人間目指してがんばりましょう(黒木華)僕のヤバイ妻(伊藤英明)私のクズな夫(木村佳乃)海猿VS山猫(相武紗季)
またかよっ。
今週はしょうがないねえ・・・来週はきっとスッキリするよ。
今季はそれなりに力作がそろっているということなんだよな。
まあ・・・それが全うな仕事かどうかは別としてな。
火曜十時はNHKが脱落して・・・両者が生き残りを賭けて必死なんだよな。
特にフジテレビ(関西テレビ)は必死な感じだよな。
素晴らしいインターネットの世界では映画「ゴーン・ガール」(2012年)との類似性が盛んに呟かれているが・・・まあ、夫の妻殺しとか・・・狂言誘拐とかは・・・古典的なアイディアなので・・・言い出せばキリがないよな。まあ・・・ここまでそっくりで・・・ここまで瓜二つで・・・ということになるとあとは作り手の良心の問題だ。
いざとなったら共感とか影響とかリスペクトとか言いわけはいくらでもできるからな。
そんな作品があるとは知りませんでしたというやり方もあるしな。
まあ・・・とにかく・・・「ダメな犯罪者」とか「ゆとり犯罪者」とかで・・・ツッコミ気質の人たちの期待に応えようとする姿勢はあるのかもしれない。
そういう意味では「ゆとりのパクリ」という深い意味があるという・・・。
で、『僕のヤバイ妻・第1回』(フジテレビ20160419PM9~)脚本・黒岩勉、演出・三宅喜重を見た。ずさんな殺害計画ということでは・・・前季の「ナオミとカナコ」に通じるものがあり・・・全国の配偶者を殺したいほど憎んでいる人たちの潜在的な数値に戦慄を感じるわけである。そういう目で見ると熊本の被害者ドキュメントまで・・・怪しいものを感じだすので注意が必要だ。基本的に「一般の家庭では夫婦愛があふれているのです」を前提に生きたいものだ。まあ・・・愛しているがゆえに芽生える殺意というものもあるわけだが・・・。
資産家の娘・・・真理亜(木村佳乃)を妻としたカフェのオーナー望月幸平(伊藤英明)・・・。
真理亜に五億円の遺産相続があり、三億円で豪邸を立て、脱サラしてカフェをオープンしたのである。
しかし・・・店の経営は上手くいかず・・・良妻すぎる妻にアレルギー反応が出るほどのダメ男である幸平なのである。
カフェの料理を担当する従業員である北里杏南(相武紗季)とお手軽な不倫関係を結んだ幸平は・・・店への追加融資を渋る妻の説得に疲れ果て・・・杏南に唆されて食材から抽出した「絶対にバレない毒」で妻を殺害することを決意する。
毒入りワインを用意して帰宅した幸平だったが・・・自宅の鍵は解錠されていて・・・床には血痕・・・妻は所在不明で・・・テーブルには脅迫状が残されていた。
《二億円を用意しろ・・・警察に通報したら人質の命は保証しない N31》
殺そうと思っていた妻が誘拐された・・・。
「ラッキーじゃないか!」
即座に警察に通報する幸平だった。
どのくらい・・・バカかというと・・・毒入りワインを所持したままで警察を待つくらいである。
駆けつけた警視庁の誘拐担当チーム。
現場を指揮する捜査一課の相馬刑事(佐藤隆太)は最初から疑惑の眼差しを幸平に注ぐのだった。
ひょっとしたら誘拐犯が妻を殺してくれるかもしれないという期待で有頂天の幸平は・・・自分が置かれた危うい立場にも気がつかない。
愛人の杏南から「ワインは始末したんでしょうね」と叱責される始末である。
お隣には・・・さらに怪しい年の差カップルである鯨井和樹(高橋一生)し有希(キムラ緑子)夫妻、真理亜の学生時代の後輩でストーカーのような緒方彰吾(眞島秀和)、幸平の実姉の元夫で興信所を営む横路正道(宮迫博之)なども配置され・・・如何わしい人間関係が醸しだされるのだった。
しかし・・・自分に容疑がかかって動揺し始めた幸平は・・・幸平の実家で幸平の実母の看病をしたり・・・幸平をいかに大切にしていたかを窺わせるレシピノートを発見して・・・知られざる妻の一面を知り・・・妻への愛情を蘇らせる。
・・・いや・・・そんなに簡単に変わらんだろうが・・・。
そして・・・本気で誘拐犯に身代金を払い・・・妻を解放してもらおうと思い立つのである。
ナンバーバラバラの二億円を集めるための一万円札交換会・・・百万円が二百束で二億円である。結構、重いぞ・・・。
これをゴミ袋に入れて犯人が指定する受け渡し場所へ。
次々に変更される受け渡し場所・・・駆けまわる幸平・・・最後はドローンを使われ捜査陣は翻弄される。
しかも・・・途中で犯人の指示に従い・・・幸平は札束をすり替えていた・・・。
まんまと身代金受け渡し成功である。
車内から妻の血痕が発見され・・・幸平の容疑は深まる。
絶望して自殺を図る幸平。
しかし・・・刑事に発見され命拾いである。
「馬鹿なことをするな・・・奥さんが発見されたそうだ」
「妻は生きているんですか」
「衰弱しているが命に別条はないそうだ」
救急車に乗り込む・・・幸平の妻・真理亜の口元には・・・怪しい笑みが浮かぶのだった。
そして・・・謎のマスター(佐々木蔵之介)の元に届く現金二億円。
長い狂言だったなあ・・・。
そして・・・これが毎週続くんだなあ・・・。
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で、『重版出来!・第2回』(TBSテレビ20160419PM10~)原作・松田奈緒子、脚本・野木亜紀子、演出・土井裕泰を見た。裏番組に対して人間の真っ当さに満ちた・・・こちらのコンテンツ・・・清々しいぞ・・・。しかし・・・本来・・・全うとは裏も表も含めたすべてだからな・・・。考えようによっては・・・主人公の前向きさが苦手だという人もいるだろう。そういう人が病んでいるのか・・・健康なのかを考えると・・・いろいろとアレなドラマだとも言えるのだ。
しかし・・・健全な精神だけが・・・健全だとも言えるわけである。
そういう意味で・・・病んでいる大手出版会社・興都館の営業部員・小泉純(坂口健太郎)・・・情報誌の編集を希望しながら営業部に配属され三年が経過し・・・すっかり腐っている。
コミック営業部部長の岡英二(生瀬勝久)に「どんな雑誌を作りたいんだ・・・企画はあるのか」と問われても・・・「急に言われましても・・・」と答えるダメ人間である。
「自分がどこに立っているのかわからない人間はどこにも行けないぞ」と真理を解かれても・・・理解できないのである。
小泉にとって・・・悪いのは自分ではなく・・・常に世界なのである。
書店回りをしている小泉を書店の従業員たちは「幽霊さん」と呼んで蔑むのだった。
「自分は自分なりに精一杯やっている」と思う小泉だが・・・その靴底はすり減っていないのだった。
そんな小泉の元へ・・・黒沢心(黒木華)が営業の仕事を学ぶために週刊コミック誌「バイブス」編集部からやってくる。
小泉は「柔道部出身ということでちやほやされている」心が妬ましい・・・。
しかし・・・澄みきった心は社員として先輩の小泉を師と仰ぎ・・・懐に飛び込んでいく。
気がつけば心に振りまわされ・・・自分を見失う小泉だった。
「書店では小泉先輩は幽霊さんと呼ばれているそうです」
「・・・」
「私なんか・・・編集部では熊ですよ・・・早く人間扱いされたいです」
「幽霊は元人間だけどな・・・」
「お互い、人間目指して頑張りましょう」
「僕は・・・頑張れって言葉・・・苦手だ」
「そうですか・・・私は・・・故障で・・・現役を引退した時・・・周囲に気を使われ過ぎて・・・さびしい気持ちになりました・・・就職が決まって・・・みんなにがんばれっていわれて・・・とてもうれしかったのです」
「・・・」
「でも・・・苦手な人もいるので・・・これからは気をつけます」
「・・・」
爽やかな風に・・・心を洗われる小泉・・・。
なにしろ・・・心は・・・どの書店でも・・・「うちに来てもらいたい」と言われるほどの体力を持っていたのである。
心に引きずりまわされ・・・体力を使い・・・ご飯が美味しくなる小泉だった・・・。
その頃・・・剛腕な営業部長である岡は・・・コミック「たんぽぽ鉄道/八丹カズオ」の売上が幽かに伸びていることを察知する。
「鉄道の人身事故による遅延にチッと舌打ちする主人公が現実から逃避して旅に出かけ・・・人間性を取り戻すという現実逃避の物語」に思わず感動して落涙する岡部長。
「たんぽぽ鉄道・第三巻」の発売が迫っていた。
「これは・・・フェアで・・・盛り上げよう」と決意する岡だった。
まだまだ売れない漫画家であるカズオ(前野朋哉)とフリーランスの契約編集者である菊地文則(永岡佑)はチャンス到来に全面的な協力を誓う。
返本を分割して試し読み冊子を作り、書店に配布する作戦を展開する営業部。
地道な作業に吐き気を感じる小泉だが・・・心は一心不乱に取り組む。
またしても・・・爽やかな風を感じる小泉なのである。
協力的な書店は・・・フェアとして・・・たんぽぽ鉄道推しに積極的に取り組む。
しかし・・・心は・・・「鉄道コーナーとかにも置けないでしょうか」とさらにプッシュする。
「しかし・・・鉄道コーナーの成績にはならないから・・・」と消極的な書店員。
「ですよね」と同意する小泉。
けれど・・・当たって砕けろで・・・鉄道コーナー担当を説得してしまう心なのである。
編集者として・・・現場の盛り上がりをカズオに伝える心。
カズオは即座に御礼メールを発信する。
盛り上がる書店の人々・・・。
小泉は・・・思わず笑顔になってしまう・・・。
(一体・・・俺は・・・三年間・・・何をやっていたのか)
現実を蔑むあまり・・・孤立していたことに・・・小泉は突然気がついたのだった。
ありのままの世界を受け入れなければありのままの自分さえ・・・見えてこない。
ありのままの自分が見えなければ・・・髪型ひとつ直せないのだ。
営業会議に出席する小泉。
「売上はまずまずだが・・・もう一つものたりない」と意見を求める岡部長。
「内容が・・・鉄道ものなので・・・鉄道関係のコーナーにも置かせてもらい・・・好評でした」
小泉は・・・心の発想を紹介した。
「その手があったか・・・」
岡は・・・旅行関係とのタイアップまで視野に入れ・・・購買層の拡大を狙った。
フェアは成功し・・・ついに重版出来となる。
商売なのである。売れれば万歳なのだ。
作者が・・・編集者が・・・営業部員が・・・書店員が・・・一体となって「売れ筋」を構築する。
小泉は・・・自分の仕事を実感した。
小泉の靴の踵はすり減った。
心は・・・オリジナルの「重版出来ダンス」を踊る。
その馬鹿馬鹿しさに・・・小泉は微笑んだ。
心は読者のアンケートの仕事を担当する。
「たんぽぽ鉄道」の人気は上昇中である。
一方で・・・人気投票最下位の成田メロンヌ(要潤)を担当する編集者・壬生平太(荒川良々)は苦悩し・・・顔がドロドロに溶けていく気分に陥るのだった。
それはもはや・・・変顔とは言えないレベルなのである。
そして・・・いよいよ・・・心にも担当漫画家が割り振られる。
はたして・・・それは・・・。
来週はまったりしたいよねえ・・・。
一部お茶の間のための通りすがりの天才美少女漫画家も設定してほしいよねえ。
関連するキッドのブログ→第1話のレビュー
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コメント
たしかにヤバい妻はゴーンガールに激似でしたね(^^ゞまあゴーンガールの夫も浮気をしていたわけですが、本当に妻を殺そうとした分こっちの夫のほうが悪さでは上かもです。馬鹿さもさらに上かもですが(^_^;)
ただ初回二時間はいくらなんでもやりすぎなのとこの手の作品は初回が一番面白かったということになりやすいのでそこら辺どうなるかですよね。
それにしてもフジテレビは最近そんなに追い詰められているのでしょうか。なんか撤退した日曜九時にまたドラマを復活させたりして、正直ライバルを潰すよりも裏番組にドラマがない他の枠で数字取ることを考えたほうがいいと思うんだけどなあ。
投稿: 出雲 | 2016年4月21日 (木) 14時08分
ふふふ・・・キッドは基本的にこの世に
オリジナルなんてものはないという・・・
反著作権主義者なので・・・
アレとそっくりだ・・・の功罪という論議には
あまり積極的ではないのですな。
ただ・・・パクリの系譜というものは大好きなので
確かに似ている~という話は積極的にします。
これは要するにカテゴリの話でございます。
ずさんな人たちのドタバタというのは
まあ・・・面白いものですが
勧善懲悪的だと・・・悪魔はニヤニヤするしかないのですな。
なにしろ・・・熊本で酷い目にあっている人たちが
全員極悪人のはずはないわけで
運命の残酷さの方がシンパシーを感じます。
悪魔でございますので・・・。
まあ・・・すべては・・・チャンネルが
一番はじっこになっちゃって
今までのテレビ東京の痛みを・・・
フジテレビは味わっているということですな。
2チャンネルにすればよかったのに・・・。
10チャンネルに拘らなかった5チャンネルの勝利でございます。
関東ローカルの話で恐縮です。
まあ・・・もはや・・・視聴率は
二の次の状態で・・・
いかに儲けるかという話なんでしょうねえ。
もちろん・・・怪物視聴率を生みだす可能性は
ありますが・・・
狙ってというより・・・たまたまでしょうからねえ。
今季のドラマはそこそこ面白くて・・・
少しヘトヘトになっているのでございます。
投稿: キッド | 2016年4月22日 (金) 11時48分