笑え・・・笑うがいいさ・・・残酷なことを為すために(長澤まさみ)
ココログの障害発生で・・・ヒヤヒヤしながら更新てす。
他人のふんどしで相撲を他所様の軒先でとっているからな・・・。
久しぶりののヒロイン・きり(長澤まさみ)の登場で安堵したよ。
通説では真田信繁の正室は大谷吉継の娘あるいは姪または妹で生年不詳の法名・竹林院殿梅渓永春大姉である。
ドラマでは堀田興重の妹あるいは娘が一度正室となり、娘を出産しているので・・・竹林院は継室となる。
高梨内記の娘であるきり(仮名)は側室として於市と阿梅の二人の娘を生むはずだが・・・於市は早世で・・・阿梅は竹林院が産んだと言う説もあり・・・ギリギリのところで虚構のかけひきをしている脚本家なので油断はできない。
信繫の側室には豊臣秀次の娘とされる隆清院がいて一男一女を生んでいる。
信繫~きり~秀次の三角関係を無理矢理ぶっこんできている展開なのである。
なにしろ・・・豊臣秀次といえば色事師である・・・そして本人はともかく・・・その愛妾たちにはとんでもない運命が待ちかまえているわけだ。
秀次にプロポーズされちゃうなんて戦慄のホラー・サスペンスだからな・・・。
で、『真田丸・第25回』(NHK総合20160626PM8~)脚本・三谷幸喜、演出・渡辺哲也を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は堺の納屋衆「とと屋」の息子にして「茶の湯」の改革者・千利休の描き下ろしイラスト大公開でお得でございます。商人と芸術家という二つの顔を持つ利休は・・・最近では朝鮮半島への侵略者という外交に配慮した悪名を与えられがちな秀吉を「残虐な独裁者」として描くための道具として・・・利休を「不運な芸術家」風に扱うことが多いわけですが・・・今回は「商人」の顔を前面に押し出してトレビアンな感じに仕上がっておりましたな。利休という名には様々な解釈が可能ですが・・・商人としては「利」は絶対的な価値の根源のようなもの。「利を休む」とは文字通り・・・商人であることを忘れて茶人として夢中になることだと素直に解釈すれば・・・今回の利休像が浮上してくるわけでございます。「秀長様も悪でございますなあ」「とと屋お前もなあ・・・」と商売に関してはいろいろと悪い噂のある豊臣秀長と・・・悪徳商人千利休の手切れな感じも匂い立つ今回の筋立て・・・。死期を悟った表の顔役である秀長が裏の顔役である利休に仕掛けた罠の気配さえ感じられましたねえ。
天正十八年(1590年)一月、徳川家康の継室・朝日姫(豊臣秀吉の異父妹)死去。天正十九年(1591年)一月、豊臣秀長(秀吉の異父弟)の娘・おきくと豊臣秀保(秀吉の姉・智子の三男)が婚姻。秀長が死去。秀保が大和国と紀伊国を継承する。秀吉は諸大名に「唐入り」の遠征準備を発令する。二月、千利休は堺への蟄居を申しつけられた後に京に召され切腹。利休の首は一条戻橋に晒される。陸奥国で九戸政実の乱が発生、徳川家康や伊達政宗を率いて豊臣秀次(智子の長男)が総大将としてこれを鎮圧すべく出動。秀吉は「唐入り」のための大船建造を諸大名に命ずる。三月、秀吉は「唐入り」のための軍役を諸大名に命ずる。茶々の妹の江(浅井長政の三女)が豊臣秀勝(智子の三男)の正室となる。秀勝は美濃国を継承。六月、陸奥国一揆鎮圧作戦開始。七月、秀吉の養女で織田信雄の娘・小姫(徳川秀忠の正室)が夭逝。八月、豊臣鶴松が数え三つで夭逝。秀吉は髻を切って喪に服した。秀吉の養女で前田利家の娘・豪姫(宇喜多秀家の正室)は嫡男となる宇喜多秀高を出産。
天正十九年、正月。豊臣鶴松は高熱を発した。
北政所となった寧は鶴松が回復するとまたもや鬱を発する。
秀長を聚楽第に呼び出し・・・寧は難事を持ちかける。
茶々と茶々の産んだ子供に対する寧の憎悪は深い。
「小一郎、妾の父は小牧・長久手の合戦で家康に殺された・・・妾はそれにも耐えて、家康にええ顔しちょるのよ・・・」
「は・・・」
「だもんで・・・茶々と鶴松のことは腹にすえかねるのだわ」
「義姉上・・・おっしゃってることが無茶苦茶です」
「噂じゃ、利休は唐の忍びを飼っとるそうね」
「・・・」
「あんた・・・利休とはいい仲と聞いたで・・・一つ、口をきいておくれ」
義姉の世迷いごとをもてあまし・・・秀長は利休屋敷を訪ねる。
「義姉上にも・・・困ったもんじゃ・・・」
鶴松暗殺の相談を昵懇の秀長にされた利休は蒼ざめる。
曖昧な返事をして秀長を送りだした利休は音無しの笛を吹く。
「お呼びになられましたか」
姿を見せたのは朝鮮半島生まれの小娘・李虎鈴だった。
「小童の命など・・・どうなるか・・・わからぬさかい・・・もしもの時が恐ろしい・・・あの人の口を封じておかねば・・・我が身が危ういのや」
「仰せのままに・・・」
虎鈴は朝鮮魔法の使い手である。
京から大和郡山城に帰還する秀長の行列を追った虎鈴は・・・風花毒虫の術を仕掛ける。
一の毒を呼吸器から吸わせ・・・二の毒を虫を使って体内に注入する。
やがて・・・秀長は城内で発作を起こし・・・未明には息を引き取った。
奥州の反乱鎮圧のために人手の少なくなった京の都だが・・・飛騨の忍者・黒影が・・・その次第を見届けていた。
千利休による秀長暗殺の報を黒田官兵衛に聞かされ・・・秀吉はうろたえる。
「何のためじゃ・・・」
「秀長様と利休には闇取引の疑いがございます」
「そんなもの・・・前から見て見ぬふりをしておったことじゃ・・・」
「しかし・・・吝嗇な石田殿と・・・厳正な大谷殿が・・・昨今、取り締まりを厳しゅうなさいますので・・・」
「それを・・・惧れたと申すか・・・」
「御意」
秀吉は利休に切腹を申しつけた。
事の発端を知る・・・虎鈴は・・・主人である利休の仇討ちを思い立つ。
秀吉や寧・・・茶々を葬ることは難しかったが・・・無防備な鶴松を殺すことは簡単だった。
風に吹かれ・・・虫に刺された鶴松は三日で身罷った。
慟哭する茶々を養母である寧は優しく抱きとめた。
寧は初めて茶々を愛おしく思う・・・。
石女である寧は・・・子を亡くした茶々の憐れな背中を優しく撫でた。
そして・・・泣いた。
淀城に蝉の声が響く。
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