だまってすわれば三億円(竹野内豊)ふりかえれば元家族(松雪泰子)結婚詐欺師でお馴染み(小松彩夏)
セーラーヴィーナスこと小松彩夏は・・・2016年の冬ドラマ「家族ノカタチ」の丸山久美役に続いて、結婚詐欺師役で登場である。大田蘭子が本名なのか偽名なのかは取調によって明らかになるだろう。
それにしても・・・なかなか狙ってできることじゃないよね。
夏ドラマでも結婚詐欺師役で誰かキャスティングしてほしいよね。さらに言えば秋ドラマでもやって一年に四回の結婚詐欺師役という金字塔を打ち立てて欲しい・・・。
まさに金星の女に相応しいことだ。
ちなみに・・・「家族のカタチ」の被害者は主人公の同僚・佐々木(荒川良々)で・・・こちらでも主人公の同僚・猫田(杉本哲太)だった。
ドラマ「あまちゃん」の北三陸駅の駅長と副駅長である。次は漁協の組合長か観光協会長あたりがターゲットになればいいと思う。
まあ・・・それ以外についても・・・すべてが予想通りの展開で・・・なんていうか波風立たないドラマです。
で、『グッドパートナー 無敵の弁護士・第8回』(テレビ朝日20160609PM9~)脚本・福田靖、演出・本橋圭太を見た。今年の春ドラマは例年より早めに店じまいするような気がする。これも来週が最終回になるらしい。なんとなく・・・オリンピック体制を感じるな。そうか・・・五輪の夏か・・・。2016年8月5日から8月21日までがリオ五輪となると・・・七月開始のドラマはいろいろとアレだもんな・・・。みんな・・・なんとなくソワソワしているのはそのせいか・・・。都知事をどうするのか・・・そろそろ決着つけないととか・・・周囲の人が憂鬱になったりするわけだなあ。まあ・・・関係ないけどなあ。
このドラマでは・・・「弁護士」である前に「人間」が強調されるわけだが・・・どことなく・・・それが「グレーゾーン」への「キー」になっている気がしないでもない。「違法ではないが不適切」という「相手」を無理矢理、「罪」に追い込む「展開」である。
今回であれば・・・施設の定期点検が・・・行われていなかったにも関わらず・・・「営業」を続けた旅館経営者の不適切さには触れないで・・・「嫌な感じの人々」を一方的に懲らしめる話である。なんだかなあ・・・と思うが・・・そういうドラマもあってもいいか。
そもそも・・・「お金儲け」を前提とした弁護士たちの物語だからな。
温泉旅館「しらかぜ荘」の爆発事故に関して施設・所有者の土井垣設備に損害賠償を求める民事訴訟裁判の第一回口頭弁論に挑んだ原告の「しらかぜ荘」経営者・島津佐知子(あめくみちこ)と夏目弁護士(松雪泰子)、そして赤星弁護士(山崎育三郎)・・・。
対する被告は土井垣茂(福田転球)で・・・「岬&マッキンリー法律事務所」の岬伊知郎弁護士(正名僕蔵)とロボット弁護士(羽場涼介)が代理人となる。
土井垣が後援会を勤める地元選出の代議士・荒木田正直(清水紘治)が暗躍し、刑事責任を問われなかった爆発事故だが・・・夏目は民法第717条の「工作物責任」を根拠に工作物の所有者の無過失責任を問うのだった。
地裁の裁判官は・・・利根川浩一郎(新井康弘)で夏目の顔見知りである。
今回の見せ場は・・・「同意すると鼻の穴が開く癖」を持つ利根川裁判官の「鼻の穴」である。
面白いと思えば面白い世界なんだな。
利根川は・・・土井垣の「賠償責任」では鼻の穴をおっぴろげる。
「勝った」と思った夏目・・・。
しかし・・・「請求額」の「一億四千万円」には鼻の穴が開かない。
被告側の「建物の修復や休業中の損害を補てんするおよそ四千万円」という「金額」に鼻の穴を広げる利根川だった・・・。
「負けたわ・・・」と元夫の咲坂弁護士(竹野内豊)に報告する夏目だった。
「つまり・・・賠償責任は認められたが・・・賠償金額が減額されるということか」
「一億円の赤字よ・・・」
「それじゃあ・・・弁護士事務所は四百万円しか・・・とれないな」
「もうしわけありません」と俯く赤星。
「いいのよ・・・一銭も払わないと言った相手から・・・四千万円もとれるなら」と島津未亡人。
「しかし・・・それじゃあ・・・借金返済が・・・」と蒼ざめる熱海弁護士(賀来賢人)だった。
熱海の幼馴染であり、「しらかぜ荘」の跡取りである勝太(渋谷謙人)を助けたい一心の熱海なのである。
「もう一度・・・作戦を考えよう・・・」と咲坂。
「事故さえなければ・・・一億四千万の負債は発生しなかったのですから・・・それを立証できればいいんですよね」と熱海。
燃える・・・神宮寺法律事務所のメンバーたち。
しかし・・・お見合いパーティーで知りあった大田蘭子(小松彩夏)との結婚の夢に浸る猫田弁護士(杉本哲太)は・・・蘭子の求める「二百万円」を準備して・・・待ち合わせ場所にいた。
しかし・・・蘭子は姿を見せない。
電話しても留守番電話サービスに接続されてしまうのだった。
蘭子の身に何があったのだろうと・・・危惧する猫田。
翌日・・・パラリーガルである茂木さとみ(岡本あずさ)はニュースサイトを見て城ノ内弁護士(馬場園梓)を呼ぶ。
「見てください・・・」
「あ・・・この人は・・・猫田先生のデートの相手・・・」
大田蘭子は結婚詐欺の容疑で逮捕され・・・報道陣に対し不敵な笑みを浮かべていた。
「にゃあああああああ」
猫田は事実を知り・・・卒倒した。
一方・・・咲坂は仕事の同僚たちを・・・家に連れ帰っていた。
「ちょっと・・・仕事が終わらなくて・・・」
赤星と熱海・・・そして夏目・・・。
「ママ・・・」とみずき(松風理咲)・・・。
夏目にとっては元「我が家」である。
密かに咲坂を狙う家庭教師の島谷涼子(宮﨑香蓮)は動揺するが・・・だからといってそういう話にはならなさそうだ。
島谷は・・・熱海の後輩の女子大生である。
第ニシリーズがあるとすればパラリーガル候補か・・・。
ベトナム料理でもてなすグエン(上地春奈)は・・・赤星に目をつける。
「レッド・・・バトラーか」
「風と共に去りぬ・・・ではありません」
赤星は・・・君のためなら死ねる系ミュージカル・スターなのである・・・おいっ。
岩清水→砂清水→赤清水である・・・おいおい。
ミュージカルというある意味、空気を読まない舞台芸術を揶揄する風潮はいかがなものだろうか・・・おいおいおい。
「騒がしくてすまない・・・」と娘に詫びる父。
「ううん・・・パパと二人きりより・・・にぎやかで楽しいよ」
「・・・」
宴のあとで・・・しんみりしてしまう咲坂と夏目とみずき。
「パパとママはベストフレンドになるつもりだ・・・みずきもうれしいだろう」
「それなら・・・パパとママに戻ってよ・・・」
顔を見合わせる元夫婦・・・。
「パパとママがともだちになったって・・・うれしいわけないじゃん」
「・・・」
引き籠った娘に話をしようとする咲坂をひきとめる夏目。
「そっとしておきましょう」という阿吽の呼吸である。
「あの・・・俺たち・・・」と何かを言いかける咲坂・・・。
しかし・・・言葉を飲み込む咲坂だった・・・。
そもそも・・・離婚を言い出したのがどちらなのかさえ・・・提示されていない・・・気持ち悪い展開である。
冒頭で離婚訴訟で徹底抗戦する二人を見せなかったのが・・・このドラマの構成ミスである。
元鞘に収まるにしろ・・・そうでないにしろ・・・発端が曖昧すぎてお茶の間置き去りなのである。
ダメ親父だったから・・・バカ嫁が切れたでいいじゃないか。
結局・・・幼い娘を苦しませているダメでバカな両親なのだから・・・。
一方・・・賠償額は抑えたものの・・・責任を認めた岬伊知郎弁護士の元へ姿を見せる荒木田正直・・・。
「困るじゃないか・・・後援会の不祥事は・・・選挙に悪影響が出る」
「岬&マッキンリー法律事務所の名前にも傷がつくでしょう」と荒木田の秘書(村杉蝉之介)も冷たい視線を岬弁護士に注ぐのだった。
第二回弁論。
猫田の婚活が素晴らしいインターネットのお見合いがきっかけだったことから・・・素晴らしいインターネットによる弊害を申し述べる咲坂。
「しらかぜ荘にとって・・・インターネットによる広報は大切な要素です・・・しかし・・・しらかぜ荘を検索してみると・・・」
インターネットの検索サイト「beegle」には・・・しらかぜ荘・爆発事故・・・の情報が並ぶのだった。
「爆発事故による風評が・・・経営に重大な悪影響を及ぼしているのは明らかです」
利根川裁判官の鼻は開く。
しかし・・・被告側のロボット弁護士が口を開く。
「伊豆地方では悪天候の影響などで集客率が下がっているというデータもあります・・・すべてを爆発事故による風評被害であると断定するにはそれなりの証拠が必要です」
利根川の鼻は開くのだった。
「弁護士ロボットめ・・・」
「しゃべるんだな・・・」
感心する咲坂と熱海だった。
第二回も引き分けの様相である。
神宮寺法律事務所では失恋した猫田が泣き濡れ続ける。
「被害に遭わなかったんだ・・・君はラッキーボーイだ」と神宮寺所長(國村隼)が言葉をかける。
しかし・・・猫田の心は晴れない。
そこで・・・・ベテラン秘書である朝丘理恵子(宮地雅子)の出番である。
「出会いがあれば・・・別れがあるでしょう・・・別れは新しい出会いの始りよ」
「新しい出会い・・・」
猫田は正気を取り戻した。
そこへ・・・荒木田の秘書が現れる。
「つまらないものですが・・・」という手土産を拒絶する弁護士一同。
「一部の企業に・・・特殊な便宜をはかるのは・・・公職にあるものとして・・・不適切と言えます」
目覚めたばかりの猫田が告げる。
「しかし・・・違法ではないでしょう」
「不適切な人が公職にあるのは不適切そのものじゃないですか」
「・・・」
かっこいい猫田に拍手喝采の一同。
「弁護士バッヂを外すところだったか」
「今のは弁護士のセリフですから」
とにかく・・・脚本家はここには拘りたいらしい・・・あまり効いてなかったけどな。
こういうのは・・・「おふざけ」の範疇だが・・・それなりに・・・相応しい演出が要求されるのである。
特に・・・弁護士バッヂにものを言わす場面とのセットとかねえ・・・。
まあ・・・それが既に周知されているという前提なんだよ・・・きっと。
高尚かっ。
調子にのった猫田は咲坂にアドバイスする。
「データは上書きすればいい・・・統計的手法には統計的手法で応ずるのです」
「なるほど」
神宮寺法律事務所一同は・・・「しらかぜ荘」周辺の宿泊施設に電話によるリサーチを開始するのだった。
第三回弁論。
「爆発事故直後から・・・しらかぜ荘は従業員の再教育をはじめ・・・営業再開後もサービスの充実に努めてきました・・・ここにそのために必要だった経費の概算がまとめてあります」
熱海はしらかぜ荘の経営努力を訴える。
膨らむ裁判官の鼻。
「しかし・・・経営不振と爆発事故の因果関係は説明できないでしょう」と被告陣営。
膨らむ裁判官の鼻。
「これをごらんください・・・」と咲坂が立ちあがる。
「これはしらかぜ荘周辺の全旅館の・・・集客率を示すものです」
「え・・・調べたの」
「はい・・・総力をあげて・・・」
示される・・・前年と今年度の比較。
「確かに・・・悪天候の影響で全体にマイナスになっていますが・・・その前年度比はマイナス5パーセントにも満たない。それに対し・・・しらかぜ荘だけが前年度比・・・マイナス80パーセントとなっています。これは明らかに・・・爆発事故の影響を示しています」
膨らむ裁判官の鼻。
「これをもって・・・原告は被告に対して三億円の賠償金を請求します」
利根川裁判官の鼻は全開した。
「なんだと」と土井垣は周囲を見渡す。
しかし・・・利根川裁判官の鼻を見つめる岬弁護士は敗北を悟っていた。
岬も利根川と顔見知りだったのだ。
「このまま・・・裁判を続ければ・・・判例が残りますよ」
咲坂は岬に囁く。
「・・・」
ロボット弁護士は怪光線で熱海を威嚇するのだった・・・おいっ。
裁判官から神宮寺法律事務所に電話がある。
被告側は和解に応じ・・・賠償金を三億円で了承したのだ。
「勝った・・・」
喜びに沸く・・・一同。
「成功報酬は経費を含めて三千万プラスアルファというところか・・・君たちはやはりグッド・パートナーだな」
神宮寺所長は微笑む。
咲坂は・・・尋ねた。
「所長は・・・私たちにベストフレンドになれとおっしゃいましたが・・・娘はそれを望まないようです」
「君は勘違いしているよ・・・」
「?」
「私はベストフレンドからやり直したらどうだ・・・と言ったのだ」
しかし・・・その頃・・・ヴィーナス法律事務所の代表弁護士・美山亜希子(峯村リエ)は・・・夏目を勧誘していた。
「パートナー弁護士として・・・うちに来ない・・・今よりずっと稼げると思うわよ」
どうやら・・・ヴィーナスの方が・・・神宮寺より格上の事務所らしい。
こうして・・・物語はだらだらと最終回へ・・・おいおいおいっ。
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まこ「人生にはつらいことや・・・かなしいことがあるけれど・・・ミュージカルならどんな場面でもみんなが歌い出すことができましゅ。雨に降られても・・・恋が上手くいかなくても・・・敵の軍隊に追われても・・・歌うだけで幸せがやってくるのデス・・・さあ・・・ぼぎゃああああんと歌って踊るのでしゅ~・・・しーんぎんざれいーんしーんぎんざれいーん・・・♪」
エリ「企業弁護士のお仕事は割と地味めですね~。まこちゃんはついに踊りだしてしまったのね~。まあ・・・メンバーにミュージカルロイドがいるから仕方のない展開でス~。それにしても土井垣さん・・・きちんと三億円払えるのかしら~・・・管理の甘い会社なのでボロ儲けしているのかもね~。それなら懲らしめの意味でもふんだくってやるのがいいのでス~」
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