好きな人と浴衣でおでかけすること(桐谷美玲)恋は甘く恋は苦い(山崎賢人)失われた時を求めてはいけない(阿部純子)
土曜日を駆け抜けていった女子高校生の恋のドラマ「時をかける少女」では時間は巻き戻されまくっていたが・・・「月9」の大人の恋は・・・時間は巻き戻せないのが前提である。
しかし、失敗したらやりなおせばいいらしい。
もちろん・・・時間は限られているので無限にやり直せるわけではない。
ゲームの世界では・・・制限時間というものが一つのルールになっている。
ゆっくりやれば難易度が低くなるものを時間を制限することで高難度にするわけである。
たとえば・・・競泳という競技では・・・誰よりも早くゴールしたら優勝という時間制限があるわけだ。
そして・・・たとえば五輪の決勝レースともなれば・・・失敗すれば・・・次のチャンスは四年後という時間制限になる。
では・・・「失敗してもやりなおせない」ではないか・・・と考える人もいるだろう。
この場合・・・「やりなおし」は前倒しになる。
本番前に何度も何度もやり直す・・・つまり、反復練習である。
あらかじめやりなおしておいて・・・本番にすべてをかけるのだ。
それは人生というゲームの基本システムなのである。
女子高校生の恋がやり直せるのは・・・それがまだ練習だからである。
もう恋なんてしないと思うほど失敗しても女子高校生なら気にすることはない。
本番はこれからなのだ。
恋の五輪は大人になってからである。
ドラマだって本番前にはリハーサルを積み重ねる。
もちろん・・・大人になってから失敗すると・・・アウトになる場合があるので注意が必要です。
ドラマなどの「恋の虚構」はあくまでテキストである。
そして・・・やりなおせないほどの年齢のあなたにとっては・・・甘いメモリーなのである。
で、『好きな人がいること・第5回』(フジテレビ20160808PM9~)脚本・桑村さや香、演出・金井紘を見た。憧れの先輩・柴崎千秋(三浦翔平)に誘われ、千秋の経営する海辺の町のレストラン「Sea Sons」でパティシエとして働くことになった櫻井美咲(桐谷美玲)・・・。強力な恋仇として千秋の元カノである高月楓(菜々緒)が現れピンチに陥るが・・・復縁を申し出た楓を千秋が拒絶することによって・・・ノーアウト、二塁三塁のチャンスに打席が回ってくるのである。・・・そのたとえはまったく意味不明だ。勇気を出して「花火大会に行きたい」とつぶやいた美咲は・・・千秋と一緒に「江ノ島花火大会」におでかけすることになる。有頂天になって千秋の弟でカリスマ・シェフの夏向(山崎賢人)に「デートの件」を報告する美咲・・・しかし・・・美咲に仄かな想いを寄せているらしい夏向は・・・「行くな」と言うのだった。
「え・・・」
「花火大会に行くなと言っている」
茫然とする美咲・・・。
しかし・・・夏向が自分に恋をしているとは夢にも思わない美咲は・・・。
「ああ・・・花火大会で告白したりして・・・大失恋とか・・・そうなるのを心配してくれてるの?・・・あなたが私のことを心配してくれるなんて・・・意外だわ・・・でも大丈夫・・・一緒に花火を見るだけで・・・私は大満足なんだから・・・」
美咲の勝手な解釈に憮然とする夏向だった・・・。
後輩の石川若葉(阿部純子)に電話で「花火を千秋と見に行く件」を報告する美咲である。
今回の若葉はカープ女子として登場。
若葉は青春をエンジョイしすぎだな。
ちなみに「ラブソング」のヒロインもカープ女子だった。
謎のカープ女子推しである。
何故か・・・横浜DeNAベイスターズが二軍の本拠地として使用している横須賀スタジアムにエキストラが集合したらしい。
そして・・・背番号33の内野手・菊池涼介(26)・・・シーズン補殺:535の日本プロ野球記録保持者・・・推しである。
「光を追い越しメーター振り切り駆け抜けろ止まらないぜ韋駄天菊池」
「え・・・」
「美咲先輩凄いじゃないですか」
「そう?」
「行け行け美咲!千秋の恋人美咲は最高!」
「えへへ」
「美咲、それ美咲」
美咲にエールを贈る電話の向こうの広島カープファン一同である。
五輪の際中ですが・・・プロ野球のことも思い出してあげてくださいというメッセージなのか。
まあ・・・広島カープは「こい」の球団である。鯉の恋はだじゃれの極みだからな。
とにかく・・・赤いウサギの抱き枕「ウサギ型宇宙人RAB(ラブ)」を抱きしめる美咲だった。
うつ伏せになった美咲が膝を曲げ、正面からとらえた画像では・・・美咲のそろえた足の裏がウサギの耳となっていることに注目してください。
バニーガール美咲である。
繁殖力旺盛なバニーは性欲の象徴である。
そして・・・ウサギの赤い目は・・・恋に夢中になると寝不足になることを暗示しています。
・・・妄想激しいな。
五輪に夢中で目が真っ赤だからな。
こうして・・・美咲の恋は暴走を開始するのだった。
翌朝・・・三男の柴崎冬真(野村周平)は「千秋と美咲の花火大会デート」を冷やかす。
「ここは浴衣で決めるべきだね」
「浴衣?」
「兄貴は・・・可愛い浴衣少女が大好物なのさ」
「そんな・・・千秋さんを変態みたいに・・・」
「またまた・・・変態が好きなくせに~」
もちろん・・・美咲も千秋とあんなことやこんなことをしたり「としまえん」にも行ってみたいのだった。
さあ・・・水着サービスのフラグかっ。
千秋のために・・・誰もが二割増しになるという浴衣サービスについて考える美咲。
サーフショップ「LEG END」のオーナー日村(浜野謙太)と交際中の奥田実果子(佐野ひなこ)も「花火大会で浴衣は定番」と推奨する。
「できれば・・・花火の前に告白はすませておきたいわねえ」
「え」
「だって・・・好きな人と見る花火も楽しいけど・・・恋人と一緒に見る花火は最高だから」
「・・・」
美咲の前にハードルが示されるのだった。
ショーウインドウの浴衣を見つめる美咲の前に日村が現れ・・・コーディネイトを申し出る。
美咲は可愛い大輪の花柄の浴衣をゲットした!
デートへの期待が爆発しそうな美咲である。
さて・・・同時並行で進むミステリ展開・・・謎の美少女風の西島愛海(大原櫻子)はレストラン「Sea Sons」に来店。千秋に要件を切りだす。
「私の名前は・・・西島愛海・・・イソヤマナギサの娘です」
顔色が変わる千秋・・・千秋を飼いならしたい企業家の東村了(吉田鋼太郎)の持ちだした戸籍謄本の件と絡めて・・・柴崎兄弟には出生の秘密があるわけである。
しかし・・・そのことについて触れられることを頑なに拒絶する千秋だった。
「俺たち兄弟のことはほっといてくれ」
「・・・」
さらに・・・料理人になることになんらかの悩みを抱える冬真の件もあるが・・・これはまだ「問題」が生じていることを匂わせる段階である。
今回進展するのは・・・美咲が好きな人を同じく好きな人の楓の抱える秘密である。
ライバルでいいじゃないか。
今回文章力問題あるな。
今、卓球の強すぎる愛ちゃんで頭がいっぱいです。・・・おいっ。
ウキウキする美咲は・・・喫茶店の窓際の席に座る・・・楓と謎の男(阿部進之介)を目撃。
楓から金を受け取った男は去っていく。
美咲に気がつく楓・・・。
「誤解しないでね・・・留学ってお金がかかるの・・・借りてたお金を返しただけよ」
「でも・・・留学は嘘なんでしょう」
「え」
「ごめんなさい・・・あの時・・・立ち聞きしてしまいました」
「よかったわね・・・私・・・今日でこの街を出るわ」
「でも・・・」
「気にしないで・・・千秋のことは・・・ちょっとした遊びだから・・・ひと夏くらい・・・また遊んでもいいかなと思っただけ・・・」
美咲は・・・楓が嘘をついている気配を感じるが・・・語りかける言葉が見つからないのだった。
美咲には新たな選択肢が生じたのである。
①千秋に告白する
②千秋に楓が街を出て行くことを伝える
思い悩む美咲。
そこで・・・夏向に相談することを決意する。
ちなみに夏向の部屋の窓から階下の美咲の部屋の窓は見下ろせる。
夏向は美咲の頭に貝殻を投げつけて遊ぶことのできるシステムである。
さらに・・・夏向は高さのあるベッドを使用している。
夏向の部屋の床にすわった美咲を見下ろすポジションなのである。
体は上位にある夏向だが・・・気持ちは美咲を仰ぎ見ている。
そういう変態的なポジショニングである。
「そんなこと・・・伝えても仕方がない・・・二人は破局しているんだから」
美咲の望んでいた回答を与える夏向・・・。
「よかった・・・気持ちがすっきりした」
「・・・」
「でも・・・緊張して来たな・・・明日のデート」
「・・・」
「好きな人がいることが・・・こんなに楽しいことだなんて」
「・・・」
「ほら・・・浴衣かわいいでしょう」
夏向の心を知らず語りまくる美咲。
ついに爆発する夏向。
「お前の浴衣姿なんて誰も興味がない・・・花火大会なんか・・・くだらない・・・俺の前でその話はやめろ」
「・・・ひどい」
「出ていけ」
部屋から美咲を追い出す夏向だった。
花火大会当日・・・美容院でデートのために「いつもよりきれいになる」美咲である。
美容師(ふせえり)はバンサークローの幹部なので女子・レッドと戦闘シーンに突入しそうでドキドキする。
・・・世界でお前だけだぞ。
美容師に「デートなら・・・もっとかわいくドレスアップしないと」と営業される美咲。
「でも・・・」
「ダメよダメダメ~」
美咲は「かわいい玉簪」を頭にさした!
待ち合わせ場所に千秋が現れ・・・デート開始である。
「バーベキュー大会」の画像を美咲、夏向、そして千秋が・・・三者三様で見つめたシーンから・・・千秋は楓を忘れようとしてこのイベントに参加していることが推察できる。
千秋はスマートフォンで「かわいい浴衣姿の美咲」を盗撮して・・・新しいメモリーを追加するのだった。
穴場スポットへと移動を開始する二人。
美咲は上級者向けの「花火の前の告白」にチャレンジする。
しかし・・・いつもの子供たちがそれを阻止するのだった。
子供たちは恋を知らないからである。
きっかけを失った美咲に千秋が「穴場へ行く前の飲み物の調達」を申し出る。
おそらく・・・「穴場」は三兄弟の口説きスポットなのであろう。
とりのこされた美咲・・・チンピラ登場の場面であるが・・・現れたのは謎の男。
謎の男は・・・楓を捜していた。
そして・・・饒舌にすべての事情を話すのだった。
ちなみに・・・男は夏向にもまったく同じ話をします。
男は高月誠・・・楓の兄であった。
事情は明らかにされないが・・・誠には多額の借金があり・・・その返済のために・・・楓は水商売に身を落したらしい。
「えええええ」
デートの前にもっとも聞いてはいけない・・・好きな人の元カノの「かわいそうな話」である。
戻って来た千秋と「花火見物・・・地元民だけの秘密スポット」に到着した美咲。
しかし・・・「楓の話」をしないわけにはいかなくなった美咲である。
「行ってください・・・楓さんは・・・まだ駅にいます・・・私は・・・東京の友達を呼んでるんで大丈夫です」
変な嘘でその場をしのぐ美咲である。
「ごめん」
千秋は下駄を鳴らして駅へと走るのだった。
たちまち始る恋の打ち上げ花火・・・。
駅のホームで楓をキャッチする千秋だった。
「なにしにきたの・・・」
「すまなかった・・・お前のこと気付いてやれなくて」
「・・・」
「お前を悲しませて・・・主に泣かせて・・・」
楓を抱きしめる千秋だった。
一人で花火を見る浴衣の女。
下駄が海面に落下しそうでハラハラするのだった。
お・・・このポイントが天使テンメイ様と完全にかぶったのでございます。
いつだったか忘れたが・・・たしかに落下する下駄だかサンダルの記憶がある。
母さん・・・あのサンダルはどうしたでしょうね。
冥い海に落ちて行ったあのサンダルですよ・・・。
「何・・・泣いてるんだよ」
「え」
事情を察した夏向が現れた!
「あの男・・・店にも来たよ・・・お前に話したのと同じ話をしていたよ」
「・・・慰めにきてくれたの」
「・・・」
「花火ってさ・・・好きな人がいようといまいと・・・綺麗だよね・・・私・・・バカだから・・・本当は少し・・・期待してた・・・楓さんのことを伝えても・・・千秋さんは私を選んでくれるんじゃなかって・・・でも・・・ダッシュして行っちゃったよ・・・まあね・・・浴衣なんか来ても・・・中身が変わるわけじゃないもんね」
「思ったより・・・似合ってるぞ」
「今さら・・・そんなこと言われても・・・好きな人がいるって・・・こんなに苦しいんだね。さっきまで楽しかったのが嘘みたい・・・だって・・・千秋さんがいなくなっちゃったんだもん」
「・・・俺がいるだろう・・・俺がそばにいてやるんだから・・・我慢しろ」
「・・・」
一部お茶の間はうっとりするのだった。
美咲の制限時間はまだまだたっぷりあるようだ。
そして、深夜・・・早朝(日本時間)である・・・速報で柔道男子・大野将平選手の金メダル獲得のニュースが今、流れました。
王者不在の八年・・・長かったなあ・・・。
四年前の唯一の女王・松本薫選手は銅メダルに終わったが・・・誰も文句は言うまい。
銅メダルの松本はインタビューに応える。
「うれしくもあり・・・くやしくもあり・・・甘酸っぱい気持ちです」
恋なんだな。
この夏の光と影はまだまだ続くのである。
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