外出すれば」
「留守かもしれないし・・・とにかく・・・私が行ってみるから・・・トモは絵を描いて」
「・・・」
楽天家の友彦と違い・・・悲観的なところのある恭子は用心深かった。
もしも・・・「猶予の噂」が・・・根拠のない噂だった場合・・・友彦の心が傷つくことが・・・恭子には見通せたのである。
友彦は少し・・・知性の発達に問題があり・・・物事の裏を憶測することが苦手だった。
恭子はそれを「自分にはない美点」と感じていたが・・・だからといって・・・愛する人が傷つくのは避けたかったのだった。
恭子は思慮深く・・・誰よりも現実主義者だった・・・少なくとも提供者としては・・・。
介護人の仕事の合間を縫い・・・下妻市の神川邸を訪問する恭子。
「一年前に引っ越した・・・」
「うん・・・」
「引越し先・・・わからないのかな」
「もう一度行って・・・近所の人に訊いてみるつもり」
「郵便屋さんとか・・・知らないかな」
「聞いてみるわ」
二人は希望を失わない。
「ねえ・・・俺とここで暮さないか」
「・・・」
「もちろん・・・一人になりたい時は・・・俺がどこかに・・・」
「一人になりたいなんて思わないよ・・・いつも一緒にいたいもの」
放屁をする友彦。
「臭いわね」
「うれしくて」
「うれしいと出るシステムだったの」
提供者として抜群の優等生である恭子は・・・友彦のすべてを愛する。
恭子にとって・・・友彦は・・・恋人であり・・・提供者にとって生むことのできないベイビーなのである。
二人は愛し合う。
まどろむ恭子の寝顔を友彦はスケッチする。
「やめてよ・・・恥ずかしい」
「恥ずかしがることなんかないよ・・・恭子の寝顔は最高にかわいいから」
「嘘・・・」
「嘘じゃないさ」
友彦は「正常位」や「後背位」そして「騎乗位」などの「二人」も描くつもりだった。
「絵」の主題は・・・「二人が愛し合っていることの証」だったからである。
恭子は元・神川邸を訪ねるが・・・恵美子の引越し先は杳として知れなかった。
「外の世界では・・・個人情報というものを明かさないらしいの」
「そうなんだ」
「お手上げね」
「ねえ・・・恭子の絵は・・・いつもマダムにもっていかれたよね・・・」
「うん・・・」
「あの絵は・・・どこにあるんだろう・・・」
「さあ・・・」
「わざわざ持って行ったんだから・・・何処かに飾ってあるんじゃないのかな・・・美術館とか」
「・・・」
「もしも・・・どこかで恭子の絵が見つかれば・・・マダムと連絡がつくんじゃないかな」
恭子は・・・それを雲を掴むような話だと感じる。
しかし・・・友彦の「最後の希望」を否定することはできない。
それは・・・恭子にとっても「最後の希望」だった。
恭子は・・・時間の許す限り・・・美術館めぐりをするのだった。
「大変そうだね・・・」
恭子が介護を担当する提供者の加藤(柄本佑)が呟く。
「すみません・・・お世話をする時間をあまり・・・とれなくて」
「構わないよ・・・」
加藤は三度目の提供を待つ身である。
それは友彦も同じだった。
恭子は残り時間の少なさにあせりを感じる。
友彦は完成した絵を広げて・・・鑑賞していた。
知性に問題のある友彦が創作に熱中して・・・薬の服用を忘れたことに腹を立てる恭子。
「ダメじゃない・・・」
「でも・・・体調良かったから・・・」
「回復しなければ・・・いけないの・・・どうしてわかってくれないの」
「・・・」
「私・・・今日は家に帰るわ・・・」
恭子は疲れていた。
言うことを聞かない友彦に・・・。
「最後の希望」に至る道が開かれないことに・・・。
加藤は呟く。
「なかなか・・・見つからないんだね・・・」
「もう・・・無理なのかもしれません」
「でも・・・なんだか・・・楽しそうだ」
「え」
「僕には・・・そういうことは・・・なかったから」
「・・・」
誰よりも大切な友彦から・・・離れて・・・自分に何が残るというのか。
恭子は・・・友彦のところへ戻った。
友彦は病院の図書室で借りたミステリ小説「深解のキャンバス/詩邑ことは」(フィクション)を読んでいた。
「友彦・・・」
「思ったより早かったね」
「何を読んでいるの・・・」
「人の捜し方を研究しようと思って」
「参考になった?」
「全然・・・でも面白いよ」
恭子は小説を手にとり・・・愕然とする。
表紙に使われている「絵」は・・・恭子自身の「絵」だった。
出版社を訪ねる恭子。
「あなたの作品とは知りませんでした・・・未許可だったとは・・・」と編集者は困惑する。
「以前・・・ある人に贈った絵だったのです・・・もし・・・その人と連絡がついたら・・・伺いたいことがあるのです」
「それでは・・・あなたの連絡先を教えてください」
恭子は考える。
提供者の連絡先は・・・すべて管理センターを経由したものになる。
そこで・・・恭子は「マダム」宛ての手紙に「友彦の回復センターの住所」を添え・・・編集者に託すことにした。
それが・・・マダム(真飛聖)の手に届くかどうかは・・・賭けなのである。
そして・・・恭子は賭けに勝った。
マダムから返事が来たのだ。
「恵美子先生は・・・のぞみが崎に住んでいるって・・・私たちと会ってくださるそうよ・・・」
「でも・・・猶予が本当かどうかは・・・」
「猶予のことも私は手紙に書いたから・・・もし・・・それがただの噂なら・・・そんなものはないと手紙に書けばいいんだもの・・・わざわざ会ってくれるというのは・・・猶予があるということよ」
「でも・・・猶予を受けられるかどうかは・・・わからない」
「・・・」
「ねえ・・・どの絵を持って行こうかな」
「全部よ・・・何が評価されるかなんて・・・わからないもの」
二人は「最後の希望」を求めて旅立った。
恭子の運転する車は・・・友彦を乗せて「のぞみが崎」に向かう。
「本当に・・・猶予があるなんて・・・」
「まだ・・・猶予を受けられるとは決まってないよ」
恭子は・・・希望に目が眩んでいた。
しかし・・・友彦は・・・希望が失われる惧れを抱いていた。
二人の心はすれ違う。
だが・・・それはそれほど問題ではなかった。
夢だと思っていたものが現実になる・・・二人は同じ道を走っていたのである。
資産家の別荘の趣きがある神川家の屋敷。
マダムが二人を案内し・・・老いの気配を漂わせる美和子の元へと導く。
「覚えていますよ・・・いつも癇癪ばかり起こしていた男の子と・・・格別の優等生だった・・・あなたたち二人のことを・・・」
「私たちは・・・猶予のお願いに来たのです・・・」
「・・・」
「絵を描いてきました・・・陽光にいた時は・・・下手だったのですが・・・ずっと練習して・・・」
「素晴らしい作品ですね・・・特に彼女を描いた連作には・・・彼女を大切に思う気持ちが息づいている・・・」
「それじゃ・・・」
恵美子は二人から視線をそらす。
「猶予というものが・・・あれば・・・猶予をあげることができたら・・・そうしたいのはやまやまです」
「え」
「しかし・・・そういうものはありません・・・」
「そんな・・・」
友彦はすがるように龍子(伊藤歩)の手紙を示す。
「ここに・・・陽光には・・・秘密があると・・・」
恵美子は・・・二人に視線を戻した。
「私は・・・人間ではありません・・・」
「ええっ」
「私は・・・クローンの・・・最初の成功例なのです」
「えええ」
恵美子を演じる麻生祐未は1963年の生まれである。
現実の世界では1963年には世界で初めて魚類のクローンが作成された。
哺乳類のクローンが作成されるのは1981年のことである。
こちらの世界では・・・同じ時期に・・・提供者としてのクローン作成が実用化したのである。
恵美子の戸籍上の父親である神川博士は・・・恵美子の戸籍上の母親である神川夫人の細胞からクローン人体の作成に成功した。
神川夫人のクローン人体は恵美子と命名され・・・神川夫妻の娘として養育されたのである。
母親とそっくりの娘として・・・違和感なく普通の人間として育った恵美子。
古い写真で恵美子そっくりの神川夫人の手に抱かれているのは恵美子だったのだ。
恵美子が初潮を迎えない自分の身体に疑問を感じる思春期に達した頃・・・すでに・・・提供者社会は実現していた。
人間たちは移植臓器提供のために作成されたクローン人体を「提供者」と呼び家畜化していたのである。
父親の告白により・・・自分が「提供者」という「家畜」と同じ「クローン」であると知った嫌悪感で吐き気を感じた。
「酷いでしょう・・・私も・・・父も・・・」
「・・・」
恵美子の告白に戸惑う恭子・・・。
家畜である提供者と同じクローンでありながら・・・人間として育てられた恵美子。
自分の正体を知った恵美子の苦悩・・・。
クローンである自分が人間と同じように生きていることを・・・もてあましたのである。
神川博士が故人となり・・・遺産を相続した恵美子は・・・陽光学苑を創立する。
提供者に人間らしい教育を与え、人間らしい提供者によって・・・クローン人体が「家畜」ではないことを社会に訴え・・・「提供者」制度の改革を目指す・・・。
それが・・・恵美子の遠大な計画だった。
「龍子先生のように・・・想像力のある人間には・・・魂を持った提供者が存在することが簡単にわかる・・・そして・・・提供者システムが人間として許されない非人道的なものであることが・・・しかし・・・多くの人間にはそういう想像力が欠如しているのです」
「それでは・・・外の人たちは・・・私たちに魂がないと信じているのですか」
「そうです」
「友彦の作品の一つ・・・この絵に描かれているのは私と・・・親友の美和です。美和は勝気な性分で・・・意地悪で・・・私は多くの嫌がらせを受けました。一時は・・・耐えかねて私自身が心を閉ざすところまで追いつめられたのです。しかし・・・介護人として提供者となった美和と接するうちに・・・彼女が私を愛していたことを知りました。彼女はただ・・・私に愛されることを求めていたのです。それほど・・・純粋に・・・愛を求めた美和に魂がなかったと・・・」
「私は・・・あなたたちを単なる家畜にしたくなかった・・・あなたたちが天使として・・・誇りを持ち・・・提供者や介護人となることで・・・それを世に問おうと考えたのです」
「・・・」
「人間は・・・強欲です・・・すでにある便利なものをないものとして手放すことを難しいと考えます。クローン人体による移植臓器提供という・・・素晴らしい成果を手放したくないと考える生き物なのです」
「つまり・・・便利な道具を手放したくないから・・・道具に魂があることなんか・・・無視する・・・ということですか」
「私は・・・あなたたちに・・・可能な限り・・・人間のように生きてもらいたいと願いました・・・そのことをおわかりいただけましたか」
「・・・」
「しかし・・・人間たちは簡単には・・・クローン人体という家畜に魂があることを認めない。だから・・・私はあなたたちに貴い使命を説き・・・あなたたちを天使と呼びました」
「・・・」
「私は間違っていましたか・・・他にもっといい方法がありましたか・・・」
恭子は答えることができなかった。
恭子は・・・恵美子の方法論の優等生だった。
恵美子の方法に異を唱え反逆しようとした真実(エマ・バーンズ→中井ノエミ)はどうなった・・・。
「・・・通行中の皆様。突然失礼します。私は候補者ではありません。私は提供者です。でもどうか少しだけ私の話を聞いてください。 私はある施設で育てられました。その頃はまだ提供者と知らずごく普通の子供時代でした。だけどある日、提供という使命を持った天使だと知らされました。私の命は誰かのためにある。誰かを救うためにあるのだ。捧げるのが使命だと。だからお前たちは天使だと教えられました。大好きな友人に命をあげることを考えました。彼女が苦しんていて私の心臓があげられるかと。私は無理だと思いました。代わりに死ぬことなどできない。私は天使ではないと思いました。天使でなければなんなのか。私は普通の人間ではないだろうかと。私の望みはごく普通のことです。自由に歩きたい。仕事をしてみたい。理想の将来について語りたい。子供をもちたい。でも許されない。そんな些細なことが。なぜですか?・・・簡単です。私たちは家畜だからです。私だって豚が何を考えているかなんて考えません。だからお願いします。どうか、私たちを何も考えないように作ってください。自分の命は自分のものではないのかなどと思いもしないように・・・」
真実はそう叫んで自死したのだ。
恭子は・・・真実のようにはなれない。
その日が来るまで・・・できるだけ長く生きていたい。
なぜなら・・・恭子は・・・そう考える提供者だから・・・。
「帰ろうか・・・」
涙を流す二人のクローンの女を無視して友彦は呟いた。
友彦の「最後の希望」は打ち砕かれたのだ。
「あなたたちにお会いできて・・・うれしかったわ」
恵美子は退室した。
その場にいる唯一の人間であるマダムに・・・恭子は問わずにはいられなかった。
「そうではない・・・人間もいるのですね」
「そうです・・・しかし・・・とても少数で・・・無力なのです」
「昔・・・私たちが音楽室で踊っていた時・・・あなたは泣いていた・・・私たち提供者と言う名の家畜を憐れだと思っていたのですか」
「あなたたちは・・・幸せそうだった・・・私は祈ったのです・・・その幸せが・・・あなたたちから失われてしまわぬようにと・・・」
「・・・」
誰が悪いというわけではなかった。
それはそういう世界の話なのである。
そして・・・それは・・・人間の世界ではよくあることなのだ。
暗い夜道を車は走る。
「結局・・・いいわけばかりだったな」
恭子はなんとか友彦を慰めようと考える。
「私・・・友彦の言っていたことがようやくわかったような気がする」
「・・・」
「夢は・・・あるだけで・・・素晴らしいって・・・」
「・・・」
「探偵ごっこは楽しかったし・・・」
「そうだな・・・愛し合っている二人に猶予が与えられるって・・・もう実現していようなものだし」
「だよね・・・」
「・・・」
友彦は車窓に映る自分の顔を見る。
すでに・・・そこには夢を見ていた自分はいない。
なぜなら・・・夢はもう消えたのである。
赤信号で停車した車から飛び降りる友彦。
「トモ・・・」
「ああああああああああああ」
友彦は叫ぶ。
絶望と・・・激昂と・・・悲哀が爆発する。
友彦は幼い頃のように癇癪を破裂させる。
ガードレールを蹴り、素手で殴る。
血まみれになる友彦の手・・・。残される鮮やかな血痕。
提供者が人間のように生きている証。
「ダメよ・・・自傷行為なんて・・・解体されてしまう・・・」
「・・・」
「サッカーが出来なくなってしまうよ・・・」
「恭子・・・無理だよ・・・もう・・・無理だよ・・・」
恭子は震える友彦を抱きしめた。
(誰か・・・)
脚本家の森下佳子は・・・女優の綾瀬はるかと数々の名作を手掛けている。
「MR.BRAIN」(2009年)や「JIN-仁-」(2009年~2011年)というヒット作もあるが・・・「わたしを離さないで」は「世界の中心で、愛をさけぶ」(2004年)や「白夜行」(2006年)に通じるものがある。
それは・・・作品世界に横たわる「絶望の深さ」である。
「白夜行」の「やったのは私だよ」のセルフ・パロディーに続き・・・ここでは「セカチュー」の「誰か助けてください」のバリエーションが展開されるのである。
(これ以上・・・友彦を傷つけさせないで・・・)
しかし・・・恭子のせつない願いを叶えるものはいない。
友彦に届く「三種同時提供」の通知・・・。
友彦の肉体は切り刻まれ・・・そして・・・心は傷ついたまま消えるのみなのだ・・・。
最終回・・・果たして・・・恭子はそんな世界で「光」を見つけることができるのか。
見つけたって悪くはないが・・・とてつもない「闇」が残るだけでも構わないと思う。
このドラマはもう・・・充分に傑作なのだから・・・。
関連するキッドのブロ→第8話のレビュー
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コメント
じいやのレビューはいつも素晴らしいですな。
>最終回・・・果たして・・・恭子はそんな世界で「光」を見つけることができるのか。
見つけたって悪くはないが・・・とてつもない「闇」が残るだけでも構わないと思う。
このドラマはもう・・・充分に傑作なのだから・・・。
全くその通りで。
この世界で行われている事は善なのか悪なのか先生がやろうとしたことは善なのか悪なのか、私は善なのか悪なのか、色々と考えるわけですが、そこに答えはない事も理解しているのです。
善だろうが悪だろうが人は生きるし世界は辛い。
最終回は甘くない世界の現実を見ます。
投稿: くう | 2016年3月12日 (土) 17時10分
❀❀❀☥❀❀❀~くう様、いらっしゃいませ~❀❀❀☥❀❀❀
お褒めにあずかり恐悦至極でございまする。
「ちかえもん」からの「わたしを離さないで」・・・。
とてもゴージャスな(木)(金)でしたねえ。
じいめは久しぶりに痺れました・・・。
こちらは・・・「物語」の中で
この世の「空虚さ」を
しみじみと語る・・・。
物事を考えれば考えるほど
「善悪」の判断は困難になっていくものでございます。
昨日、善だったことが今日は悪になる。
さっきまで正しいと信じていたことが
途方もない誤りだったことに気付く。
だからといって・・・自分で自分を裏切るようなことには抵抗がある。
そうしたジレンマが計算されつくされた世界で
無情に浮かび上がる。
実に美しい光景でございますねえ。
愛を信じれば信じるほど
それが嘘にすぎないことを
知る他はない・・・。
それでも人間は生きていく。
最終回はそんな「人間の業」をうっとりと楽しむ覚悟でございます。
この世界が終わらない限りにおいて・・・。
投稿: キッドじいや | 2016年3月12日 (土) 23時05分