あるべきものがない刑事(波瑠)恐怖を知らない君に(林遣都)殺人スイッチ物語(横山裕)素敵なマスクを作りたい(佐々木希)
皮膚をどうするつもりなのか・・・という人は多いかもしれない。
死体が腐敗するように・・・皮膚も腐敗するだろうと考えるわけだ。
しかし・・・皮ジャンというものがあるわけだ。
あれは・・・動物の皮膚でできているわけである。
焼き肉屋のカルビやロースが動物の肉であり・・・誰かが屠殺したものを食べている・・・つまり生き物を殺して食べていることを知らない子供のように・・・皮のサイフが動物の死体の一部であることを意識しない人も多いだろう。
もちろん・・・皮膚はそのままでは腐敗するが・・・なめし加工をすることによって皮革製品になるわけである。
皮膚から腐敗する成分である動物性の脂質を取り除き・・・植物性の油分を補う「なめし」の作業によって人間の皮膚も充分に着れるものになる。
まず、人皮を洗う必要があるがクリーニング屋はうってつけの職業なのである。
ただ・・・それを行うといろいろと現代社会では問題があるわけである。
あのアウシュビッツでは・・・以下略。
で、『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子・第3回』(フジテレビ20160726PM10~)原作・内藤了、脚本・古家和尚、演出・宝来忠昭を見た。美しい女刑事と美しいシリアルキラーの対峙・・・素晴らしい。現実でとんでもない事件が起きて・・・いろいろとスリリングである。とにかく現実に憚って虚構の構築が妨げられることのないように祈るばかりだ。頭のおかしな人間のくだらない犯罪によって・・・美しい虚構の構築が台無しになるなんてことはけしてあっていいことではないのだ。ドラマの中で殺人犯がどんな残酷な殺人をしても誰も死なないのです。
さて・・・例によって・・・いろいろと難しい問題を喚起する異常犯罪者ものである。
第一に・・・サイコパスとは何か・・・という問題だ。
なにしろ・・・健全であること・・・という概念が忌まわしいものだからな。それは一種の妄想だからである。世界に健全な人間など一人もいないぞ。
人間の体にメスを入れる時にクールでいることができるのも・・・サイコパスの特徴の一つとされる。つまり・・・優秀な外科医はサイコパスなのである。「平気で人を殺せる人」は「上手に人を助ける人」でもあるわけである。
サイコパスは残忍な人殺しであると断定してはいけない。
心療内科医の中島保(林遣都)が「蛍光灯ベイビー」が必ずしも殺人鬼になるわけではないと言うように・・・サイコパスが必ず殺人者になるわけではないのだ。
中島についていえば・・・「プロファイリング」の問題がある。
厳密な意味で・・・中島がしているのは・・・統計的手法に基づく犯人像の絞り込みであるプロファイリングではない。あくまで心理学的な考察による犯人像の洞察である。あえていえば中島式直感プロファイリングということであろう。
つまり・・・中島は・・・単に神がかって犯人のタイプを言い当てているわけである。
これは・・・ドラマだから許される天才の仕事だ。
一方の主人公の相棒・東海林泰久刑事(横山裕)が超超超なんでも知ってる情報屋を飼っているのと同じ・・・虚構の手法にすぎない。
さらに・・・いよいよ・・・主人公の藤堂比奈子(波瑠)の特性が語られる今回。
「心を持たないで生まれてきた」とはどういうことなのか・・・である。
人間の精神には感情があると言われる。
それはおよそ・・・四歳くらいまでには一種の機能として発達すると言われている。
しかし・・・感情とは何か・・・については現代科学では実は明らかではない。
脳科学もその・・・周辺にようやく到着した段階である。
心理学者や哲学者たちは・・・「感情」について分類的に語って来た。
「喜怒哀楽」は古典的な分類である。これに好き嫌いを加えた六種類。さらに驚きや欲望を加えた八種類と「感情」の種類は拡大する。それらを組み合わせた嫉妬や絶望、優越感や劣等感など複雑な「感情」は増殖していくのである。
さらに・・・「感情」が何かを表現できない疾患や、「無感動」という精神の状態もあるわけである。感情がなければ「共感」もできないのだ。
今回・・・主人公の設定は・・・「理性」だけの「精神」のようなものだろう。
抜群の知性で・・・判断力は持つが・・・いついかなる時も感情的にならない人間である。
一種の超人であるが・・・社会性に問題が生じるわけだ。
愚かな人間の集団は・・・「人情」を重んじ・・・異物を排除するからである。
「親が死のうがペットが死のうが哀しまない」と「人間扱い」されないわけである。
「あなたは・・・何故・・・殺人者にそれほどまでに興味があるのですか」
中島は比奈子に問う。
比奈子は護身用のナイフを取り出した。
「私はこれで正当防衛をするつもりです・・・そのために刑事になったのです」
「あなたの方が殺されるかもしれない・・・怖くないのですか」
「・・・」
中島は・・・比奈子の躊躇いの理由を洞察する。
「まさか・・・あなたは・・・恐怖というものが・・・わからないのですか」
比奈子は沈黙でそれを肯定した。
「克服したのではなくて・・・最初から」
「はい」
「喜怒哀楽は・・・」
「ありません」
「それは・・・辛かったでしょうね」
「辛いという気持ちがどんなものか・・・わかりません」
「なるほど・・・」
「私は知りたいのです。私のような人間はいつか人を殺すのか。殺人を犯す人間の衝動と・・・心を持たない私は・・・同じタイプなのか」
「心を持たない人間などいませんよ・・・あなたは少し・・・変わっているだけ」
「そうなのでしょうか」
「そうですとも」
しかし・・・比奈子は同意しなかったし・・・中島も自分の言葉に説得力がないことを感じている。
中島にとって・・・比奈子は特殊で・・・非常に興味深い精神の持ち主だったのである。
比奈子は・・・東海林刑事の妹が殺害された事件について調べた。
未解決事件ではなかったのでデータを取得していなかったのである。
「解決済みの事件のデータも取得するべきだ」と比奈子の理性は判断した。
資料室は異様な冷気に包まれた。
比奈子の飲みかけのコーヒーはカップごと氷結している。
冷凍された家族に囲まれたケンジ(間宮祥太朗)が語りかける。
「どうやら・・・君を理解する人が現れたみたいだね・・・母親に続いて二人目かい」
「さあ・・・どうかしら」
「僕の家族になれば・・・よかったのに」
「悪いけど・・・あなたにもう興味はないの」
「そうだね・・・新しい事件が起こるから」
「・・・」
「今度こそ・・・君も人殺しになるかもしれない」
比奈子は振り返る。
そこにはただ母親の遺品である七味唐辛子があるだけ・・・。
夢から現実に戻る比奈子・・・比奈子には死者を悼む気持ちも・・・喪失感もなかった。
比奈子にあるのは理性・・・あるいは知性のみである。
比奈子は想像する・・・感情を持つ人間の行いを。
「親しい人が死んだ時には哀しい顔をしなければならない」
感情を持たない人間を想像することは一般人にはなかなかに困難なのである。
「まだまだ演技力が不足している」
比奈子は冷静に自分を評価した。
夜のしじまをサイレンが引き裂く。
新しい事件が比奈子を呼ぶのだった。
戦前から放置されている・・・古い屋敷にバカップルが心霊スポットツアーを敢行。
死んで間もない遺体を発見してしまったのである。
警視庁刑事部捜査第一課の片岡啓造(高橋努)が率いる片岡班が臨場する。
遺体は四体発見された。
いずれも女性で・・・死体は損壊されていた。
「こりゃ・・・ひでえな」
片岡班長は呻いた。
「ディスプレーされてますな」と三木鑑識官(斉藤慎二)・・・。
「遺体はそれぞれ・・・両腕、両足、臀部、腹部を切断されています」と新人鑑識官の月岡真紀(佐藤玲)・・・。
「なんじゃ・・・そりゃ・・・」
「お気に入りのパーツを切り取って持ち去ったという感じですかね」
「これは・・・猟奇的な事件だな」
「猟奇的な事件の極みですな」
遺体の身元調査だけでも手不足が確実となり・・・捜査一課の合同捜査となった。
厚田巌夫班長(渡部篤郎)率いる厚田班も合同会議に参加する。
「遺体は・・・全裸の上に・・・ドレスやエプロンなどを着用していました」
「まるで・・・作品を展示したようですね」
「それぞれ・・・サイズはピッタリで・・・採寸されたオーダーメイドのようでした」
「既製品ではないと・・・」
「赤いドレスだけは・・・メーカー品ですが・・・それ以外については手作りの可能性があります」
「すると・・・犯人は・・・服飾関係者の可能性がありますね」
比奈子はイラストでメモをとる。
両手のない死体。両足のない死体。尻のない死体。腹のない死体。
メモを覗きこみ・・・刑事たちは顔を顰めるのだった。
「検死報告によれば・・・凶器は・・・鋏・・・しかも裁断用の可能性が高いそうです」
「被害者周辺の服飾関係者をあたれ」
「これ・・・羊たちの沈黙じゃないのか」
「はあ・・・」
「美しい女の皮膚に憧れて・・・人皮の衣装を作る性的倒錯者が犯人ってことだよ」
「なるほど・・・」
「被害者周辺の性的倒錯者もあたれ」
「一種の前衛芸術でもありますよね・・・キッチンではエプロンをつけた被害者・・・寝室ではネグリジェを着た被害者・・・死後の生活みたいな・・・」
「被害者周辺の前衛芸術家もあたれ」
刑事たちは捜査を開始する。
東海林とのコンビを強制解消された比奈子は倉島敬一郎刑事(要潤)と現場周辺の聞き込みを担当することになった。
「死体を切り取って犯人はどうするつもりでしょうか」
「さあ・・・」
「フランケシュタイン博士のように・・・モンスターを作るつもりなのかもしれませんね」
「笑顔で怖いこと言うなあ・・・君は」
比奈子の美貌に心ひかれている倉島刑事は一瞬たじろぐのだった。
「ここは・・・私の住んでいる家の近所ですね」
「物騒だな・・・君がよければバイクで送迎するよ」
めげない倉島刑事である。
「そんな・・・バイクに二人乗りするなんて恋人同志だけですよ」
比奈子の偏った常識披露である。
言葉を失う倉島刑事・・・。
二人の目の前で小学生のいじめ事案が発生する。
「そんなの・・・嘘だろう」
「嘘じゃないもん・・・私見たもの」
「じゃ・・・交番に行ってこいよ」
「・・・」
「やっぱり嘘だろう」
女子が一人・・・三人の男女に苛められているようだ。
思わず介入する倉島刑事だった。
「おいおい・・・君たち」
「変態だ」
「痴漢だ」
「ショタか」
「ショタって・・・」
三人は立ち去る。
「君・・・何を見たんだい」
少女は怯えて逃げ出そうとして転倒するのだった。
「遙香ちゃんに何をするの」
倉島刑事と吉田遙香(住田萌乃)の間に割り込む佐藤都夜(佐々木希)だった。
「警察を呼ぶわよ」
「私たちが警察です」と警察手帳を出す比奈子だった。
「あらあら・・・」
ダンス教室のインストラクターである母親の佐和(中島亜梨沙)の元へ遙香を連れていく一同。
「あなたは・・・」
「近所のクリーニング屋です・・・ボタン直しも仕立て直しもしますよ」
正体の一部を明かす佐藤都夜・・・。
明らかに犯人である。
犯人と言えば・・・まだ事件とはいえない「連続犯罪者自死の件」にも犯人がいるのがオーソドックスだろう。偶然ではすまされないしお茶の間も困惑するからな。
このドラマには何人かの警察協力者が配置されている。
中島とその上司である「ハヤサカメンタルクリニック」の院長・早坂雅臣(光石研)は心理検査を行う監察技官として容疑者や服役囚の面接を行っている。
自死になんらかの関与があることは匂い立っている。
現在は「連続自死」の謎を追う立場である 帝都大学医学部の法医学教授・石上妙子(原田美枝子)は「死後の画像診断」によって・・・自殺者たちが脳に類似した腫瘍を発生させていたことを突きとめるが・・・自作自演の可能性もある。
ついでに・・・万能情報屋(不破万作)も警察協力者であるが・・・知りすぎているので怪しいわけである・・・しかし、今回は前後篇仕立てのため登場できないのだった。まあ・・・きっとここは「ヤマさん」(ドラマ「太陽にほえろ」に登場する情報屋使いの刑事)へのノスタルジーなんだな。・・・ドラマ「ケイゾク」におけるゴリさんノスタルジーに対応しているのだろう。
比奈子と倉島刑事は吉田母子から重要な証言を得る。
「殺人事件のあった幽霊屋敷に雨合羽のお化けがいた・・・雨合羽のお化けは吉田家の前にも立っていた」という娘の遙香・・・。
近所の人間として事情を知るクリーニング屋の都夜に促され・・・母親の佐和はストーカーについて語る。
「インストラクターの収入だけでは・・・母子二人暮らしていけないので・・・夜はクラブでホステスをしています・・・そのお客の一人が・・・」
幽霊屋敷では・・・窓際で・・・足跡が採取されていた。
捜査線上に浮かぶ・・・佐和のストーカー・・・永山宗一郎(裵ジョンミョン)・・・。
都内に複数の不動産を持つ資産家の次男で・・・自称・ファッション・デザイナー、親の出資によるブティックを立ち上げつぶした過去を持つ男・・・殺された女性たちにつきまとっていた経歴を持つ・・・無職の男である。
「これ以上なく・・・疑わしいな」
「幽霊屋敷も・・・親が所有している不動産でした」
「殺害現場は幽霊屋敷の地下室だし・・・何か物証が出るだろう・・・」
「出ませんでした・・・」
「なんだって・・・」
たちまち・・・拘留期限は切れる。
金にものを言わされて佐和は被害届を取り下げる。
「あの男を野放しにしたら新たな犠牲者が出るかもしれません」
「もらったお金でこわい街を出ることができるの・・・娘にもっといい暮らしをさせたいのよ」
「・・・」
欲望もまた感情であると考えるものもいる。
比奈子には欲望もないのかもしれない。
食欲や・・・睡眠欲を持たない娘に食べることや規則的な睡眠の必要を教えた比奈子の母親の過酷な日々が偲ばれる。
好奇心や探究心もまた感情であると考えるものもいる。
「興味深い」という口癖も比奈子の母親・藤堂香織(奥貫薫)の躾の成果にすぎない可能性がある。
比奈子は母親の残した最後の命令「進め!比奈ちゃん」を忠実に実行している生体ハードウエアなのだ。
その卓抜した知能で・・・すべてを推測し・・・最適を選択する比奈子・・・しかし、感覚や肉体からある程度・・・切り離されている比奈子は「疲労感」も持たないのだ。
想像を絶する存在だな・・・。
感受性の豊かな遙香は近所の公園でブランコに乗っていた。
その振幅にそって揺れる比奈子の眼差し。
「引越しとなると・・・友達と離れて・・・さびしいわね」
「あんた・・・こわい」
「え」
「嘘っぽいから・・・」
「・・・」
遙香は直感的に・・・比奈子が「さびしさ」を知らないことを見抜いたのである。
「あの人と同じ・・・」
「え・・・」
「あの人もこわい・・・」
「それは・・・クリーニング屋の都夜さんのことですか」
「・・・」
すでに・・・比奈子も・・・彼女を疑っているわけである。
永山宗一郎が解放された直後・・・比奈子の携帯電話に・・・都夜から連絡が入る。
「佐和さんが・・男に車で連れ去られました」
あわてて吉田家に駆け付けた比奈子は昏睡状態にある遙香を発見する。
救急車とともに厚田班も駆けつける。
「お前は・・・病院で娘に付き添え」
厚田班長に命じられる比奈子。
「私も店の車で行くので・・・一緒にどうですか」と誘う都夜である。
クリーニング店に寄った比奈子は・・・都夜の勧める茶を一服する。
落ちつくために茶に七味唐辛子を入れて飲むのは人間らしいルーティーンなのだ。
比奈子はすでに・・・都夜を容疑者として見ているわけだが・・・感情を持たない比奈子に「警戒心」は希薄で・・・恐ろしく無防備なのである。
彼女の超絶的な精神力は主に「人間のようにふるまうこと」に駆使されているのだった。
病院に向う車中で・・・厚田班長から「死体損壊事件の犯人像」を求められた中島からのメール送信がある。
「犯人は・・・女性の肉体に対する大きなこだわりを持つと同時に・・・女性としての生活に固執している傾向がある。従って・・・犯人は・・・女装趣味の男あるいは・・・女性である可能性が高い」
茶に含まれていた睡眠薬により・・・朦朧とし始めた比奈子。
「犯人は・・・女性に決まっています」
「え」
しかし・・・すでに比奈子は眠っていた。
都夜の美しく整った顔に浮かぶ・・・達成感。
幽霊屋敷に向った刑事たちは永山宗一郎の死体を発見する。
そこに届く・・・中島からのプロファイリングの結果報告。
「犯人は・・・女だと」
東海林刑事は中島からの着信に応じる。
「今・・・少し・・・忙しい」
「比奈子さんと連絡がとれないんです・・・比奈子さんから無言の電話があってから・・・」
「何・・・」
「そこに比奈子さんはいないんてすか」
「・・・あの女か」
東海林刑事の刑事の直感が・・・比奈子の危機を探知した。
「俺が守ってやらないと・・・」
焦燥感に苛まれる二人の男は合流した。
「僕が彼女を救ってあげないと・・・」と呟く中島の言葉を耳にする東海林。
中島の言葉には「感情を持たないことで生きることが困難な比奈子」の意味も含まれていることを東海林はまだ知らない。
恋愛ドラマなら単なる三角関係フラグである。
目覚めた比奈子は・・・後手に縛られて都夜の作業場にいる。
目の前で比奈子と同様に拘束されている佐和が身悶えていた。
「目が覚めたのね」
「・・・」
比奈子は無造作に床に置かれたバッグを引き寄せる。
「無駄よ・・・助けは呼べないわ」
都夜は比奈子の携帯端末を示した。
有能な異常者である都夜も傲慢さによる迂闊さを持っていた。
バッグの中のナイフの存在を無視したわけである。
おそらく・・・拳銃を捜したために・・・視野に入らなかったのだろう・・・。
比奈子は密かにナイフを確保した。
「あなたにいいものを見せてあげる」
仕上げられたように見える人皮のボデイスーツ・・・。
「知ってる・・・昔の人は唾液で・・・獣皮を柔らかくしたの・・・つまりそれがなめしの語源よ」
「・・・美しい皮を見て・・・欲しくなったのですか」
「そうよ・・・この人の背中の皮をもらったら・・・完成のつもりだったけど・・・あなたのお顔を見て・・・気が変わったの・・・私・・・マスクも作ることにしたの」
「私の顔の皮は・・・美しいのでしょうか」
「知ってるくせに・・・私にちょうだいね」
「とれるものなら・・・あなたの完全さを求める気持ち・・・あなたという完全を求めるために不完全であり続ける存在は・・・とても興味深い」
「何を言ってるの・・・とれるわよ・・・私・・・鋏捌きには自信があるの・・・」
二人の恐ろしい会話に恐怖で失神しかける佐和だった。
美しい二人の異常者は・・・類希な目力をぶつけあうのだった。
都夜は比奈子を怖がらせようとするが・・・比奈子は怖がることはできないので無駄なのである。
都夜は鋏を誇示する。
比奈子は背後に固定された手でナイフを握りしめた。
一部お茶の間を美しさでうっとりさせながら・・・つづく・・・である。
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