正義の味方に許されるのは半殺しまで(NAOTO)ありがとうは別れの言葉(黒島結菜)
スーパーヒーローの立ち去った後には・・・不特定多数の屍が残されているものであるが・・・。
殺人が最大の「悪」と定められているこの国では・・・いろいろと生ぬるいのがお約束である。
それでいいとお茶の間が思うならそれでいいわけである。
親の仇討ちさえ認められていない・・・この国で・・・人々は生きていかなければならないのだ。
もちろん・・・法はあくまで法であり・・・人間は基本的にやろうと思えば何でもできます。
だから・・・一介のパフォーマーが極悪非道の闇の組織に素手で立ち向かい勝利するのは御愛嬌と言う他ないのです。
「キルビル」のこととかも思い出さないのが大人というものですよ。
反社会組織の暗殺部隊のこととか・・・ニュースでやっていても別世界の話だからな。
で、、『ナイトヒーロー NAOTO・第2回~最終回(全11話)』(テレビ東京201604240012~)脚本・森ハヤシ(他)、演出・権野元(他)を見た。ヒーロー好きの女子高校生・田之上栞(田牧そら→黒島結菜)に唆されて・・・「悪を制裁するソウルマン」というヒーローになったEXILE/三代目J Soul BrothersのNAOTO(NAOTO)である。主人公がカメオ出演という非常に珍しい企画であるが・・・実在のNAOTOが夜になると街で市民を半殺しにしている事実はないのであくまでフィクションである。
所属事務所には内緒で・・・「正義の鉄拳制裁」という悪事を続ける・・・完全に暴行傷害である・・・NAOTO・・・。しかし・・・その心に眠っていた闘争本能に火がつき・・・ものすごい格闘能力を開花させていくのであった・・・そんな馬鹿な・・・。
しかし・・・どこか呑気なヒーローの物語も・・・栞の無惨な過去が明らかになる後半・・・暗欝なダークーヒーローものへと変貌する。
11年前・・・権田薫子(余貴美子)は大手新聞社の記者だった。大企業の不正を暴くために会計士の田之上慎二(山中聡)に接近した権田は・・・証拠資料の提供を求める。しかし・・・約束の日・・・田之上家に強盗が侵入・・・栞は目の前で父親が殺されるという憂き目に遭う。
実行犯は・・・裏社会組織「トカゲ」の足利(村上淳)だったが・・・事件は闇に葬られる。
権田は新聞社にかかった圧力により・・・職務規定違反の罪で解雇されてしまう。
慎二の弟・田之上裕三(木下ほうか)に育てられた栞は復讐のために青春を捧げた少女だったのだ。
NAOTOは知らずに・・・裏社会組織「トカゲ」の構成員と対決していたのだった。
やがて・・・「トカゲ」はソウルマン殺害のメッセージを素晴らしいインターネットの世界に公開する。
一方・・・「実話バスターズ」の記者である浦野(少路勇介)は独断で「ソウルマンの正体がNAOTOである」という暴露記事を公開する。
権田は・・・ソウルマンを裏で操るのが栞だと知り・・・事情を明かしてNAOTOに警告を発する。
「あなたには・・・あの子を止めてもらいたい」
「俺はソウルマンなんかじゃない・・・」
田之上商店で栞を問いつめるNAOTO・・・。
「復讐のために俺を利用していたのか」
「ごめんなさい」
「俺は・・・制裁を繰り返して・・・悟ったんだ・・・暴力では何も解決しないことを」
「あなたには・・・殺された親はいないでしょう」
「・・・」
「私には私の道がある・・・」
交渉決裂である。
裕三はこっそりとNAOTOに頼む。
「明日・・・あの子は復讐に行きます・・・私はあなたを待っています」
「明日は・・・無理です・・・ライブなんで・・・」
栞は・・・ハッキングによって・・・「トカゲ」のアジトを特定していたのだった。
催眠スプレーや改造スタンガン・・・お粗末な武器で死地に向かう姪を何とか守ろうとする裕三だった。
NAOTOがステージで脚光を浴びている頃・・・。
「トカゲ」一味は田之上商店を急襲・・・。
裕三は睡眠薬で栞を昏睡させ・・・一人・・・「トカゲ」に立ち向かう。
兇悪な足利にせめて一矢報いようとする裕三だったが・・・用心棒の滝本(阿部力)に一刀両断されてしまうのだった。
目覚めた栞は・・・瀕死の裕三を発見する。
「おじさん・・・死なないで」
「もう・・・栞ちゃんを守れない・・・幸せになって・・・」
「いや・・・」
裕三は息を引き取った。
NAOTOの元に・・・栞から手紙が届く。
「利用して・・・すみませんでした・・・でも・・・ゴミクズみたいな私の人生の中で・・・あなたとヒーローごっこをしていた時・・・私は幸せでした」
NAOTOは一人の少女を救うために・・・すべてを捨て去る決心をするのだった。
「マネージャー・・・俺・・・辞めます」
「えええええええええええええええ」
田之上商店には裕三の遺言が残されていた。
「もしもの時には・・・栞をお願いします・・・アジトの地図を同封します」
「・・・」
トカゲのアジトに侵入した栞だったが・・・たちまち滝本に捕縛されてしまう。
「殺しますか」
「せっかく・・・美少女に育ったんだ・・・たっぷりと楽しんでからだ」
「殺せ」
「大丈夫・・・すぐに気持ち良くなるよ・・・そういう薬があるからね」
NAOTOの怒りは・・・嵐を呼ぶのだった。
突然発生するゲリラ豪雨。
「トカゲのアジト」にソウルマンが現れた!
プロの殺し屋たちを素手で撃破するNAOTO無双である・・・そんな馬鹿な。
ついには・・・剣の達人である滝本も素手で撃破・・・そんな馬鹿な。
そして・・・栞に挿入しかけた足利の前に立つソウルマン。
「その子を解放しろ」
「おいおい物騒なものを捨ててからものを言えよ」
滝本から奪った日本刀を捨てるソウルマン。
「いいか・・・殺す時に殺しておかないと殺されるという真理を教えてやろう」
足利は拳銃を発砲する。
被弾して倒れるソウルマン。
「ヒーローは制約多くて御愁傷様」
しかし・・・裕三の形見の防弾チョッキを装着していたソウルマンだった。
足利の拳銃を蹴り飛ばすソウルマン。
「安いドラマでは頭は撃たないのがお約束だものな」
最高の殺し屋もソウルマンの敵ではないのだった。そんな馬・・・。
そこへ・・・権田の古い友人である警視庁中央署の桜井署長(平田満)が現れた。
「ここからは・・・警察の仕事だ・・・君も・・・自分のステージに戻りたまえ」
こうして・・・ソウルマンの物語は幕を閉じる。
「私・・・とりあえずニューヨークに行くことにした」
栞はNAOTOに告げる。
「とりあえず・・・って」
「そういうものでしょう・・・あなただって若い頃・・・とりあえずニューヨークに」
「俺は・・・ロスだ」
その頃・・・留置所では・・・足利の自殺死体が発見されていた。
一仕事を終えた桜井署長はまくったシャツを下ろし・・・トカゲの刺青を隠すのだった。
闇に葬られてナンボの・・・闇の組織なのである。
まあ・・・とにかく・・・キッドの記憶に残っているのは栞の可憐な姿だけなのだった。
関連するキッドのブログ→第一話のレビュー
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