死幣ーDEATH CASHー(松井珠理奈)いくら使うと死ぬのかしら一万円百万円十億円一兆円(吉岡里帆)
さて・・・概ね・・・決まったかな。
今年の夏は・・・。
(月)「好きな人がいること」(仮)
(火)「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」
(水)「家売るオンナ」
(木)「闇金ウシジマくん Season 3」(火曜深夜から仮押さえ)
(金)「神の舌を持つ男」
(土)「時をかける少女」
(日)「真田丸」
・・・というラインナップ・・・。「遺産相続弁護士 柿崎真一」は二回目もそこそこ面白かったが・・・あまりんしか見所がないのが残念だ。残りは日曜日の多部未華子の「仰げば尊し」と二階堂ふみの「そして、誰もいなくなった」そして山本美月の「HOPE~期待ゼロの新入社員~」だがおそらく変更はないだろう。脚本がそれほど期待できないからな。
そういうわけで・・・キャスティング以外は本当に見所のないこれを谷間のメモとしてレビューしておこう。
で、『死幣ーDEATH CASHー・第1回』(TBSテレビ201607140010~)脚本・吉田海輝、演出・渡瀬暁彦を見た。「死を呼ぶ紙幣で死幣」というダジャレである。一般的に人間にとって「死」は恐ろしいものだが・・・「死」そのものは一瞬である。死に至るまでに長く苦しんでもそれは「生」に過ぎない。恐ろしい死に方というものは生きているものの感覚なのである。まあ・・・一般的に・・・「どうせ死ぬにしてもあまり痛いのは嫌だなあ」という感じだ。「いっそひとおもいに死にたい」と誰もが思う。ギロチンなどは残酷に見えるがほぼ即死であり非常に楽な死に方の一つと言えるだろう。
とにかく・・・ダジャレで始る物語なので・・・それをホラーたらしめるにはそれなりに工夫も必要だが・・・本作品はそのままダメな感じに仕上がっている。お茶の間は恐怖したいのであって・・・苦笑がしたいわけではないからな。
「死」という「し」を使った言葉遊びのメモをしておこう。
たとえば「一般死民」・・・死んでいるな。
「死合わせ」「死援団体」「死法」「死会者」「死科医」「死揮者」「死験」「死好」「死高のメニュー」「死考」「死春期」「死令官」「死股」「死祭」「知能死数」「危険死想」「三流死大」「死民運動」「死立高校」「死天王」「死季」「死怨」「死煙」「死途不明金」「死那」「死認」「残留死念」「死農工商」「死望動機」「死万十」「死面楚歌」「死紋認証」「死半世紀」「死販」「死配者」「死範」「死費」「死服」「死有地」「死用方法」・・・もういいか。
まあ・・・「死幣」はなかなかに優れたダジャレなのである。
それだけに・・・もう少し怖くできたよなあ・・・お金の価値が解ってないんだろうなあ。
南由夏(松井珠理奈)七咲学院大学経済学部の一年生である。
稲川淳二の「怖い話」が大好きな妹の小夢を演じるのは中学生なのに連続テレビ小説「あさが来た」でいつまでもふゆ役だった清原果耶である。年相応の可愛い妹役でよかったな。しかし・・・恐ろしい死に方をするんじゃないだろうな。
「死幣はお金が欲しくてたまらない人に突然届きます・・・相手によってとてつもない大金であったりしますが・・・もちろん呪われたお金なんですな。見たところはただのお金・・・怪しいと思いつつ金があれば使いたくなるのが人情ってなもんで・・・この死幣をたいていのものが使ってしまうわけですが・・・やがて一万円札の福沢諭吉の肖像に目元から黒い染みが浮かび上がります・・・この黒い涙が流れると死幣を使ってしまった人は・・・世にも恐ろしい・・・見るも無残な死を遂げるのでございます・・・きゃああああああああああ」
「脅かさないで」
「でも・・・噂では・・・本当にあるらしいよ・・・お姉ちゃん・・・もしも紙幣が届いたらどうする?」
「・・・」
由夏は国際経済学の教授・財津太一郎(筧利夫)が指導を務める財津ゼミに属している。
彼女はゼミ仲間の一人・・・橘郁美(西田麻衣)と最近、連絡がとれないことを案じていた。
郁美と由夏・・・そしてやはりゼミ仲間の萩森一恵(吉岡里帆)は高校時代の同級生なのである。どんだけ仲良しなんだ・・・付属か・・・付属高校出身者か・・・。
この他に財津ゼミの一年生には林絵里菜(川栄李奈)がいます。
そして、財津ゼミの二年生には上野真理(中村ゆりか)もいます。
吉岡里帆、川栄李奈、そして中村ゆりかと・・・。この強力なメンバーが恐ろしい死に方をするかと思うとうっとりするわけだが・・・そこに至る過程も大切なんだよなあ。
さて・・・どんな死に方をしようがあまり興味がない男性陣は四年生の三浦智志(山田裕貴)・・・就職活動中である。「貧乏人にお金を援助しまくる仕事」を目指しているためになかなか内定をもらえないのだった・・・バカという他ないからな。二年生の川辺(白洲迅)は「槍投げ」で世界選手権を目指しているが最近、橘郁美を「やりにげ」したらしい。由夏と同じ一年生には灰谷源(葉山奨之)がいて・・・教授に高く評価されている守銭奴らしい。
どうやら・・・橘郁美が大学に来ないのは失恋のショックであるためらしい。
由夏も・・・萩森一恵も・・・仲良しじゃないんじゃないか。
「なんのために学費払ってんだか・・・」
「噂では・・・大金積んで整形したらしいよ」
「え・・・」
お茶の間だけが知らされるのだが・・・「死幣」の最初の犠牲者は橘郁美なのである。
さて・・・スーパー・ナチュラル・ホラーにとって最初の犠牲者は物凄く大切である。
「リング」にしろ「呪怨」にしろ・・・日常の中から突然、怪異がやってくる「恐ろしさ」を描かなければならないのだ。
しかし・・・主演女優中心の物語であるために・・・最初の犠牲者は・・・単に「変死体」として発見されるだけである。
誠にご愁傷様です。
そして・・・死体の第一発見者である由夏は・・・「お前が犯人だな」と闇雲に決め付ける頭のおかしな刑事に付き纏われる恐怖にも襲われる。藤谷署の若本猛刑事(戸次重幸)は明らかに最初から精神を病んでいるわけである。容疑者の事情聴取を全員一緒にするってどういうシステムなんだよ・・・。自称か・・・自称刑事なのか。・・・同僚の刑事や警察官を仕込む予算もないのか。
やがて・・・理想が高すぎて頭のおかしくなった三浦智志にも・・・「死幣」が届く。
「貧乏人にお金を援助しまくる企業」が存在しないと知った三浦は起業を決意したのだ。
貧乏人全員にお金を配るためにはとてつもない金額が必要だが・・・「死幣」は無尽蔵なのだ。
「この世から貧乏は消え・・・千年王国の時代が来る・・・だから・・・僕と結婚してくれ」
突然、三浦にプロポーズされてうっとりする由夏だった。
三浦は怪しい会社に怪しい甲冑を飾っている。
「・・・この置物は・・・」
「僕は・・・世界を貧困から救う騎士になるのさ・・・」
その時・・・風が吹けば桶屋が儲かる的に・・・いろいろあって甲冑の持つ剣が三浦を刺し貫くのだった。
「きゃああああああああああ」
そこへ・・・狂った刑事が乱入・・・。
「お前か・・・お前がやったんだな・・・」
なんのこっちゃ・・・ですね。
とにかく・・・これはきっと・・・そして誰もいなくなったの深夜版なんだろうな。
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コメント
こんにちは。まー、このエントリのコメント欄にしかアウトプットするところが無いだろうと思われるので(^_^;。
> 多部未華子の「仰げば尊し」
日曜晩に見せられるのは辛い…。しかも多部未華子はヒロインでは無かった…。じんたんこと村上虹郎は面白いキャスティングでしたが、太賀は先日あんな役を観たばかりだからここでまた「うぇーい」なのは辛い。で、今週限りです。日テレ土曜の学園枠でやってほしい。
> 二階堂ふみの「そして、誰もいなくなった」
この題名…『世界の中心で愛をさけぶ』よりひどい…ていうか『流れよ我が涙、と警官は言った』の間違いじゃないのか、みたいな(内容的に)。こちらも二階堂ふみはメインキャストではなく、なら"いい部屋ネット"ことの動向に注目か?ということで私は継続決定です(´д`)。アンフェアなのは誰か(笑)。
失礼しましたー。
投稿: 幻灯機 | 2016年7月17日 (日) 23時13分
谷間の隙間を突いてこられましたな。
まあ・・・いつもならVSレビューの可能性のある
ラインナップなのでございますが
ちょっとタイトなスケジュールでして・・・。
「仰げば尊し」は「夢にきらめけ」って叫びが聞こえてきました。
多部ちゃんの魅力は「ふつうの人」でも発揮できるのですが
ちょっと・・・脚本にそういう力がないのですな。
それから「演奏」の先出しがもう少し欲しいかな。
プレイしてナンボのドラマだと思うから。
「合唱部」はその点、美味い処理でした。
「そして、誰もいなくなった」
ま・・・撃たないで・・・の人なので
最初から少しも期待していないわけです。
「まだ人間じゃない」し「暗闇のスキャナー」でも見つからない・・・「シビュラの目」の如く、二階堂ふみの無駄使いでございますけどねえ。
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛って叫ぶ域にも達していないし。
まあ・・・女神たちを見守るために
ひっそりと視聴したいと考えておりまする。
投稿: キッド | 2016年7月18日 (月) 15時12分