二話連続でクローゼットに隠れる女(成海璃子)
濃厚なキスシーンをサービスしながらも・・・クズを演じる二人の女優。
脚本家の心に眠るサディズムが遺憾なく発揮されているようだ。
一方・・・若者たちが修羅場やラブ・シーンに突入している間、飲んだくれる中年女優二人である。
殺伐としていながら哀愁が漂うのだった。
水野美紀といえば・・・様々な役を演じてきたベテランだが・・・つまるところ・・・「踊る大捜査線」」(1997年の柏木雪乃が当たり役である。
今回の役名は如野佳代(ゆきの・かよ)で・・・「雪乃かよっ」ということなのだと妄想できる。
佐藤仁美といえば映画「バウンス ko GALS」(1997年)のジョンコだが・・・あれからもう二十年近く、経つのだなあ。
二人とも・・・二十世紀には可愛かったのになあ・・・。
おいおいおいおい。
で、『黒い十人の女・第2回』(日本テレビ201610062359~)原作・和田夏十、脚本・バカリズム、演出・渡部亮平を見た。東京都の市場移転問題がワイド・ショーを含めたニュース・ショーを賑わすけだが・・・地方在住の人々にとっては基本的にどうでもいい問題なのである。そもそもすでに相当な放射能汚染が行われている土地で今さら「食の安全」もクソもない。おいおい。妄想的には・・・盛り土がなされない云々の浮上は2011年の話なのである。つまり、盛る予定の綺麗な土がなくなっちゃったという話ではないか・・・おいおいおい。なぜか・・・人は浮気をしたがるものだ。しかし・・・交際相手の浮気はなんだか許せないのである。そして・・・そういう他人のあれやこれやを面白がる人も一定数いる。同盟国に裏切られたら亡国の危機であるが・・・愛の裏切りも時には人を死の淵に追いやるものだ。けれど・・・冷静に考えれば・・・すべては気の迷いですから。
「でも・・・好きなんでしょう・・・他人の不幸が」
蜜の味だからねえ。
東西テレビの受付嬢である神田久未(成海璃子)はドラマプロデューサーの風松吉(船越英一郎)と深い関係になってしまうが・・・風松吉は妻帯者だった。
それどころか・・・松吉には九人の愛人がいる・・・と愛人仲間の劇団「絞り汁」の所属女優・如野佳代(水野美紀)・・・。
飲み物ぶっかけ能力の高いアソシエイトプロデューサーの弥上美羽(佐藤仁美)もまた風の愛人の一人であると佳代に紹介されて戸惑う久未である。
昔は「浮気は男の甲斐性」などと言い・・・経済力の高さによって愛人数が決まっていたわけである・・・おいっ。
イスラム教徒が一夫多妻を維持するのにも経済力が必要である。つまり・・・イスラム教徒は昔から貧乏で結婚できない男が多いわけである・・・おいおいおい。
しかし・・・現代で正妻の他に愛人九人を維持するのは「男の甲斐性」としてかなり困難なのである。
現在・・・判明している愛人のうち・・・二人は職場恋愛だ。
風にとって久未は勤務先の受付嬢。美羽は上司と部下の関係である。
つまり・・・近場で手をつけている。
風は愛人たちを「食事」に誘うわけだが・・・職業的に・・・「飲食費」を必要経費として計上できる立場である。
つまり・・・「打合せと称する」わけである。
そういう意味で・・・仕事の接点のない久未が一番、金のかかる女なのかもしれない。
次に・・・愛の巣の問題があるが・・・相手が一人暮らしの女性ならばそこで処理するのだろう。
ホテル代がバカにならないんだよねえ。おいっ。
さらに・・・プレゼントは久未の場合、自分のプロデュースしたドラマ「恋人たちの食生活」のコンプリートボックスを風から贈られていた。
そんなもので・・・納得できる女たちだけが・・・風の愛人になる資格を持つのだった。
なんだか・・・泣けてくるよね。
愛人の一人・・・相葉志乃(トリンドル玲奈)は女優である。舞台女優の佳代と同様に仕事関係の相手なのである。
これに今回、明らかになった五人目の愛人・・・脚本家・皐山夏希(MEGUMI)を加えると・・・すべて手近である。
手近じゃないと・・・九人を維持するのは困難だものな。
打合せと称して・・・皐山を訪問した風は「チューしてえ」と迫る愛人の求愛をかわして必要経費でピザを注文し・・・実際に脚本直しの打合せをするのだった。
単なる仕事じゃないか。
いや・・・そこにそこはかとないいちゃいちゃ感があって潤いも生じているのだろう。
下半身を潤わせ執筆する皐山は一種の放置プレーのようなものなのだろう・・・。
やはり・・・サディズムが根底にあるよね。
もう・・・ずっとお預けの愛人だよね。
お預けチームが・・・皐山、佳代、美羽。
やってるチームが久未と志乃というここまでの状況である。
新ドラマ「淡い三人の男」のオーディションに臨む佳代・・・。
風や・・・林監督(大堀こういち)、キャスティング担当の火山(山田純大)の前で格闘技の形を交えた変なダンスを披露するのだった。
テレビドラマでは・・・ここまでその他大勢の実績しかない佳代である。
所属劇団の遍歴を含めて小ネタ満載だがスルーしておく。
結局・・・配役からは漏れるのだった。
受付で・・・久未に挨拶する佳代。
同僚の受付嬢・我修院麗子(西崎あや)から関係を訊ねられた久未は答えに窮する。
皐山との打合せに向う途中で・・・別ドラマを収録中の志乃の楽屋を訪ねる風。
志乃のマネージャーの高井(ちすん)はガードが甘いらしい。
いや・・・高井も愛人候補枠だよな。
残り四人がすでに登場している可能性はあるものな。
マネージャー・タレントどんぶりかっ。おいっ。
局内のちょっとしたスペースでいちゃいちゃを求める志乃である。
「私・・・今日巻きそうなんだけど」
「ごめん・・・これから打合せ」
さりげなくかわす風だった。
そんな二人を美羽が見ていた!
欲求不満になった志乃へとバラエティ・ショー畑の番組プロデューサーである浦上紀章(水上剣星)がアプローチをする。
「食事でもどう」
「私も十九時にはオワルと思うんで」
このオワルのイントネーションが・・・意図的なのかどうかトリンドル玲奈の女優としての力量に関わる問題である。もともと・・・欧風的な顔立ちになんとなく訛っているギャップでスタートしただけに声量の問題と併せて・・・もう少し発声を鍛えるべきだよね。身体を張っているだけになんだかいつも可哀想になるのだ。
今回は心の声は訛っているくらいの冒険をしてもよかったのじゃないかな。
つまり・・・トリンドル玲奈こそ舞台にチャレンジするべきなのである。
いや・・・まだ仕掛けがあるかもしれんがな。
こうして・・・夜の舞台が整った。
風は・・・脚本家・皐山の部屋でピザを食べ・・・その他のメンバーは「もつ鍋屋」へゴーなのである。
もつ鍋屋の個室Aチーム。
不倫に悩む久未のためにアロママッサージ店勤務の文坂彩乃(佐野ひなこ)が用意した合コン会場である。
ちなみに・・・風の正妻は睦(若村麻由美)らしいのだが・・・。
久未に潜む九。志乃に潜む四なのかと思っていたのだが・・・皐山は・・・皐月・・・五月・・・つまり5が潜んでいる。
そうなると睦・・・睦月は一月で1であり・・・如野佳代は如月・・・二月の2、弥上は弥生・・・三月の3、相葉は葉月・・・八月の8、神田は神無月・・・十月の10になるわけだ。文坂は文月・・・七月の7の可能性があるわけである。
数字を並べてみると・・・一月の睦(正妻)、二月の佳代、三月の美羽・・・そして八月の志乃、十月の久未と・・・なんとなく交際順である。
つまり・・・文坂彩乃が七月の女なら・・・愛人としては久未の先輩になるわけである。
残されている月名は・・・卯月(四月)、水無月(六月)、長月(九月)である。
そこはスルーできなかったのか。
すみませんねえ・・・細かいことが気になってしまう悪い癖の人の登場が近いからな。
合コンの女子メンバーには食欲旺盛なスタンプドジッ娘の池上穂花(新田祐里子)もいる。
男性陣は・・・竹井(細田善彦)、松田(石井智也)、梅本(越川みつお)の三人で松竹梅である。
王様ゲーム展開で久未は馬乗りサービスを披露するのだった。
もつ鍋屋個室Bチームは志乃と浦上プロデューサー。
もつ鍋屋個室Cチームは佳代と美羽である。
部屋はCがABに挟まれているものと思われる。
騒々しいAチームを佳代が壁を叩いて黙らせ・・・Bチームが退出する時に美羽が二人を目撃するのだった。
美羽は見てはいけないものをつい見てしまうのだ・・・「リング」かっ。
「オーディション・・・落ちたんだ」
「演技力は尊敬に値するんですけどね」
「テレビ局の受付嬢なんだ」
「見てません」
「君はいい奥さんになれると思うんだ」
「美味しそうに食べるのは得意なんです」
「奥さん・・・知ってるよ」
「愛人は他に女優の志乃さんと脚本家の皐山先生」
「音楽の趣味が合うね」
「意外と大切ですよね」
錯綜するもつ鍋屋だった。
ここからは・・・商社マンの竹井に持ち帰られた久未と・・・浦上プロデューサーに持ち帰られた志乃の・・・ベッド・インまでが同時並行で描かれる。
「シャワーを浴びたい・・・汗かいたから」まではほぼやることは同じである。
志乃は結局・・・やってしまうわけだが・・・独身者との交際で「絶望の螺旋からの離脱」を試みた久未は失敗する。
竹井夫人(長谷川るみ)が挿入前に帰宅したのである。
クローゼットに隠れ・・・素晴らしいインターネットの世界で彩乃に「地獄」を報告する久未だが・・・結局、竹井夫人に発見されてしまう。
激昂する竹井夫人。
夫を責める前に泥棒猫を責めるのは定番である。
なにしろ・・・夫は持ち物なので・・・持ち物に怒っても仕方がないのだ。
持ち物を盗んだ人に怒りをぶつけるのが人情なのである。
「土下座しなさいよ」
「知らなかったんです・・・二度と逢いません」
惨めな久未だった。
打ちのめされた夜の道・・・打合せを終えた風とめぐり会う久未である。
原因とか・・・結果とか・・・そういうことはすべて忘れ・・・ただ風の胸にすがりつき泣き濡れる久未だった。
「かぜさあああああん・・・・おおおいおいおい」
絶望の螺旋で温もりを分け合うクズ二人なのだった。
カフェwhiteでは・・・店員たちが聴き耳を立てる。
眼鏡の夏美(森田涼花)は「不倫女がまた不倫」を察知し、秋子(松本穂香)は「クズはどこまでもクズね」と休憩に入る。
残された春江(寺田御子)は店長の冬樹(中山祐一朗)に囁く。
「私もクズなのかしら・・・」
「え」
お前たちもか・・・。
一方・・・妻帯者である梅本をラブホテルで四回頂上に導いたと豪語する穂花であった。
食欲だけでなく・・・性欲も旺盛だったんだな。
「私・・・そういうの気にしないんで」
最も性病に注意してもらいたい穂花である。
定期的に検査すると結果が出るまでドキドキするよね。
そして・・・久未は・・・美羽から・・・新たなるお誘いを受けるのだった。
「奥さんを見学してみない?」
こうして絶望の螺旋はぐるぐるまわるのである。
成海璃子という素晴らしい女優を堪能できるだけでもこれ以上なく素晴らしいドラマである。
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