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2016年6月26日 (日)

何が悪いのかわからない(川島海荷)要領だってば(小島梨里杏)スポンジだよ(佐津川愛美)

春と夏の谷間である。

噂では春と夏の谷間は長いらしい。

ドラマ製作陣が疲れたのかな・・・。

しかし・・・自称・公共放送や深夜には梅雨ドラマと言うべき一群が徘徊しているわけである。

英国のEU離脱問題を観測しているために多重人格群も疲弊気味なのである。

今回もいくつかのコースがあったのだが・・・脱輪気味なのだ。

「モンタージュ三億円事件奇譚」コース・・・後篇を見てから考えたい。

「とと姉ちゃん」コース・・・手つかずだし・・・来週の空襲を見てから考えたい。

「警視庁・捜査一課長」コース・・・今さらかっ。

「春の深夜アニメ総括」コース・・・やめろっ。

残ったのは「水族館ガール」コースとコレだ。

なんていうか・・・どっちもどっちなのだが・・・「心の闇」があけっぴろげなコレの方がスムーズに書けそうなので・・・。

そんな理由かよっ。

で、『朝が来る・第4回』(フジテレビ20160252340~)原作・辻村深月、脚本・髙橋麻紀、演出・古澤健(他)を見た。2012年にはNHK総合で同じ原作者の「本日は大安なり」がドラマ化されている。優香が主人公のウェディングプランナーを演じているのだが・・・部下役に黒川智花が配されている。何組かのカップルが登場するが星野真里の花婿を演じたのが田中直樹、山口翔悟の花嫁を演じたのが佐津川愛美である。黒川智花(研音)、田中直樹(吉本興業)、佐津川愛美(ホリプロ)といずれも大手芸能プロダクション所属だし・・・制作が同じテレパックということもあるだろうが・・・ある意味、原作者のお眼鏡にかなっているのかもしれない。もちろん・・・あくまで妄想である。

物語は現在、幼稚園に通う六歳の男の子・栗原朝斗(林田悠作)の育ての母である佐都子(安田成美)と産みの母である片倉ひかり(原菜乃華→川島海荷)を巡る物語である。

不妊治療の果てに養子を得た佐都子は・・・幼い朝斗に自分が実母ではないことを告白している。

この物語が・・・偏執的な色彩を帯びるのは・・・佐都子の拘りが・・・養子の実母に執拗に向けられていることである。

具体的に明らかにされないが・・・不妊の原因である無精子症の佐都子の夫・清和(田中直樹)の苦悩への配慮は・・・佐都子には見られない。

佐都子が狂気を秘めているように見えるのは・・・朝斗が「家族の絵」を持ちかえった時である。

そこに描かれているのは・・・「清和と佐都子と朝斗・・・そして広島のお母ちゃん」だった。

もちろん・・・「性教育的な知識」の問題もあるが・・・もしも・・・「養子告知」をするならば・・・そこには「清和と佐都子と朝斗・・・そして広島のお母ちゃん・・・さらに本当のお父ちゃん」が描かれているべきだろう。

つまり・・・その絵は「子供を産まなかった女」としての佐都子の偏執の象徴なのである。

清和は・・・親子三人の平穏な生活に満足している。

だが・・・佐都子は・・・六年後に突然、現れた片倉ひかりに執着する。

そして・・・朝斗を伴って・・・ひかりの足跡をたどりはじめるのである。

恐ろしいことだ。

たとえば・・・片倉ひかりが・・・殺人者だったら・・・どうするつもりなのだ。

だが・・・狂ったように微笑み続ける佐都子は・・・無心に・・・ひかりの転落の人生に足を踏み込んでいくのである。

陽のあたる場所に佇む佐都子の心の闇こそが・・・本当は恐ろしいドラマだと考えます。

さて・・・「ゆとりですがなにか」で見られる芸術的な時間軸のシャッフルは・・・ここでは少しドラマを見にくくしている足枷になっている。

片倉ひかりの心の闇がシャッフルされすぎなのである。

ここで・・・時系列を整理しておく。

片倉ひかりより七歳年上の後藤香澄(佐津川愛美)の幼少期・・・離婚した母親に育児放棄されスポンジを食べる。

片倉ひかりの姉の茜(小島梨里杏)は誕生日に母親の咲子(赤間麻里子)による手作りケーキを食べる。

片倉ひかりは誕生日に市販のケーキを食べる。

片倉ひかりはこのケーキによる姉妹差別により傷心する。

心が歪んだ片倉ひかりは愛に狂い中学生で妊娠する。

片倉ひかりは特殊な出産施設で六歳年上の売春婦・平田コノミ(黒川智花)と同室となり、コノミの手作りのケーキで誕生日を祝ってもらい・・・不出来なケーキを泣きながら食べる。

片倉ひかりは出産し、「ちびたん」は朝斗として栗原夫妻の養子となる。

喪失感を抱き・・・自分の居場所がないと感じる片倉家に戻ったひかりは茜が母親のサイフからくすねた金を自分の仕業として糾弾された16才の夜・・・金髪に変身して母親のサイフから金を抜いて家出をする。

特殊な出産施設の寮母である浅見洋子(石田えり)が臨時のひかりの後見役となる。

近所の商店主と知りあいになったひかりは・・・商店主の死に際して借金を背負った息子の山本健太に同情し、駆け落ち同然で施設を去る。

ひかりはビシネスホテルのメイド、健太は飲食店の見習いとして働き同棲生活。

しかし、二人は姉妹のような清い仲らしい・・・そんな馬鹿な。

数年後、借金取りにひかりが発見され・・・居所が明らかになり健太は追い込まれる。

利子の返済だけでも月に十万円という法外な借金である。

しかし・・・無知な二人はただ困惑するだけなのだ。

ひかりは大学生になった茜に借金を申し込む。

「三十万円必要なの・・・」

「なんとかするから・・・住所を教えて」

「わかった」

「あなたも・・・家に帰りなさいよ・・・私があやまってあげるから」

「私・・・あやまるような悪いことをしてない」

「あなたは要領が悪いのよ」

「お金を盗んだのはお姉ちゃんじゃない」

「私は・・・バレなかったでしょう」

「・・・」

「あなたは・・・罪を世界に負わせる・・・そんなの何の意味もないのよ・・・役立たずの自分が残るだけ」

「!」

交渉決裂である。

幼くして悪い大人になった姉と・・・いつまでも甘えさせてくれる何かを求める妹だった。

切羽詰まったひかりは・・・危機管理のないビジネスホテルの金庫から金を盗む。

心の拠り所を「ちびたん」に求めて・・・栗原家に強請をしかけたひかりは・・・心変わりして立ち去る。

窃盗の疑いで警察に追われる二人は・・・借金取りの坂上(山田将之)に匿われるのだった。現在である。

母親の存在を憎悪する後藤香澄は別れた不倫相手の子供を妊娠していることに気がつく。

後藤香澄は上司の清和を誘惑するが・・・清和は拒絶する。現在である。

その頃・・・朝斗を連れた佐都子は・・・広島の特殊な出産施設で特殊な事情を抱えた見ず知らずの妊婦のために手作りのバースデイケーキを振る舞っていた。

不気味なほど和やかな・・・特殊な施設の宴。

目の前の相手が違法薬物の常習犯だったり、家庭内暴力の被害者だったり、反社会勢力に繋がる売春組織の一員である可能性・・・そこから生じる危険性など・・・微塵も考えず・・・お嬢様育ちの世間知らずのような佐都子は・・・わが子を危険な世界に晒すのである。

そういう恐ろしい話なのである。

しかし・・・佐都子は・・・なんだか怪しい善意によって・・・わが子を授けてくれたひかりの幸福をひたすらに願うのだった。

世界の光と闇は・・・常に交錯しているものだから・・・。

善人にも悪人にも・・・夕陽は美しいはずだから・・・。

もちろん・・・そうとは限らないと考えるのは自由である。

何が悪いのか今もわからない

誰のせいなのか今もわからない

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