お迎えデス。(福士蒼汰)スラリと伸びた長い脚だよ。(土屋太鳳)ゲストです。(菅野美穂)
時は流れて・・・菅野美穂がゲストの時代である。
それにしても・・・震災で一週間遅れのスタートなのだ。
タイトル的にもアレだしな。
現実の出来事とフィクションは無関係だと何度言ったら・・・わかるのか。
まあ・・・ざっと一千万人くらいが視聴する番組だからな・・・いろいろと・・・一部の人々が気を使うのだろうよ。
みんな・・・面倒くさいのが嫌いだからな。
トラブルこそわがビジネスが基本のはずなんだが・・・。
ゆとりだからじゃないか・・・。
アレの一週間前でゆとりなんかないよ。
じゃ・・・始めろよ!
で、『お迎えデス。・第1回』(日本テレビ20160423PM9~)原作・田中メカ、脚本・尾崎将也、演出・南雲聖一を見た。主題歌は家入レオの「僕たちの未来」で・・・福士蒼汰が主演した「恋仲」の主題歌「君がくれた夏」に続いての起用ということになる。ついでに「太陽の女神」が主題歌だった「海の上の診療所」にも福士蒼汰は助演している。つまり・・・同じ事務所の抱き合わせなのだが・・・何れもいい仕事をしていると考える。
毎度お馴染みの幽霊譚である・・・なぜ・・・夏にやらないのだ。
時は春。サークルの勧誘活動の季節である。明櫻大学ロケット研究会のエンちゃんこと堤円(福士蒼汰)は・・・友人の加藤孝志(森永悠希)と勧誘の席に着いている。
そこへ・・・恐ろしいほどの美貌の女子大生・阿熊幸(土屋太鳳)がやってくる。
「社会の窓があいてるよ」
「あ・・・」
阿熊は去って行った。
「なんだ・・・知り合いか」
「いや・・・」
阿熊は・・・物陰で独り言をしている。
「言ってきたけど・・・パンツのチャックのことかよ・・・社会の窓って・・・」
見える人には・・・そこに緒川千里(門脇麦)が立っているのが見えるのだ。
高校時代の友人からの連絡を受けて円は告別式に向かう。
高校時代・・・同じ天文研究部に所属していた千里は不慮の事故で死亡していた。
高校時代の友人が円に問う。
「お前・・・部活一緒だったんだろう・・・緒川ってどんな奴だったの」
円の中に蘇る記憶。
千里と手を繋ぎ土手を走った青春の一ページ・・・。
「いや・・・とくに・・・」
円は口下手だった。
家路に着いた円は奇妙な光景を見る。
ウサギの着ぐるみと老齢の男性・陽造(伊東四朗)が揉み合っているのだ。
関わり合いを避けて通りすぎようとした円は・・・老人が壁を通り抜けるのを見て驚愕する。
円の様子を見て・・・ウサギの着ぐるみは・・・円の特殊能力を察知するのだった。
ウサギの着ぐるみの中身は・・・あの世とこの世の管理人である死神二課のナベシマ(鈴木亮平)だった。
「君・・・私が見えるのか」
「え」
「君は見えないものが見えるタイプの人間なのかな」
「・・・失礼します」
円は危険を感じて逃走した。
堤家は修復家族である。夫のいない円の母の由美子(石野真子)が妻のいない郁夫(大杉漣)と再婚したのである。円の妹で高校二年生のさやか(大友花恋)は郁夫の連れ子である。
つまり・・・僕の義妹がこんなに可愛い・・・なんでもありません。
「見えないものが見えるということは・・・かならずしもその存在を肯定するものではない。人間の視覚はたやすく幻視を行うものでそれは神経症的な病状の発生を意味する可能性があり」
うろたえた円は「他人からは意味不明なこと」を呟きながら自分の部屋に戻る。
「なによ・・・あれ・・・キモッ」
だから・・・僕の義妹がこんなに・・・もういいだろう。
心を落ちつけるために・・・愛用の望遠鏡を覗き月を観測する円。
しかし・・・そこに・・・空飛ぶサイドカーに乗ったピンクのウサギが映る。
気がつけば・・・部屋にはナベシマと幼女が座っている。
「やあ・・・ナベシマです」
「・・・」
「助手のゆずこです」
ゆずこ(濱田ここね)は円を見上げる。
「あなた・・・幽霊が見えるんですって・・・」
「また・・・幻覚が・・・」
「幻覚じゃないのよ・・・私たちは実在しています」
「子供のくせに・・・実在とか言っちゃうし」
「失礼ね・・・あなたより、ずっと長い時間、存在しているのよ・・・つまり・・・あなたより年上よ」
「馬鹿馬鹿しい・・・そんなことあるもんか」
「年上相手なんだから・・・敬語を使うべきなのよ」
「・・・そんなことないと思います」
「なかなか・・・素直ね」
「とにかく・・・ここは僕の部屋なので・・・出て行ってください」
「まあまあ・・・せっかくの特殊能力だ」
「幽霊が見える人材は貴重なのよ」
「・・・」
「アルバイトしてみないか」
「この世に執着する幽霊をあの世にお送りする仕事よ」
「時給はいくらですか」
しかし・・・その点については言葉を濁す死神とその助手だった。
おそらく・・・形あるものだけが報酬とは限らないとかなんとか言うのだろう。
円はすべての情報をシャットアウトするために・・・眠った。
翌日・・・大学で・・・再び・・・阿熊幸に声をかけられる円。
「ちょっと来なさいよ」
「え」
「いいから・・・」
いつもの屋上で待っているナベシマとゆずこ・・・そして幽霊の陽造・・・。
「今日から君たちは・・・チームだ」
「え・・・」
「人間は死んで四十九日立つと・・・悪霊化する・・・特にアジアの一部地域では・・・」
「はあ・・・」
「そのために・・・死後四十九日の間に・・・あの世に旅立ってもらう必要がある」
「・・・」
「なにしろ・・・この国では一年に百万人くらい人が死ぬし・・・この世に未練のある死者も多いので・・・死神も・・・神手不足なのだ・・・そこで君のような特殊能力者の協力が必要なのだ」
「ちょっと・・・まってください・・・なんで私が・・・この人と」と異議を申し立てる阿熊幸。
「よろしく頼むよ・・・先輩として彼を指導してくれたまえ」
「ナベシマさん・・・そろそろ・・・会議の時間です」
「おっと・・・」
死神と助手が虚空に消え・・・残されたのは二人の人間と・・・幽霊の陽造である。
「なんとか・・・いいなさいよ・・・」
「え・・・俺?」
「男同志でしょ・・・」
「だって・・・知らない人相手に・・・」
「もういい・・・」
煮え切らない円に見切りをつける阿熊幸だった。
「おじいさん・・・どうして・・・成仏できないんですか・・・」
「・・・」
円は・・・陽造の視線の先に気がつく。
「あの・・・女の人・・・」
路上を歩く妊婦を陽造は見つめていた。
妊婦は・・・陽造の一人娘の玲子(菅野美穂)だった。
お腹の子供の正道(矢柴俊博)との結婚の許しを求めて・・・実家を訪れた玲子。
しかし・・・正道がフリーターと知って・・・陽造は激怒。
二人の結婚を許さないまま・・・ぽっくり逝ってしまったのだった。
「つまり・・・娘さんに会ってあやまりたいと・・・」
「なぜ・・・私があやまる必要がある・・・なんとか二人の仲を引き裂いてやりたいんだ」
「そんなことをしたら・・・お孫さんは・・・父親がいない子に・・・」
「変な父親がいるより・・・マシじゃないか・・・」
「・・・」
基本的に幽霊は妄執の一種なので・・・説得は困難なのだった。
「とにかく・・・御遺志を娘さんに伝えましょう」
二人は幽霊を伴って玲子が正道と暮らす家に向かう。
「父と最後に会ったのですか」
「はい・・・それで遺言を・・・お伝えに・・・」
「遺言・・・」
「ご主人と別れて欲しいと・・・」
「お父さん・・・頑固だから・・・でも・・・あの世に行けば・・・私が幸せだって分かってくれると思います」
「わからんわ」と叫ぶ陽造・・・しかし、その声は玲子には届かない。
「全然、ダメじゃないですか」
「上手くいくこともあるのよ」
「つまり・・・いつも失敗するんですね」
「じゃ・・・あなたがやってみなさいよ」
「ここに・・・お父さんがいます」
「え」
「お父さんは御立腹です」
「何を言ってるの」
「ですよね・・・それが一般的な反応です・・・常識の範囲内って落ちつくなあ」
「おい」
そこへ正道が帰宅する。
激昂した陽造が正道に飛びかかろうとするので思わす制止しようとする円。
その瞬間・・・円は陽造に憑依されてしまうのだった。
「娘は誰にも渡さん」
陽造は円の身体を使って娘に抱きつく。
思わず割ってはいる正道。
「何をするんですか」
「なんだ・・・このヒモ野郎・・・お前なんかに玲子は相応しくない」
正道に右手で殴りかかろうとする陽造を・・・円はなんとか制御しようと左手で抑える。
「はなせ・・・だめです・・・やらせろ・・・いけません」
七転八倒する円を部屋から連れ出す阿熊幸だった・・・。
「なんなんだ・・・あいつら・・・まさか・・・君の昔の男・・・」
「ちがうのよ・・・」
残された正道と玲子の間に亀裂が入るのだった。
あの世の会議室。
「本日は一課と二課の調整会議です」
「二課のナベシマ・・・また・・・成仏指定期間ギリギリの案件が発生しているようだが・・・む
一課の死神シノザキ(野間口徹)は冷たい視線を送る。
「今・・・対応中ですから」
「この間も・・・君のところの阿熊幸が説得に失敗して幽霊が悪霊化しただろう」
「フレッシュな人材が新加入したので心配ありません・・・なにしろ・・・堤円は霊視だけでなく幽霊を憑依させる能力もある逸材ですから」
「おいおい・・・憑依中の暴走は・・・消滅が困難なんだぞ」
「この間・・・悪霊化した幽霊のために黒巫女を出動したばかりですよ」
シノザキの部下のマツモト(根岸拓哉)が口を挟む。
一課には・・・除霊専門の黒巫女の魔百合(比留川游)が所属しているのだった。
「しかし・・・本人が心からの成仏を願うのが本筋ですから・・・」
「とにかく・・・こっちの仕事を増やさないでくれ」
「・・・」
謝罪のために・・・阿熊幸は・・・玲子の元へ・・・。
しかし・・・玲子は旅支度を整えていた。
「どこかへ・・・行くのですか」
「実家のある小さな島へ・・・父の納骨をすませたら・・・そのまま・・・そこで・・・」
「ご主人は・・・」
「出て行ってしまいました・・・この間の彼が・・・昔の男だと誤解して・・・あの人・・・気が弱いから・・・」
「・・・」
阿熊幸は陽造に告げる。
「お望み通り・・・二人は別れましたよ・・・」
「・・・」
「これで・・・いいんですよね・・・」
「私は・・・馬鹿だった・・・彼の身体を借りた時に思い知ったんだ・・・もう・・・私が娘にしてやれることはない・・・私なしで娘は生きて行かなければならない・・・それなのに・・・私は意地を張って・・・娘の人生を・・・無茶苦茶にした」
「まあ・・・それが・・・亡霊の宿命ですから・・・」
「もう一度・・・娘に会って・・・謝りたい」
「・・・」
「行きましょう・・・」と円が言う。
「このままじゃ・・・僕が彼女を不幸にしたことになってしまいますから」
「だよね・・・」
玲子の故郷に向かう船に・・・乗り込む一同。
阿熊幸は・・・正道も拉致するのだった。
玲子は離婚届けを取り出す。
幽霊の陽造は物質化現象を引き起こし・・・離婚届けを破る。
腰を抜かす正道。
「なによ・・・あなたたち・・・マジシャンなの?」
その時、玲子は産気づくのだった。
「大変・・・」
「お医者様はいらっしゃいませんか」
「獣医ですけど・・・」
「玲子・・・」
「お父さん・・・僕の身体を使ってください」
「え」
「娘さんの手を握って・・・励ましてあげるのです」
円に憑依した陽造は・・・幼い玲子に歌った「めだかの兄妹」を歌い出す。
「めだかの兄妹は・・・」
「ニャンニャン・・・」
その歌にハッとなる玲子・・・。
「・・・お父さん・・・?」
「玲子・・・」
陽造は・・・正道を導いてバトンタッチする。
「娘を・・・よろしくお願いします」
船上出産は無事挙行された。
ナベシマが現れた。
「納得されましたか」
「はい・・・思い残すことはありません」
あの世への扉が開かれる。
死神たちに導かれ・・・陽造は成仏するのだった。
こうして・・・二人の霊能力者は・・・引導を渡すペアとなったのである。
そんな二人を・・・睨む・・・緒川千里の幽霊だった。
千里の幽霊は・・・阿熊幸の家に居候中なのである。
おそらく・・・千里の心残りは・・・円にまつわることなのだろう・・・。
週末にファンタジーがあるのは・・・なんだか心が休まることなのである。
関係ないけどヨシヒコキター!
関連するキッドのブログ→あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
→悪霊病棟
→死神くん
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コメント
土屋太鳳…たしか「まれ」は嫌いだったはずなのですが…よく考えるとそれまでは嫌いというわけでもなかったはずで…。演出と脚本の問題???
本作観てみたら全然オッケー。むしろ好みかも(笑)。
今後の検討課題です。『下町ロケット』を最初は観なかったのも「まれ問題」だったからー。
投稿: 幻灯機 | 2016年5月 1日 (日) 09時49分
気品のある顔立ちとダイナミックなボディーが
独特の色気を醸しだす土屋太鳳・・・。
その中身に「普通の女の子」を詰め込むと
違和感がありますからね。
どこにでもいるわけではない特別な女の子なのに
普通ぶられても嘘臭い・・・。
「まれ」に馴染めない方には
そういう苛立ちがあるのでは・・・と妄想できます。
このドラマでは最初から
特別な霊能力者でございますので
何の問題もないわけでございます。
人間の一部殿方が好む
ツンデレさんですし~。
まあ・・・とにかく・・・あふれんばかりの
サービスを堪能する所存でございます。
投稿: キッド | 2016年5月 1日 (日) 13時18分