〇です(黒木華)○ですか(高月彩良)恋話じゃないってば(オダギリジョー)
趣味と実益を兼ねる・・・なんて甘い響きだろう。
まあ・・・お金儲けの好きな人がお金儲けをする・・・みたいな。
キッドはお金儲けには興味がないので趣味に走るとどんどんお金がなくなって行くわけなのだが・・・。
好きなことを仕事にする・・・なんて甘い響きだろう。
たとえば・・・マンガを読むのが好きな人がマンガ家になるというのはよくある話だが・・・。
そういう人は途中から・・・マンガを描くのが好きになっている場合がある。
もちろん・・・最初からマンガを描くのが好きというのもあるわけである。
読むのも描くのも好きな人は・・・ある程度ジレンマに襲われる。
好きなのは・・・読むことなのか・・・描くことなのか。
そして・・・読む能力と・・・描く能力のバランスの問題もある。
素晴らしい作品を描き、読者に愛され、出版社を儲けさせる・・・そういう人に誰もがなれるわけではないという・・・厳しい現実もな。
そろそろ・・・幻想の甘い生活が終わり・・・恐ろしい現実が・・・接近しているような気配だ。
で、『重版出来!・第4回』(TBSテレビ20160503PM10~)原作・松田奈緒子、脚本・野木亜紀子、演出・福田亮介を見た。柔道選手としてオリンピック出場・金メダル獲得を目指していた黒沢心(黒木華)は負傷によって選手生命を断たれ、幼い頃から好きだったマンガ雑誌の編集者に転身する。つまり・・・マンガばかり読んでいたから負傷して柔道のチャンピオンになれなかったわけである。・・・おいっ。しかし、前向きな性格の心は新天地で「自分」を貫き、週刊コミック誌「バイブス」編集部に新風を巻き起こすのだった。
新人発掘を心がける編集者たちの一攫千金魂・・・。
それは・・・新素材による新商品の開発のようなものである。
そのために・・・コンクール形式の新人賞があり・・・新人作家の勉強会があり・・・持ちこみ原稿の添削がある。
編集者たちはある意味では一般人だが・・・漫画家たちは・・・特殊な人々である。
一般的に考えて・・・特殊な人々は一般人より・・・ハイリスク・ハイリターンだと言える。
「漫画家になりたい」などと言う人にセーフティーネットはあまり用意されていないのだ。
ベテラン編集者とは違い・・・編集者としての経験値は低い心。
しかし、編集長の和田(松重豊)や心の指導担当の五百旗頭(オダギリジョー)は「心のフレッシュな感覚」に期待する。
それは・・・新人だけに許される特殊能力だからである。
みんな・・・そのうち・・・汚れてしまうのだからな。
五百旗頭は・・・新人の大塚シュート(中川大志)を発掘した。
ある程度編集者修業を終えた心も・・・新人育成を許される。
漫画同人誌の即売会が行われるコミックバザールの会場・・・出張漫画編集部のブースが置かれ・・・編集者たちは持ちこまれる原稿を読む。
心機一転して復活した成田メロンヌ(要潤)人気で盛り上がる「バイブスのブース」・・・ブスと言っているわけではありません。・・・気を遣いすぎて変なことになってるぞ。
心は二人の漫画家の卵をゲットする。
画力が素人同然で・・・どの編集者にも相手にされなかった・・・中田伯(永山絢斗)・・・。
自信がなくて声をかけてきた心にだけ原稿を見せた・・・東江絹(高月彩良)・・・。
発掘した二人をプロとしてデビューさせるために・・・心の新人育成ゲームが始ったのだ。
中田伯は・・・絵は下手だったが・・・心の心に迫る「何か」があった。
東江絹は・・・抜群の絵の上手さに比べて・・・ストーリー構成に難があった。
心は・・・二人を現場に慣れさせるために・・・看板漫画家の三蔵山龍(小日向文世)のアシスタントとして採用してもらう。
二人の原稿を見た三蔵山は即時雇用を決める。
手塚治虫はフリーハンドで完全な○を描いたという伝説がある。
東江はほぼ完璧な○を描けるが・・・中田は・・・凸凹を描いてしまうのだった。
それでも・・・三蔵山は・・・「中田くんは・・・素人なのに・・・マンガというものがわかっている」と謎の言葉を残す。
一方で・・・ボーイズラブ的な東江作品にニヤニヤする三蔵山だった・・・おいおいっ。
大きく別けると・・・中田は野生動物、東江はサラブレッドなのである。
しかし・・・東江は傷つきやすい生き物でもある。
「ネーム」(下書き)の段階で心からダメ出しされ・・・自信を失いかけるのだった。
大学生で就職活動を開始する年齢の東江は・・・「プロの漫画家になる夢」を家族には秘密にしていた。
一方・・・ベストセラーの小説「ガールの法則/根本明吾」のコミカライズ(漫画化)を目論む安井(安田顕)は素晴らしいインターネットの世界で公開された東江の「絵」に注目し、即時デビューを本人に告げる。
心の知らないアプローチであるために返事を保留する東江。
「私の・・・東江さんを盗む気ですか」と憤慨する心。
「何言ってるダ・・・モタモタしてるからダ・・・俺たちとちがって漫画家は・・・給料もらってるわけじゃねえ・・・デビューのチャンスがあるなら・・・こっちの方がいいに決まってるダ。嫌なら替わりはいくらでもいるダ」
正論である。
東江は「就職問題」で母親の芳子(中島ひろ子)と激突。
そこへ・・・心が家庭訪問をする。
「私・・・東江さんには・・・素晴らしい才能があると・・・それだけがいいたくて・・・」
「ありがとう・・・私・・・声をかけてもらってうれしかった・・・私は安井さんのお世話になります」
「がんばってください・・・応援しています」
結果として・・・金の卵を安井に奪われた心。
行きつけの店・・・小料理屋「重版」で女将のミサト(野々すみ花)に愚痴る心だった。
「私は・・・五百旗頭さんが・・・欲しい」
酒を吹きだす五百旗頭だった。
「私に・・・五百旗頭さんのような編集者としての能力があれば・・・東江さんを虜にできたのに・・・」
「人と人の出会いには意味がある。上手く行こうと行くまいと・・・相手のことを真剣に考えて・・・関係を築いていくしかないんだよ」
「恋の話ですか・・・」
酒を吹きだす五百旗頭だった。
心に残されたタマは・・・中田のみ・・・しかし・・・アシスタント修行の成果によって・・・中田は○を描けるようになっていたのだった。
一方・・・指導している後輩からタマを盗んだ安井に釘をさす五百旗頭。
「せっかく手にしたタマを大切にしてくださいよ」
「文句あんだか」
「いいえ・・・安井さんは・・・時々・・・新人つぶしちゃうから・・・」
「つぶれる奴が悪いダ」
はたして・・・東江は・・・プロデビューに成功するのか。
そして・・・心は・・・中田と新人賞応募原稿を完成させることができるのか・・・。
戦場は不穏な空気に包まれるのだった。
心の優しい世界に嵐の予感である。
関連するキッドのブログ→第3話のレビュー
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コメント
キッドさん☆こんばんは(*^^*)
お忙しい毎日のようですがお変わりありませんか
アニソンは元気がもらえる曲が多いですね
ラインナップを途中まであっこの曲知ってる‼︎と思いながら読んでましたが
あまりに大量で^^;でもゴールデンウィークにとってもふさわしい祭りですね^ ^
初回から面白いと思って見てましたが
4話で心が挫折を経験したり
連ドラとしての面白味が回を重ねるごとに増えていくので
今まで以上にこのドラマが好きになりました
何度も見返したいです
ドラマの流れ的に今後中田の成長が話の軸になるのでしょうか?
欲張りかもしれませんが 最終回で
三蔵山の第1アシスタントも報われるシーンが
あると嬉しいです
中田がガラスに◯を描いたシーン☆
思わずホロっときてしまいました
メロンヌの元気な様子も見れたし
恋の話と勘違いする心ちゃん
時折見せるスポーツマンらしい俊敏な動きと愛らしさ
華はオダジョーにお願いして
このドラマ 黒木華ちゃんが主役のおかげでストーリーに
より入り込め楽しめてます‼︎
投稿: chiru | 2016年5月 4日 (水) 21時58分
シンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃいませ・・・大ファン
御心配おかけしてもうしわけありません。
アニソン三昧はイレギュラーなので
対応力が鈍化していることを
思い知らせてくるのでございます。
まあ・・・倒れることもなく乗り切れてよかったのですが
少し・・・心の切り替えに時間がかかるのですね。
そういう意味でまんざら無関係でもない「重版出来!」の世界はいいタイミングだったのです。
「アニソン」から「ドラマ」へ少し戻りつつあります。
結果としての「作品」を愛することは簡単ですが
そこに至る経過や
その「作品」の周囲の人間模様・・・。
そういうものには「作品」と深い関係がある・・・そう考えるタイプとそうでないタイプがございます。
キッドは多重人格ですので・・・どちらのタイプでもあるわけですが・・・。
深く考えるタイプの方はいろいろとひきずりますからな。
スポーツの世界ではチャンピオンと無数の敗者という構図が一瞬描かれる。
殺し合いであれば・・・死体の山の上に一人だけ生存ということです。
もちろん・・・永遠にチャンピオンでいることはできないし、敗者たちにも様々な人生が展開していきます。
芸術の世界にも似たところはございますね。
成功者はほんのひとにぎりですが・・・それを讃えるか妬むかはその他大勢の人の性格によります。
ここまで・・・心は・・・新人でありながら
先輩たちの「心」を救ってきたパワーを見せてきました。
いわば・・・「子供」だから許される「範囲」の延長戦・・・。
ここからが・・・「大人」としての心の「勝負」なのでしょう。
フィクションなのでどんな「漫画家残酷物語」も可能ですが・・・このドラマではあまりひどいことにはならないと考えます。
三蔵山の第一アシスタントは職業としては大成功の部類ですよね。
たとえ・・・三蔵山が死亡しても・・・財産の管理はいろいろと大変ですからねえ。
くれよんだのドラだのサザエだの・・・作者はみんな死んでいるわけですから~。
才能と努力。
絵は上手だが話作りが苦手とか。
その逆とか。
私生活の乱れとか。
様々な・・・人間の「生」があって生まれ出る作品。
心はその「心」を素晴らしい演技で紐解いておりますよねえ・・・。
投稿: キッド | 2016年5月 5日 (木) 01時53分