説教童貞ですがなにか(松坂桃李)墜落ですがなにか(岡田将生)不倫ですがなにか(柳楽優弥)狩人ですがなにか(吉岡里帆)失恋ですがなにか(安藤サクラ)(´・_・`)ですがなにか(島崎遥香)
次から次へと繰り出される異様なキャラクターたち。
AKB48で・・・それなりに名の知れたアイドルである「ぱるる」こと島崎遥香もすでに「しょげた顔の女子大生ゆとり」に改造されてしまったのである。
「劇場版 ATARU THE FIRST LOVE & THE LAST KILL」の美魔女鑑識ではなくなったのだ。
浮世絵顔の安藤サクラも有能だがもったいつけすぎて恋を失う恋愛下手なアラサー女と化す。
そして・・・連続テレビ小説「あさが来た」で真面目な女学生・田村宜を演じた吉岡里帆は・・・自由奔放すぎる可愛い女子大生に変身してしまった・・・。
本当にキャラクターを作らせたら右に出るものがいないな・・・。
「NIGHT HEAD」(1992年)以来、ほとんど潜伏していたと言っても良い石橋けいでさえ・・・セクシーすぎる教育ママとして再構築されてしまった・・・。
「鈴木先生」で酢豚の好きな中学生樺山あきらだった三浦透子も「ゆとりモンスター」山岸に説教される新入社員になったりしているのだ・・・そこはあまりキャラ造形されてないだろう。
まあ・・・地味は地味なりに配置されているんだな。
で、『ゆとりですがなにか・第5回』(日本テレビ201605152230~)脚本・宮藤官九郎、演出・水田伸生を見た。胸元に光子力ビームを内蔵した教育実習生・佐倉悦子(吉岡里帆)とほろ苦い別れを経験した指導担当の山路一豊(松坂桃李)・・・。すっかり仲良くなった坂間正和(岡田将生)の交際相手である宮下茜(安藤サクラ)と意気投合して慰められる日々である。そんな二人にもやもやする正和だったが・・・大切な妹のゆとり(島崎遥香)に・・・憧れのガールズバー店長・道上まりぶ(柳楽優弥)の魔の手が迫っていることを・・・ぼんやり見過ごすところがゆとりなのである。
風雲渦巻く坂間家・・・母親の和代(中田喜子)と兄嫁のみどり(青木さやか)は円満な嫁姑関係を構築しているようで・・・実は一触即発の状態であることすら・・・正和には分からないのだった。
「私はお嫁さんに気をつかってる姑」ほど「嫁に気をつかわせているもの」だからな。
あれはもう・・・雌のテリトリー争いみたいなもので・・・理屈でどうこうできるもんじゃないんだよな。
同居するくらいだったら・・・アイガー北壁に挑んだ方が楽なんだよな。
誰の話だよ。
ゆとりが・・・「ガールズバー」で働いていることを家族に話すことができずに悶々とする正和。
しかし・・・正和の心配を余所に・・・接客業で・・・一皮剥けたゆとりは・・・就職活動にも好転の兆しが現れていた。
一方・・・自分と過ごす時間よりも・・・ボルダリングジムで山路と過ごす時間の方が長い茜も気にかかる正和。
そもそも・・・恋人の趣味である「ボルダリング」の名称すらまともに覚えることのできない正和は・・・交際相手を尊重する基本すら出来ていないのだ・・・ゆとりだからな。
そういう・・・正和に耐えるしかない茜の苛立ちを想像することもできない正和なのである。
茜が耐えているのは「愛」という形のない存在のためである。
そんなもの・・・ないと思えばないからね。
だが・・・正和を責めても仕方ない・・・彼はただそれだけの男なのだ。
最高に男前だけどな。
男前ということではけして負けない山路だったが・・・とにかく童貞である。
なぜ・・・童貞なのか・・・それはやるべき時にやらないからだ。
「連絡とってみれば・・・」
「馬鹿に・・・アドレス消されちゃったんです」
「ああ・・・」
悦子の大学の後輩・・・束縛癖のある小暮静磨(北村匠海)に手を引かされた山路だった。
しかし・・・突然・・・悦子から着信があった。
「やったね・・・童貞の怨念が実ったね」と冷やかす茜。
「もしもし・・・」
「童貞バ~カ・・・悦子からかと思ったか・・・あいつは今、シャワーあびてんだよ」
ラブホテルから・・・悦子のスマホを無断使用中の・・・静磨の嫌がらせだった。
「どうしたの・・・」
「バカでした・・・」
基本的に・・・周囲にも自分にも大らかな悦子は・・・いつか酷い目に遭う気がする。
ここまでの山路と悦子。
山路が悦子を指導。
悦子が山路に告白。
山路が承諾。
二人の仲が噂になる。
悦子が山路に言い寄られたと教頭(原扶貴子)に申告。
まりぶが介入して二人の仲を修復。
山路が童貞を告白。
悦子が処女だと嘘をつく。
静磨乱入。
山路の冤罪が晴れる。
悦子が静磨とは連絡をとっていないと告げる。
教育実習終了。
山路に静磨が性行為の途中で電話。
童貞よ・・・童貞の前に道はないな。
一方・・・坂間家では・・・長男の宗貴(高橋洋)が家族会議を招集する。
「親父が亡くなって三ヶ月だ・・・俺が長男だからって・・・当然のように家業を継いでいると思っているかもしれないが・・・まあ・・・継ぐけどな・・・いろいろあるわけだよ・・・就活の乱とか・・・妊活の乱とか・・・正和の・・・正和の・・・正和の乱とかさ・・・みんな・・・もう少ししっかりしてくれ」
お前が一番しっかりしてもらいたい・・・ここは「ふぞろいの林檎たち」のしっかり過ぎる長男のパロディーである。
仕方なく・・・レンタルおじさん(吉田鋼太郎)に相談する正和だった。
「私が・・・様子を偵察してきます」
「え・・・」
「時には・・・そういう探偵みたいなこともするんです」
「はあ・・・」
「妹さんの特徴は・・・」
「しょげてるみたいな顔をしています」
ガールズバーのゆとりは・・・前向きな性格になっていた。
「いろいろな人との出会いが・・・新しい可能性を広げるチャンスだと知りました」
「・・・ですか」
山路にも新しい出会いがあった。
学習障害のある転校生・大悟が・・・胸元にメガ粒子砲を搭載した母親の奈々江(石橋けい)を連れてきたのである。
母親の希望により・・・一般児童と一緒の教室で授業を受けることになった大悟。
担任となった山路は一生懸命に授業を工夫するのだった。
阿佐ヶ谷南小学校4年2組の児童たちは基本的に天使なのである。
教室は一体となって大悟を応援し・・・授業参観にきた・・・夜勤の看護師である奈々江は感動し・・・山路にうっとりとするのだった。
捨てるおっぱいあれば拾うおっぱいありなのか。
一方・・・久しぶりに「みんみんホールディングス」本社を訪れた正和は・・・後輩社員を説教するヤマギシ(太賀)に遭遇し眩暈を感じる。
「最近・・・先輩の気持ちがわかってきました」
歯ぎしりする正和だった。
直属の上司・早川道郎(手塚とおる)から・・・茜の人事について相談される正和。
「え・・・」
「あれ・・・聞いてなかったのか・・・新しくできる仙台支店の・・・・支店長に彼女が候補として・・・」
恋人の大出世と・・・それを聞かされていなかった自分に・・・戸惑う正和だった。
なにしろ・・・足手まといだからな。
錯乱した正和はボルダリングジムに乱入・・・。
なんとか・・・茜と親睦を深めようとするが・・・墜落してアキレス腱を切り全治一ヶ月の身体となる。
居酒屋「鳥の民・高円寺店」の店長代理として・・・「できる女」を披露する茜・・・。
バイトリーダーの村井(少路勇介)とバイトの中森(矢本悠馬)は感嘆するのだった。
「一体・・・何がしたいのよ」
「君と話がしたかった・・・」
「話せばいいじゃない・・・」
「もう・・・いいよ」
「小学生か」
「・・・」
「そういうところが・・・面倒くさいのよ・・・私・・・あなたのママじゃないのよ」
「仙台支店長の話・・・」
「まだ迷っているから・・・話さなかったのよ・・・やりたいけど・・・やれば婚期を逃しそうで」
「山路くんには・・・」
「話したわよ・・・友達だから」
「じゃ・・・俺に言えることはひとつしかない」
「待って・・・今・・・それを言うの」
身構える茜・・・結婚か・・・栄転か・・・ではない。
結婚してから転勤するか・・・転勤して遠距離交際か・・・という話である。
しかし・・・一種の発達障害者である正和には・・・そういう選択肢はないのだった。
「わかれようか・・・」
「え・・・そっち・・・」
落胆し・・・決断する茜。
「わかりました・・・さようなら」
茜は・・・山路との思い出の日々の画像を・・・スマホから削除する。
「これだけで・・・終わっちゃった」
つまり・・・正和は・・・茜と交際中・・・何一つ、プレゼントしなかったのだな。
何一つもだ・・・女を見下すにも程かあるよね。
正和は・・・山路とまりぶに相談するのだった。
「プロポーズすればよかったのかな・・・」
まりぶの妻ユカ(瑛蓮)は乳児をあやしながら叫ぶ。
「えらぶのは女よ・・・男じゃない」
「・・・じゃあ・・・僕はどうすれば・・・」
「女を幸せにしなさい」
「・・・」
「言わずもがなよ」
「おっぱいなんじゃねえの」
「さっきあげたよ」
興奮して・・・突然・・・中国語にスイッチするユカ・・・。
「・・・看中你的妹妹(カンチャンニイダマイマイ)!・・・你要担心ロ我(ニィヨウタンシンオ)!」
もちろん・・・正和は・・・ユカの言葉が警告であるとは思わないのだった。
なにしろ・・・ゆとりなのである。
「タクシーで帰れ」と良心が咎めるので気を遣うまりぶ。
「いや・・・始発までネカフェで待つよ」と正和。
「気をつけてね」
「茜ちゃんとは仲良くしてやってくれ」
「でも・・・オレは茜ちゃんを幸せにはできないよ・・・メンクイだから」
「・・・」
しかし・・・身体の不自由な正和はネカフェに落ちつくことはできないのだった。
教室で・・・奈々江に攻略されかかる山路。
しかし・・・ヒロイン枠を確保するために帰ってくる悦子だった。
「何かが来ます・・・」
「え・・・」
可愛い悦子先生の登場に歓喜する児童たちだった。
「鳥の民・高円寺店」で教育実習の思い出動画を鑑賞する山路と悦子。
指導教諭として・・・山路は・・・達成感を感じるのだが・・・。
「私・・・教師になるのはやめました」
「え・・・」
「すごく大変なんで・・・無理だと思いました」
「ええっ」
「資格だけとって・・・教員採用試験はパスするつもりです」
「えええ」
店を出た悦子は本題に入る。
「彼とは別れました・・・あんなに大騒ぎしたのに・・・あいつ・・・浮気して・・・それにやはり年下っていうのは・・・いろいろと・・・」
つまり・・・静磨と別れたので・・・抱けますよ宣言である。
しかし・・・童貞なので・・・いろいろと躊躇う山路だった。
「僕だって・・・やめたいですよ・・・無理ですよ・・・パスしたいです・・・でも・・・こんな僕でもやってるんです・・・悦子先生にもやってもらいたい・・・子供たちあんなに喜んでたじゃないですか・・・僕だって悦子先生に抱きつきたかった」
微笑んだ悦子は両手を広げた・・・。
「どうぞ・・・」
路地裏で見つめ合う男と女・・・。
「それで・・・抱きしめたの」
「そりゃ・・・もちろん・・・」
店長代理の茜に問われて胸を張る山路。
「見てたよ・・・換気扇止めて・・・」
「え」
「握手して・・・頭ポンポンとか・・・」とバイトリーダー。
「ええっ」
「換気扇ごしに見ても童貞だってわかりました」とバイト。
「えええ」
「セックスしてからでも説教はできたよな」とまとめる茜だった。
しかし・・・身動きできない店長は重要なことに気がついていた。
「まりぶが・・・来ない」
坂間家の朝・・・。
ついに・・・ゆとりを問いつめる正和。
テレビではタレントのできちゃった結婚のニュースが流れ・・・不妊治療中の嫁に気を使っているアピールをする姑はチャンネルを替えようとする。
しかし・・・そういう気の遣われ方がすでに・・・姑の嫌味だと感じ取った嫁は・・・殺気を放つのだった。
「妹のスマホを覗くなんて不潔」
「おい・・・ちょっと待て」
お茶の間を走り抜ける兄と妹である。
そして・・・正和はレンタルおじさんから・・・衝撃の報告を受ける。
「ゆとりちゃん・・・お店やめたそうです・・・」
「え」
「あなたに気を使ったのかと思ったんですが・・・」
「・・・」
「自分の女をあんな店で働かせたくないと」
「ええええええええええええ」
「すみません」
「妹は・・・彼が妻子持ちだと・・・」
「さあ・・・」
「ふ、不倫じゃないですか」
「私も・・・彼が受験生だった時に不倫が原因で離婚しまして・・・」
「それと・・・妹関係ないですよね」
「確かに・・・」
「あんな奴を信じた俺が・・・バカだった・・・え・・・じゃあ・・・悪いのは俺ってことなの」
「・・・」
怒りの収まらない正和は・・・道上家を訪問する。
「坂間か・・・まりぶ留守だよ」
「・・・」
「まりぶ・・・なんか・・・したか」
「その・・・」
「女か・・・また女のことか」
「え」
「だから・・・忠告したのに・・・まりぶ・・・あんたの妹狙ってるから・・・気をつけろって」
「ええっ」
「血筋だよ・・・まりぶの父親も女にだらしない男だった・・・遺伝だよ・・・不倫親子だよ」
「すみません」と恐縮するレンタルおじさん。
そして・・・帰宅するまりぶ・・・。
面白すぎる・・・。
関連するキッドのブログ→第4話のレビュー
| 固定リンク
« 私はただ女に男を立ててもらいたいだけ(竹野内豊)誰が立たせるか(松雪泰子)前世紀の川の話ですね(賀来賢人) | トップページ | 女が男を裏切ったら女全員が反省するべきですか(福士蒼汰)変な男を好きになってしまったら変な女ですか(門脇麦)私は罪な女(飯豊まりえ) »
コメント