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2016年5月17日 (火)

粘るのは納豆だけ(福山雅治)愛してるって歌います(藤原さくら)私は涙もろい女(水野美紀)

ブルームーンは十三番目の月である。

一年は基本的に十二ヶ月で・・・四季で割ると・・・一シーズンそれぞれの月は三つである。

しかし、月齢と一年は一致しない。

月の運動と太陽の運動が一致しないためである。

そのために一つのシーズンに四つの満月が現れることがある。

米国メイン州ではそれぞれの満月に名前をつけており・・・フラワームーン(花月)、ウルフムーン(狼月)など・・・この変則的に現れるひとつのシーズンに四つの満月の時には・・・第三の月をブルームーン(青月)と呼ぶのである。

ブルームーンは2~3年間隔で出現するので・・・他の月より珍しいということになる。

2016年5月21日の満月がブルームーンである。

次のブルームーンは2019年2月19日となる。

この「ブルームーン」は単なる一地方の「呼び名」に過ぎず・・・個々の運命とは無関係だが・・・信じるものが常軌を逸するのはよくあることである。

で、『ラヴソング・第6回』(フジテレビ20160516PM9~)脚本・倉光泰子、演出・相沢秀幸を見た。脚本家が戻って来た。つまり・・・二人で一人体制なのか・・・。何度も言っているが連続ドラマの複数脚本家体制はまず成功しないものである。監督が黒澤明じゃあるまいし・・・。だって・・・「言葉」にそれぞれこだわりがあるはずなんじゃないかな。途中で別の「言葉」が挿入されたら・・・「世界」が変わってしまうんじゃないのか。変わっても平気な「世界」なんてダメだろう・・・。

佐野さくら(藤原さくら)はタマネギを切った。

だから泣けてくるのである。

幼馴染であり、仲間である天野空一(菅田将暉)もタマネギを切った。

やはり泣けてくるのだった。

中村真美(夏帆)は婚約者の野村健太(駿河太郎)を招き、食事会を催す。

さくらと空一が喧嘩中であると思った真実は仲直りのきっかけを作ったつもりだったが・・・すでに二人の関係は修復されていた。

「空一くんはさくらちゃんが好きなんだな」と野村がつぶやく。

「そうなの・・・でもさくらは・・・神代先生が好きなのよね」

「そうなのか」

「神代先生は誰が好きなのかなあ・・・」

神代広平(福山雅治)の心をめぐる丁寧な導入部であった。

広平は・・・レコード会社「トップレコード」の弦巻竜介(大谷亮平)からの依頼に応じて、新曲による「藤原さくら」のデモテープを制作するための楽曲作りに熱中していた。

さくらの吃音症を治療中の言語聴覚士・宍戸夏希(水野美紀)は・・・密かに広平に懸想しており、さくらと広平が男と女の関係になることを惧れている。

「あまり・・・夢中になると・・・さくらちゃんの負担になるんじゃない」

遠回しに釘をさす夏希。

「いや・・・本人がやる気になっているから大丈夫だろう」

夏希の「女心」をスルーする広平だった。

曖昧にしか描かれないが・・・その人を失うことで広平が音楽活動に挫折するほど深い関係にあった宍戸春乃(新山詩織)の妹である夏希は・・・恋人の妹ポジションに長い間、甘んじてきたのである。

広平が・・・新しい「本当の恋人」を作ったら・・・自分の立場が失われてしまうという危機感を夏希は抱いているのである。

もちろん・・・本当は誰よりも広平に愛してもらいたい夏希だった。

曲作りの打合せのために喫茶店に呼び出されたさくらはデート気分で浮かれる。

しかし、現れた広平はおしゃれな「知り合い」の女性と親しげに言葉を交わす。

「だだだ誰ですか・・・」

「知り合い・・・」

「どどどどんな・・・」

「ただの知り合い・・・」

「あああああいう人がタイプなんですか」

「君はどんなのがタイプ?」

「ダダダダメ男です」

「へえ・・・」

「ななな夏希さんもろくでなしが好きだって言ってました」

「そうなんだ・・・どうして・・・そういう男が好きになるのかね」

「たたたたまに優しいから」

「なるほど」

自分がダメ男だとはまるで思わない広平である。

「せせせ先生は・・・今まで何人くらいとつきあったんですか」

「君よりは多いだろう」

「・・・」

広平の曲作りは難航していた。

広平は封印の扉を開く。

最も愛した女のための・・・未完成のラヴソング・・・。

広平は一度は扉を閉めた。

かってのバンド仲間である増村泰造(田中哲司)はレコーディング機材の提供をもちかける。

「助かるよ・・・」

広平は自宅に機材を運び込む。

手伝いに来たさくらはようやく広平の部屋への侵入に成功する。

二人きりになり・・・高まるさくらの期待・・・。

「君に宿題を出そう・・・」

「かかか帰れってことですか」

「いや・・・作詞をしてみないか・・・」

「さささ作詞・・・」

「君ならできると思うんだ・・・」

「ややややります」

ダメ男好きというものは・・・愛する男に言われたら何でもする女なのである。

作業中にも・・・食事中にも・・・睡眠前に起床後に・・・作詞作業に熱中するさくらだった。

牝犬の認知症患者である湯浅志津子(由紀さおり)は担当のカウンセラーである広平に呟く。

「今度の満月は・・・ブルームーンなのよ」

「ブルームーンですか・・・」

「ええ・・・特別な月なのよ・・・その月を見た恋人たちは・・・結ばれる運命なの」

「なるほど・・・それはメモしておかないといけませんね」

すべてを忘却しながら・・・恋をすることだけは忘れない年老いた牝犬なのである。

ある種の男にとってこれほどおぞましい存在はないな。

まあ・・・それは年老いた雄犬にも言えることだがな。

ある種の女にとってはな。

さくらは・・・ラブレターのように・・・つくりかけの詞を広平に送信する。

(こわいもの知らずの私なのに・・・あなたがいなくなるのがこわくてたまらない)

(つくりかけじゃなくて・・・完成品を見せてくれ)

しかし・・・さくらの「言葉」は広平の「心」を揺さぶった・・・。

広平は禁断の扉に手をかける。

かって・・・あるロックンローラーは言った。

「言葉とメロディーは世界の果てで結ばれている」と・・・。

眠っている「メロディー」が・・・さくらの「言葉」で召喚されるのだった。

広平の部屋でさくらのヘアバンドを発見してざわめく夏希の心・・・。

ブルームーンの夜は・・・締め切り前夜である。

さくらは・・・広平の自宅録音スタジオに招かれる。

「ここここの曲すごくいい・・・前のとちがいますね」

「君の詞を見て・・・変更した」

「そそそそうですか・・・」

「後は譜面にそって・・・言葉を合わせて欲しい」

「わわわわかりました・・・」

曲作りに熱中する二人・・・。

ブルームーンの輝きに踊らされ・・・さくらの不在に苛立つ空一は・・・離婚して夫に子供を奪われた渡辺涼子(山口紗弥加)に童貞を捧げる。

昔の恋人を自宅に連れ込んだ夏希は・・・寸前で・・・自分が本当に欲しい男を思い出し・・・脱力する。

作詞作業は一度煮詰まってしまう。

「もう・・・これでいいんじゃないか」

「ダダダダメです・・・私は・・・納豆より粘りたい」

「・・・」

「散歩しましょう」

「いいよ・・・」

二人は夜の街へ出る。

街角にゴージャスなキャンピングカーが置かれ・・・ダンスのパフォーマンス撮影が行われている。

「かっこいい・・・キャンピングカーだな」

「かかか・・・・いつも・・・言いたい言葉が言えない」

「・・・」

「かかか火曜日と言いたいのに日曜日の次の次の日って言ったり・・・」

「・・・」

「ほほほ本当は・・・オオオオートバイって言いたいのにバイクって言ってしまう」

「・・・」

「こここ恋人に・・・オオオオートバイに乗らないって言いたいのに・・・」

「なるほど・・・」

「ででででも・・・歌っているときはちがう・・・魔法にかかったみたいにスラスラと言葉が出てくる・・・夢みたいに言いたいことが言える・・・だから・・・私にとって特別です」

「そうか・・・」

振り返ると・・・二人を見下ろすブルームーン。

「つつつ月がきれいですよ」

「きれいだね」

「ししし知ってますか・・・アイ・ラブ・ユーを夏目漱石は・・・そう訳したんですよ」

「諸説あるけどね」

「つつつ月がきれいだ」

「うん・・・きれいだ」

さくらは胸がいっぱいになった。

徹夜で作業を続ける二人。

好きよ好きよ好きよ

こんな歌ができたの

言葉じゃ物足りないから

まだ誰も知らない

わたしのラヴソング

二人の愛の結晶が生まれた。

パッケージ作業を担当したさくら・・・。

疲れ果てた広平はベッドに倒れ込む・・・。

実物大・広平を前にして・・・添い寝せずにはいられないさくら・・・。

幼い娘が大好きな父親の寝床にもぐりこむように・・・じゃれつくのである。

そこへ・・・邪念満載で夏希がやってくる。

ベッドで眠るさくらを見て・・・急襲したつもりが急襲されてしまう夏希・・・。

哀しくて涙が止まらないのだった。

その様子に・・・不審を抱く広平だった。

そこへ・・・弦巻竜介がやってくる。

狸寝入りをしていたさくらは挨拶をする。

完成したデモテープを渡す広平。

夏希は耐えきれず・・・部屋を脱出する。

「早速・・・聞いてみましょうか」

車の中で視聴を開始する・・・弦巻竜介・・・。

流れ出したメロディーに戦慄する夏希・・・。

そのメロディーは・・・かって・・・春乃がスキャットで歌っていたものだった。

「お姉ちゃんの・・・歌じゃないの・・・」

自分で自分の恋を封印し続けた夏希はすでに生きながら怨霊と化しているのである。

やり場のない怒りを家具にぶつける夏希・・・。

ものにあたるのはろくなことがないのでやめましょう・・・。

その頃・・・さくらは叫んでいた。

「つつつ月がとってもきれいだ」

街中を走り去るさくらのバイク。

「つつつつきがきれいだああああああああああ」

関連するキッドのブログ→第5話のレビュー

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