ゆとりですがなにか(岡田将生)うかつですがなにか(松坂桃李)おっぱいですがなにか(柳楽優弥)
ゆとりとはなにか・・・。
つまり・・・少し太っても大丈夫な・・・パンツのウエスト・サイズであること。
社会全体にゆとりがあれば・・・「ゆとり」でも生きていける・・・。
つまり・・・ゆとりがなくなれば・・・「ゆとり」の居場所はないのである。
世界を相手に孤軍奮闘し、無条件降伏し、絶望の淵から高度成長し、ある程度の安定から・・・競争社会に嫌気がさした時・・・大人たちは・・・教育制度の見直しを考えた。
「知識偏重」をやめ・・・「生きる力を育成すること」を目指したのである。
「生きる力」を「育成すること」が・・・どういうことなのかは・・・誰も知らなかったけれど・・・。
1980年・・・小学校からゆとり教育が開始される。
1987年・・・さらに「ゆとり」を重視した学習指導要領が検討される。
義務教育で何を教えるか・・・それは九年間に渡る人格形成に影響を与える。
義務教育の開始は満六歳を越えた児童からである。
そういう意味で・・・一年生からゆとり教育の洗礼を受けたのは1981年生まれの人々ということになるが・・・それ以前に生まれた子供たちも途中からゆとりにさらされていることになる。
この頃の子供たちは・・・安倍なつみ、安達祐実、竹内結子、野波麻帆、優香、大野智、小島よしお、妻夫木聡などである。
1995年に義務教育を終えた子供たちは・・・「学力」が低下していることが明らかになるのだった。
・・・まあ・・・学力を低下させるように教育したので当然なのだが・・・。
敗戦から半世紀・・・阪神・淡路大震災が発生し、オウム真理教が無差別殺人事件を起こす。
つまり・・・まだまだ・・・ゆとりが必要だというわけだ。
こうして・・・走り出した汽車は止まらない法則発動である。
この頃、生まれたのが・・・芳根京子、黒島結菜、北乃きい、高橋みなみ、夏帆、真野恵里菜たちである。
しかし・・・学力はどんどん低下し・・・パブルは崩壊し・・・社会にゆとりがなくなり・・・子供たちのゆとりは許されなくなっていった。
少ない子供たちがみんな馬鹿だったら・・・俺たちの老後は・・・と気がつく大人たち。
2004年・・・日本の子供たちの学力低下が世界基準で問題となる。
そして・・・2007年・・・土曜授業が復活し・・・脱ゆとり教育が始ったのだ。
2001年生まれ以後の子供たちはもはやそれほどゆとりではないのである。
そのため・・・加藤清史郎からはほぼゆとりではないのだ。
しかし・・・20年続いた(一説によれば30年とも)ゆとり教育の時代によって・・・社会全体がゆるくなっているような気がするのは・・・きっと・・・老婆心のなせることなのだろう・・・。
晩婚化が問題になっているが・・・それは・・・まあ、いいか。
とにかく・・・今の35歳から15歳くらいまでは・・・ほぼゆとり世代なのです。
そして・・・20~25歳のあたりは・・・「ゆとりにゆとりが教えられた世代」・・・ああ・・・。
で、『ゆとりですがなにか・第1回』(日本テレビ201604172230~)脚本・宮藤官九郎、演出・水田伸生を見た。「近頃の若い奴はダメだ」は人類の歴史始って以来のお約束だが・・「教育制度」が関わると・・・そういう傾向が増幅するので注意が必要なのだ。さらに・・・情報伝達の方法の革命的変化が・・・それに拍車をかける場合がある。「躾」が「虐待」と認定され、学級は崩壊し、素晴らしいインターネットの世界が介入して世代は断絶し・・・不毛の荒野が広がる日本・・・。もちろん・・・「バカな子」ほど「かわいい」ので大丈夫です。
人間は不平等な存在である。
どんなにゆとりの教育をしても・・・トップと最下位は発生する。
素晴らしいインターネットの世界が急速に発展した21世紀にすでに成人していた・・・現在のアラウンド・フィフティー~アラフォー世代は・・・年上を使えない人々・・・年下をゆとりと見下すとんでもないやつらだということもできます。
食品メーカー「みんみんホールディングス」で働く坂間正和(岡田将生)は「ゆとり第1世代」とされる1987年生まれの29歳である。それほど・・・ゆとりではないし・・・自分でもそう感じないが・・・どんな世代にもいる「要領の悪い人間」で・・・企画開発部、営業、工場担当などを転々とし・・・つまり、適正を見いだせず・・・ついに系列の居酒屋チェーンへの出向を命じられたのだった。
正和と同期の宮下茜(安藤サクラ)は順調に出世し・・・エリアマネージャーとして居酒屋チェーンの杉並・世田谷地区を担当している。
正和と茜は交際中であるが・・・つまり・・・上司と・・・限りなく底辺の部下なのである。
そこに・・・茜は・・・一種の苛立ちを感じているが・・・正和はピンと来ないのだった。
つまり・・・「ゆとり」なのである。
出向するにあたり・・・正和は担当していた業務を後輩に引き継いだ。
この後輩が・・・山岸ひろむ(太賀)である・・・自由な個性を尊重される教育方針でのびのびと育てられた結果・・・協調性や配慮にかける・・・超マイペースで超合理的な・・・完全なる「ゆとり」人間に仕上がっている。
自分の気が向かなければ・・・上司の誘いは断って当然・・・発注ミス、受注ミスをおかしてもそれは・・・システム設計に問題があると断定し・・・自分自身のミスは認めない。つまり・・・限りなく自分に都合のいい性格なのだった。
そんな山岸の責任感のなさを・・・なんとか叱責しようとする正和・・・。
しかし・・・適当な言葉が見つからないのだった。
「ゆとりが・・・ゆとりを・・・叱るか・・・無理だな」
営業部で二人の上司である早川 道郎(手塚とおる)は瞑目するのである。
正和の妹は1995年生まれ・・・あろうことが本名がゆとり(島崎遥香)なのだった。
ゆとりは・・・就職活動中の22歳である。
正和の父親は造り酒屋を経営していたが・・・春先に他界。母親の和代(中田喜子)と兄の宗貴(高橋洋)、その妻のみどり(青木さやか)が業務を引き継いでいる。
妹を除けば・・・「ふぞろいの林檎たち」のあの人を思わせる。
この後・・・正和は・・・同世代で福島県出身の小学校教師・山路一豊(松坂桃李)や道で「ぼったくりバー」の客引きをしている・・・「おっぱい」と連呼する怪しい男・道上まりぶ(柳楽優弥)と知りあうわけである。つまり・・・これは21世紀の「ふぞろいの林檎たち」なのかもしれない。
あの人の立ち位置はわかるが・・・残りの二人の変換は物凄くて・・・どっちがどっちなんだか・・・原型をとどめていない。
教師が商社マンで・・・客引きがラーメン屋なのか・・・。
正和と一豊の出会いは・・・悩める若者の愚痴を聞く「レンタルおじさん」(吉田鋼太郎)を通じてである。
同じ顧客として・・・「レンタルおじさん」相手に号泣する一豊を見て・・・正和が声をかけたのである。
こうして・・・ゆとり第一世代の二人は「友情」のようなものを芽生えさせるのである。
そして・・・二人揃って・・・客引きのまりぶにひっかかり・・・仲良くぼったくられるのだった。
後に・・・まりぶも「レンタルおじさん」の利用者であることが判明する。
・・・そんなある日・・・致命的なミスをしたひろむを引きずって・・・迷惑をかけた業者に謝罪させる正和。
ひろむは・・・「生まれて初めて叱られた気がします」と感謝の言葉を述べる。
(どんな人間でも心は通じ合える)と思う・・・正和。
しかし・・・翌日・・・ひろむは退職を申し出る。
「あいつ・・・会社、辞めるってよ・・・」
「ええええええええええええ」
そして・・・巻き起こる・・・ひろむの自殺疑惑・・・。
正和は・・・目の前が暗くなるのである。
泣かしたこともある・・・冷たくしてもなお・・・寄り添う気持ちがあればよかった時代もあったんだけどね。
一豊の心を揺らす教育実習生として・・・「あさが来た」の田村宜役を務めた吉岡里帆(23)が佐倉悦子役を演じます。
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コメント
キッドさん☆
こんにちは(*^^*)
29歳はゆとり世代なんですね
自分の中では
中学入学と同時に週休二日制になった平成元年生まれくらいからが
本格的な ゆとり世代な感じがしてました
週休二日制なのは公立だけで
私立は授業があって すでに格差ができていて
社会に出てから困らないように
公立に通わせている親は塾に通わせざるおえない時代
子供は子供で部活と塾の両立でクタクタだった気がします
ゆとりですが なにか
ドラマの題名 クドカン 役者
何もかもが 心を惹きつけられ1番楽しみにしていたドラマですが
この枠の視聴習慣があまりできていなくて
録画で楽しんでます
ゆとり世代に強くエールを送っている立場としては
ゆとり あるある
に うなずきながら見ていましたが
出来たら もう少しコメディータッチでお願いしたかった
というのが初回を見ての感想です
でも竹野内さんの弁護士ドラマや
軽く楽しめそうなドラマが今クールはたくさんある気がするので
ほろ苦く やや暗めに今のところ見えてしまうこのドラマ
最後まで視聴して クドカンのメッセージ受け止めたいと思ってます
投稿: chiru | 2016年4月24日 (日) 12時35分
シンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃいませ・・・大ファン
ゆとり教育とは何か・・・いつ、どこで、誰がおこなっていたのか・・・。
そういうことをまとめようとすると・・・
結構、大変なんですよね。
全国一律のようでやはり地方格差もありますし・・・。
そもそも・・・成績上位の子と下位の子を
同じ基準で論じるのにも無理がある。
たとえば・・・一週間もあれば
一年間の教科書はすべて読み終えるというものと
最後まで教科書を開かないものがいるわけで・・・。
そういう最初からある能力差を
個人の努力とか家庭環境とかで
なんとか埋めようとする「無理」が存在いたします。
「ゆとり」だろうがそうじゃなかろうが・・・
「東大」に行く人は行く・・・。
そうでない人もいる・・・ということでございましょう。
結局・・・このドラマは・・・
「ゆとり」と呼ばれる世代の・・・
普通の生活を描いていくような気がします。
「普通の生活」のベースはこの場合・・・
悲哀なんですよねえ。
だから・・・キッドは
このドラマを「平成版ふぞろいの林檎たち」だと
思うのです。
主人公はナカテガワくん・・・。
小学校教師は・・・安定志向の時代のイワタくん・・・。
完全に落ちこぼれちゃっているおっぱい星人が
ニシデラくんで・・・だから・・・彼は結婚していると予想します。
別世界の住人であるレンタルおじさんはホンダくんで
あるいは・・・ホンダくんはひろむなのかもしれません。
とにかく・・・ゆとりと言う名の
一般人である彼らは
それでも生きて行くという悲哀の衣をまとっている。
そういうなんとなく山田太一な世界が
くりひろげられていくのではないかと・・・
考えます。
ま・・・あくまでパロディーなので
キッドは初回から一同大爆笑でございました・・・。
投稿: キッド | 2016年4月24日 (日) 14時36分