弁護士である前に一人の人間でありたい(竹野内豊)なんちゃって小学生ですがなにか(松風理咲)男を見下す女(松雪泰子)
夫婦であることをやめた男と女がパパとママであり続ける。
それはもはや異常なことではなくなったらしい。
少なくとも・・・子供の視点で考えれば・・・それは一種の責任放棄なのである。
しかし・・・やがて子供も成人し・・・大人になればもう責任を問うことは難しくなる。
子供たちの心に残った傷がどれほど深くても知ったこっちゃないわけである。
もちろん・・・中には・・・常軌を逸した配偶者と出会い・・・どうすることもできない場合もあるだろう。
すべてはケース・バイ・ケースである。
完全な人間がいない以上・・・完全な夫婦もいない。
つまり・・・幼くして両親の離婚という傷を負った子供は・・・泣き寝入りするしかない。
人間、あきらめが肝心だからだ。
そういう辛い役を小学生に演じさせないための高校生の起用なのかと妄想してみました。
で、『グッドパートナー 無敵の弁護士・第3回』(テレビ朝日20160505PM9~)脚本・福田靖、演出・田村直己を見た。神宮寺法律事務所の同僚である咲坂健人弁護士(竹野内豊)と夏目佳恵弁護士(松雪泰子)は元夫婦である。一人娘のでみずき(松風理咲)は小学六年生で親権は咲坂にある。みずきが父親との同居を選択したのである。しかし、協議の結果、みずきが中学に進学した時に親権の見直しが行われることになっている。その期日が迫り、気が気ではない咲坂だった。慎ましい妻を求める咲坂と筋肉質の夫を求める夏目の性格の不一致は男と女の間の深い川底に沈んでいるらしい。
二人のパートナー弁護士が激しく衝突する間に第三のパートナー弁護士である猫田純一(杉本哲太)は婚活のかたわら業務をこなしていたが・・・最悪な(事態をいつも想定している)猫田弁護士も蒼白となる事態が発生する。
ベンチャー企業「ヒューガクラウド」と業務委託契約を結んでいた会社の経営母体に暴力団が関与している可能性が浮上したのだった。
猫田は「ヒューガクラウド」の上場案件を担当していたが・・・審査の途中で・・・「ヒューガクラウド」の事業である「ネットショップ」のスタジオに機材を提供している「サンデーメディアサービス」が指定暴力団の企業舎弟(フロント企業)であることが判明したのである。
基本的に上場廃止基準には反社会的勢力の関与が項目化されており、上場そのものが危ぶまれるわけである。
つまり・・・ヤクザと関わっている会社は建前として上場できないわけである。
なにしろ・・・この国では指定暴力団とはいかなる経済関係も持たないことが建前なのである。
ヤクザに融資すれば銀行の頭取の首がとぶのだった。
しかし・・・一度関係を持ったヤクザを排除するのは・・・ある意味、命がけなのであった。
猫田は・・・身の危険を感じ・・・「親権問題のカウンセラー」を紹介することを条件に咲坂に協力を求めるのだった。
「ヒューガクラウド」の案件は神宮寺法律事務所の所長・神宮寺一彦(國村隼)の肝入りであり、失敗が許されないのである。
しかし・・・咲坂のアソシエイト(助手)を務める新人弁護士・熱海(賀来賢人)は難色を示す。
「それ・・・無理なんじゃないですか」
「お前は・・・黙ってろ」
口だけが達者な熱海をもてあまし気味の咲坂だった。
咲坂、熱海、そして猫田の弁護士トリオは・・・事情聴取のために「ヒューガクラウド」を訪問する。
「ヒューガクラウド」を急成長させたCEOの日向俊矢(高橋光臣)は重い口を開く。
「銀座のクラブの女と寝たら・・・そいつが亭主持ちで・・・その亭主がサンディーメディアサービスとの提携を・・・」
「美人局じゃないですか」と熱海。
「お前は・・・黙ってろ」
「どうして・・・断らなかったんです」と猫田。
「浮気したからでしょう・・・」と乱入してくる日向夫人(青山倫子)・・・。
「汚らわしいことをするからよ」と夫を詰る狂乱状態の妻である。
思わず・・・意見する咲坂だった。
「ここは・・・こらえてください・・・夫婦にとって乗り越えなければならない壁です」
「私・・・お金が好きなの・・・お金儲けに失敗しそうな男なんて嫌い」
「え」
「咲坂さん・・・あなた・・・弁護士夫人という言葉の響きをどうお考えかしら・・・」
「ええ」
「弁護士夫人・・・悪くないわ」
「えええ」
修羅場である。
離婚沙汰を避けて通りたい咲坂だった・・・心が疼くからである。
元夫婦の癖に痴話喧嘩を続ける二人に嫌気がさした夏目の助手の赤星元弁護士(山崎育三郎)は夏目を再婚させるためにいろいろと小細工を弄していた。
夏目好みの筋肉マンとの食事をセッティングしたりするのである。
噂を聞きつけた咲坂は・・・あわてて腹筋を鍛える・・・。
未練たらたらなのだ・・・。
そんな私生活の乱れを飲みこんで・・・「サンデーメディアサービス」との交渉の席につく咲坂だった。
「我が社との提携を打ち切ると・・・何故でしょうか」と睨みつけるヤクザな社長・滑志田吾郎(星田英利)だった。
「こちらの雑誌に・・・滑志田さんが・・・指定暴力団の舎弟だったと書かれています」
「つまり・・・我が社が・・・指定暴力団のフロント企業ということですか」
「そうなんでしょう」
「おいこら・・・どこにそんな証拠があるっちゅうねん・・・そんなゴミ週刊誌の憶測記事なんか・・・何の役にも立たんで・・・」
ヤクザに凄まれて蒼ざめるトリオ。
「契約解除の違約金は支払います」
「上場するそうやないか・・・そんなおいしい話・・・ほっとけるかい」
「・・・」
交渉決裂である。
事務所に戻った咲坂は・・・茂木さとみ(岡本あずさ)らパラリーガルから署名なしの白い封筒が届けられたことを伝えられる。
封筒の中身は・・・「その日に帰宅したみずきの写真」だった。
「おい・・・これは・・・」
「脅しですよ・・・みずきちゃんがどうなっても知らないぞという」
「シャブ打たれて組員に回されて海外に売り飛ばすという」
「誰がそんなことを言った」
しかし・・・事情を知った夏目は所長室に怒鳴りこむ。
「この件からは手を引いてください」
「そんなものは脅しだよ・・・頭のいいヤクザは物騒な実力行使はしない」
「バカなヤクザだったらどうするんですか」
「その時はその時だ。ノーリスクでハイリターンなんて無理でしょう」
「金ですかっ」
危険を察知した夏目は昔の我が家に急行するのだった。
「とにかく・・・やつらが企業舎弟である証拠を掴むことだ」
「・・・」
突然の母親の訪問におどろく娘。
二人は和気藹々で咲坂の苦手な辛口カレーを堪能するのだった。
シャブ打たれて組員に回されて海外に売り飛ばされる可能性のある娘を不憫に思う夏目だった。
「やはり・・・やつらは巧妙すぎて・・・尻尾を出しません」
根をあげる一同。
しかし・・・経営者として絶対に譲らない神宮寺所長はつぶやく。
「ヒントをやろう・・・こちらも無傷ではすませないという覚悟だ」
「僕たちは鉄砲玉なんかしませんよ」と一同。
だが・・・咲坂は解決の糸口を掴んでいた。
「なんですって・・・」
咲坂の提案に騒然となる「ヒューガクラウド」の経営陣・・・。
「ネットショップ事業から撤退するなんて・・・どれだけの損失が生じると思っているのですか」
「しかし・・・そうすれば・・・業務提携そのものが消滅します」
「会社かつぶれますよ」と一同。
「もう・・・結構です・・・結局、弁護士なんて・・・何の頼りにもならない」と下半身緩めの社長。
「それでは・・・弁護士としてではなく・・・一人の人間として話します」
お約束で弁護士バッヂをはずす咲坂だった。
「多くの人間がゆとりを満喫する中で・・・あなたはギラギラして・・・ここまで登りつめた・・・天晴だと思います・・・しかし・・・あなたは悪い病気に感染している・・・助かるには外科的手術が必要です・・・腕の一本や二本すっとばして・・・生き残るか・・・座して死を待つか・・・どっちにしますか」
「・・・」
「決断すれば・・・チャンスはある・・・しかし・・・結論を先延ばしにしても・・・ヤクザに食い殺されるだけですよ」
「そうですね・・・やることやった以上、捨てるものは捨てて・・・結局、綺麗な体になるしかないんですよね」
「あなたならできるはずだ」
日向は決断した。
「新しい分野を開拓しつつ・・・上場にチャレンジします」
「全力で支援しますよ」
ヤクザとふたたび対峙する咲坂。
「なんやて・・・ネットショップから撤退するってか」
「はい」
「しょうもないのう・・・」
「規定の違約金はお支払いします」
「少し・・・色つけてや」
「兄貴・・・」
「あほ・・・儲からんものにつきあっても時間の無駄や」
「賢い選択です」
「あんたの娘もシャブ打たれて組員に回されて海外に売り飛ばされずにすんでよかったのう」
「・・・」
経営危機をのりきり・・・「ヒューガクラウド」は上場企業となった。
日向夫人は咲坂に囁く。
「上場企業の社長夫人って・・・素敵な響きだと思わないこと?」
「はい」
戦いすんで・・・咲坂は・・・ソフトクリームをなめた。
「なんか・・・咲坂さんを見直しちゃいました」と熱海・・・。
「何言ってんの」と男たちを蔑む夏目だった・・・。
不幸な人間たちあっての弁護士たちの業務は続いて行く。
男と対等であろうとすれば女は男を見下すしかないし、女と対等であろうとすれば男は女を崇め奉るしかないのだ。
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まこ「やくざもんにつけこまれる商売をするようではにっちもさっちもフルドックでしゅ~。いざとなったら地元のダチに一声かけて殲滅作戦を展開すればぼぎゃあああああんでしゅよ~。鉄砲玉ロイドも即時量産体制にシフトチェンジしましゅ。いよいよ・・・ソフトクリームのおいしい季節・・・まこかま工場でもカマボコソフトクリームの開発に着手するのデス!」
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