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2016年10月29日 (土)

美しい王女と醜い魔女そして平凡な村の女(山田孝之)

女優・木南晴夏は「勇者ヨシヒコシリーズ」のムラサキを演じる由緒正しいヒロインなのである。

抜群の存在感と・・・独特の萌えるセクシーさで爆走してきたわけだが・・・今作では三十路に突入している。

ああ・・・永遠のヒロインであり続けることの難しさよ。

そう思う瞬間がないことを祈るばかりである。

いや・・・ゾンビにされたり、エフエフな人々に嘲笑されたりしつつ・・・まだまだキュートである。

前回、もう一人のヒロインであるヒサ(岡本あずさ)がとんがり帽子にマント姿をした武闘家の才能を持つ姫(中川翔子)に変身後に「ひとつ前の世界」に言及した時・・・パロディー元との関連で揺らぎが生じたように感じたのだが・・・・

よく考えれば・・・ヨシヒコのコスチュームは最初から「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」のパロディーだったのである。

つまり・・・基本は「V」なので「ひとつ前の世界」は「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」であり・・・そこに登場するアリーナが「ひとつ前の世界の登場人物」のパロディーであることに問題はなかったのだ。

おふざけの中での整合性も大切だからねえ。

「V」の発売は平成四年(1992年)である。

それでも二十年以上前の話なんだよなあ・・・。

時は過ぎ去っていくよなあ。

で、『者ヨシヒコと導かれし七人・第4回』(テレビ東京201610290018~)脚本・演出・福田雄一を見た。恒例の前座コーナーである山中の盗賊との遭遇では盗賊の前説(サンドウィッチマンの富澤たけし)が登場する。マエセツとは主に視聴者公開番組で・・・観客となる壁の花の皆さんに担当者が番組について前もって説明する段取りや説明者そのものを指す。番組収録は・・・あえて言えば「ハレの空間」である。日常(ケ)と非日常(ハレ)の転換のために・・・マエセツは・・・ケの衆にハレの世界の心得を明示しつつ・・・そこが晴舞台であることの暗示をかけていく。人気者が出てきたら必要以上に盛り上がらなくてはいけない空気を生み出すために・・・。マエセツは最近ではそれほど売れていない芸人の役回りである。もちろん・・・魔法使いとしての才能が要求される職種であることは言うまでもない。

「え~、これから山賊様が登場しますので・・・よろしくお願いします」

「何をだよ!」と勇者ヨシヒコ(山田孝之)を除く仲間たち・・・戦士ダンジョー(宅麻伸)、魔法使いのメレブ(ムロツヨシ )、村の女ムラサキ(木南晴夏)は不貞腐れてツッコミを入れるのだった。

「山賊様は登場しますと・・・それなりに武勇伝などを披露しますので・・・おそれいっていただけると幸いです」

「どうしてだよ!」

「当然、戦闘になりますので・・・適当に負けていただき・・・金品などを差し出して命乞いという段取りになっていますが・・・ここは土下座でお願いします」

「ふざけんな!」

しかし・・・ヨシヒコだけは一生懸命マエセツの指示に従う努力をするのだった。

仕方なく・・・ダンジョーはヨシヒコのいざないの剣で・・・マエセツを眠りに誘うのだった。

もっと「前もっての説明」を聞きたそうなヨシヒコを促し・・・旅を進める一行だった。

ヨシヒコ、かわいいよ、ヨシヒコである。

仏(佐藤二朗)が登場する。

なぜか・・・カップヤキソバ(大)と顔面を比較する仏だった。

「ペヤングフェイス」

「ペヤングって言うな」

「見分けがつきません」

「アフレコになっちゃうよ」

「アフレコとかいうな」

ボケとツッコミの判別し難いワールドである。

「タマを持つ人っていう言い方ね・・・修正したいと思います」

「なんでだよ」

「タマを持つ人って言ってみ」

「タマを持つ人」とムラサキ。

「そういうことが言える年齢になったのね」

二夜連続AV女優ではない女優に恥ずかしい言葉を言わせる脚本である。

バカリズムも福田雄一も品性において通じるところがある。

男だからだろ。

「玉を持つ人はギョクジンににります」

玉人を求めてサラゴナの村へ向かうヨシヒコたち。

ゲーム「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」においては大富豪ルドマンが娘のフローラと暮らすサラボナの街が登場する。

サラゴナの村には王のルドラン(大和田伸也)がいて娘のフロリア姫(山本美月)は病によって一年以上眠っているのだった。

フロリアはピンクの玉を持つ玉人だった。

巷の噂では山本美月は山田孝之の好みのタイプの芸能人らしい。

うっとりとフロリアの寝顔を見つめるヨシヒコなのである。

ダンジョーとメレブはたちまち・・・ヨシヒコの一目惚れを察知し、ムラサキはむかつくのだった。

「フロリアを目覚めさせるためには北の山のまもののにゃみだが必要なのだ・・・手に入れたものとフロリアを結婚させる」

言いづらい「魔物の涙」を入手してフロリアと結婚する気満々のヨシヒコである。

「魔物の涙を手に入れてフロリアと結婚しようレース」ではフライング気味に飛び出すヨシヒコだった。

「じゃあ・・・俺たちも行こうか」

「私・・・だるいから・・・行かない」

拗ねるムラサキにダンジョーとメレブは同情するのだった。

ゲーム「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」では主人公が花嫁として・・・幼馴染のビアンカとフローラのどちらかを選ぶ選択イベントがあるのだった。

何故か一部女性プレイヤーは萌えるらしい。腐ってやがる。

選択について「幼馴染を選ばないと風あたりが」などと言及するメレブである。

仕方なく男三人で魔物に対する。

森の中ではかわいいけれど兇悪な太鼓の達人のようなミミックに襲撃される三人。

「ブラズーレ」が有効だったらしい。

一方、スナック「メグ」で飲んだくれるムラサキ。

「メグ」のママは魔女(水野美紀)で恋仇の抹殺を唆す。

食べると十年眠る「ねむねむの実」をフロリアに食べさせようと「悪い女」の隈取を顕わにするムラサキだった。

しかし・・・「ねむねむの実のジュース」を作る間に時間切れとなってしまう。

正体を露わにした魔女は・・・「フロリアの血液を飲んで二十歳ぐらいに若返り、広瀬すずのようになるつもりだったのに・・・仕方ないから・・・お前の血で間に合わせる」

魔女によって緊縛されるムラサキである。

二夜連続・水野美紀だ。

雪乃さん愛好家もまた歳月を感じるのだった。

広瀬すずみたいな時もあったのになあ・・・。

「デスノート」のミサミサの監禁プレイ・ノーカット放映後の出来事だった。

サービスにつぐサービスだな。

北の山では実力派の魔物にアニメ・ヴァージョンで挑む三人。

新呪文「チアーズ」で山形県の女子大生チアガールを召喚するが目に見える効果はなかった。

仕方なく、作戦変更である。

「暮れもおしせまったある日・・・蕎麦屋に親子連れがやってきてだな」とダンジョー。

「泣かせる話攻撃か」とメレブ。

「蕎麦を二杯くれ」

「え」

「すみません・・・今日は完売で」

「ええっ」

「じゃあ・・・今から蕎麦の実から作れよ」

「えええ」

そんな話でも泣いてしまうヨシヒコだった。

ダンジョーの長い話は続き・・・。

「蕎麦の実を撒いた畑には・・・女の死体が埋まっていた」

「ひえええええええ」

「もう・・・泣ける話でもなんでもないからあ」

しかし・・・長い話に退屈した魔物はあくびをして涙がこぼれるのだった。

「チャンチャンかよっ」

こうして・・・ヨシヒコは「魔物の涙」を手に入れ・・・フロリア一点買いで・・・いつもの神父の教会で結婚式である。

なにしろ実写でメーテルになれる素材だからな。

どんなアップにも耐えるよね。

むしろアップで悩殺されるわ。

ダンジョーとメレブは魔女を撃退し、ムラサキを救出する。

「今なら間に合う」

「もういいよ」

「あきらめたらバタフライは聞けないぜ」

「魔王を倒すためだかんね」

結婚式場へと走るムラサキだった。

しかし、毎度お馴染みの「卒業」展開で・・・教会の扉をノックするのは・・・フロリアと結婚の誓いをしていた村の青年ラクトル(ガリガリガリクソン)だった。

「フロリア」

「ラクトル」

手に手をとって駆け落ちする二人である。

茫然と見送るヨシヒコだった。

ピンクの玉は残念賞だったらしい。

失意のヨシヒコと新たなる目的地を目指す仲間たち。

ヨシヒコの妹のヒサ(岡本あずさ)は今回・・・変化の杖で「全身ピンクの派手な衣装を着て写真を撮りまくる女」(林家パー子)に変身するのだった・・・。

いいぞ・・・ドラマ全体がいざないの剣と化している。

おやすみ前の一時に・・・毎日欲しいくらいだ・・・。

関連するキッドのブログ→第3話のレビュー

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受信: 2016年10月31日 (月) 17時13分

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