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2016年7月18日 (月)

血の匂いのする殺生関白、好色な下種野郎、謀反者の末路に怯えうろたえた挙句に・・・この始末・・・いざやわがうらみ思い知らせてくれようぞ(長澤まさみ)

前回。妄想が先走ったよな。

仕方ないじゃないか・・・ここは基本的に定説進行だから。

そもそも妄想とは主観的な虚構だからな・・・歴史という集団妄想とある程度はかぶる。

それにしても太閤秀吉と関白秀次の歴史的事件を知らない人は世界中に五十億人はいるだろう。

どういうスケールの断定なんだよ。

真田信繁と大谷吉継の娘もしくは養女の婚姻が関白秀次の死の前か後かは・・・意見の分かれるところだからな。

大河の脚本家も・・・どちらか自由に選べるわけである。

作劇として面白い方を選択できる喜びがそこにはあると妄想できる。

このプログにおけるレビューは作品を美化する傾向があるが・・・それはオリジナルに敬意を払っているからだと御理解いただきたい。

当然のように「歴史」という「虚構」のオリジナル性は高く、「歴史ドラマ」の創作には「歴史」に対する敬意を求めたい。

研究家が古文書を紐解き、愛好家が墓を探索し、人々が伝承を営む・・・そういう血と汗と涙の結晶なのだ。

だから・・・「脚本家」が「歴史に興味はない」などと口が裂けたら言ってもいいが・・・好感は持てない。

そういう意味で・・・今年の大河ドラマはうっとりするのである。

毎回、実に刺激的で・・・素晴らしい虚構の域に達していると考える。

ま・・・今回は少し策士策に溺れている感じはしたけどな。

で、『真田丸・第28回』(NHK総合20160717PM8~)脚本・三谷幸喜、演出・土井祥平を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は真田信幸の最初の正室とされるおこうこと清音院殿(真田信綱の娘)の描き下ろしイラスト大公開でお得でございます。清音院殿が信幸(信之)の長男・信吉を生むのは文禄四年(1595年)とされていますので秀次事件の起きる七月にはすでに懐妊が明らかになっていると思われますが虚構的には綱渡りでございますねえ。徳川家康と徳川秀忠の初めての共演については・・・確かに父と息子の葛藤についても描かれている可能性がございますね。キッドとしては単に・・・物凄くおっとりした性格の描写とストレートに受けとめました。用心深く、礼儀正しいために・・・家来筋より頭を垂れてしまう・・・ある意味、間が悪い・・・「関ヶ原の合戦に遅参」の壮大な前フリだったのではないでしょうか。家康の困惑は・・・嫌な予感を感じたからだったと邪推いたします。秀忠は基本バカボンだから・・・。じゃあ、家康はバカボンのパパなのか・・・。信繫の側室の一人、隆清院(御田姫の母)が海外留学してしまったので・・・御田姫と三好幸信を生むために帰国子女になるのか・・・なかなか主人公が正室と側室を同時に愛する展開にならない・・・恐ろしいお茶の間大河の壁・・・なのですが・・・真田信繁の正室・側室描き下ろしイラストコレクションがコンプリートなるかも楽しみです・・・しかし、あくまでマイペースでお願い申しあげます。

Sanada028天正七年(1579年)、徳川家康の嫡男・信康は織田信長の命により切腹。天正十二年(1584年)、家康の次男・秀康は羽柴秀吉の養子となり羽柴秀康を称す。天正十五年(1587年)、家康の三男は豊臣秀忠として従五位下侍従となる。天正十六年(1588年)秀康は豊臣姓を賜る。天正十七年(1589年)秀吉に嫡男・鶴松誕生。天正十八年(1590年)、秀康は秀吉の命により結城晴朝の婿養子となり結城秀朝を称す。天正二十年(1592年)、豊臣秀忠は従三位権中納言となる。文禄二年(1593年)八月、豊臣秀頼(拾丸)誕生。文禄三年(1594年)秀忠は権中納言を辞任。家康の次女で北条氏直と死別した督姫が秀吉の命により三河国吉田城主・池田輝政に再嫁する。文禄四年(1595年)七月、石田三成など太閤秀吉の奉行衆が聚楽第の関白秀次に「謀反の疑い」を問責。秀次の宿老であった山内一豊や養父であった宮部継潤が伏見城への出頭を秀次に促す。伏見で秀次は即日高野山に追放処分となる。高野山で福島正則らが秀次に賜死を伝える。秀吉は伏見で秀次の首を検分。八月、三条河原にて秀次の正室・一の台(菊亭晴季の娘)ら妻子・侍女・乳母など三十九名が斬首となる。池田輝政の妹である若御前、真田信繁の側室他、数名は助命される。秀吉の古参の家臣であった前野将右衛門長康ら秀次の家老も切腹して果てる。秀次の謀反の真偽については謎に包まれている。九月、豊臣秀忠は秀吉の養女・江を正室とする。

池田輝政は織田信長の乳母兄弟だった池田恒興の次男であり、小牧・長久手の戦いで父と兄・元助が戦死したために家督を継いでいる。輝政の妹は関白秀次の正室である。

しかし・・・秀吉が豊臣姓を得ることを周旋した菊亭晴季の娘が関白秀次の一の台になったことで・・・秀次の筆頭与力として面目を潰された恰好となった。

だが・・・若御前はくのいちであり・・・秀吉の放った秀次の目付けなのである。

一方、輝政は徳川家康の娘である督姫を継室として迎えた。

もちろん、督姫はくのいちであり・・・家康が豊臣政権に打ちこんだ楔のひとつである。

織田信長が構想した天下統一は・・・信長亡き後・・・信長の家臣である秀吉と盟友であった家康の阿吽の呼吸で成し遂げられた。

しかし・・・秀吉が海外遠征に着手する中・・・豊臣家と徳川家の暗闘は続いていたのである。

老齢の秀吉は嫡子誕生と喪失の後の第二子誕生に・・・忍びとしての心を失いつつあった。

その一瞬の隙を家康が突く。

秀次が酒の席で語った秀吉亡き後の世作りの構想は・・・緩やかな大名連合制であった。

豊臣家独裁による中央集権制を目指す官僚的な石田三成には・・・それは危険な思想に映る。

外交交渉においてすでに「明国降伏」という虚偽申告をしている三成ら和平派は・・・事実を隠すための火種を望んでいた。

徳川諜報網は・・・「秀次謀反の噂」を巧妙に仕立てる。

それは・・・三成にとって・・・秀吉の目を外から内に向けさせる恰好のチャンスだった。

秀次の若御前から池田輝政に。輝政の正室・督姫から徳川家康に。徳川家康から石田三成に伝えられた「戯言」は・・・たちまち真実へと変換された。

「秀次が謀反など・・・」と秀吉は疑う。

「唐入りの恩賞がないことに・・・不満を持つ大名が多くいます・・・」

「・・・」

「関白殿下が・・・出陣しなかったことは豊臣家にとって・・・喜ばしいことではありません」

「まるで・・・負け戦の責任を秀次にとらせるように聞こえるぞ・・・佐吉よ・・・」

「明国への使者が戻るまでは・・・勝ち戦とは言えませぬ・・・」

「とにかく・・・秀次に申し開きさせよ・・・」

しかし・・・三成は・・・秀次を詰問して・・・追いつめた。

聚楽第の秀次は・・・身の危険を感じ・・・京を脱出し・・・高野山を目指す。

秀次の周辺には・・・古き藤原の忍びが警護についている。

秀吉が出奔した秀次の暗殺を決断した瞬間・・・豊臣の忍びと古き藤原の忍びの暗闘が開始された。

「藤吉郎め・・・とち狂ったかや」

尾張・美濃国境の古き忍びである前野将右衛門は京から大和へと早駆けする馬上で呻いた。

倒しても倒しても討手が待ち伏せているのである。

「殿・・・お引きなされ」

秀次は馬術に優れていたが・・・矢玉に襲われ・・・獣道の藪の中に投げ出される。

将右衛門は馬上で忍び鉄砲を放つと馬を秀次に譲る。

将右衛門に射殺された討手が樹上から落下する。

「ここは一歩も通すまいぞ」

秀次を逃がし鉄砲を構えた将右衛門の影から・・・吹き矢が吹かれた。

「お」

振り返った将右衛門は自分の影から忍びが飛翔するのを見た。

「青影参上・・・」

将右衛門は矢針の毒が全身に回るのを感じる。

一人・・・また一人と・・・秀次の周囲から武者が消えて行く。

それでも・・・秀次は闇の中を疾走する。

影の忍者による暗殺陣の罠が待つ・・・高野山を目指して。

真田佐助は・・・穏行の術で・・・すべてを見ていた。

「太閤ほどのものが・・・かような術中に陥るとは・・・」

「上には上がいるものよ」

霧隠才蔵は呟いた。

「目先のことに・・・目が眩んでおるのだ」

真田幸村は・・・幼子を抱く秀吉の姿を思い浮かべる。

高野山の寺院の影から三人の忍びが虚空へと舞い上がる。

秀次の非業の死を見届けるために。

関連するキッドのブログ→第27話のレビュー

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コメント

>だから・・・「脚本家」が「歴史に興味はない」などと口が裂けたら言ってもいいが・・・好感は持てない。

そういう意味で・・・今年の大河ドラマはうっとりするのである。

最高の賛辞ですわね。
私もじいやのレビューにうっとりしますわ^^

投稿: くう | 2016年7月18日 (月) 21時41分

rouge❀❀❀☥❀❀❀~くう様、いらっしゃいませ~❀❀❀☥❀❀❀rouge

うっとりしていただきまことに恐縮いたします。

年表を記すだけでも・・・徳川家康の「忍」が
浮き彫りになる歴史というもの。
脚本家はそういう前提に立って
登場人物を描いておりますよねえ。
同じ凡庸な男を
家康は生かし秀吉は殺してしまう。

スペアを持つ者の強みが滲み出るのでございます。
徹頭徹尾・・・人間が描かれ・・・
物語の絢を成す・・・。
素晴らしい作品に出会える喜びを感じまする。shine

投稿: キッド | 2016年7月18日 (月) 22時29分

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