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2016年5月15日 (日)

死後の世界があるという仮説を検証中(福士蒼汰)悪霊なんて大嫌い(土屋太鳳)恋すてふ我が名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか(野波麻帆)忍ぶれどうらめしや(門脇麦)

さあ・・・ちょっと踏み込んできたぞ。

これは「死」というシステムに対する「この世界」の解釈と言えるだろう。

①人間は死ぬと幽体離脱してしばらくは現世にとどまる。

②ノーマルタイプは一定期間を経過後、来世への中間点に移動する。

③アブノーマルタイプは現世への執着心から移動を拒絶し、「死神」によって「完全消滅」させられる。

つまり・・・②は輪廻転生ルート。③は解脱ルートである。

「仏教的世界観」では執着心を捨てることで解脱するのが理想の形なのだが・・・ここでは執着すればするほど解脱に近付くことになっている。

つまり・・・「精神力の賛美」だな。

人を呪い殺すくらいのパワーがないと解脱なんかできない・・・ということだ。

ある意味・・・涅槃の完全否定である。

ここは・・・一同爆笑ポイントだが・・・お茶の間的にはなかなかねえ。

「死んでもまた生まれ変わりたい」というのが「救い」になるほどに・・・一般人は「生」に執着しているからな。

で、『お迎えデス。・第4回』(日本テレビ20160514PM9~)原作・田中メカ、脚本・尾崎将也、演出・塚本連平を見た。「量子脳理論」では「意識」は「生死」を越えて持続するという仮説がある。まあ・・・「魂」が特別なものであるかどうかは・・・未来永劫平行線だろうけどな。たとえ・・・科学的に魂の存在が実証されても・・・信じない人は必ずいるからだ。悪魔にも神秘体験がないわけでもないが・・・それは妄想だった可能性は常にあるのだ。だから・・・こういう「死んだらこんなことになってるよ」的な話は「あんたも好きねえ」と言う他はないのだった。

今回・・・霊視能力のある阿熊幸(土屋太鳳)が幽霊の保(今野浩喜)と物理的接触ができないというルールを・・・幽霊の一種である死神のナベシマ(鈴木亮平)が生きている黒巫女の魔百合(比留川游)を押し戻すことで破るシーンがある。

もちろん・・・幽霊である美樹(野波麻帆)がポルターガイスト現象を起こしたり、魔百合の除霊グッズを拾い上げたり、最後には物質化したりするように・・・なんでもありの部分は「例外」で処理してもいいのだが・・・あまり、なんでもありだと・・・虚構力が脆弱化するので要注意である。

今回は「成仏失敗」のオチなのだが・・・ここで本当の意味で「死」が表現されることになる。

少し、ほろ苦い大人のテイストなのである。

小学生向けのドラマこそ・・・こういう部分が大事なんだよねえ。

生きていれば・・・トライできるが・・・死んだら何もできないという話だ。

童貞幽霊・保に憑依されて幸の唇を奪いにかかる霊媒体質の堤円(福士蒼汰)だったが・・・精神力で抵抗し・・・二つのリモコンで操縦不能になったロボットのように円の肉体は暴走する。

そして・・・階段落ちである。

ドラマの階段は主人公が落ちてもかすり傷しか負わない設定なのでよい子のみんなは真似しないでね。

肉体的なショックで賦活した円は保の分離に成功する。

円の肉体から転げ落ちた保は・・・失望と落胆と後悔の意識を深め・・・逃亡する。

肉体を失った幽霊の魂は基本的に機能低下するのである。

たとえば男性器を失った男性が勃起するのが困難なようにだ。

もちろん・・・失ったものがあるような錯覚をすることはできるが・・・それはかなりの精神力を必要とする。

死んだ人間は・・・欲望から切り離され・・・仏になっていくのが一般的なのだ。

理性的な円に憑依した保は・・・その理性に影響される。

つまり・・・円の肉体を借りることで・・・反省作用が生じるわけである。

生理的嫌悪で見るのも嫌な保の幽霊が去り・・・落ちつきを取り戻した幸は叫ぶ。

「しっかりして・・・」

「助かって・・・よかった」

「・・・」

そこへ・・・死神のナベシマとゆずこ(濱田ここね)が到着する。

牝犬である幸は・・・円の傷の状態を案ずるより・・・恋する乙女モードに移行する。

「ナベシマさん・・・」

「大丈夫か・・・円」

「はい」

幸は・・・自分より円のことを気遣うナベシマにアピールするのだった。

「すごく怖かったんです~」

「とにかく・・・保は俺が見つける」

円は・・・もう一つの案件について報告する。

「彼は立ち直ったので・・・彼女も成仏できると思います」

教え子の一人・亮二(竜星涼)の素行が心配で成仏できなかった美樹だったが・・・原因が自分の死であったことがわかり・・・亮二が立ち直りの兆しを見せたことで・・・安堵した・・・と円は考えていた。

しかし・・・牝犬の心を理解することはできない童貞の円なのである。

美樹はすでに・・・怨霊化の気配を見せていた。

死神たちが保の捜索に出発した後で・・・幸は円を自宅に連れ帰る。

多忙な母親(高岡早紀)と不倫が原因で離婚した父親は不在である。

しかし、阿熊家には円に片思いのまま、不慮の事故で死亡した高校時代の同級生・緒川千里(門脇麦)の幽霊が居候しているのだった。

「彼が来てるけど・・・会う」

「やめとく・・・」

幸は円の傷の手当をする。

「女性が男性を部屋に招くのは求愛の一種だと手引きに書いてあったけど・・・」

「どんな手引きを読んでんの」

「少なくとも好意の表出だと」

「大体・・・あなたは・・・誰かを好きになったことあるの・・・」

円の答えが気になって背後霊と化す千里・・・。

しかし・・・円は答えない!

深夜の心霊大戦により・・・朝帰りの円である。

「どこにいたの」と母・由美子(石野真子)・・・。

「彼女の家・・・」

「まさか・・・彼女の御両親は・・・」と義父・郁夫(大杉漣)・・・。

「いなかった・・・」

「えええ」と驚く義理の妹・さやか(大友花恋)である。

円の身に起きている重大事を知らずに・・・あれこれ妄想する家族たちだった。

ベタだな・・・。

この家族には長生きしてほしいものだ。

死神の領域では・・・子供の上司にナベシマが叱責されていた。

「まだ・・・見つからないのか・・・」

「すみません」

「このウサギ野郎が・・・」

「もうしわけありません」

「パンティーをかぶらせてやろうか」

「そればかりは・・・まれの三人娘が揃ってしまうので」

「生脱ぎのシーンはあるのか」

「それは劇場でお確かめください」

「変態のくせに商売上手じゃのう・・・」

二人で揃って講義の時間に居眠りする円と幸。

「なんだよ・・・俺は・・・おいてけぼりかよ」

円の親友・加藤(森永悠希)は寂しい気持ちを味わうのだった。

そして・・・明櫻大学に亮二が現れる。

「この大学の新入生だったのか」

「先輩だったんすね」

イケメンの新入生登場に・・・レギュラー女子大生たちもウキウキするのだった。

その時、突然・・・建物の構造物が・・・落下してくる。

九死に一生の一同。

「なんで・・・こんなものが・・・」

「まさか・・・保の仕業では・・・」

保は外見で容疑者リストに乗るタイプだった。

帰宅した幸は円に報告する。

「あの痴漢幽霊・・・怨霊になったかもしれない・・・」

「まだ・・・捕まらないの・・・」

「うん・・・」

「円に来てもらったら・・・」

「あなたが・・・逢いたいんしゃないの」

「私・・・もう・・・自分でもわからなくなってきた・・・」

「え」

「私・・・散歩してくる」

「でも・・・死神さんに見つかったら・・・」

「・・・」

千里が外出すると・・・保が現れる。

「キャー」

「ちょ・・・ちょっと待てよ」

幸は逃げ出し・・・携帯電話で円に救助を求めるのだった。

「助けて・・・」

「わかった・・・とにかく・・・逃げて」

なんとか・・・合流を果たす二人・・・。

「彼女に近づくな」

「憑依されないように気をつけて」

「わかった・・・でも・・・どうすれば・・・憑依されないのか」

「もう・・・憑依しないよ」

「え」

「オレは・・・生きていた頃・・・無視されてきた・・・でも・・・あんたは・・・一応・・・嫌いだって言ってくれた」

「・・・」

「俺にとっては・・・もうそれだけで・・・恋した気分だ・・・実らなくてもいい・・・だって死んでるし・・・」

「なんだか・・・せつないな」と円。

「でも・・・今日だって悪さを・・・」と幸。

「あれは・・・女の先生だよ」

「え・・・」

「黒くなってたから・・・怨霊になりかけてるんじゃないか」

「そんな・・・どうして」

「嫉妬だよ・・・あの先生・・・彼が好きなんだよ・・・好きな男が女子大生とイチャイチャしていたら・・・たまらない気持ちになったんだろう・・・」

ナベシマが到着する。

「だとすると・・・彼が危ないな・・・」

「え・・・」

「保を昇天させたら・・・すぐに追いかけるから・・・とりあえず二人で対処してくれ・・・」

亮二のアルバイト先に到着する円と幸。

しかし・・・すでに怨霊と化した美樹は・・・霊力の物質化現象により・・・この世に混沌をもたらし始めていた。

「やめてください」

突然現れた二人が見えない相手と会話を始めて戸惑う亮二。

「なぜ・・・こんなことを・・・」

(私は死んだのに・・・彼は生きて・・・私のことを忘れてしまう)

「いや・・・彼は若いし・・・記憶力はそれなりに・・・」と円。

(なんだって・・・)

「彼なりに慰めているんです」と幸。

(いやよ・・・いやいや・・・忘れられるのは~)

「そのギャグ・・・もう古くなっていたのでは・・・」

「古典の先生だから・・・流行に疎いなじゃ・・・」

(きーーーーーーーーっ)

暴走する怨念が旋風を生み・・・天井を吹き飛ばす・・・。

円は亮二を庇って落下物を避けるが・・・幸は下敷きになってしまうのだった。

「一体・・・これは・・・」と亮二。

「救急車を呼んでください・・・」

頑強な円と違い・・・幸はか弱かったらしい・・・。

緊急入院・・・緊急手術である。

担当医は・・・何の因果か・・・幸の生き別れの父親(飯田基祐)だった。

手術は成功したが・・・円の意識は戻らない。

死神の領域で・・・怨霊浄化担当のシノザキ(野間口徹)に攻められ、意気消沈しているナベシマ。

「俺のせいで・・・彼女の命を危険に・・・」

「彼女は自分の意志でやっていたんです・・・ナベシマさんが・・・気にすることはありませんよ」

「そう?」

「僕も・・・あの人を成仏させたい・・・」

円は亮二にすべてを打ち明けた。

「信じられないだろうけど・・・先生が幽霊になってるんだ」

「いや・・・なんとなく・・・わかっていたよ・・・先生の気配がしたから」

「そうなの・・・」

「うん」

「なんとか・・・もう一度・・・説得したい」

「どうすれば・・・」

「生前の思い出の場所に行けば・・・彼女がやってくるかも・・・」

「わかった」

亮二は高校の教室に円を案内した。

「ここで・・・先生の個人授業を受けている時が最高に幸せだった」

「でも・・・教わったのは古典だけなんでしょう」

「うん・・・でも・・・先生に認められたくて・・・他の教科も頑張ったんだ」

「ふうん」

「ぼくは・・・先生みたいな先生を目指すよ」

そこへ・・・現れる美樹の幽霊。

「あなたは・・・何かしたいことがありますか」

「最後にもう一度・・・授業がしてみたい」

「では・・・僕の身体を・・・」

「待った」と現れる死神一課の皆さん。

病院の配膳係だった魔百合もマツモト(根岸拓哉)に緊急招集である。

「怨霊となったものに憑依されることが・・・どれほど危険かわかってるのか」とシノザキ。

「でも・・・僕の身体は変態を浄化しました・・・」

「こいつにやらせてやってくれ」とナベシマ。

「責任とれるのかよ」

「パンティーをかぶってもいい」

「宣伝かっ」

美樹は円に憑依した。

「平安時代中期の歌人で三十六歌仙の一人に数えられる壬生忠見は・・・天徳四年(960年)の内裏歌合に出詠し・・・「初恋」の歌を詠みました・・・。恋すてふわが名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか・・・どんな意味かしら」

「私が恋をしているという噂が立ってしまいました・・・誰にも知られないようにひっそりと思いはじめたばかりなのに・・・です」

「正解・・・でも・・・この歌は平兼盛の忍ぶれど色に出でにけりわが恋はものや思ふと人の問ふまでに負けちゃったのよね」

「平兼盛の方がストレートですよね・・・しかも・・・哀愁がある・・・壬生忠見は芸能人かっという上から目線を感じます」

「成り上がりだからねえ・・・つい・・・そうなっちゃうの」

二人は見つめ合い・・・キスを・・・。

「そこまでだ」

時間切れである。

「これで・・・成仏できますか」

「ダメみたい・・・どうしても・・・彼のことを思いきれない」

激しく黒ずむ美樹。

「すでに・・・色餓鬼化している・・・邪念がブラックホールを作り出し・・・この空間は呪われるぞ・・・呪いの教室になってしまう・・・」と死神たち。

「どうしたの・・・」と亮二。

「彼女は・・・地獄に・・・」とわかりやすいたとえで話す円。

「先生・・・俺を連れて行ってくれ・・・先生のいないこの世に未練はない・・・二人で地獄に」

亮二の純情が・・・美樹の幽かな正気に火を灯す。

「だめよ・・・あなたは・・・生きて・・・前を向いて・・・幸せになって・・・それが私の願い」

美樹は・・・魔百合の浄化グッズを奪った。

「え」

美樹は・・・自ら望んで消滅の道を進む。

美樹は人間として死に・・・魂も滅んだのだ。

「菩薩だ・・・」

「光が・・・」

「ありがたや・・・」

死神一同は・・・解脱する魂に感動するのだった。

「先生は・・・」と亮二・・・。

「旅立ったよ・・・良い先生になりなさいって・・・言ってた」

亮二は失われた恋に涙した。

円は意識不明の幸を見舞い・・・報告した。

「愛って・・・俺には・・・まだよくわからないけど・・・」

そこへ千里がやってくる。

「幸ちゃん・・・大丈夫・・・」

「え」

「あ」

霊能力者と幽霊の青春の開幕である。

関連するキッドのブログ→第3話のレビュー

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