私はただ女に男を立ててもらいたいだけ(竹野内豊)誰が立たせるか(松雪泰子)前世紀の川の話ですね(賀来賢人)
看護師のことをナースと呼ぶのはセクハラじゃないのか。
ギリギリセーフなんじゃないか。
ナースって性的な凌辱用語じゃないのかよ。
おいっ。それはお前だけだ。
ナースと聞いただけで萌えるのは犯罪じゃないですよね。
ただ・・・少し変態なだけだ。
ああ・・・よかった。
よくはないけどね。
で、『グッドパートナー 無敵の弁護士・第5回』(テレビ朝日20160519PM9~)脚本・福田靖、演出・本橋圭太を見た。ドクターとナースの全面対決・・・「ナースのお仕事」以来だったな・・・。なんだろう・・・このドラマ全体に漂う前世紀感は・・・。時計が止まっているのか・・・。そもそも・・・咲坂健人(竹野内豊)と結婚していた夏目佳恵(松雪泰子)は専業主婦だったのか?・・・それとも夫婦で弁護士だったのか。よくわからない。第一、二人ともパートナー弁護士なのだから・・・高収入が前提である。家事は最初からハウスキーパーにおまかせで・・・トラブルの原因にはならないだろう。一体・・・去年の娘・みずき(松風理咲)の11歳の誕生日(2015年8月)から・・・この夫婦に何があったと言うのだ・・・。そんなことでひっぱられても困るんだが・・・。
本当は15歳の娘のおでこに父親がキスしたことによる性的なアレ・・・なわけないだろうが。
神宮寺法律事務所が顧問を務める桂総合病院からの依頼で・・・「セクシャルハラスメント」についての講習会を行う咲坂弁護士と新人弁護士・熱海(賀来賢人)・・・。
小学生を相手にピーポくんが交通安全指導を行うみたいなことであるらしい・・・。
病院の事務員(坂井裕美)を相手に白衣を来た咲坂は「セクハラ発言」を例示するのだった。
「かわいい笑顔で患者さんを励まそう」・・・容姿と仕事内容を関連付けたらセクハラ。
「君のいれてくれたお茶は上手い」・・・給仕の仕事を女性に特定するのはセクハラ。
「今晩・・・食事でもどうかな」・・・立場を利用して食事に誘えばセクハラの上にパワハラ。
しかし・・・男前の咲坂に誘われた事務員はうっとりしてしまうのだった。
「説得力ないじゃん」とつぶやく熱海だった。
「結局、男前無罪なんでしょう」と外科部長の厚木義忠医師(神尾佑)は講習そのものを鼻で笑うのだった。
咲坂は・・・講習を依頼してきた病院の事務長・葛原正(小林隆)の浮かない顔に・・・違和感を覚え・・・真意を質すのだった。
葛原は・・・厚木医師による・・・新人看護師・桜井奈緒(逢沢りな)へのセクハラ疑惑があることを打ち明けた。
「看護師から相談があったわけですか」
「はい・・・手を握ったり、身体を触ったり、キスされそうになったとも」
「それは・・・セクハラですね」
「しかし・・・厚木先生は・・・外科のエースでして・・・」
「つまり・・・稼ぎ頭ということですか・・・院長には報告したのですか」
桂院長(佐渡稔)は厚木医師の肩をもち、看護師を退職させる意向だった。
「これが・・・初めてではないのですね」
「過去に同様のケースがあって・・・看護師には退職してもらっています」
「ひどいな・・・」と熱海。
「困りましたね・・・」と言葉を濁す咲坂。
「なんとか・・・穏便に問題を解決できないでしょうか」
「・・・」
「どうにもならないでしょう・・・」
「なぜだ・・・」
「男性医師がセクハラを認めなければ女性看護師に泣き寝入りさせろってことでしょう」
「お前は・・・フェミニストなのか」
「ぼくらの世代は最初から男女同権なんですよ」
「・・・」
ベタに・・・神宮寺法律事務所でもセクハラ問題が発生中である。
婚活に忙しい猫田弁護士(杉本哲太)がアソシエイトである城ノ内弁護士(馬場園梓)が「キュート」と言われたことを「お世辞」と評したことが問題らしい。
本当のことを言ったらセクハラ。
夏目弁護士やベテラン秘書の朝丘(宮地雅子)は激しく同意するがパラリーガルの茂木さとみ(岡本あずさ)は無言で距離を置くのだった。
巻き添えを食ってパラリーガルの九十九治(大倉孝二)は母親の手作り弁当までセクハラに認定されるのだった。
アソシエイトの赤星元(山崎育三郎)は発言そのものを封じられる。
ついに・・・猫田弁護士の見合い相手が二十代限定であることに憤慨するトリオ。しかし・・・さとみはあくまで微妙な距離感を保つのだった。
本当に若くて美人の場合はお世辞にも差別にもならないからである。
神宮寺一彦(國村隼)に病院でのセクハラ問題を報告する咲坂・・・。
「そんな問題が・・・」
居合わせた夏目は進言する。
「その問題は・・・咲坂先生の手にあまると思いますよ」
「なんでだよ」
「だって・・・セクハラ問題は女性の気持ちが関わってくるんですよ・・・失礼ですが・・・咲坂先生は女性心理が全く分かっていませんから・・・」
「まあまあ・・・」
その頃・・・病院では・・・厚木医師の手術した患者の容体が急変、担当看護師の桜井が報告するが・・・「セクハラを告発された厚木が感情的になり報告を無視する」というありえない事態に発展していた。
「患者の家族が・・・医療ミスを疑っていると・・・」
桂院長から相談を受けた神宮寺は・・・問題の深刻さを察知する。
「ここは・・・夏目先生にお力を貸していただきたい」
「咲坂先生が頭を下げてくだされば・・・」
「下げなさい・・・」
神宮寺に先に頭を下げられて渋々頭を下げる咲坂・・・。
「おっほっほっほ」
完全なるパワハラである。
企業の不祥事が日常茶飯事となり・・・いつしか・・・マスメディアが叫ばなくなったコンプライアンス(法令順守)問題・・・みんな叩けば埃の出る企業体質だからな。
セクハラ、パワハラ、モラハラ、ドクハラ・・・あらゆるハラスメントもまた・・・どこにでもありすぎて・・・やや古びた題材になりつつあるわけである。
体質改善を目指す咲坂だったが・・・外科的手術が必要とする夏目は証拠を提示する。
過去に厚木医師のセクハラによって病院を移った看護師(橘美緒)からの証言である。
「先生は何度も私の胸を触りました・・・時には男性器を下半身に押し当てられたこともありました。さらにはズボンを下ろして男性器を誇示し・・・感想を求めてくるのです・・・ついには私の下着をかぶらせてほしいとまで・・・」
「これは・・・セクハラのレベルじゃないな・・・性犯罪じゃないか」
「変態仮面ドクターよ」
「宣伝か・・・無関係じゃないか」
咲坂は・・・幼い娘と公園で遊ぶ・・・葛原事務長を急襲する。
「今日は・・・お詫びにきました・・・」
「え」
「ことは・・・穏便にはすませられません・・・」
「・・・」
「私にも娘がいます・・・もし・・・娘たちが・・・同じ立場になったら・・・それでも・・・あなたは娘に泣き寝入りを奨めますか・・・」
「・・・私はただ・・・豊臣家の安泰を・・・」
「誰が真田丸の話をしろと・・・」
突然・・・開催される・・・医師・看護師・事務員が全員出席の総会。
「訴訟問題は回避されました・・・しかし・・・もう一つ問題があります」
事務長は決死の覚悟で告発を開始する。
「医師による・・・看護師へのセクハラ問題です」
「その件は当事者同士で話し合う方向で・・・」と院長。
「それは・・・無理です。二十一世紀の企業では・・・そういう手法は成立しません」と咲坂。
「つぶれるよ・・・この病院」と熱海。
「なんだ・・・雇われ弁護士が・・・会議は以上だ・・・解散・・・患者さんが待っているぞ」
もちろん・・・無人のナースステーションにはナースコールが鳴り響いているわけである。
「看護師さん・・・もれちゃいます」なのである。
しかし・・・看護師たちは席を立たないのだった。
「これは・・・この病院が生き残れるかどうかの・・・瀬戸際です・・・皆さん・・・席に戻ってください」
「一体・・・君は何の権利があって・・・」
すかさず・・・弁護士バッヂをはずして人間に戻ろうとする咲坂。
しかし・・・機先を制して立ち上がる夏目弁護士。
「看護師の皆さんに・・・話を聞こうではないですか・・・医師のセクハラ行為についてどう思っているか・・・確かに・・・医師に対して看護師の立ち場は・・・同等とは言えません。しかし・・・弁護士も看護師も・・・国家資格です。責任ある立場です。組織が健全であることを求めなければなりません。私はその点について・・・皆さんに問い質し・・・この病院の体質改善のためには・・・全員退職も辞さない覚悟だと知りました」
「え」
「女性看護師全員の退職届けをお預かりしています」
「そんな・・・」
「とんだ・・・茶番だ・・・患者に申し訳ないと思わないのか」とついに厚木医師が正体を見せる。
「問題の張本人が名乗りをあげました・・・さあ・・・院長・・・決断してください・・・看護師全員と・・・変態ドクター・・・どちらを選択するか」
「持ちかえらせては・・・もらえないか」
「いいですか・・・この病院を退職した女性看護師二十人が・・・厚木医師とこの病院に対しセクハラ訴訟を起こすという噂があります・・・そうなったら・・・顧問として・・・弁護を担当しますが・・・物凄くハイリスクになります・・・あの時、トカゲの尻尾を切っておけば・・・と後悔するのでは・・・」
若手のドクターたちが立ちあがる。
「厚木先生は手術はお上手ですが・・・変態です」
「しかも・・・童貞です」
「お・・・お前ら」
泣きながら・・・去っていく厚木だった・・・。
こうして・・・桂総合病院から・・・わいせつ医師は放逐されたのだった。
優秀な外科医を確保して・・・パートナーたちの暴走の尻ぬぐいをする神宮寺だった。
どうでもいいことだが・・・家庭教師の島谷涼子(宮﨑香蓮)は熱海の後輩だった。
帰宅した咲坂は・・・娘が「家族団欒の動画」を見て泣き寝入りした姿を目にする。
「動画」の中の元妻は優しかった。
「なんで・・・俺を捨てたんだ・・・」
思わずにはいられない咲坂。
「俺は・・・そんなに女心のわからない男だったのか・・・」
まあ・・・男の女の間には・・・前世紀には・・・暗くて深い川があり・・・誰も渡れなかったのだ。
その頃・・・妻はビッグベンから情事のお誘いを受けているのだった。
急げ・・・咲坂・・・土下座するなら今だぞ。
今世紀の川は結構明るくて浅いから・・・。
関連するキッドのブログ→第4話のレビュー
まこ「すぐに人情に訴える昔堅気の弁護士と・・・ハードボイルドな暴走弁護士・・・とてもグッドなパートナーなんでしゅね~。なんでまた離婚したんでしゅかね~。わがままは女の罪~・・・それを許さないのは男の罪~・・・そういう時代が到来しているのでしゅね~・・・・男に残された道はごめんね・・・俺が悪かった・・・許してくんしゃい・・・戻ってきてくんしゃい・・・泣いてあやまる・・・これしかないのデス!」
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