嘲笑された村の女に桃色のドレスを(山田孝之)
夢は身近な異世界である。
定番の状況を持つ人も多いだろう。
トイレやテストにまつわる夢は・・・現実世界の残滓である。
レンタルビデオの延滞についての夢を見る人はいるだろうか。
とっくにつぶれたレンタルビデオ店のビデオケースを発見して背筋が寒くなるのである。
夢の中では・・・その店は何故か健在なのである。
そして・・・返済日はなぜか一年以上過ぎているのだ。
とんでもない延滞料金が発生しているのである。
しかも・・・そのビデオを借りた覚えがないのだった。
そういう事件があったのだ。
ルールにルーズな同居人が・・・勝手に借りて放置したのである。
頭が爆発しそうな怒りを覚えて・・・あまりの激怒に目が覚めるのだった。
そして・・・思うのだった。
人生は山あり谷ありだと。
で、『勇者ヨシヒコと導かれし七人・第3回』(テレビ東京201610220018~)脚本・演出・福田雄一を見た。ゲーム「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」では世界に散らばっている「6つのオーブ」を手に入れることが勇者たちの冒険の目的となっている。こちらでは七つの玉の持ち主を捜すことが「魔王を倒すために必要な条件」として仏(佐藤二朗)に示される。
世界を滅亡させる魔王を倒すために三度目の冒険の旅に出た勇者ヨシヒコ(山田孝之)と仲間たち・・・戦士ダンジョー(宅麻伸)、魔法使いのメレブ(ムロツヨシ )、村の女ムラサキ(木南晴夏)だった。
つまり・・・ドラマ「勇者ヨシヒコと導かれし七人」とゲーム「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」はまったく無関係なのである。
無関係なのだが・・・なんとなく関連しているという前提なのだ。
意味がわからない・・・。
そういう関係しているのかしていないのか微妙なところが「魅力」というものなのである。
つまりアレだ。
ちなみに・・・仏を見るためのウルトラアイや・・・ドラクエシリーズや・・・ファイナルファンタジーシリーズに関連している円谷プロダクションやスクウェア・エニックスはクレジット的に協力しています。
いつもの森の中を抜けると・・・盗賊B(渡辺いっけい)が現れた!
「金と食糧をいただく」
「金も食糧もないのです」
「俺は血に飢えた盗賊だ・・・とにかく殺す」
剣を構えた盗賊Bはヨシヒコやダンジョーと互角に渡り合う。
「なかなか・・・やるな・・・」
そこへ・・・盗賊Bの弟であるシゲ(太賀)がやってくる。
「兄貴・・・大変だ・・・レンタルビデオを返し忘れているよ」
「俺は血に飢えた盗賊だ・・・知ったことではない」
「だって・・・延滞料金は倍額だし・・・借りたのは十本で・・・もう九日も延滞しているんだぜ」
「え」
メレブは計算してみた。
「レンタル料の相場って300ゴールドだろう・・・その倍なら600ゴールド、十本を一日延滞すると6000ゴールド・・・それが九日間なら54000ゴールドだよ」
「・・・」
「この世界の最大持ち金が65535ゴールドなのに・・・」
「後・・・二日で66000ゴールドになって支払い不能になってしまうわね」
「すぐに返却しないとシステム的に・・・拙いことになるよ」
「システムとは何ですか?」
「兄貴・・・」
「俺は血に飢えた盗賊だ・・・しかし・・・今日はビデオを返却しに行く」
盗賊たちは立ち去った。
「なんだか・・・大変そうなので手伝ってきます」
「おい・・・ヨシヒコ・・・そんなのいいから」
しかし・・・心のピュアなヨシヒコは盗賊たちの後を追うのだった。
そんなこんなで・・・体力を消耗した一同。
「もう・・・HPが限りなくゼロに近い気がする」
「HPとは何ですか?」
「もうすぐ村よ」
そこへ・・・スライムが現れた。
「逃げよう」
しかし、スライムは回りこんだ。
スライムに囲まれてしまった一同。
そして・・・スライムは転移の呪文「ルーラ」のような攻撃を仕掛けてきた。
気がつくと一同は村の入り口に立っていた。
「エフエフvillage」と書かれたゲート。
「なんだか・・・妙な雰囲気だな・・・」
メレブは違和感を感じる。
「妙な雰囲気とは?」
「エフエフの村って・・・なんだか・・・何処かで聞いた事がある気がする」
「そうなんですか」
「何かの略称のような・・・」
「ファイナルファンタジー的な・・・」
「ようこそ・・・エフエフの村へ」
スタイリッシュな下唇を軽く噛むVの発音に拘るヴァリー(城田優)がエレガントにお茶を飲んでいた。
「私はVァリーです」
「Bァリーさん」
「いいえVァリー」
ヨシヒコはなんとかヴァリーを発音しようとするがネズミみたいな顔になるばかりでバリーになってしまうのだった。
「なにか用ですか」
「見たところ・・・歴戦の勇士のようだ・・・我々、反乱軍の戦いに参加してもらえませんか」
「反乱軍?」
「そうです・・・この国は悪政を布く国王によって民が苦しんでいるのです」
「我々には大切な目的があるのだ」とダンジョーは協力を拒む。
「待ってください・・・反乱軍の中に玉を持っている人がいるかもしれません」とヨシヒコ。
一同は・・・反乱軍の戦士ヴァリーによって反乱軍のアジトに導かれる。
ドラクエシリーズよりも・・・洗練されたエフエフシリーズの世界に・・・うっとりするムラサキだった。
しかし・・・ヨシヒコは壺を壊し、樽も壊す。
「何故壊すのですか」
「調べる必要があるので・・・」
「よせ・・・ヨシヒコ・・・ここではしらべるシステムが違うみたいだ」
「しらべるシステム?」
ヴァリーの仲間は・・・スタイリッシュなモンク(武闘家)であるバッシア(平山祐介)、スタイリッショな白魔道士のアーシュ(石田ニコル)、スタイリッシュな黒魔道士のバルフロア(水田航生)である。
ダンジョーはアーシュにたちまち魅了される。
「ベースケ(助兵衛)か」とムラサキ。
ヨシヒコは引き出しを調べてアーシュの下着を入手した!
ちなみに・・・ゲーム「ファイナルファンタジーXII」の世界には・・・主人公のヴァン (Vaan) 、徒手空拳の使い手バッシュ・フォン・ローゼンバーグ、ヒロインのアーシェ・バナルガン・ダルマスカ、隕石使いのバルフレアが登場する。
つまり・・・彼らはエフエフシリーズのアレなのだ。
「皆さんのジョブは何ですか」
「ジョブとは?」
「つまり・・・役割というか・・・職業的な」
勇者ヨシヒコ、戦士ダンジョー、魔法使いメレブの後で・・・。
「村の女・・・ムラサキよ」
「村の女・・・あはははは」
思わず爆笑するエフエフの戦士たち。
ムラサキは屈辱を感じるが・・・相手がスタイリッシュなので言いかえせない。
「それで・・・敵というのは?」
「別荘で休養中の・・・圧政の王グラミスガンナバルドールを暗殺するのです」
「敵の名前もスタイリッシュだ」と圧倒されるメレブ。
ちなみに「ファイナルファンタジーXII」に登場するのはアルケイディア帝国第11代皇帝グラミス・ガンナ・ソリドールである。
スタイリュッシュな回転ドア的セレモニーに参加しようとするが・・・なかなか輪に加われないヨシヒコ。
メレブが誘導するが・・・高身長なエフエフの住人に・・・ヨシヒコの背丈は足りないのだった。
出発前に女店員(山野海)のいるフルーツ屋で食糧を調達しようとしたヨシヒコたち。
しかし・・・エフエフの村の通貨はギルで・・・ゴールドは流通していないのだった。
「この世界のどこかに・・・両替屋があるはずだが・・・」
「とにかく出発しましょう」
ヨシヒコたちにとって見慣れぬモンスターが現れる。
「これは・・・」
何故か・・・初期のエフエフシリーズの戦闘画面になる。
「なぜ・・・ななめなのですか」
「こういうものです」
「数字が出ます」
「ダメージです」
「メレブ・・・食らいすぎだろ・・・防御力どうなってんの」
「あなたのアビリティは何ですか」
「アビリティーとは?」
「このままでは勝てません・・・ここはチョコバを召喚します」
アーシュは人間が二人で演じているようなチョコボに似た馬を召喚する。
「チョコバ遅い」とムラサキ。
「掛け声が聞こえますね」とヨシヒコ。
「足並み揃えないとね」とメレブ。
スタイリッシュな晩餐。
「野営のシステムが凄い」
「システムとは・・・」
「そちらの世界ではモンスターが違うのですか」
メレブはスライムを描いた!
「かわいい」とアーシュ・・・。
メレブは呪文を披露する。
今回は電撃系で・・・小さな磁力により・・・肩こりをほぐすチョイデインである。
しかし・・・ピュアなヨシヒコは肩こりをしない体質なので効果がないのだった。
エフエフ戦士たちは・・・役に立たない魔法だと侮る。
メレブは「ブラズーレ」で復讐するのだった。
アーシュに対しては一種のセクシャル・ハラスメントで・・・ヨシヒコの下着略奪と併せてお茶の間サービスである。
チョコバ騎乗もセクシーだったぞ。
いよいよ・・・敵の別荘に接近する一同。
「この玉を知りませんか」
唐突に切り出すヨシヒコ・・・。
「見覚えがある」とヴァリー。
しかし・・・またしてもルーラ効果が発動し・・・ヨシヒコたちは別の世界に転移する。
そこでは巨大な肉が調理されていた。
「いい匂い・・・」
だが・・・目の前に出現するカプコンの「モンスターハンター」シリーズに登場するドドブランゴのような巨大なモンスター。
巨大な武器を持つ大男(勝矢)が現れる。
「手伝ってくれ」
「わかりました」
「待て・・・ヨシヒコ」
一同の制止を振り切り・・・狩りに参加するヨシヒコだった。
そこで・・・またルーラ効果が発動し・・・ヨシヒコ意外の三人はまたも次元を越える。
メレブたちの目の前に現れるドラクエモンスター。
「非常に危険なのに何故かホッとする」
ダンジョーの攻撃。
モンスターはダメージを受ける。
「チョイデイン」
モンスターたちは強くなった。
「やっぱり・・・」とムラサキ。
やがて・・・メレブたちはエフエフの村にたどり着く。
「どうやら・・・地続きだったようだ」
「どういう意味だ」
「つまり・・・経営している会社が」
そこへ・・・モザイクになったヨシヒコが現れる。
「おい・・・それは」
明らかに任天堂の「スーパーマリオブラザーズ」的なキャラクターだとモザイクでもわかるドット絵仕様である。
「むこうの世界でお金を稼ぎましょう・・・ムラサキにはももいろのドレスを」
「うれしい」
「ピーチ姫か」
「ジャンプしてしがみつくだけでいいんです」
「ボス面に行ってないんだな」
「弟もできました」
モザイクの緑色の類似したキャラクターが登場する。
誰がゲストなのかも不明の状態である。
兄弟はメレブの制止を振り切ってカートのある世界へ走り去る。
そこへヴァリーが青のオーブを持って登場する。
「家の倉庫にあった・・・」
「魔王を倒すために・・・あなたを召喚したい」
「魔王・・・噂には聞いたが・・・本当に存在するのか」
「します」
「わかった・・・協力を惜しまない」
「感謝する」
「しかし・・・うちの主人公が行方不明なのだ」
「主人公?」
途方に暮れるメレブたち。
しかし・・・仏がヨシヒコを強制召喚するのだった。
「ヨシヒコ・・・主人公としての自覚を持て」
キョトンとするヨシヒコ。
「そんな可愛い顔しないでっ」
「しかし・・・コインを稼いで・・・強力な武器を」
「そういうことは・・・地道にコツコツね・・・楽をしようとしないで」
「はい」
「次は・・・北へと向いなさい」
「ざっくりしてんなあ・・・」
「パズルをするだけでドラゴンを倒せる世界もあったんだ」
「え~・・・楽しそう~」
例によって一同を見守る心優しいヒサ(岡本あずさ)・・・。
どうやら・・・変化の杖を入手できたらしい。
いろいろと妄想させる夜があったわけである。
「兄さま・・・もう許可的なものでプロデューサーを困らせるのはやめないと・・・」
そして・・・ヒサは・・・なんとなく・・・「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」のおてんば姫アリーナ(中川翔子)に似た「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」のムーンブルクもしくはサマルトリアの王女に変身する。
「ひとつ前の世界の姫だから・・・兄様にはわからないはず・・・」
アリーナ姫の撮影は三分で済んだが・・・中の人はヨシヒコたちと記念写真を撮影したくて二時間残留したと言う。
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