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2016年7月 4日 (月)

昨日、今日、そして明日・・・一歩ずつ運命の日に歩み寄っていくだけの人生だもの(長澤まさみ)

もはや、戦国ホラーサスペンスの様相を醸しだしてきた本編である。

関白左大臣・豊臣秀次の歴史的な運命を知るものは・・・高梨内記の娘・きりの一挙一動に手に汗握るわけである。

その人をあすなろ抱きしてはいけない!・・・なのである。

もちろん・・・生まれて初めて戦国大河ドラマを見る日本史に興味のない小学生なら・・・「どうして?」と思うのかもしれないが・・・「本当は恐ろしい関白の愛妾の結末」が刻一刻と近づいているのです。

歴史に興味のない脚本家ではない・・・今回の作者は・・・史実の間隙を突いて結構恐ろしいことをしてくるので恐怖感は高まるのですな。

堀田作兵衛の妹・梅は長女・すへを生んだだけで次女・於市を生まずに戦死してしまった。堀田作兵衛の妹が産んだのは信濃の地侍・石合重定の室となった阿菊とする説もあり・・・於市は高梨内記の娘が産み早世したという説もある。この辺りの史実不明の部分に容赦なく虚構をかぶせる筋立てなのである。

そして・・・関白には名もなき側室が多数いるのである。

真田信繁の側室として早世した於市や伊達家家臣の片倉重長の後室・阿梅を生むはずの高梨内記の娘は別にいて・・・きりが豊臣秀次の愛妾になってしまった歴史はありえるのだ。

そうなってしまったら・・・まあ・・・ヒロインなので大丈夫なんですけどね。

今回は真田信繁の正室(継室)である大谷吉継の娘・春が登場。法名の竹林院殿梅渓永春大姉の「春」からネーミングである。

さらに真田信繁の側室の一人とされる豊臣秀次の娘・隆清院も登場した模様だ。隆の字から「たか」とネーミングしたのだろう。

歴史的に春は二男三女、たかは一男一女を生む。

DNA鑑定のない時代・・・本当の父親が誰かはもちろん不明だが・・・愛の結晶たちは・・・信繫の血脈を繋いでいくのである。

もちろん・・・信繫には他にも側室がいて子も産ませている。

しかし・・・それらは皆・・・歴史のロマンとして遠ざかっていくものなのだ。

それらを見事にアレンジしてロマンスに仕立てる今年の大河ドラマ・・・今回はほぼ折り返し地点で・・・真田昌幸の母・恭雲院が亡くなり・・・真田信繁の運命の人である豊臣秀頼が誕生する。

天正十年(1582年)に始った物語は文禄二年(1593年)まで進んだ。

十一年の歳月が流れたのである。開始当初のきりの年齢が十代前半だとすると現在二十代前半です。

で、『真田丸・第26回』(NHK総合20160703PM8~)脚本・三谷幸喜、演出・渡辺哲也を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は豊臣秀吉の姉・智の長男で関白左大臣となった豊臣秀次の描き下ろしイラスト大公開でお得でございます。豊臣秀次が生まれたのは永禄十一年(1568年)とされていますので信長上洛の年・・・秀吉はすでに京の政務を任されるほどに出世し、二万人の軍勢を持たされていたとも言われます。その後も紆余曲折はあるものの出世し続けた叔父を持つ秀次は生まれた時から高貴な身分だったと言えます。そういう意味では成り上がりの叔父とは違い・・・坊やだったのかもしれません。しかも・・・叔父には跡取りが・・・二十年以上もいなかった。数多い秀吉の養子の中でも・・・秀次の特殊なポジションは明白でございますよねえ。生まれついての大名クラスの家柄は繊細な性格を育てたでしょうし・・・二十代にして・・・叔父に嫡男誕生で重責から解放された後に・・・嫡男死亡による関白就任という揺さぶりがかなり効いたと思われます。そして・・・秀頼の誕生。とっとと関白を返上すればよかったという意見もありますが・・・豊臣家の一員として秀吉亡き後の未来を見据えていたとも思われます。まあ・・・すべては・・・後世の人間の勝手な憶測でございますれば・・・言ってもせんないことでございます。その上で今回の秀次は・・・自分の身に危険が迫っていると知りながら・・・為す術のなかった可哀想な人としては最高の仕上がり具合と言えましょう。本当に今年の大河はいける!

Sanada026天正十九年(1591年)十月、肥前国名護屋城の築城開始。十二月、秀吉は関白を秀次に譲り、太閤を称する。天正二十年(1592年)一月、明国征伐のための朝鮮服属交渉が決裂。三月、秀吉は朝鮮出陣を後陽成天皇に上奏。四月、朝鮮半島に小西行長の率いる朝鮮征伐(日本)軍上陸。日本軍は連勝を重ね、朝鮮国王宣祖は漢城府(ソウル)を放棄し開城(ケソン)に撤退。五月、加藤清正ら日本軍は首都漢城を陥落させる。結果的に朝鮮国王を確保できなかったことは日本軍の躓きだった。加藤清正は開城も陥落させる。七月、小西軍は平壌で明国軍を撃破。北進を続ける加藤清正は朝鮮国の二人の王子を捕縛。朝鮮水軍は日本軍の補給路を断つゲリラ作戦を開始する。大政所が逝去し、秀吉の朝鮮渡海が中止となる。八月、加藤清正は朝鮮国境を越え女真族と交戦。小西行長は平壌に進駐。黒田官兵衛は漢城に防衛戦を張ることを主張。小西行長は明国軍と五十日間の休戦協定を締結し、日本と明国の外交交渉が開始される。十一月、秀吉は大坂城から名護屋城に戻る。十二月、改元され文禄元年となる。明国軍は国境に軍を集結。文禄二年(1593年)一月、明国軍は四万の大軍で平壌を急襲。小西軍一万は撤退を開始し、龍泉山城に在陣する黒田長政と合流。漢城の石田三成は篭城戦を主張するが全軍一致で迎撃戦と決まる。宇喜多秀家四万が進撃し、明軍を撃破。明軍は平壌に撤退。三月、明国は日本軍の食糧基地を火攻めする。四月、日本軍は釜山まで撤退、明軍は開城まで進出という講和交渉がまとまる。事実上の征伐中止だが・・・石田と小西は秀吉に勝利を報告する。明国朝廷は日本が降伏したと信じ、秀吉は明国が降伏したと信じる異常な齟齬が生じていた。八月、秀頼誕生。

「なんと・・・茶々が・・・また身籠ったと・・・」

北政所となった寧々は絶句した。

「一度ならず二度までも・・・」

北政所は思わず唇を噛みしめる・・・しかし、自分でも意外なことに・・・いつもの殺意が沸き起こらなかった。

何故か・・・笑いがこみあげてくるのだった。

それは・・・茶々のしぶとさに女として感応したものだったろう。

一方で・・・鶴松なき後の夫の憔悴と事の成り行きに北政所は危機感を持っていたのである。

夫の甥とは言え・・・関白となった秀次は北政所の血縁ではない。

夫が太閤として君臨中は天下人の妻としての地位が安泰である北政所であるが・・・もしもの場合は・・・秀次の一族が・・・天下人の一族となってしまうのである。信長の四男だった羽柴秀勝の跡を継いだ秀次の弟・豊臣秀勝こそが・・・北政所の心の支えであったが・・・それが戦地で病没するという悲運に見舞われていた。

「面白くない」と思っていた矢先の茶々の懐妊であった。

茶々が子を産めば・・・それが正室である北政所の利益に適うと・・・漸く本人が気付いたのである。

北政所は黒田官兵衛が支配する影の忍者を呼んだ。

北政所の護衛役として配されているのは仮面の忍びだった。

「赤影・・・」

「お呼びで・・・」

「秀次にはもう二人もおのこがいるというに・・・また一人生まれたそうじゃ・・・多過ぎるとは思わんか・・・」

「・・・」

赤影は戦慄した。

朝鮮半島に進出した加藤清正は圧倒的な戦闘力で日本の諸隊を置き去りにし・・・明国国境まで到達していた。

「朝鮮軍も・・・明軍も・・・他愛ないのう・・・」

清正の配下は猛将揃いである。

清正の嘆きに笑いで応えるのだった。

「しかし・・・この辺りは・・・辺境・・・用心した方が良い」

案内役として陣にある李虎鈴が呟く。

千利休亡き後・・・虎鈴は清正に惚れて身を任せたのである。

「この村の北には虎人の棲む隠れ里があるという・・・今夜は月夜・・・用心した方がいい」

「ふふふ・・・面白い・・・虎狩りと行くか」

李虎鈴は結局・・・清正を唆したことになった。

清正に従うのは・・・森本儀太夫、飯田覚兵衛、庄林隼人の三人の豪傑だけである。

月光を浴びて春の野を進む四人の前に・・・虎が現れた。

「なるほど・・・これは面白い」

清正は目を輝かせる。

「せっかくの虎を相手に武具を使うのは興ざめじゃな・・・」

突然、甲冑を脱ぎ捨て・・・全裸になる清正だった。

三人の豪傑は心得たとばかりに清正の装束を受け取る。

追尾してきた虎鈴は呆れるのだった。

虎は用心深く獲物を見る。

そして・・・清正の首めがけて跳躍する。

清正は一歩も引かず・・・虎の頭を両手でつかむのだった。

唸りをあげる虎。

「おおおおりゃああああ」

清正は叫んだ。

満月の下で・・・清正の身体に剛毛が出現したのが見えた。

「ひ」

虎鈴は思わず声をあげる。

目を疑う光景がそこにあった。

虎は巨大な灰色熊に抱え込まれている。

加藤虎之助の本性は・・・熊男だったのである。

一瞬で・・・熊男は虎を引き裂いた。

虎鈴は・・・下半身に痺れるものを感じる。

関連するキッドのブログ→第25話のレビュー

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