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2016年6月21日 (火)

ゆとりですがいかが(岡田将生)

青春の旅の終わりはいつも少しさびしい。

傑作ドラマの最終回のようなものだ。

いつまでも子供でいたいけれど・・・そうは問屋がおろさないわけである。

それは・・・ゆとり世代には通じないフレーズじゃないか。

いや・・・今日、「スマホの使い方教室」を見ていたら、わからない言葉をガンガン検索するみたいだから大丈夫じゃないか。

クドカンドラマを味わうためにはある程度、知能や教養が必要だが・・・ある程度、馬鹿でもそこそこ楽しめる。

「優しい世界」では「馬鹿」をバカにしたり、「醜女」をブスと言ったりしてはいけないわけだが・・・クドカンのドラマの登場人物は基本的に「どうしようもない人」だったり「困った感じのブス」だったりするわけである。

しかし・・・そういう人たちを優しく抱擁するようなところがある。

なんとなく・・・泣きたくなるような・・・とにかく・・・抱かれたくなるような・・・そんな優しさである。

時系列のシャッフルは秩序へのチャレンジだ。

それは・・・基本的に表と裏がある人間の心を深く突き刺す手法である。

そのまま味わえるのが一番だが・・・春ドラマの最終回の最終回だし・・・少しだけ整理しておこう。

で、『ゆとりですがなにか・最終回(全10話)』(日本テレビ201606192230~)脚本・宮藤官九郎、演出・水田伸生を見た。:結婚式を控える坂間正和(岡田将生)と宮下茜(安藤サクラ)・・・。七年間、全力で「みんみんホールディングス」に人生を捧げてきた茜は喪失感に苛まれる。同時に心に刺さった釘・・・上司の早川道郎(手塚とおる)との一夜の過ちが正和への後ろめたさを募らせるのだった。すべてを打ち明けた上で正和に許され・・・さらに深く愛を感じたい。茜の間違った女心は暴走を開始するのだった。

その結果・・・牛丼屋で・・・冷酒を頼んだ正和は・・・打撲によって痛んだ利き手で瓶をつかみ損ね・・・叫ぶことになるが・・・それは近未来の話である。

10月10日(月)赤口(火の用心)

酒蔵の片隅で塞ぎこんだ茜に甘い言葉を囁く正和。

「やはり・・・茜ちゃんだけ・・・復職したらどうかな・・・なんだったら・・・僕から早川さんに相談してみようか・・・」

「その名前は言わないで」

思わず口走る茜である。

茜を心底愛する正和は一瞬ですべてを洞察する。

ほとんど・・・超能力者である。

「え」

正和を心底愛する茜もまた・・・正和が悟ったことを感知する。

「どうして・・・そういうところだけ勘がいいのよ」

ダメ惜しされて正和は・・・「茜と早川課長の不適切な肉体関係」をダイレクトに受け止め・・・懊悩するのだった。

「うわああああああああああ」

「ごめん・・・話を聞いて」

「うわああああああああああ」

「どうした」と駆けこんでくる坂間酒造の長男・宗貴(高橋洋)・・・。

「サイレンなの・・・火事なの」と身重の嫁のみどり(青木さやか)・・・。

「はやかわああああああああ」

「早川?・・・ミステリー?」と会心のボケを決めるみどりだった。

10月11日(火)先勝(善は急げ)

正和は・・・早川をいつものカフェに呼び出す。

「ごめんな・・・結婚式・・・出張が決まっててさ」と欠席を詫びる早川課長・・・。

「実は・・・宮下さん・・・仕事がしたいみたいなんです」

「え」

「会社に戻ることはできないでしょうか」

「それは・・・ちょっと難しいな・・・どうしてもというなら心当たりを当たってみるが・・・」

「それは・・・やましいことがあるからですか」

「ええっ」

「どうなんですか」

「えええええ・・・何を言ってるかわからんが・・・失礼だぞ」

「・・・」

早川は大人としてとぼけた。

実刑判決は免れ・・・執行猶予中の道上まりぶ(柳楽優弥)は植木職人として働いていた。

「この前科者が・・・」といたぶりにかかるぼったくりの被害者・・・。

しかし、植木職人の親方(半海一晃)が優しく声をかける。

「そいつだって食わなきゃならねえんだ・・・嫌ならお前がやめな・・・」

まりぶは人の情けが身に沁みるのだった。

性教育の授業を週末に控え・・・ついに・・・教え子の母親である奈々江(石橋けい)と密会する童貞の山路(松坂桃李)・・・。

奈々江は密会場所としてラブホテルを選択するのだった。

「二人きりで逢いたいっていうから」

「いえ・・・僕は・・・女性のいろいろな部位について・・・口にするので」

「ごめんなさいね・・・田舎からおばあちゃんが来ていて・・・ゆっくりしてられないの」

童貞キラーの菜々江は山路の首に手を回し・・・自慢の部位を押しつけてくるのである。

「お・・・お母さん」

「お母さんじゃないでしょう・・・おっぱいでしょう・・・山路くん」

思わず奈々江をベッドに押し倒す山路。

しかし・・・奈々江の息子の顔が脳裏に浮かぶのである。

欲情しているのに勃起しない・・・童貞にはよくあることです。

結局・・・時間切れなのであった。

奈々江が去った後で・・・居酒屋「鳥の民・高円寺店」の女子大生アルバイト・佐倉悦子(吉岡里帆)から着信がある。

思わず・・・呼び出す山路。

ダブルヘッダーである。

二人は全裸で抱き合うが・・・欲情しているのに勃起しない・・・童貞にはよくあることです。

「その・・・言いわけするわけじゃないけど・・・子供たちの顔が浮かんで」

ポーカーフェイスでふりかえる悦子。

「・・・」

「やまじ~・・・赤ちゃんってどうやって作るの~って・・・」

「いい先生ですね」

「・・・」

「それ・・・前に僕が言った・・・いい先生にならなくてもいい人間になってほしい・・・へのアンサーソング的なことですか・・・つまり・・・僕が人としてダメ・・・みたいな」

「性教育の授業いつですか・・・」

「週末です」

「健闘をお祈りします」

悦子は握手を求めて手を差し出す。

山路はその手を握ったが・・・結局、童貞喪失ははたせなかったのだ。

10月12日(水)友引(親しき仲にも礼儀あり)

ボルダリングジムで・・・茜と遭遇する山路。

二人は居酒屋「鳥の民・高円寺店」へ・・・。

背景では・・・悦子がテキパキと働くのだった。

「えええええ」

すべてを打ち明ける茜。

「そうだよ・・・最初に何でも話せる山路に話すべきだったよ」

「でも・・・後悔してるなら・・・ちゃんと・・・正和くんに謝らないと」

「でも・・・凄く傷ついてるんだ・・・これ以上・・・痛い思いはさせられないよ」

「だけど一回だけなんだろう」

「これだ・・・一回は一回だし、ゼロじゃないし・・・一回ずつ百人とやったらいいのかよって話しだし」

「失礼しました~」と何故か謝罪する通りすがりのバイトリーダーの村井(少路勇介)・・・。

「そんなこといったって」

「じゃ・・・殴ってよ・・・」

「え」

「私も痛みを味わないとバランスがとれないよ」

「そんなことできないよ」

「友達でしょう」

思わずジャブを繰り出す山路。

豹変する茜である。

「ちょっと・・・何すんのよ」

「と、ともだちパンチ・・・」

「いたあああああい」

飛んでくる悦子だった。

「私・・・見てました・・・どんな理由があっても女性を殴るなんて最低です」

「いや・・・だけど・・・」

「いたあああああい」

「氷ですね」とバイトの中森(矢本悠馬)・・・。

「いや・・・警察だろう・・・傷害の現行犯だし」と褒められて伸びるタイプの店長・山岸(太賀)・・・。

「ええええええええええ」

10月13日(木)先負(過信は禁物)

いつものカフェでレンタルおじさんこと麻生厳(吉田鋼太郎)のお世話になる山路だった。

「おおいおい・・・ついに女の人を殴ったんですよ・・・童貞の上にDV野郎なんですよ」

「まあまあ・・・」

「童貞のDV野郎になんか性教育の授業なんて無理ですよ」

「いや・・・小学生相手の性教育に必要なのは知識で経験じゃないでしょう」

「そんな綺麗事なんて聞きたくないんですよ」

「綺麗事って・・・」

「性教育に託けて・・・やりたかっただけなんです」

「え」

「セックスしたかったんですよ・・・」

「・・・」

「したかったなあ・・・セックスしたかったああああ」

「うるさいですよ」

周囲の目を気にして山路の口を思わず塞ぐレンタルおじさんなのである。

今さらかっ。

10月14日(金)仏滅(泣きっ面に蜂)

どんな時も・・・どんな時も・・・時は流れて行くのだった。

「阿佐ヶ谷南小学校4年2組」の教壇に立つ山路だった。

黒板に裸の男女の絵を描き・・・「思春期」そして「異性」と書く山路だった。

副担任のポジションで山路を見守る藤原教頭(原扶貴子)・・・。

「思春期になると・・・男の子は精通があり・・・女の子は・・・」

女の子の絵に乳房を描こうとして躊躇する山路だった。

「何をこだわってるんだ・・・」と教室を覗く太田学年主任(小松和重)・・・。

「カタチじゃないですか・・・」と教師・円山(加藤諒)・・・。

「たれすぎてる!」と女教師・島本(菊池美里)・・・。

「丸みをおびてふくよかになります」と思わず助け舟を出す教頭だった・・・。

「そうなるのは・・・身体が大人になって・・・お父さんやお母さんになるための準備が出来て行くということです」

なんとか・・・性教育を成し遂げようとする・・・童貞教師だった・・・。

やがて・・・おしべとめしべの出会いについて語る山路・・・。

教頭は・・・「子供が生まれる確率的な問題」についてフォローする。

「つまり・・・赤ちゃんが生まれるのは・・・奇跡のようなものなのです」

「だから・・・身体が変化していくのは・・・当たり前のことなのです・・・誰かのおっぱいが大きいとか小さいとか・・・毛が生えたとか生えないとかで・・・笑ってはいけません・・・」

「先生は・・・もう大人ですか」と質問する男の子・・・。

「うん・・・そうだねえ・・・先生は来年・・・三十歳です・・・君たちから見れば凄く大人に見えるでしょう・・・でもね・・・大人だって・・・色々悩むことはありますよ・・・二十年後・・・君たちは三十歳になります。そして・・・身体は大人でも・・・心はまだ思春期のままかもしれません。山路だって・・・まだまだ間違ったり失敗したり・・・身体は大人でも心は子供みたいです。でも・・・人間は間違う生き物です・・・みんな間違いを犯す・・・好きになってはいけない人を好きになったり・・・無駄遣いをいけないことと知りつつしてしまったり・・・だから・・・先生は誰かが間違ったことをしても許すことのできる人間になりたい・・・みんなにもそういう大人になってもらいたいのです」

山路はなんとか成し遂げた。

完璧な授業ではなかったかもしれない。

しかし・・・児童たちは・・・そんな山路先生が大好きなのだ。

「やまじ~あそぼ~」

子供たちに囲まれて・・・山路は今という時を噛みしめる。

10月15日(土)大安(馬鹿につける薬なし)

性教育の後の結婚披露宴の司会というハードなスケジュールに挑む山路はタブーの白いスーツで家を出る。

結婚式の準備に忙しい坂間家。

喪中の慶事に仏壇の中の人に詫びる未亡人の和代(中田喜子)・・・。

白無垢を着る頬を打撲した花嫁の茜にこっそりと母の形見の指輪を贈る和代。

「みどりさんには内緒よ」

しかし・・・みどりは見ていた!

晴れ着に着替え終わったところで正和の妹・ゆとり(島崎遥香)は「お母さん、おしっこ」と甘えるのだった。

目が覚めた山岸は二度寝する。

都下の田園風景の中・・・狐の嫁入りのような花嫁道中・・・。

神社へ向かう途中の三差路で羽織袴の新郎・正和の足がとまる。

「だめだ・・・こんな気持ちじゃ・・・神様の前にでられない」

「え」

唖然とする家族を残し・・・走り去る正和である。

郊外へ向かう電車の中で山岸は呟く。

「やべえ・・・遅刻じゃね」

正和はタクシーに乗ってそれほど遠くない早川の一戸建て住宅に到着する。

早川は愛車を洗車していた。

「あ・・・これ・・・これから出張だから・・・本当だよ」

「・・・」

問答無用でストレートパンチを繰り出す正和。

朝から正装した男に何故か殴られたところを玄関先で早川の妻と幼い息子は見た!

自分の暴力に驚愕した正和は現場から逃走。

家族にふるわれた暴力の理由を悟られたくない早川は洗車ブラシをもって追いかける。

通り魔的犯行に見せかけるためである。

それが大人というものだ。

犯罪を犯しても警察に逮捕されるのは全体の三割に過ぎないのである。

つまり・・・三回目は注意しないといけないということだ。

逆にこのドラマではまりぶが逮捕されているので正和も山路も暴力を見逃されたのだ。

正和は街角の牛丼屋に入店する。

花婿抜きで神社に到着した花嫁行列。

茜は一人・・・神前に向かう。

「茜ちゃん」

「三々九度の時間です」

「そんな一人で・・・」

「なんだったら・・・私が代理を務めましょうか・・・四回ほど経験があるので」

「やらなきゃ・・・あきらめきれないから」

「あきらめるな・・・俺が必ず弟を捜してくるから」

「冷酒をください」

時刻を確かめた正和は・・・藁にもすがる思いで一人三々九度を決行する。

しかし・・・瓶を掴もうとした手に激痛が走る。

人を殴れば手が痛い法則である。

それでも・・・諦めずに・・・冷酒を頼み直す正和。

時空を越えた固めの杯を・・・神様は見ていた!

「この世のすべては奇跡なのです」

「この世のすべては運命なのです」

「この世のすべてはめぐり会いです」

「アンタソレ・・・トリザラヨ・・・ニホンジンノクセニジョーシキナイネ」

「え・・・」

顔をあげた正和は行方知れずだった道上ユカ(瑛蓮)・・・中国名・胡冰鈴(フー・ビンリン)を発見する。

「ユカさん」

「ナニスルカ・・・ワタシ・・・吉田よしえ・・・専門学生ヨ・・・」

「ユカさんでしょう」

「ハナセ・・・パワハラか・・・」

披露宴会場に到着した山路は・・・極道の襲名披露のような座敷に驚愕する。

「シャ、シャンパンタワーは・・・ウエディングケーキは・・・」

「うちは・・・神前結婚式で和風の祝言と代々決まってます」

そこへ到着する極道の親分のような花嫁の父の宮下重蔵(辻萬長)と極道の若頭のような花嫁の兄の和重・・・。

「ひ」

山路の寿命は急速に短縮した。

正和からの連絡を受けまりぶは職場から自分の部屋へ全力ダッシュでたどり着く。

「誰もが道に迷います」

正和を捜すレンタルおじさんは墓地に迷い込んでいた。

「地獄でなぜ悪い」

着座したの村井とバイトの中森は空席を見る。

「ういーっす」と遅刻して到着する山岸だった。

「めしべとおしべは出会います」

再会するまりぶとユカ。

「コイツノセツメイ・・・チンプンカンプン」

「どうして・・・逃げたんだ」

「まりぶ捕マッタラ・・・日本ニイラレナクナル」

「大丈夫なんだよ・・・出生届け出してるから・・・申請すれば残留許可が下りる」

「結婚シテイナクテモカ」

「うん」

「日本、チョロイナ」

祝言の席でごねる花嫁の父。

「身元も確かだし・・・若いのにはっきりとものを言う男と信じたから結婚ば認めたのに・・・娘は連れて帰るとたい」

しかし・・・花嫁は来客に酌をしていた。

「もう・・・始ってると・・・あんた・・・声が大きくて丸聞こえたい」

年長者として同郷の男を嗜める・・・正和に恩義を感じる野上(でんでん)だった。

「殴ったらすっきり・・・すると思ったんだ・・・でも・・・人を殴るなんて初めてだし・・・手は痛いし・・・これ・・・骨折してるかな・・・俺って本当に無力だよなって」

「骨折してねえよ」

まりぶはロープを握りしめる。

そして、中国語でユカにタクシーを呼ぶように指示するまりぶ。

突然、泣きだす愛児セレブ・・・。

まりぶは正和を布で包んで目隠しすると手早く拉致するのだった。

なんか・・・やってるのか・・・すでに・・・そういうことも経験済みなのか・・・。

花婿抜きで始った披露宴。

「好きになってはいけない人を好きになった人も許してあげられる人に」

「えーっ・・・新婦の父上にご挨拶を・・・はしないほうがいいみたいなので・・・新郎の母上にご挨拶を・・・も無理みたいなので・・・乾杯の御発声を野上さんに」

「え・・・私」

「なるべく長めでお願いします」

花嫁の父親は激怒・・・花婿の母親は号泣。

花婿の妹はしょげた顔をしている。

地獄のような披露宴に必死の司会者である。

「えーっ・・・スカートとスピーチは短い方がいいと言います・・・乾杯」

「あまちゃんかっ」

「乾杯・・・」

そこへ・・・正和を確保したまりぶが乱入する。

「二人でちょっと話があるんで・・・みんな外に出て」

「二人が出た方が早いんじゃ・・・」と山路。

「頭いいね・・・外に出ろ・・・ブス」

「まりぶくん・・・ブスはダメだよ」

「おっぱいが大きいとか小さいとかおならをしたとかしないとかキレイとかブスとかで人を笑ってはいけません」

泣きだす花嫁。

「泣くな・・・ブス・・・化粧が落ちる」

「まりぶくん・・・ブスはダメ」

「私・・・結婚なめてた・・・こんなに恥ずかしくてこんなに口惜しくてこんなに心細い思いをするのはもういやだ・・・私・・・まーちんと結婚できないなら・・・一生結婚なんかしない」

茜の絶唱である。

心が震える正和。

「僕も・・・茜ちゃん以外とは一生結婚しないことを誓います」

「まーちん」

「茜ちゃん」

正和に駆け寄ろうとする茜だが足が痺れていた。

それでも必死にのたうちまわる茜である。

「蒲田行進曲か」

「ヤスと銀ちゃんか」

「貞子か」

「伽椰子か」

「ヘビ女か」

「打ち上げられた大王イカか」

「断末魔のトドか」

「脱皮する芋虫のクロール」

「生まれたてのカバか」

「お座敷ストリップか」

はいずりおわり力尽きたちょっと甘えたしゃべり方をする愛しいブスを抱きとめる主人公。

「では・・・ここで新郎新婦の誓いのキスを」

熱烈キスにどよめく一同。

目の前で繰り広げられる面白い光景に思わず立ち上がり拍手をするゆとりだった。

時間を止める記念撮影。

そして迷子だったレンタルおじさんが宴へとたどり着く・・・。

2017年のエピローグ(鬼が笑う)

坂間家の朝食光景。

茜は寝坊しているゆとりを義姉として起こし、パジャマ姿をサービスさせる。

甘えん坊の夫のネクタイを結ぶ新妻である。

正和は「みんみんホールディングス」に新作銘酒「ゆとりの民」を売り込む。

「勝手にコラボですか」と消極的な姿勢を示す山岸。

だが・・・正和の根拠ある迫力に屈する早川だった。

「検討しましょう」

「ありがとうございます」

まりぶは大学入試に挑んだ。

研修生として旅行代理店の窓口業務につくゆとり。

「オフショアは最高ですよね」

サーファー気取りで家族旅行の申し込みにくるレンタルおじさん。

「ごめん・・・何言ってるのか・・・わかりません」

塩対応かっ。

カーテンコールである。

坂間酒造の営業職募集に応じた舎弟こと豊臣吉男(長村航希)・・・。

フェミニストなので産気づいたみどりの手を振り払うのだった。

みどりは男児を無事出産した。

居酒屋「鳥の民・高円寺店」には「ゆとりの民」のポスターが張られている。

まりぶとユカの婚姻届に保証人としてサインをする山路。

まりぶは11年かかって誰でも入れる東京中央大学の学生となっていた。

アルバイトの制服が可愛い悦子は銘酒「ゆとりの民」を推奨する。

鳥の民でゆとりの民を飲むゆとりたち。

「そろそろ看板です」

一人、また一人と去っていくゆとりたち・・・。

「お勘定はあちらの方が・・」

まりぶとユカは仲良く去っていく。

「お待たせしました」

私服も可愛い悦子は山路と腕を組む。

今夜こそ・・・山路には童貞を卒業してもらいたい。

祈りながら坂間夫婦は店の後片付けを手伝う。

息も合い手際もいい二人。

しかし・・・お皿は割れるために作られるのだ。

響き渡る破壊の音・・・。

「失礼しました~」

「失礼しました~」

時は流れて行く・・・どうか・・・誰もが幸せに暮らせますようにと。

関連するキッドのブログ→第9話のレビュー

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コメント

キッドさん☆
春ドラマレビューお疲れ様でした‼︎

今クール1番期待していた ゆとりですが
自殺したお母さんとのふれあいエピソードがちょっと重くて
リタイア寸前になりそうでした
でも3話以降 ストーリーが頭に入ってくるようになり
8話は始まってすぐに興奮状態でやっぱりクドカンは
天才だなぁ すごいな〜 とクドカンドラマを見る幸せを
しみじみと感じてました
実は9話までと比べると最終回は違う時系列のものを挟みながら
展開しているし
山路の相手が誰なのかよくわからなくなってしまい
そのあたりから混乱してきて
今ひとつ入り込みずらかったです

でも でも
キッドさんの最終回大サービス^ ^
時系列整理してのレビュー ☆プラス ツッコミ‼︎が楽しくて 楽しくて♪
おかげで大満足の最終回になりました(*^^*)

まりぶ みたいな やっていることはほめられないけれど
魅力的な登場人物たち
クドカンドラマの根底にはいつも優しさが流れていて
その人間愛は泥だらけのものにも等しく向けられ
許すことの大切さをそっと教えてくれる

今クールは
このドラマがあって
重版もあって
あたたかなメッセージたくさんもらえた気がします

投稿: chiru | 2016年6月21日 (火) 21時54分

シンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃいませ・・・大ファン

お楽しみいただきありがとうございます。
まあ・・・基本的に楽しいのはクドカンと愉快な仲間たちの作り上げたドラマなのですけれど。

キッドは基本的にウオッチャーですので
巨大だった掲示板とか皆さまのつぶやきとかも
観測しております。

誰もが意見を言える素晴らしい世界ですが
そんな風にしか理解できないものなのか・・・と
時々、唖然といたします。

自分が楽しいと思うものを
もっと楽しんでもらいたいというのは
不思議な欲求でございますねえ。

まあ・・・それも自己主張といわれればそうなのかもしれませぬ。

山路の童貞とそれを失うことに対する
特別なメンタル・・・
それを表現するとラブホでダブルヘッダーという
変態的な状況が出現する。
それをお茶の間向きに遠回しに表現しつつ
一同爆笑を誘うあのシーンにも
「わからない」の大合唱。
奈々江と悦子の区別もできず
山路が童貞喪失に失敗したことも
わからない・・・という方々・・・。
思わず・・・膝を叩き過ぎて
真っ赤になるほどの名シーンなのに・・・。

それじゃ・・・ドラマが可哀想と思うのです。

しかし・・・そういう人々もクドカンはきっと
優しく抱きしめる。

自分の信じる道を突き進むのですね。

だから・・・伝わらない部分はあったとしても
ゆとりはきっと拍手喝采できるのでしょう。

それがクドカンの自画自賛だったとしても・・・。

「木更津キャッツアイ」での裏表の手法をさらに進化させ・・・
情念で紡ぎあげた「史上最狂の結婚披露宴」・・・。

愛することの素晴らしさを堪能いたしました・・・。

おバカな正和、童貞の山路、前科者のまりぶ・・・。

こんな三人の友情が成立するところが・・・奇跡ですからねえ。

「ふぞろいの林檎たち」である以上・・・
このトリオがいつかまた戻ってきてくれることを
信じたい今日この頃でございます。

いよいよ・・・季節は梅雨へ・・・。
そして夏へ・・・。
chiru様もご自愛下されますようにお願い申し上げます。

投稿: キッド | 2016年6月21日 (火) 23時00分

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