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2016年5月12日 (木)

はあ、はあ・・・ゴールじゃないのか(大野智)はあ、はあ・・・折り返し地点みたいです(波瑠)勝利の栄光を君に!(北村一輝)

休み時間の終わりにクラスで一番人気の女の子に告白して・・・答えを待つ一時間・・・。

授業なんてうわの空だ・・・。

一体・・・彼女はなんて答えるのだろう。

その答えは・・・天国と地獄の中間に漂っている。

これは・・・たまらんな・・・。

しかも・・・まだ・・・一学期は長いんだぜ。

ああ・・・本当に恋してしまったら・・・息の音が止まるまで・・・ずっと心の休まることはないんだよな。

そういう恋を・・・私は知らないがな。

で、『世界一難しい恋・第5回』(日本テレビ20160511PM10~)脚本・金子茂樹、演出・中島悟を見た。一生を水槽の中で過ごすメダカたちが次々と孵化する夜。残酷で美しい光景に心を奪われた柴山美咲(波瑠)に「お前が好きだ」と初心な心をさらけ出す鮫島零治(大野智)に・・・驚いた美咲だったが・・・零治はもっと驚いていた。突然の告白に戸惑う美咲の答えは・・・。

「少し・・・考えさせてください」

美咲が気持ちを決めるまでの・・・零治の長い待ち時間が始るのだった。

深夜の社長室に緊急招集される秘書の村沖舞子(小池栄子)と運転手の石神剋則(杉本哲太)である。

「石神・・・今まで黙っていたが・・・お前の運転が俺は好きだ」

「ありがとうございます」

「そうだろう・・・それが・・・普通の反応だろう・・・俺が好きだと言ったら・・・ありがとうだろう」

事態を洞察する秘書。

「まさか・・・社長・・・彼女に好きだと言えたのですか」

「言えたさ」

「彼女はなんと・・・」

「考えさせてくれって・・・」

「社長からいきなり告白された社員としては極めて普通の反応です」

「そうなのか・・・でも・・・断るんだろう」

「そうと決まったわけではありません」

「そうなのか・・・」

「もてる男になるためには・・・女を待つことも大切なことです」

「・・・」

零治は・・・待つことに慣れていなかった。

石神は図書館で美咲を見かけた。

社長のために「恋愛についての書籍」を読むようになった石神。

恋愛小説のコーナーに佇む石神に気付いた美咲は・・・一冊の本を推薦する。

「神様のボート/江國香織」である。

「それはどんな話だ」

「不倫相手の子供を出産した女が・・・子供と一緒に子供の父親を待ち続けるという話です」

「その女・・・気は確かなのか」

「まあ・・・少し・・・おかしい人です」

「完全におかしいだろうっ」

「社長・・・」

「いや・・・不倫してもおかしくない人はいる」

秘書は不倫経験者だった。

いつもと変わらず仕事を処理する美咲に苛立つ零治。

「なんなんだ・・・あいつは・・・少しは・・・俺のこと考えているのか」

「ビジネスとプライベートは切り離して考えるべきです」

「しかし・・・俺を待たせておいて・・・俺に盾突いたりするんだぞ」

「そういう・・・物おじしない彼女に魅かれたのでしょう」

「俺は・・・あんな真面目な学級委員は好きじゃない」

「学級委員・・・」

「俺は・・・物静かな図書委員が好きなんだ」

「しかし・・・彼女にはそういう一面もあります」

「図書館にいる女はすべて図書委員かよ」

「なぜ・・・学級委員とか・・・図書委員とか」

「お二人に・・・お話があります」

「なんだ・・・」

「私・・・結婚することになりました・・・」

「え」

「お二人より・・・先に結婚することが心苦しく・・・」

「お前が一番年上だ・・・遠慮することはない・・・新しい運転手を募集しなければならんな」

「そうですね」

「社長・・・」

エレベーターに乗り合わせる美咲と零治。

「社長・・・例の件ですが・・・もう少し・・・お時間いただけますか・・・」

「構わないさ・・・ゆっくり考えてくれ」

美咲は堀まひろ(清水富美加)を酒席に誘う。

「あなたに謝らなければいけないと思って・・・」

「社長に告白されたんですね」

「え」

「私・・・割とそういうのに敏感なんです・・・恋する空気を感じるタイプです」

「あなたの友達の話を聞いて・・・気持ち悪いなんて言ってしまって」

「まあ・・・実際に自分のこととなると・・・びっくりぽんですよね」

「はい」

「で・・・どうするんです」

「迷っています」

お茶の間の人々は・・・零治に叫ぶ。

「彼女、迷ってるってよ」

銭湯で牛乳の味が分からなくなるほど考え込む美咲。

ついに入浴サービスである。

「結構、待たせたよね」

一方、恋愛マスターである和田英雄(北村一輝)は秘書にアプローチを開始する。

「例のパーティー、君と同伴したいんだが・・・」

「他に相応しい方がいると思います」

「彼は・・・また一人か」

「いいえ・・・まだ分かりません」

「ほう・・・」

恋愛マスターに召喚される零治だった。

「待たされているそうだね・・・」

「・・・」

「君は・・・苛立っている・・・」

「なぜ・・・わかるのですか」

「それは・・・為すべきことがないと思っているからだ」

「その通りです」

「しかし・・・それは大いなる誤りだ」

「え」

「いいか・・・彼女は今・・・迷っている・・・そこで君が彼女をガッカリさせるようなことをしたら・・・どうなる?」

「嫌われます」

「では・・・逆に・・・ブラジルの五輪で金メダルをとったら・・・」

「それは好きになってもらえるんじゃ・・・でも・・・今から五輪は・・・」

「金メダルをとる必要はない・・・君には素敵なところがたくさんあるだろう・・・それをちょっとアピールすればいい」

「マスター!」

零治は・・・石神の結婚を祝うパーティーを主催した。

石神にサプライズでプレゼントをして・・・従業員思いの名社長をアピールする計画である。

しかし・・・思いを寄せる白浜吾郎(丸山智己)から・・・軽薄男の代名詞である三浦家康(小瀧望) とお似合いだと言われて・・・泥酔するまひろを介抱する美咲は・・・せっかくのサプライズにあまり驚かないのだった・・・。

「くそ・・・せっかく・・・俺が・・・いいところ見せているのに・・・具合の悪くなったクラスメートを保健室に連れて行くなんて・・・やっばりあいつは学級委員だ」

「そのたとえが・・・もう一つわかりません」

酔いを醒ます美咲とまひろ・・・。

「すみません・・・」

「そういう夜もあるわ・・・」

「私は・・・パンティーをくれと言われたらかぶられてもかまわない心境なのに」

「すごい枠でオンエアされてたわね」

「美咲さんはどうするんですか」

「まだ・・・悩んでいる」

「いいじゃないですか・・・美咲さんの夢はホテルを作ることでしょう・・・二人で作っちゃえばいいじゃないですか・・・すごいチャンスキター!でいいじゃないですか」

「私は・・・夢を誰かに手伝ってもらおうとは思わない・・・一緒に歩いていきたいけど・・・手を引かれるのは・・・嫌なの」

「考えすぎですよ・・・相手が社長だと思うからですよ」

「・・・」

そして・・・美咲は決断する。

「社長・・・今夜はジムに行かれますか」

「七時までトレーニングするつもりだ」

「例の件・・・お返事したいと思いますが・・・よろしいでしょうか」

「構わないさ」

美咲の表情から漂う・・・「お断りします」の空気・・・。

しかし・・・音無部長代理(三宅弘城)は軽い障害で運命のチャンネルチェンジを誘うのだった。

「フランス人との打合せなんで・・・お願いできるかな」

六時までには帰社できる予定だったが・・・予想外に打合せに手間取った美咲は出先で午後七時を迎えてしまう。

七時を過ぎても現れない美咲に・・・失望した零治は駐車場に・・・。

美咲は社長室に電話をするが・・・無人である。

「彼女は来なかった・・・つまり・・・断るってことだ」

「なんらかの事情があるかもしれません」

「社長の電話番号も知らないわけですし」

「もういい・・・」

「もう少し・・・待つべきです」

「もう・・・待ちくたびれたよ・・・」

「・・・」

しかし・・・零治はジムに戻った。

見果てぬゴールに向かって走り出す零治。

そして・・・美咲もまた・・・街を走っていた。

一時間が夢のように過ぎた。

「社長・・・もう・・・充分です」

秘書と運転手は走り続ける零治を気遣った。

「俺は・・・少し・・・気持ちよくなってきたぞ」

「ランナーズ・ハイですか」

しかし・・・そこに美咲が到着する。

例によって身を隠す二人・・・。

「はあはあ・・・お待たせしてすみませんでした」

「はあはあ・・・俺も今・・・来たところだ・・・」

美咲はマシンの走行距離からそれが「嘘」だと理解する。

「はあはあ・・・私・・・本当はお断りするつもりでした・・・」

「はあはあ・・・」

「はあはあ・・・でも・・・何故か・・・走り出して・・・」

「はあはあ・・・」

「はあはあ・・・なんで・・・私は走ってるのかと・・・」

「はあはあ・・・」

「はあはあ・・・私・・・走りながら・・・思ったんです」

「はあはあ・・・」

「社長と・・・最初に会ってから・・・今までの・・・ことを・・・」

「はあはあ・・・」

「そして・・・気がつきました・・・私も・・・社長と同じ気持ちです」

「はあはあ・・・それは・・・私と交際していただけるという事でしょうか?」

「はい・・・お待たせしてすみませんでした」

「いや・・・何もかも・・・あっという間だったよ」

見つめ合う恋する二人・・・。

零治を好きな美咲と・・・美咲を好きな零治の恋の物語は・・・今、始ったらしい。

ロマンチックだなあ・・・。最高の脚本じゃないか・・・。

美しい夜景の中を走る社長と秘書と運転手を乗せた車。

「俺は・・・本当は・・・学級委員が好きだったんだ」

もちろん・・・二人は知っていた。

関連するキッドのブログ→第4話のレビュー

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