それでも恋は恋だから(黒島結菜)彼女の記憶を操作して幼馴染になりすまし恋をしていますがなにか(菊池風磨)幸せになりやがれ(竹内涼真)
恐ろしい話である。
しかし・・・その恐ろしさをどこまでスタッフが自覚しているのかは謎だ。
そもそも・・・恋なんて錯覚だから・・・他人がとやかく言う問題ではないという姿勢なのか・・・。
人間に自由意思なんかないと信じていて・・・洗脳して奴隷化することに違和感を感じないタイプなのか。
初恋の人にひどいふられ方をして青春そのものに復讐したいのか。
まあ・・・脚本家の深層心理にまで踏み込むことは遠慮しておきたい。
なにしろ・・・まだ途中経過だからな。
とにかく・・・未来人の行動が理不尽すぎるので・・・さらに大きな時空間の「意志」の理不尽さで問題を転嫁する気らしい。
「人間の心を操作することがいけないことなんて知らなかったし・・・それでなんだかわからない神に罰を受けるなんてあんまりだ」という展開になる気配がある。
庇うにも限度があるよな。
「青春もの」としては・・・ここまで・・・かなり素敵な仕上がりになっていると思う。
できれば「お茶の間対策」として・・・未来人の倫理観の丁寧な説明や・・・タイムリープについての疑似科学的考察があると・・・あと1~2%の視聴率向上が見込めたと思う。
原作はSFだが・・・ドラマはすでにファンタジーである。
美しい結末でありますようにと・・・祈るばかりである。
で、『時をかける少女・第4回』(日本テレビ20160730PM9~)原作・筒井康隆、脚本・渡部亮平、演出・岩本仁志を見た。夏を駆け抜けていく物語である。高校三年生に設定された芳山くん(黒島結菜)は最後の夏休みを前に・・・変わりたいという気持ちと変わりたくない気持ちが交錯している。大人の階段を昇ろうとしている幼馴染の吾郎ちゃん(竹内涼真)に期待する心もあるが・・・重たくも感じている。友達と恋人の境界線を越えるに相応しい相手と思えないのである。誰か・・・もっと素晴らしい相手がいるのではないかと思うタイプなんだな。そして・・・そこに・・・未来から王子様がやってくるのだ。
「恋」の危うさが・・・濃縮された原作なのである。
ただし・・・原作の芳山くんは中学三年生なのだ。
芳山くんが未来の王子様に抱いた・・・仄かな恋心は淡いものだったのである。
しかも・・・未来人の深町は・・・27世紀というとんでもなく未来からやってきていた。
それに比べて・・・高校三年の芳山くんの恋はいろいろと生々しいし・・・百年程度の未来では・・・深町の「昔の人に対する考え方」も相当な制約を受けるだろう。
そもそも・・・このドラマの深町は・・・タイムリープの発明者のニュアンスがある。
任務として過去にやってきた原作の深町とでは・・・相当な差異がある。
もちろん・・・このドラマもまた「芳山くんワールド」とも言うべき並行宇宙の一つに過ぎないわけである。
少なくとも・・・黒島結菜の演じる芳山くんは・・・なかなかに萌えさせてくれているので・・・これはこれでいいと言う他はない。
22世紀のケン・ソゴルこと深町翔平(菊池風磨)の洗脳装置とも言うべき、記憶改変装置が存在する未来。当然、未来では防護対策も開発されているのだろう。
しかし・・・無防備な現代人に対する効果は絶大なものであるらしい。
幼馴染で・・・吾郎ちゃんとともにいつも一緒にいた翔平の写真が一枚もないことに違和感を覚える芳山くん。
しかし・・・洗脳装置によって暗示のかかった芳山くんは・・・その不合理さを追求することはできない。芳山くんの精神は翔平の存在の不合理さに対して追及できないようガードがかけられてしまっているのである。
なんという・・・恐ろしい未来の道具なのだろう。
七月三十日・・・藤浦東高校の3年生たちが受験のために補講を受けている頃、未来のクスリによってタイムリーパーとなった芳山くんは・・・恋人となった翔平とはじめてのデートを楽しんでいる。
翔平の希望でピクニックにやってきた芳山くは夏の陽射しの中でうたたねしてしまう。
夢の中で・・・改変された記憶と・・・本来の記憶が鬩ぎ合う。
教室で吾郎ちゃんが芳山くんに腰掛けて言う。
「僕と付き合ってほしい」
「重いよ・・・吾郎ちゃん」
「だから・・・ピクニックに行こう」
振り返った吾郎は翔平だった。
「え・・・翔平・・・いいけど・・・私は遊園地に行きたいな」
そうか・・・吾郎ちゃんは翔平だったんだ・・・。
夢の中で芳山くんは真実と出会うが・・・目覚めるとすべてを忘却してしまう。
ピクニック場で・・・芳山くんに添い寝しているのは翔平だった。
「寝顔が可愛かった・・・」
「熱中症になりそうよ・・・」
「楽しいね」
「そう・・・でも・・・私は遊園地に行きたかったな・・・」
「そうか・・・じゃあ・・・やり直す?」
「うん」
芳山くん翔平と一緒に時をかけた。
この場合の・・・タイムリープでは・・・芳山くんが翔平とピクニックに行った時間は消滅し・・・つまり・・・時の終わりまで全部キャンセルである。
芳山くんが翔平と遊園地にデートに行く時間を作りはじめるということになる。
なにしろ・・・芳山くんのタイムリープ能力は神に等しい領域に達しているのである。
遊園地で・・・絶叫マシンを楽しむ芳山くんは・・・小刻みなジャンプで・・・並ばずに何度もアトラクションを楽しむ。
その度に時の終わりまでがすべて消滅し・・・超時空は振動する。
いろいろなハンバーグを食べたい芳山くんは・・・レストランでもジャンプを繰り返すのだが・・・この場合・・・食べたものは未来に置き去りになるのか・・・いくらでも食べられるのである。
「こんなこといいな・・・できたらいいな」レベルの設定なのだった。
しかも・・・たまたま居合わせた藤浦東高校の教師たちは・・・芳山くんのジャンプを目撃したりするのだった。
もう・・・理論的に解読不能なので・・・説明しません。
まあ・・・いいじゃないか・・・みんながトットル~が好きなわけではないのだ。
芳山くんと芳山くんの記憶を書き変えた翔平が・・・「青春」をエンジョイしている頃・・・。
子供の頃から・・・「俺の嫁」と決めていた芳山くんを・・・春までは実在しなかった親友の翔平に奪われてしまったような気がして悶々とする吾郎ちゃんは・・・勉強に集中できないのだった。
父親の浅倉努(田口浩正)が髪を切る芳山くんの姿に幼い恋をして「鋏」になりたいと思った吾郎ちゃん。
理容師になって父親の代わりに芳山くんの髪を切るのが思春期の吾郎ちゃんの夢だったのである。
成績優秀のために医学部進学を勧められる吾郎ちゃんは・・・芳山くんと離れたくない一心で・・・地元の理容師を目指すのだった。
芳山くんは学業がそれほど得意ではないので・・・大学には進学しないのでは・・・と危惧する吾郎ちゃんなのである。
芳山くんと一緒にいたくて野球部ではなくボート部に入部した吾郎ちゃん・・・。
ああ・・・それなのにそれなのに・・・なのである。
吾郎ちゃんの割りきれない憂鬱な気持ちは・・・爆発寸前だった。
「俺・・・受験しない」
帰宅した吾郎ちゃんの爆弾発言に驚愕する母親の浅倉唯(猫背椿)・・・。
「どうしても・・・理容師になりたかったら・・・大学を出てから」
「そんなの無駄じゃないか」
「せっかくの才能を無駄にするな」
父親の勉には親の欲目がある・・・不安定な商売よりも・・・医師の資格に目が眩んでもいる。
吾郎ちゃんの鬱屈は・・・そういう親の期待とかではなく・・・好きな女の子を奪われた無念さにあるので話はかみ合わない。
たちまち・・・親子喧嘩に発展。
父親の平手打ちを交わし、父親を突き飛ばしてしまう吾郎ちゃんだった。
哀しいほどの鳶が鷹を生んだ設定である。
「そんなに・・・理容師になりちきゃなれ・・・しかし・・・店は継がせん」
意地になってしまう父親だった。
居たたまれず店を出て行く吾郎ちゃん・・・。
「吾郎・・・」と母親は慟哭する。
一日で二日分以上のデートを楽しんだ芳山くんと翔平。
本当は一人暮らしの深町奈緒子(高畑淳子)の手料理をご馳走になる。
会話の流れから・・・翔平の子供時代の写真の話となるのだった。
「なぜか・・・うちには翔平ちゃんの写真が一枚もないんですよね」
「翔平の・・・写真」
危機感を感じた翔平は例の洗脳装置を作動させる。
「俺の写真ついての疑問について・・・すべて削除」
いろいろなものを喪失してしまいそうな・・・記憶操作技術だよなあ・・・。
(もしも・・・彼女が俺の正体を知ったら・・・この恋は終わるのだろうか)
自問自答する翔平だが・・・これまでの自分の行為を「悪」とは認識しないようだ。
そこへ・・・芳山くんの母親の・・・香織(安蘭けい)から連絡が入る。
吾郎の家出を浅倉唯が心配して芳山家を訪問しているのだった。
「マンガ喫茶か・・・野宿でもしてんじゃないの」と妹の芳山那帆(石井萌々果)・・・。
「あなた・・・心当たりないかしら・・・」
芳山くんにはピンとくる。
吾郎ちゃんの気持ちは・・・よくわかっている。
なにしろ・・・吾郎ちゃんの告白をタイムリープでなかったことにしているのである。
吾郎ちゃんが・・・芳山くんと翔平の交際を快く受け入れるとは思えない。
だけど・・・しょうがないじゃない。
一方で・・・本当の幼馴染を案じる気持ちは芳山くんの中で警鐘を鳴らす。
芳山くんにとって吾郎ちゃんは・・・恋人候補というよりも家族なのである。
吾郎を捜しに出るという芳山くんに付き添う翔平・・・。
しかし・・・吾郎の行方は不明である。
「こうなったら・・・行くしかないわ」
「僕も一緒に・・・」
「それは・・・やめた方がいいと思う」
「だって・・・僕も吾郎が心配だよ」
「・・・」
芳山くんは・・・翔平の鈍感さを受け入れるのだった。
どちらにしろ・・・翔平が恋人であることを大切な幼馴染の吾郎ちゃんには受け入れてもらいたいのだ。
ある意味・・・芳山くんは洗脳あるいは恋で盲目になっています。
吾郎ちゃんの家出する前の時間へ・・・タイムリープしようとする芳山くん。
しかし・・・なぜか・・・花火の夜に出てしまう。
「あれ・・・もう一度・・・」
次は・・・文化祭の日に・・・次は芳山姉妹の部屋へ。何故か・・・翔平は芳山くんの腹巻きをゲットするのだった。
とても・・・吾郎ちゃんを案じているようには見えない翔平。
翔平はただ騒動を楽しんでいるようだ。
超管理社会の22世紀では・・・子供の家出などあり得ないのだろう。
芳山くんの能力は一過性のものと翔平は予測している。
芳山くんの「時をかける少女の時間」は終わりに近付いているのだろう。
漸く・・・夕暮れのバス停に到着する芳山くんと翔平。
「よかった・・・まだ間に合う」
時計を見て時間を確かめる芳山くんだが・・・その時計は前の時間を持ちこさないのかよ・・・。
一言で言うと・・・わけがわからないのだった。
家出した直後の吾郎ちゃんに合流する・・・芳山くんと翔平。
頭脳明晰な吾郎ちゃんはたちまち事情を察する。
「俺の家出を心配して未来から来たのか・・・」
「うん・・・」
「ほっといてくれ」
「そんなことできないよ」
「でも・・・遊園地で遊んでたんだろう」
「・・・」
しかし・・・愛しい芳山くんと一緒にいられる喜びを捨てることはできない吾郎ちゃんだった。
「俺は・・・みんなの期待に応えるのに疲れたんだよ」
本心をごまかす・・・吾郎ちゃんだった。
「好きなことをすればいいのよ・・・時間はいくらでもあるんだから」
「・・・好きなことって言われても・・・」
「俺は・・・夜の学校のプールに入ってみたい」
翔平は思いつきを口にするのだった。
ピクニック・・・遊園地・・・夜のプール・・・カラオケ・・・青春のエネルギーなのか・・・芳山くんの体力は底なしなのか。
「翔平歌いなよ」
しかし・・・翔平は平成の若者の歌など知らないのだった。
「吾郎ちゃん・・・こんなことで満足なの」
「俺は悪いことをしてみたい」
「尾崎みたいな・・・」
「クスリまではやらない」
校舎の窓ガラスをたたき割ろうとする・・・吾郎ちゃん・・・しかし、結局できないのだった。
「どうして・・・一回割ってから・・・過去に戻れば・・・元通りなのに・・・」
「それって・・・すごく虚しいよな・・・」
「・・・」
三人は夜の海に出る。
すでに・・・朝が近い。
夜明けの薄明の中で・・・。
「私・・・大学に行っても写真を続けるつもり」とつぶやく芳山くん・・・。
「え・・・大学にって・・・」と唖然とする吾郎ちゃん。
「今はどんなバカでも入れる大学がありま~す」
「俺は・・・芳山くんがずっとずっと好きだったんだ・・・それなのに翔平に先をこされて・・・本当にくやしい・・・翔平・・・芳山くんを幸せにしなかったら・・・絶対に許さないぞ」
「わかった・・・俺は・・・もう・・・22世紀に帰らない」
「え」
「いや・・・なんでもない」
朝帰りした吾郎ちゃんを出迎える両親・・・。
「どうしても・・・この店をつぎたいのなら・・・」
「理容師になるのはやめた・・・」
「えええ」
「とれあえず大学に行くよ・・・」
「・・・」
何かがふっきれた・・・可哀想な吾郎ちゃん・・・。
翔平を寝ずに待っていた深町奈緒子・・・。
「どれだけ・・・心配したと思っているの・・・」
「ごめん・・・」
洗脳装置を出そうとした翔平は疑似母親の奈緒子に抱きしめられる。
「もう・・・取り残されるのは嫌なのよ」
「僕は・・・どこにも行かないよ・・・」
翔平の心に何かが疼いたようである。
そこに・・・未来人である三浦浩(高橋克実)が現れる。
「お前が・・・タイムスリップドラッグの発明者・・・ケン・ソゴルだったとはな・・・」
「え・・・」
「俺は・・・お前よりずっと未来から来たタイムトラベラーだ」
「・・・」
「お前は知らないだろう・・・」
「何を・・・」
「未来人は過去に滞在することで・・・新陳代謝異常を起こすのだ」
「なんだい・・・それ・・・」
「俺は・・・この時代の七年間でほぼ・・・毛がなくなった・・・到着時はふさふさだったのに」
「・・・」
「俺がいくつに見える」
「おっさん・・・」
「俺は・・・まだ主観的時間年齢では三十才だ・・・」
「どういうことだ」
「滞在が長いほど・・・老化するんだよ・・・二十三歳だった俺が七年後には六十代の肉体に」
「つまり・・・」
「寿命が短くなるんだよ・・・システムが解明されていないので・・・対応策はないぞ」
「あんたは・・・どうして」
「俺は・・・この時代にできた家族を愛してしまったから・・・」
「俺だって・・・」
「お前は彼女たちを自分の都合のいい性的愛玩人形にしただけだろう・・・」
「そんなことはない・・・」
「とにかく・・・お前は未来に帰れ」
「・・・」
「その前に・・・彼女には頼みたいことがある」
「え」
「俺は幸せな気持ちで死んでいくが・・・残された家族のことを思うとな・・・」
「まさか・・・」
おそらく・・・三浦は過去を改変するつもりなのだろう。
「俺はこの恋をなかったことになんかできはないよ」
翔平は・・・芳山くんに忠告する。
「お好み焼き店のおっさんが・・・変なことを言い出すが・・・信じてはいけない」
「え」
「とにかく・・・僕を信じてくれ・・・」
「何を言ってるの・・・」
「僕は・・・君を幸せにするんだ・・・吾郎と約束したんだから・・・」
隠れ家でドラッグの調合を進める翔平。
「やっとやる気になったのね・・・」と相原央になりすましている未来人ゾーイ(吉本実憂)・・・。
「急がないと・・・君だけでも未来に戻さないとな」
「どういうこと・・・」
「過去で・・・我々の新陳代謝は加速するらしい」
「それって・・・」
「早死にするんだよ・・・ぼくらは」
「そんな・・・」
ゾーイは蒼ざめた。
最悪の未来人・ケンに・・・悲劇モードのオブラートをかぶせて・・・物語は最終回へとなだれ込むのだった・・・。
なにしろ・・・この世界の未来には・・・冬しかない地球が待っているのだ。
この物語は・・・本質的に暗い未来へと向っているのです。
はたして・・・それを根底から覆す・・・芳山くんの活躍があるのかどうか・・・それだけが気がかりなのである。
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コメント
キッドさま、さすがにこのドラマの「ファンタジー」性その他についていけなくなりそうですわ…。
よく考えたら第一回からそうだったわけですが、到着時間帯の服装に切り替わっているということにいまごろ気づきました。なんだそりゃ…。平日昼なら制服、夏祭りの日なら浴衣で到着…なら元時間で入浴中だったら(笑)???
モラル面
時間を巻き戻せるなら学校の窓ガラス割ってもOKというメンタリティ…
夜中の学校のプールまではいいとしても、幼なじみとしても人の自由を奪って自由落下に任せても良いという制作側のメンタリティー…
写真が無い…の流れ
写真が無いことに気付いた登場人物はじわじわと真相に気付かされていくのが例えば面白いのであって、ここでまた集団催眠効果(タイムトラベラーファンはやはりこの言い方が好き)アイテムの登場かよ…と。
で、前回以上にやはり男二人は逆希望。
まあ、あと、高校三年生男子がJKの膝に座るのは視聴者にいろいろな想い(いろいろじゃないだろ)を与えるのでやめてー(笑)。
投稿: 幻灯機 | 2016年7月31日 (日) 16時26分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
そもそもサイエンス・フィクションは・・・
科学的虚構でございます。
どこか・・・論理的でないと哀しい・・・。
そういう意味では・・・「いろいろな時間トラベルの場面」については研究したけれど・・・理論については知ったこっちゃねえという姿勢がはっきりしてますな。
その根底にあるのは
「え~・・・時間旅行なんてちゃんちゃらおかしいぜ」という本音がありますな。
つまり・・・どうせ嘘なんだから
何やっても平気という姿勢です。
それはそれで清々しい。
虚構ですから・・・犯そうが殺そうが
別に構いませんが・・・
嫌がる女子を集団でプールに投げ落す人は
女子を集団でレイプする可能性がありますよねえ。
さらには・・・身動きできない人を刺し殺したりもするでしょう。
お茶の間対策がまるっきりなされていない
素人の仕事ぶりであることは
最初に指摘しましたので
これ以上・・・言及いたしませんけれど~。
ファンタジーは夢物語なので
なんでもありでいいのですな。
時には持っているから亀を移動する。
時には現地で瞬間的な早着替え。
精神的かと思えば肉体的・・・。
その時、その時、お馬鹿な脚本家が閃いたアイディアを
そのまま映像化しているので
とんでもないことになるのですな。
まあ・・・それはそれで
面白いと思う他はありません。
だって・・・馬鹿な子ほど可愛いのですからねえ。
あらゆる時間跳躍技法を駆使する芳山くんは
だから・・・神のような存在になっているのです。
しかし・・・神である以上・・・
世界の変容には責任を感じなければいけないということになるでしょうねえ。
未来人のモラルについてはもう少し説明が必要ですよねえ。
翔平は我儘で鈍感な小学生のように見えますからな。
「痛み」を知らないのかもしれない・・・くらいにしておかないと・・・。
単なる極悪非道に見えてしまいますよねえ。
ここまで深町を悪として描いたことも「時かけ」史上はじめてかもしれませんが・・・スタッフはそれが「悪」だとわからないのかもしれません・・・。
まあ・・・人間はみんな極悪非道が主題なら
それはそれでよろしいとは思いますが・・・。
吾郎ちゃんと深町の配役については・・・
どちらをイケメンと感じるかの
相対的美学と・・・
芳山くの恋のお相手適性と・・・
帝国の商業主義が・・・
激しく絡み合う問題ですな。
まあ・・・芳山くんが可愛ければ
なんでもいいと思う気持ちが
キッドにはございまする。
投稿: キッド | 2016年7月31日 (日) 16時59分