誰かが誠実さを誓う時・・・心にもない嘘だとわかっていても信じないとは言えないものでしょう(長澤まさみ)
疲れ果てていることは誰にも隠せはしないわけで・・・それでもがんばっている人たちにせめて優しくしてあげたいと思う人が一番疲れていることもあるけれど・・・。
(日)が固めてきたので・・・一瞬、真田丸の牙城が揺らいだよ。
いや・・・そういう比喩もおっかなびっりだよ。
まあ・・・どんな苦しみもいつかは終わる。
少なくとも百年くらいで・・・。
あの光景を見れば・・・運がいいとか悪いとか・・・そういうことって確かにあると思うよね。
70年代フォークから離れんか・・・。
幻想の秀吉ファミリーが通りすぎていく。
支配者たちは税の取り方について議論する。
「とにかく・・・搾取するわけだからさ」
「だよね」
「出来る限り平等にしぼりとろうと思うんだ」
「だよね」
「そして・・・パッと使いたいよね」
「だよね」
で、『真田丸・第15回』(NHK総合20160417PM8~)脚本・三谷幸喜、演出・木村隆文を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は織田信長の継承者にして簒奪者・・・戦国時代の終焉を告げ・・・日本の土台を構築した男・羽柴秀吉の描き下ろしイラスト大公開でお得でございます。この男に子種があったなら・・・日本は違う国になっていたのか・・・おい・・・この男に子種があったなら・・・こんなに出世していなかったのか・・・おいおい・・・とにかく・・・この男がいなかったなら・・・大阪で生まれた女は生まれなかったかもしれないのでございますよねえ・・・おいおいおい。
天正十一年(1583年)、蒲生氏郷は織田信長の娘・冬姫との間に蒲生秀行を儲ける。天正十二年(1584年)、織田信忠の嫡男・秀信(三法師)は丹羽長秀の坂本城に移る。天正十三年(1585年)四月、丹羽長秀病死。後継者の丹羽長重は越中征伐中の罪で百二十三万石の大名から若狭国十五万石にランクダウン。織田信長の次男・信雄は羽柴秀吉に臣従。信長の弟・織田長益は徳川家康の元へ秀吉に臣従を促す使者となる。十二月、信長の四男で秀吉の養子になった正三位・権中納言羽柴秀勝は丹波亀山城で病死する。これにより・・・羽柴秀吉は織田信長の血脈から完全に解放された。天正十四年(1586年)五月、真田昌幸は徳川領の佐久へ侵攻。北条勢は沼田城を攻めるが矢沢父子によって撃退される。六月、上杉景勝は上洛し、左近衛少将に任じられる。秀吉は景勝へ上野国の領有権放棄を命じ、上野国沼田における真田昌幸の領土が確定し、信州上田領と併せ真田昌幸は豊臣政権下における大名として確立する。七月、徳川家康は真田征伐のために甲府に出陣。秀吉は両者の戦いを一時静観する。
真田信繁が大坂城に人質として入って半年が過ぎようとしていた。
すでに大坂を中心とした秀吉政権とも言うべき機構が朧げな姿を見せている。
かって信繫が見た安土城の繁栄を上回る活況が大坂城下に出現している。
信長存命中は・・・まだ中国、四国は平定されておらず、十年続いた本願寺や武田、上杉との戦いがようやく終焉しつつあるという状態だった。
しかし、今や、中国も四国も平定され、上杉も秀吉の臣下となった。
主筋である織田家の人々も・・・すでに大半が秀吉を天下人と認めていた。なにしろ・・・身分的には秀吉は雲の上の存在なのである。
その中で・・・信州の土豪に近い真田家の人質など・・・庭の小石のようなものだった。
だが・・・信繫の分析とは別に・・・秀吉は真田家に注目していた。
忍びである信繫は・・・その目が・・・絶えず自分を見ていることを感じている。
上杉主従が京の都を通過して大坂に到着したのは梅雨明けの気配が濃い夏の昼下がりであった。
信繫は・・・関白家における真田担当官と言える大谷吉継の家臣である諸角太助に声をかけた。
「上杉景勝様が・・・入城されたと聞く・・・かって・・・縁深い方であるので・・・ご挨拶申し上げたいが可能であろうか・・・」
「殿に申し伝えまする」
「かたじけない・・・」
豊臣家における人質の生活は・・・窮屈なものではなかった。
大坂城下には・・・無数の大名屋敷が建てられ・・・信繫が大坂にやってくる前から・・・真田屋敷さえ用意されていた。
その屋敷は・・・上田城の昌幸の居室よりも豪勢だった。
家臣の控えの間にまで畳が敷かれていたのである。
信繫は・・・秀吉という天下人の底知れぬ配慮というものを思わずにはいられなかった。
質素な生活になれた信繫の郎党たちは・・・畳の上の生活に戸惑った。
その上で・・・信繫たちは自由の身でさえあった。
夜毎に訪れる使い番である諸角太助などに点呼をとられる他は門外にさえ出られるのだ。
信繫がこれまで過ごした武田家や上杉家の人質としての待遇が嘘のようである。
その夜・・・真田屋敷に・・・大谷吉継は・・・秀吉を伴って現れた。
「殿下でござる」
吉継に云われ・・・信繫は平伏した。
関白などという身分のものに接したことはないので・・・どのように振る舞っていいのかもわからない。
「楽にいたせ」
困惑する信繫の心を読んだように秀吉は柔らかい声で言った。
「真田源次郎信繫でございまする」
「秀吉じゃ・・・面をあげよ」
信繫は・・・噂通りに小男の秀吉を見た。
五十を目前にしている男には見えず・・・その体からは若々しい精気が発している。
「ふふふ・・・そうか・・・儂は若く見えるか」
信繫は心を読まれていることに気が付き緊張した。
「まだまだ・・・稚いの・・・忍びはもう少し・・・心を秘めねばならぬ・・・どうじゃ・・・儂の心が読めるか」
信繫は気を凝らした・・・しかし・・・秀吉の心はまったくの霧の中だった。
「ついて・・・参れ」
秀吉は屋敷から飛び出した。
思わず信繫も走り出す。
信繫は佐助や才蔵が追ってくるのを制した。
「相手は殿下おひとりじゃ・・・」
秀吉は・・・猿飛の術の達人である。
大名屋敷の屋根を飛び、城門を越え、天守閣へと飛翔する。
信繫はついて行くのがやっとであった。
天守閣の最上階にたどり着いた秀吉は屋内に入っていた。
そこに控えているのは秀吉の十人の小姓衆である。
「ふふふ・・・なかなかやるの・・・」
秀吉は振り返った。
小姓が秀吉に水の入った盃を捧げる。
「石清水じゃ・・・」
信繫は奨められた盃の水を飲み干す。
熱気を払うような冷たさである。
「どうじゃ・・・うまかろう・・・氷室の氷で冷やしてあるでのう」
「は・・・」
「まあ・・・このような贅沢は忍びには無用のものじゃ・・・しかし・・・儂も天下の大半を治める身・・・このぐらいはよかろうの・・・」
「・・・」
「そなたの父親の身上は僅かなものじゃが・・・徳川勢を退けた戦働きは見事なもの・・・」
「恐れ入りまする」
「しかし・・・家康殿は食えぬ男じゃ・・・本人が出馬して・・・その気になれば・・・真田を根切りにすることにもなろうず」
「信州で戦わば・・・真田のものは・・・勝てずとも負けることはなかろうと存じます」
「ふふふ・・・申すのう・・・儂としては真田と徳川がやりあっていたみ合うのも美味みがある・・・しかし・・・もったいないことじゃ」
「もったいない・・・」
「家康殿には古い恩義もあるでのん・・・そこで出来れば双方を手打ちさせたいのじゃ」
「・・・」
「儂と勝負して儂が勝ったら・・・御父に文を出してもらおうぞ・・・」
「・・・」
「さあ・・・儂をつかまえてみせよ」
次の瞬間・・・秀吉は天主閣から飛び出し・・・宙を舞う・・・。
秀吉はそのまま大地に立つ。
信繫はその術を真似することはできなかった。途中の屋根を跳躍し・・・漸く秀吉の元へたどり着く。
しかし・・・そこにあるのは秀吉の衣装のみであった。
「あはははは」
ふりかえると天主閣では秀吉が高笑いしている。
「見たか・・・比翼空蝉の術・・・」
信繫は平伏した。
位でも負け、術でも負けた以上・・・忍びは相手に服従するしかない。
そうでなければ命を失うのだ・・・。
徳川勢とにらみ合う昌幸の元へ・・・信繫から文が届く。
まもなく昌幸は大久保兄弟の籠る佐久小諸城の包囲を解き・・・上田城に引き上げた。
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