好きな人がいること(桐谷美玲)俺様が本命ヒロインだ!(山崎賢人)
さて・・・「恋仲」の脚本・演出で・・・もう一度である。
「恋仲」は若者たちの心を奪った・・・と編成スタッフは判断したらしい。
すでに若者ではない人々は兄弟でレストランなんて「ランチの女王」(2002年)みたい・・とか、海辺でひと夏といえば「ビーチボーイズ」(1997年)だよ・・・などとつぶやくわけだが・・・まあ・・・「月9」なんて大体そんなものじゃないか・・・。
「ビーチボーイズ」は平均視聴率23.7%で「ランチの女王」は平均視聴率19.1%・・・古き良き時代である。
どちらも・・・青春の光と影の彩なす物語だが・・・それでも良かったわけである。
最近の「月9」を振り返ってみよう。
「ラヴソング」ヒロインは藤原さくら(20歳)で平均視聴率*8.5%・・・。
「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」ヒロインは有村架純(当時22歳)で平均視聴率*9.7%・・・。
「5時から9時まで」ヒロインは石原さとみ(当時28歳)で平均視聴率は11.7%・・・。
「恋仲」ヒロインは本田翼(当時23歳)で平均視聴率は10.8%・・・。
「ようこそ、わが家へ」ヒロインは沢尻エリカ(当時29歳)で平均視聴率は12.5%・・・。
「デート〜恋とはどんなものかしら〜」ヒロインは杏(当時29歳)で平均視聴率は12.5%・・・。
最近になればなるほど・・・ヒロインが若ければ若いほど低視聴率の傾向がある。
若いヒロインでなんとかフタケタを維持したスタッフに・・・桐谷美玲(26歳)を配置したわけだな。
まあ・・・なんだかんだ・・・ビジネスとしては大変なことなんだなあ・・・。
で、『好きな人がいること・第1回』(フジテレビ20160711PM9~)脚本・桑村さや香、演出・金井紘を見た。主人公を演じる桐谷美玲はドラマ「スミカスミレ45歳若返った女」で松坂慶子の演じる老女の若返った姿を演じたのだが・・・この時、松坂慶子風の「擬態」にチャレンジしたのである・・・なんだか・・・そのまま自分の芸風になっちゃった感じである。まあ・・・演技とは一種の「型」なので・・・松坂慶子流の継承者になってしまったのかもしれない。それはそれでちょっと面白いぞ・・・だが・・・その「殻」もいつかは破らないとな。
「恋仲」もそうだったが・・・脚本家にはインモラル(背徳的)でアブノーマル(変態的)な傾向がある。
「恋仲」では恋仇が「窃盗犯」だが・・・それを些細な罪として見逃す。
こちらでは初回から主人公が身分詐称をしたり、相手役がセクシャルハラスメントをしたりするが・・・それも些細な罪として見逃すわけである。
登場人物を清廉潔白に設定する必要はないが・・・よほどのことがない限り・・・些細な罪を作らぬ方が・・・幅広いお茶の間に受け入れられるだろう。
些細な罪を犯さなくても・・・虚構は構築できるはずである。
まあ・・・「インモラルでアブノーマルが好き」なら仕方ないが・・・どうも無自覚のような気がするので。
そういう「常識へのゆるさ」が「若者受け」するという考え方もあります。
団子屋(和菓子店)の娘であった櫻井美咲(桐谷美玲)は友人の誕生祝いの席で初めて食べたケーキ(洋菓子)に「なんじゃこりゃあ」と衝撃を受け、パティシエ(洋菓子職人)の道へまっしぐら・・・晴れて「パンとケーキの店」に就職するが・・・ケーキ部門が廃止されて失業・・・就職活動中である。
試食用の手作りケーキを持ってホテルの面接に臨むが結果は思わしくなく・・・学生時代の後輩の石川若葉(阿部純子)を呼びだして愚痴るのだった。
「何がまずかったのですか」
「デコレーションの人形の唇がタコだった・・・」
「最後にチューしてから・・・どのくらいですか」
「四年・・・」
「そりゃあ・・・まずいですね」
若葉は唇が異常にひび割れた美咲にリップクリームをプレゼントした。
若葉が恋人に呼び出されて離脱した後で・・・美咲はレストランの鍵の壊れたトイレに閉じ込められてしまう。
美咲を救助したのは・・・高校時代の憧れの先輩・柴崎千秋(三浦翔平)だった。
運命的にも程があるが・・・それが月9と言われればそれまでだ。
美咲のケーキを一口食べた・・・敏腕レストランプロデューサーである・・・千秋は実家のある海辺の町のレストラン「Sea Sons」のパティシエとして誘う。
運命的にも程があるが・・・それが(以下略)・・・。
千秋の実家に住み込みで働くことにした美咲は・・・訪れた湘南の海で舞い上がり・・・通りすがりの無愛想なサーファーに記念撮影をお願いして・・・断られる。
実は・・・彼こそが・・・レストラン「Sea Sons」のカリスマ・シェフである柴崎夏向(山崎賢人)だった。
柴崎三兄弟の次男である。
三男は調理師学校に通っている柴崎冬真(野村周平)である。
二期連続調理学校生登場だ。
・・・とにかく・・・最悪の出会いをした主人公とヒロイン男子だった・・・。
運命・・・(以下略)・・・。
ここからは・・・「恋愛目的で湘南にやってきた嫌な女」と「主人公」を決めつける「運命の相手」とどちらかといえばパティシエ・バカである美咲とのすれ違いが展開する。
しかも・・・夏向は美咲を毛嫌いして・・・ケーキを食べないのだった。
何故だ・・・。
冬真は試食して「美味い・・・ホテルのケーキみたい」と絶賛するが・・・その言葉に・・・地元の食材をとりいれたレストラン「Sea Sons」の特色を出したいと考えた美咲は研究を重ねる。
リップクリームを目の下に塗りメンソールで眠気を醒ますのだ。
「試食をお願いします」と差し出したケーキを床にたたき落とす夏向。
食糧を粗末にするにも程がある・・・とお茶の間は激昂するのだった。
「なぜ・・・こんなことを」
「お前みたいな女の作ったものが食えるか」
「・・・」
唖然とする美咲の唇を強奪する夏向。
「これで満足だろう」
「なにがじゃ・・・」
夏向を平手打ちして夜の街へ飛び出す美咲。
直後に帰宅する長男の千秋・・・。
「なんで食べない・・・」
「食わなくてもわかる」
「お前は・・・超能力者か」
ケーキの残骸を口にして顔色の変わる夏向。
千秋は・・・美咲のレシピノートを示す。
「俺は・・・このレストランに相応しいパティシエを招いたつもりだ」
「Sea Sons(海の子たち)」は三兄弟の父親が創業した湘南の隠れ家的レストランなのである。
通用門は江ノ電に轢かれる覚悟で入る必要があるのだ。
江ノ電の駅でベンチに座り込む美咲。
そこへ・・・千秋がバイクに乗って迎えに来る。
「弟のことは許してくれ・・・さあ・・・帰ろう」
「私が悪いんです・・・ホテルのパティシエとか嘘ついて・・・あまりの幸運で自分を見失って浮かれていたのが・・・この始末です」
「そんなこと・・・どうでもいいじゃないか・・・君にはケーキがあるんだから」
ある意味・・・初恋の人からの・・・「君は女である前にパティシエ」宣言である。
しかし・・・美咲は初恋の人とバイクで二人乗りを堪能するのだった。
夏向は反省して・・・美咲のために夜食のおにぎりを用意し、厨房に入るための合鍵を渡す。
こうして・・・美咲の「Sea Sons」での恋とお仕事大作戦が始るのだった。
何故か・・・人間を犬扱いする・・・企業家の東村了(吉田鋼太郎)は「Sea Sons」を傘下に収めたいらしい。
何故か・・・最近よく見る浜野謙太が演じるサーフショップ「LEG END」の経営者は従業員の奥田実果子(佐野ひなこ)と交際中。
冬真の調理学校の同級生・二宮風花(飯豊まりえ)や謎の女・西島愛海(大原櫻子)をちりばめた上で・・・千秋のお相手として高月楓(菜々緒)も登場。
買い出し中に・・・千秋と楓のデートを目撃した美咲は・・・尾行を開始し・・・二人が教会に入っていくので驚愕するのだった。
まあ・・・いわゆる・・・月9なんだよなあ・・・。
咳、声、喉になんとか的に・・・。
関連するキッドのブログ→スミカスミレ45歳若返った女
→恋仲
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