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2016年7月11日 (月)

人はみな生まれたら泣くものよ・・・こんな愚かな世界に生まれたことを悲しんで(長澤まさみ)

織田信長が本能寺の変で倒れて十三年である。

それ以後豊臣秀吉は・・・信長の模倣者として天下統一を仕上げた。

その手法は信長以上に老獪であり・・・「利」を重んじた。

必要以上の殺生を避けて大事業を成し遂げたのである。

結果として十六世紀末の東洋の島国に世界最強の軍事国家が出現した。

秀吉はその頂点に立ったのだ。

しかし・・・その軍事的手腕や先見性は信長には及ばない。

たとえば・・・海外遠征のために必要な海軍の創設を・・・信長なら実行しただろう。

しかし・・・秀吉に出来たのは世界最強の軍隊を渡海させることだけだったのである。

上陸した秀吉軍は連戦連勝を重ねたが・・・結局、補給路の確保に失敗する。

もちろん・・・秀吉が最前線にいれば・・・己の失敗に気がついただろう。

だが、天下人となった秀吉には都合の悪いことは報告しない官僚集団がつきまとうのだった。

そんな秀吉に主筋である織田家の姫が・・・後継者を授ける。

豊臣家の明るい未来が・・・秀吉の目を眩ませるのである。

で、『真田丸・第27回』(NHK総合20160710PM8~)脚本・三谷幸喜、演出・木村隆文を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は豊臣秀吉の正室・北政所の描き下ろしイラスト第二弾大公開でお得でございます。大政所が逝去し・・・ついに豊臣家の女将となった記念でございますね。女が人ではなく魔性のものだった時代・・・天下人の妻であることの重圧もかなりのものだったと推察いたします。しかも・・・女としては石女であることが途方もなく罪な時代でございますからねえ。それでも・・・秀吉の糟糠の妻として・・・夫の死後も名を残すのですから・・・彼女もまた一種の天才だったのでございましょう。しかし・・・大政所がどれほど・・・気配りを重ねても・・・茶々の産んだたった一人の子供がすべてを台無しにするわけでございます。その心中・・・いかばかりか・・・。信長の狂気の発露とも言える荒木一族皆殺しと対をなす関白一族皆殺しの嵐が迫る中・・・北政所の言葉は・・・もはや夫に届かない・・・。

Sanada027文禄二年(1593年)八月、豊臣秀頼(拾丸)誕生。明国との和平交渉を急ぐ石田三成は「明の皇女を天皇の妃として送ること」などの秀吉の要望書を明国の勅使に渡しつつ、それを反「関白降表」故にすることを暗黙した。小西行長は秀吉の降伏を示す「関白降表」を偽造した。秀吉は明国が降伏したと信じ、明国は秀吉が降伏したと説明されるという恐ろしい茶番劇が進行する。秀吉がこの事態に気がつくのは三年後の文禄五年(1596年)のことである。閏九月、大谷吉継が半島より帰還。文禄三年(1594年)、真田信幸が従五位下伊豆守に、真田信繁が従五位下左衛門佐に叙任される。太閤秀吉の本城として伏見城改修工事が開始される。秀吉の命により豊臣秀吉の正室・高台院の甥である豊臣秀俊は小早川家の養子となり小早川秀秋を名乗る。養父の小早川隆景は従三位権中納言となる。文禄四年(1595年)二月、織田信長の娘婿である蒲生氏郷が逝去。関白秀次は北政所と吉野で花見。四月、秀吉の姉・智の三男である豊臣秀保が逝去。伊達政宗の従妹で最上義光の娘・駒姫は関白秀次の側室として召され入京する。秀次の側室で竹中半兵衛の従弟である竹中重定の娘・於長が四男土丸を出産。

大谷吉継は北政所の母、朝日殿の縁者である東殿を母に持つ。

吉継の妹のこやは北政所の侍女である。

吉継が従五位下刑部少輔に出世したのも北政所、朝日殿、東殿という豊臣家の奥を司る女たちの縁があった。

朝鮮で業病に罹患した吉継は伏見城築城の与力大名として働く真田昌幸に縁談をもちかける。

「殿下のお側近くに仕える真田信繁殿にいささか惚れ申した」

「でござるか」

吉継は・・・小田原征伐の折りに忍城で苦戦した信繫の立ち振る舞いを観察していた。

苦境の中にあって士卒を励ます信繫の姿には気品があった。

「わが娘・春を娶っていただくわけにはまいらぬか」

「しかし・・・信繫は無官でござる・・・いささかつり合いがとれませぬな」

「それについては・・・思案がござる」

「ほう・・・」

「信繫殿は次男ながら・・・すでに・・・長男・信幸殿は・・・沼田領の大名でごさろう・・・」

「いかにも・・・」

「真田本家は独立した大名ながら・・・沼田の真田家は徳川殿の与力扱いになりまする」

「どうも・・・そのようでござるな・・・」

「しかし・・・上田の真田家は・・・信繫殿に継がせる心づもりでは・・・」

「それがしは・・・まだ隠居するつもりはありませんがの・・・」

「さて・・・大谷家と縁組となれば・・・信繫殿には官位が下される手筈となっておりまする」

「・・・」

「同時に・・・信幸殿にも・・・ということになります」

「なるほど・・・」

今や、徳川家は関東に大いなる勢力を誇っている。

昌幸の二人の息子の一人を徳川家の内に・・・もう一人を豊臣家の内に飼っておこうという太閤の意図が察せられる。

昌幸の決断は早かった。

「この縁組・・・お受けいたす」

大谷吉継は頭を下げた。

「かたじけのうござる」

かくして・・・大谷吉継の娘・春は・・・真田信繁の正室として迎えられた。

そして・・・真田信繁は従五位下左衛門佐に叙任される。

同時に従五位下伊豆守となった真田信幸は・・・身籠った側室の清音院殿(おこう)の腹を撫でる。

「唐入りも終わり・・・官位を授かり・・・こうして・・・子が生まれる・・・こわいくらいに平穏じゃのう・・・」

おこうは微笑んだ。

文禄四年・・・信幸の嫡男となる真田信吉が生まれる。

その頃・・・京には暗雲が立ち込めていた。

関ヶ原まで・・・残り五年である。

関連するキッドのブログ→第26話のレビュー

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